No.140420

『偽・悲恋姫†異聞録』15

Nightさん

GW特別企画、夜の便です
明日は絶影さん、私ともども日中の投稿が出来そうにないので
もう一便くらいは投稿するかもしれません

どなたか一人でも面白いと思っていただけたら僥倖です

2010-05-02 21:05:33 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5056   閲覧ユーザー数:4257

「御自分で私に預けておいて

 真名を預けた相手をお忘れになったのを、私のせいのようにおっしゃるのね。

 成程、そういうところは春蘭さんと姉妹、というわけですのね」

 

 笑みを浮かべたまま、流れるような足取りで上体を揺らすことなく

 

 矢を打ち払い

 

 あるいは避けつつ

 

 混乱した敵兵の密集地点へとその身を滑らせて行く。

 

 優雅な足取り

 

 やわらかい笑みを浮かべるドレス姿の麗が舞う。

 

 『魔王の軍』は誰一人、麗に近寄ろうとしない。

 麗が綺麗なターンを決めると絶叫と、血霧がその周りを包むことを、いやになる程見てきたのだ。

 方天画戟の一閃で突き崩し、その隙間に身を進めては優美にターンを決める麗

 遅れて回転する青いドレスのスカート。

 弓使いの秋蘭の鍛えられた目には、スカートから一瞬だけ延びる青く輝く6つのきらめきが見えた

 ・・・そして、半周遅れて振るわれ、被害の輪をもう一段広げる戟の一閃

 

 こと殲滅戦においては、こいつは呂布以上に性質が悪い・・・

「隊列を乱すな、恐れれば一気に食われるぞっ!」


 
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