No.86451

ショタ一刀のお祭巡り『この頭脳、貴方の為に…』

MiTiさん

皆さんお待たせ?しました。ショタ一刀シリーズの軍師達の話です。
できれば弓兵の人たちの話を一通り終わらせてからの予定が…
作者の都合でこっちが咲きに…とにかくどうぞ!

2009-07-26 03:08:11 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:15069   閲覧ユーザー数:10983

「それじゃぁ…これ!」

 

一刀が選んだもの、それは…一枚の紙の上で筆と剣が交差したイラストがかかれたもの。

『戦術闘議会』であった。

 

選ばれなかったメンバー、特に猪突猛進タイプの者達は揃って今の一刀には難しすぎると説得しようとするが、

口で軍師に敵うはずもなく…武力に訴えるのは璃々・一刀に禁止されていたためにあっさりと敗北。

 

他者の説得を跳ね除けて、一刀と祭の期間中の同伴権を得た三国の頭脳一行は早速祭りめぐりへ出発する。

 

 

さて、ここからは勝負までの空き時間を祭の各所を回って埋めていくんですが、

その祭めぐりの光景を最初は書く予定でしたがチョット変更させていただきます。

平和になってから一刀指示の下建設されましたとある施設で時間を潰す一行の光景を書いていきます。

その施設とは…[図書喫茶館]です。

 

[図書喫茶館]

分りやすく言うと…漫画喫茶と図書館を足して2で割ったようなもの。その恋姫verです。

扱っている蔵書に関しては、子供の落書張から軍師専用の兵法書まで多種多様。

古書だろうと廃書だろうと、何でもいいから店を運営できるくらいの本を片っ端から集めたらこうなりました。

一刀発案による学校制度や、漫画・同人文化の発展で利用者が減ることはない。むしろ増える一方。

好きなだけ本を読み、好きなときに飲食できるので、本好きのものにとっては正に天国のような施設である。

 

今回は祭の屋台めぐりの話は一切かけませんでしたが、そこはご了承ください…

では、本編を始めます。

 

 

 

『走り出したら…誰に求められない…』

 

会までどこで時間を潰そうかと言う話になり、図書喫茶館を誰よりも志望した人物。

それは…書物ジャンキーの別名を持つおっぱい軍師こと隠であった。

メンバーは一人除いて全員軍師、特に反対者はいなかった。んだが…

行くと決定するや、穏は後に煙を残して猛ダッシュ!ちゃっかり一刀を抱きかかえながら…

 

暫く呆然とした後、自分達も向かおうとしたときになってやっと一刀も連れ去られたことに気付いた他も慌てて追いかける。

 

 

図書喫茶館、どれくらいの大きさかと言うと…パチンコ店一件分?位はありそうです。

幅、奥行き、高さ。どれをとってもかなりでかい。

で…そのでっかい建物の扉をくぐって、その大きさにひとしきり驚いた後、穏の捜索を開始する。

 

捜索すること4、5分。ここにいますと強調しているようなものを亜莎が発見した。

そこにはピンク色の湯気を発している本の山があった。

お分かりかと思うが、本が湯気を発しているのではなく本の後ろにいる隠が発しているものだ。

回りこんでみてみると、そこには予想通りの光景が…広がっていなかった!?

 

本を手に持ち発狂+発情しているのは…ま~いつもの光景。

だが、その胸元にはいつもとは違う要素、一刀がいた。

発見時の一刀の状態は…進行形で襲われているところだった。

片方の手は常に本を握り締め、もう片方の手は絶えず一刀を抱きしめ、弄り、襲い続けている。

 

何故こうなったかと言うと…

最初隠が一刀を連れて行ったのは、彼に天界の本を教えてもらうためである。

ここには一刀が字の練習の為にと書いた天界、つまりは現代にある小説・漫画・映画などの話を書いた本が置かれている。

本好きとしては気になる一品であり、穏も例に漏れなかった。

入館して直ぐに館内を駆け巡り、目的の本をかき集め、積み上げ、読み続ける。このとき一刀を離すことは無い…

そして、読書発情モード発動!

荒い吐息に吹き付けられる耳、うねる体と手にくすぐられ弄られる身体…

抵抗することも、我慢することも出来ずに一刀はくすぐったくなり、感じてしまう…

年齢一桁の子供がそんなものに耐えられるはずもなく、程なくして意識を手放してしまう。

が、身体は反応し続け…今に至る、と…そんな感じです。

 

亜は迷惑にならない程度に声を上げて他のものを呼んで、自分は一足早く止めにはいることにする。

 

司書's view.

 

先程から止めるべきであるが止められない状態が続いていた…

止めようとすると猛獣のような目で睨まれ動けなくなってしまうのだ。

せめて襲われている子供だけでも助けようとするが、首から上はあの二つのスイカに挟まれ、無理やり引っ張ろうとすると大変なことに…

 

暫くすると、どうやら彼女の身内と思しき者達がやってきた。

その中の一人が本の裏側に回る。やっとこの状態が終わるのだと安堵した。が…

 

「ほら穏様、それ以上したら一刀様が大変なことn…って、ちょっ!?なにを、あっ、そんな、んぁ、あっー~-~!!」

ドサっ…コロコロ…

 

一冊分高くなった本の山…人の倒れた音と、山の後ろから転がり出てきた先程の人物の被っていた帽子…

嬌声が聞こえたことから察するに、彼女も餌食となってしまったのだろう…

 

そこに慌てて駆け寄ってきたのは二人の少女。我が国、蜀の軍師様の二人だ。

本の向こう側の下のほうを指差し驚き、少し上のほうを指差して更に驚く。

二人一緒に止めに入り、少年を助けようとする。が…

 

「は、は、はわわーーーーーーーー!?!?」

「しゅ、朱里ちゃっ、え?あぁ、あわわーーーーーーーー!?!?」

 

ドサ、バタ…コロコロコロコロ…ブシューーーーーー!!

 

更に高くなった本の山…二人の人物の倒れた音と転がり出てくる二人の帽子。

少々近くで見ていた人物(恐らく身内)から吹き出てくる鼻血…ま~優秀な掃除係がいるからいいか…

これで4人の人物がアレの餌食になってしまった…

 

次に立ち向かったのは頭に人形を乗せているあめを咥えた少女。

鼻血を噴出していた少女の後頭部を叩いた後、懐からある本を取り出す。

あ、あれは!?魏の曹操様著作の最新刊!しかも未発売の!?

その本を紐にくくりつけ、釣竿に垂らして本の山の裏側へ持っていく。

途端空気が変わった。吊り下げた本を横にずらすとそれに釣られて先ほどの空気の発生源である人物も出てくる。

吊り下げた本を、あろうことか窓の外に向かって投げた!?

 

「なっ、なんてことうぉーーーーーーー!?!?」

 

本を追いかけて行ってしまわれた…

こうして、少年は無事…とは言えないが救出され、事件は解決した…

 

view out.

 

 

『成年向け…』

※誰のセリフかわかりづらいところがあるかもなので一部書いときます。

 

ここは図書喫茶館の一画。その一画にはとある種類の本が集められている。

その種類とは…タイトルにも書いてある通り成年向けの本、分りやすく言うならば18禁の本である。

有名作家が書いた書物や無名の著者が書いた同人もの、

房中術、百合モノ、801モノetc…と、おおよそ18禁止と言われて考えうる全てのものがある。

 

その一画には、現代ならば区画整理により立ち入り禁止されるであろう容姿の二人の少女がいた。

 

「はわ…はわわ…こ、こんな太いものが男の人の…」

「あわわわ…ご、ご主人様も入れられると、こ、こ、こんな風に…」

 

その二人とは、蜀、いや、恐らく三国随一の桃色本塾読者…褒められるようなことじゃないが…

はわわ軍師こと朱里と、あわわ軍師こと雛里である。で…読んでるのは801モノ…

 

先も言ったとおり、区画整理がされていないので、二人がこの場にいて熱心に立ち読みしていようと咎める者はいない。

それは彼にも言えることであった…

 

「はわ!お、男の方同士で、せせせせせせっぷぷぷぷ…」 「ねぇねぇ、しゅりお姉ちゃん…」

「あ、あわわ~…こ、今度は男の人のお、おおおおし…を…」 「ねぇ、ひなりお姉ちゃん?」

「こ、こんなこと…ご主人様がもしもやったら…」

「ほ、本当に言うのかな?こういうこと…」

 

本を熟読するあまり、二人は自分達を呼ぶ声に気付けずにいた。

 

朱)「でもでも、ご主人様はこんなこと…こんなこと…」

雛)「するわけが無い…よね…?」

朱+雛)「「…………」」

「お、おにいちゃん…ぼ、ぼく、もうからだがあついよぅ…」

朱)「はわぁ!ダメでスダメでスダメです!!そんなこと考え(妄想し)ちゃダメ!!!」(妄想中)

「へっへっへ、なんだぁもうがまんできねぇってのか?それじゃぁ…いまからいれてやるからな」

雛)「あわわわ…ご、ご主人様と…一刀君ともう一人の男の人が…ダメダメダメダメ」(妄想中)

「それじゃぁ、いれるぜ。 んぁ、う…ああぁあ」

朱+雛)「「一刀君ーーーーー!?!?」」

「なに?」

朱+雛)「「…………え?」」

 

妄想に夢中になり、いよいよメインと言う所でその光景を妄想してはいけない、でもしたい…って所で自分達の声に反応があった。

見下ろしてみると、自分達が持つ801本の斜め下から本を見上げている一刀がいた。

本に書いてあるように、二人が妄想していた光景のように顔を赤らめているとか息を荒くしているとかは無い。きょとんとしている。

 

朱)「かかかか、一刀君!?え~っとどうしたの?」

「おなかがすいちゃったからね、お昼ご飯に呼びにきたの」

朱)「そ、そうだったんだ!それじゃぁいきませう!」

 

不自然、明らかに不自然である。二人が不自然に、と言うより焦っている最大の理由は、

 

「そ、それじゃぁ行きましょうね!!」

「そうだね、朱里ちゃん、一刀君行こうね」

 

この場所にいると言うことだろう。教育上に良くない。

ショタ一刀のような幼少期からこのような知識を得てしまうようでは非常に良くない。

だが、子供と言うのはいろんなものに興味を持ってしまう。今も二人が手に持つ本に視線は釘付けだ。

 

「そのご本って何?」

朱)「ふぇ!ええっと、その~…」

「なんで大人の人が子供のおし●とかいろんなとこ触ってたの?」

「あわ、あわわ…」

「なんでお○ん×んを入れてたの?」

朱)「見ちゃいけません、覚えちゃいけません、読んではいけません、今見たものは忘れてくださ~い!」

「ぶ~!なんでぇ?なんでお姉ちゃんたちはいいのにボクはダメなの~?」

雛)「それは~…その~…」

 

答えが返ってくる前に次々と出てくる質問。これ多に対し二人からはダメの一点張り。

ま~答える訳にはいかないのだが、そんな反応では一刀の不満は募るばかり。

頬を膨らませて不満を露にする。これは直ぐに解けたので、もう終わるのかと安心する。

が、

 

「それじゃぁさ、なんでからだが熱くなっちゃうの?中に出すってなにを?」

朱)「何で読めるんですかーーーーーー!!??」

 

本当なんででしょう?この世界に来たばかりのころの一刀でも読めなかった文字を読めてしまう。

これも薬の影響なのでしょうか?

まぁ些細な問題ですね。今重点を置くべきは一刀が質問してくる内容について。

今の一刀は本の内容に興味津々。イヤらしいものではなく純粋な疑問として。

期待に瞳を輝かせながら聞かれる二人は正に絶体絶命の状況。

 

そんな状況を救ってくれたのは…食堂のおばちゃんだった。

 

「は~い、今から『ばいきんぐ』の時間が始まりますよ~。招待券を持ってる人は食べ放題ー♪」

「バイキング!?やたー☆」

 

バイキングが何かは説明するまでも無いであろう。

おばちゃんの宣言を聞いた一刀の興味の対象は食事のほうへと移り、

本については綺麗さっぱり頭の中から抜け出ていった。

 

バイキングにはしゃぐ一刀の後姿を見ながら、二人は深~く安堵のため息を付くのであった…

 

 

『逃走者と追跡者…』

 

「風、風ー!?全く、どこに行ったのやら…」

 

一人の少女の名前を呼びながら辺りを見回すのはめがねをかけた妄想少女こと稟。

かれこれ5分くらいは探し続けている。

 

「全く…読むだけ読んで、本だけ放置してどこに行ったの?」

 

風は稟に手伝って(強勢)もらいながら本を集めていた。

普通なら却下する所だが、隠していたはずの十八禁艶本の在処を宝譿が連続暴露したことによりできなかった。

で、本を集めては読んで元に戻すということを繰り返していくこと早数時間。

風は、手には本を、頭上では宝譿が本を持ちながら、常人の4倍のスピードで集めた本を読んでいた。

溜まりに溜まっていった本の山を見かねた稟は自分もその山の中から読んでいっては戻していく。

 

それが数回繰り返された時、本を返却し終えてから戻ってみると風の姿がなかった。

お花摘みか何かであろうと思い、自分は読書を再会するが、暫く経っても一向に戻ってこない。

別の場所に移動して読書するのは構わないが、本の山を放置したままなのはいただけないと思って稟は風を探す。

そして今に至る…

 

case.1 囮作戦

 

本の山を中心に探し回っていると、風が作った山とは別の山が視界に入る。

そして、その頂からは彼女のトレードマークのひとつでもある宝譿の、何故か意味の分らない踊りを踊っている姿が。

(BGM:Caramell Dancen 踊り:ウッウッ(゚∀゚ )ウーマ)

 

「こんな所にいたのふ…う?」

 

そこにいたのは目当ての人物…ではなく、彼女よりもはるかに幼い少年、一刀であった。

彼の額の上には親友が常に乗せている人形ホウケイが。

本の山から乗り出して顔を見せている稟を一刀は?と言った感じで見上げる。

 

「あれ?稟おねえちゃん、どうしたの?」

「…あぁ、えっと風を探しているのですけど…ところでその人形は?」

「フウおねえちゃんなら、ぼくがこの人形乗せてみたいって言ったら乗せてくれてそのまま行っちゃった」

「…………」

 

無邪気に応える一刀とその頭上で踊るホウケイを見て、稟は深~くため息をついた。

 

case.2 移動梯子

 

情報提供してくれた一刀にお礼を言った後、再び捜索を開始しようと振り返る。

そして、一瞬だが本棚の間から彼女の姿を見つけた。

 

その場所に行こうと足を進めようとして、視界の端、先程とは別の本棚の間にまた一瞬彼女の姿が通過した。

 

「…どういうこと?」

 

疑問に思っていると、また別の場所に一瞬だけ風の姿を捉えることが出来ました。

館内の蔵書や棚の配置は、中心に読書広間。そこを円形に囲むように一定の間隔を置きながら本棚が置かれている。

館内の構造を思い出し、もしかしたらと思い先程風が通過した所の次の場所を見張る。

すると…予想的中。再び風の姿が通過した。

 

「やっぱりそうですか!となると、次に現れるのは…」

 

先回りするために私は足を進める。

通過した速度からして、恐らく走って移動していたのだろうと判断。

そして、目的の場所にたどり着き、数秒後彼女は現れました。予想外の光景で…

 

「ぉゃぁあーー。稟ちゃーん、ご無沙汰ああぁぁぁ~~……」

 

風は足を動かさずにかなりの速度で移動していた。

これは利用者の移動の手間を減らすために施したもの。本を取る為に使う梯子を横に移動できるようにすることで、

わざわざ梯子を下りては動かして、また上るという手間を省くために梯子が力を掛けずとも横に移動できるようにしてある。

 

風がそれを利用して移動しているというのならば、先回りして梯子を止めれば簡単に捕まえられるであろう。

そう考えて、梯子の移動コースで暫く待つ。んが…一向に現れる気配がない。

もしかして、梯子で移動するのをやめたのかと思ったが、違った。

 

梯子の移動する音を聞きやっと来たかと身構えるが、その本人は自分の真後ろに、

先程風が移動していた棚のもう1つ奥から梯子が移動してくる音を聞き、慌てて振り向いてみると丁度風が通り過ぎた所だった。

 

「…っふっふっふ…あくまで逃げおおせるというのですか…そちらがそのつもりなら…」

 

不敵な笑みと共に稟は風を捕まえることを決意する。だが…

 

case.3 回転本棚

 

長く続く本棚の通路。その真ん中らへんに立っている風を発見。

距離からして稟の足ならば走れば十分追いつく距離。それを確認した稟は全力疾走。

後数歩で彼女に触れると思った瞬間、本棚が飛び出し風の姿を隠した。

 

「な!?」

 

飛び出した本棚が元に戻ったとき、そこに風の姿はなかった。

その場初日がづいた稟は件の本棚を見て理解する。

 

「なるほど…こういう仕掛けだったのですか」

 

その場所は、床には半円が描かれ、円周の接点に位置する本棚は不自然に区切られていた。

本棚の端らへんを押してみると、円周に沿って本棚が移動、というより回転する。

長く続く本棚を迂回する手間を省くためのものです。

 

「まだそんなに経ってはいない…となると、そう遠くへ行っていないはず」

 

反対側に回った稟は再び捜索を開始する。で、肝心の風がどこに行ったかというと…

 

「ふっふっふー。まだまだ甘いのですよー稟ちゃん」

 

実は床の回転する部分に乗りっぱなしで、丁度一回転していたり…

 

case.4 重連部回多亜(エレベーター)

 

館の角に位置する場所にて風を発見する。

彼女は数人がやっと入れるような場所に柵で移動できない状態にあった。

何かを操作していたので、その仕掛けが動く前に捕まえようと全力で駆けつける。

そして、今回は追いつくことが出来た。

全力疾走のために荒くなった息を整えながら柵に手を置き、その向こうの風に語りかける。

 

「ハァハァ…やっと…ゼイゼイ…追い込みましたよ風」

「おぉ!これはこれは、大変お疲れの様ですねー」

「誰のせいですか誰の!?」

「それを言われますとちょびりと心が痛みますね~。ところで稟ちゃん」

「…なんですか?」

「そこにいると危ないかもですよ?」

「………え?」

 

最後の仕上げとばかりに風はレバーを下ろす。すると、風がいる小部屋が上に向かって上っていく。

呆然と見上げていると、小部屋は館の最上階まで行った所で止まり、小部屋から出てきた風が見下ろしながら手を振ってくる。

 

「それでは稟ちゃん、ご機嫌よー」

 

そして歩き出す。慌てて自分もそれを使ってあがろうとするが、既に次の利用者が…

自分も同じ方法で行けないと知った稟は慌てて、その真横にあった階段を駆け上がる。

 

長くなるので、重連部回多亜の構造についてはあとがきにて…ちなみに一刀発案、真桜開発です。

 

case.5 成人領域

 

暫く探し回って、稟はカーテンで仕切られた一画に入っていく風を見つける。

駆けつけてみると、カーテンの下のほうから風の足が見える。

どうやら立ち止まっているようなので、これは好機と思い駆けつける。

 

「やっと捕まえましたよ風!」

「おやー捕まってしまいましたねー」

「もう逃げられませんよ」

「はいはいー。風は特に逃げるつもりも隠れるつもりもないのですよ。

 それはそうと稟ちゃん」

「今度はなんですか?」

「今私達はどこにいるのか、お気づきでしょーか?」

「どこにって………プーーーーーーーーーーーーー!!」

「あれまー。追いかけるのに夢中になる余り回りに気付かなかったようで…」

 

風が入っていった場所。それは、現代ならば18歳以下立入禁止と書かれるような場所。

右を見ても左を見てもその手の表紙で埋め尽くされた場所。

何の準備も心構えもなくはいって行ったら彼女の場合どうなるか?

当然、こうなるだろう…

 

稟と風の鬼ごっこ、勝敗は…言うまでもないだろう。

そもそも何故このような事態になったのか?

元々、風に出しっぱなしの上積みあがり続けた本を片付けさせるのが目的だった。

それがいつの間にか逃げる風を捕まえようとすることに…

そのことに気付いた稟は諦めて自分で戻せば良いのではという考えに。

 

で、スタート地点。先程本が積み上げられていた場所に戻ってみるとそこには、

 

「…何故風がここにいるのですか!?」

 

一冊の本を開いている風と、その横で舟をこいでいる一刀がいた。

 

「何故といわれましてもー。一通り本を片付け終わりまして、少々時間も空きましたので、

 どうしようかと悩んでいた所を一刀くんに本を読んで欲しいといわれまして~」

「…片付け終わった?」

 

風がその場所にいることに驚いて気付くのが遅れたが、確かに、先程まであった本の山が綺麗になくなっていた。

これまでに書いたcase.1~4では、実は山になっていた本を片付けながら移動していたのです。

case.5は単なる近道にその場所を通っていただけ…

 

「ところで稟ちゃん」

「…なんですか?」

「ちょっとお花摘みに行きたいと思いますので、本を読んであげるのを代わって貰えないでしょうか?」

「ええ、わかりました」

 

風は稟に今まで読んでいた本を手渡し、稟はその本を受け取って風が座っていた場所に座る。

そして本を読み始めようとすると、横から重みを感じる。

 

「…一刀君?」

 

その重みの正体は、先程まで舟をこいでいた状態から本格的に寝てしまった一刀だった。

 

起してはいけないと思いつつ、これからどうしようか悩んでいる所で一刀の位置がずれて、

頭が膝に向かって下りてくる。そして完成しましたるは…膝枕!!

 

自分が動けない上多になったことに苦笑しつつも、温かい目で一刀を見下ろす。

 

そこで…追撃とばかりに、一刀が寝返りを打つ。頭を僅かに稟側に傾け、両手は揃って顔の前に来る格好。

見る武将達全てに愛くるしいと感じさせる一刀の姿を至近距離で直視してしまった稟は、

 

「あ…ああぁあ…あああああああ///」

 

料理を頬張っている恋を見ている愛沙のような表情で逝っていた…

そしてその光景を、風は本棚の隙間からのぞき見て、

 

「むう~…まさかあの役目を稟ちゃんに与えることになろうとは…不覚不覚」

 

自分が一刀に膝枕できなかったことをとても残念に思っていた。

 

 

『女王様といえば…』

 

ここは老若男女、平民貴族、来るもの拒まず去るもの追わずの図書喫茶館。

館に来た客には楽しく穏やかで過ごしてもらいたいという願いから、警備のものは少なめにしている。

そんな場所だからこそ、

 

「テメェラ動くんじゃねぇ!」

 

こういう輩も出てくるわけで…

 

金持ちが大勢いながら警備は薄いと来れば、賊にとっては格好の的というもの。

入ってきたのはヒゲ、チビ、デブの三人組の賊。

その賊は入ってくるなり、扉の近くにいる客を突き飛ばしては扉を閉じて簡単なバリゲートを張り、

近くに立っていた司書の名札をつけた女性を引き寄せ人質に取った。

 

「おめぇら、この女の首から血が噴出すところを見たくなかったら金目のもん全部出せや!」

 

首に短刀を突きつけながらヒゲが館全体に響き渡るような声で言う。

ここに集まっている客のほとんどは文官、学生、一般民。

力なき彼らにとって明日を生きるためには言うとおりにするほかなかった。

 

そんな中、軍師達は賊三人の様子を窺いながらこの状況を打破しようと考える。

自分達には大戦を潜り抜けた経験があり、戦場で皆の命を預かり指令を下してきた。

知識と僅かながらの武の心得、そして暗器などの武器がある。

これだけ揃っているならば、人質を助け賊も捕まえられるだろう。

 

作戦を立て、四方から賊を取り囲むように移動し、全員が配置につき突撃しようとしたそのとき…

 

「えいや!!」

キーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!

 

そこには、ヒゲの半分ほどの背丈の少年、一刀が男の急所を蹴り上げている所だった!

 

「NoooooooooooooooooHH!!」

 

子供の蹴りであろうと、その一撃は鍛えていない限り、男性にとっては改心の一撃。

傷みに耐え切れず、ヒゲは人質と持っていた短刀を手放し、股間を押さえてのた打ち回る。

皆が唖然とする中、一刀はヒゲの前で仁王立ちして説教開始。

 

「もぅ、おじちゃんたち!こんなところでそんなもの振り回しちゃあぶないでしょ!#」

 

と、そんな感じでいじめっ子いたずらっ子に対して怒っているように説教する。

周りのものは皆、な~んか違うようなと思いつつもある意味微笑ましい光景を見守っている。

だが、その油断がいけなかった。

 

「こんガキが!#よくもアニキを!!」

 

残る二人のうち、戦利品を集め回っていたチビが戻ってきて一刀の頭を鷲掴みに。

突然頭を捕まれたことに驚き、一刀は慌てて離れようとするが力が足りない。

せめて、これ以上嫌なことはされたくないからと手足を振り回すが、

掴んでいる腕を伸ばされたら、一刀の手足の長さでは届かない。

 

「うぜぇやつだぜ…とりあえず、アニキの敵を討たせてもらうぜ」

 

言いながらチビは後ろ腰に下げた短刀を抜こうとする。

そうはさせまいと、動こうとした武将達はまたしても信じられない光景を目の当たりにする。

 

武術の心得皆無の一刀は、チビに対してただただ手足を振り回しているだけ。

それは狙いも何もない攻撃。だが、その狙いのない攻撃は時として信じられない結果を生み出す。

一刀の手が当たろうと足が当たろうと大して痛くはない、はずだった…

痛くないというのは別に間違いではないが、そのあたった場所に問題があった。

それは間接、ツボ、腱、etc…と人にとって急所となる箇所。

一刀はその振り回した手足を上記した場所に当てていく。しかも無意識に。

一刀を押さえている手から始まり手首、腕、肘、肩と果ては全身の間接を外され、

力も入れることも出来ずに、チビは崩れる。が…一刀の無意識の攻撃はやむ気配なし…

 

一刀が無意識のフルボッコに夢中になっている最中、残る一人、デブが敵をうとうと飛び掛る。

 

「よ、よくもアニキたちをのしちゃったんだな!」

 

その巨体を活かして、圧し掛かろうとする。だが、

 

「それを黙って見ているわけは無かろう」

 

その突進は冥琳の振るう鞭の一振りで止められた。

自分の突進を止め倒した人物を確認すると、今度はその人物、冥琳に向かって突進する。

が、それを黙って喰らうはずはない。

 

まるで凶暴な蛇のごとく振るわれる冥琳の鞭はデブに反撃の暇を与えない。

いや…反撃どころか、その場から動くことも引くことも許さずただただ喰らい続けつしかない。

 

何十回と打続けて、そろそろ良いだろうと攻撃を緩めた所で、僅かに余裕を得たデブが喋る。

それは、力を失いながらも敵をうとうとする意思の現れ…ではなく、

 

「ハァハァ…も、もっと…もっとヤッテ欲しいんだな~!///」

 

見ていたもの全てに悪寒が走った。

特に冥琳はかなり不快に感じ、さっさと意識を奪おうと先程の2乗の速さで振るい、

止めに全身に鞭を絡め、それを思いっきり引くと、デブの手や足の全てがありえない方向へ向く。

 

「…嫌なものを見せるな#全く…」

 

………………

 

バリゲートが解かれ、雪崩込んできた警備兵に賊三人を任せて、冥琳は一刀に寄る。

 

「大丈夫だっ…どうした?」

 

特に傷つこともないく、二人の賊を倒した一刀。だが、子供からすれば身の危険を感じ恐怖したのではと心配する冥琳だが、

一刀は特にひどい目に合わされたことに落ち込んだりはしていない。

が…何故か冥琳に向けて尊敬や憧れの視線を向けてくる。

 

「すごーい!冥琳おねえちゃん、じょおうさまみたいでかっこよかった!!」

「そ、そうか?」

 

自分に向けられる視線に冥琳は満更でもない様な表情をする。

が、ふと疑問に思う。何故鞭を振るってしばき倒すのが女王様なのか?

普通なら女王と言われたら雪蓮、桃香、華琳の三名のような人物が当てはまるが、

いずれも当てはまらない(華琳は若干当てはまるが…)

 

「あ~、北郷?聞いていいか、お前の言う”女王様”がどういうものなのか」

「うん!えーっとねぇ」

 

近くにあった紙二枚と筆をとって、一刀は絵を描いていく。

時々冥琳を見ては描くことを続けているのから、絵のモデルは冥琳であることが分る。

そして、一刀が筆を振るうこと数分…

 

「できた!」

「ほう、それでは見せてもらおうか?」

「はい!」

 

差し出される二枚の絵のうち、まずは一枚目を見る。

そこには、モノクロ写真か!?と問いたくなるような画力で描かれた、

豪華ながらも雅で清楚な衣装を着た一国の女王様である冥琳がいた。

 

「(見事な画力。私もこのような格好をしたら…いや、あくまで呉の王は雪蓮。

 私はそれに生涯を共にしていく…だが、たまにであれば悪くは無いな)」

 

その絵を見ながら冥琳は自分がその絵のような格好をしたときを想像しながら頬を綻ばせる。

それから、もう一枚の絵を見た時…固まってしまった。

 

「これが、さっきおもったじょおうさまだよ」

 

否定して欲しかった答えを否定する答えが返ってきた…

そこに描かれているのは、先と同じくモノクロ写真のような絵。そこまではいい。

だが…描かれた絵は非常によろしくない。

吊り上げメガネ、身体のラインを否応無く強調するボンテージ、

素肌を隠す気が無い網タイツ、踏み跡をつけるために作られたハイヒールブーツ、そして鞭。

いわゆる、ソッチ系の女王様だった。

 

この絵を見て、どうどう?とどのような答えが返ってくるかを期待を込めた目で見てくる一刀を見て、

冥琳は引きつった笑みを浮かべながら悩む。

 

「(一枚目はともかく、二枚目に関してはなんと言えばいいか…)」

 

下手なことを言えば一刀が悲しむ。

自分の言葉で目の前にいる少年の悲しむ表情を見たくないとおもった冥琳は、

 

「絵が美味いな」

 

一刀の頭を撫でながら無難な答えで褒め称えた。それに対して一刀は満面の笑みを返した。

 

 

その後、自分の描いた絵を褒められたことを自慢しに行こうとしたが、

それは冥琳が全力で止めた。

 

 

『げに優秀な生徒ですこと…』

 

この館に来るものの目的は大きく二つに分けられる。

1つは読書。蔵書数膨大種類多様なこの場所ならば読む本に困ることは無い。

もう1つは勉強。その蔵書の中から自らの知識を得る、又は他者に与えること。

 

後者の数は、実は比較すると少なかったりする。

好きなことをしながら好きな本を読めるとなると、どうしても勉強のほうに頭が行かなくなってしまう。

 

だが、この人物、桂花はその数少ない後者に当たっている。

彼女は今目の前にいる少年、一刀に勉強を教えている。

 

何故桂花が一刀に勉強を教えているのかというと、

 

「ケイファおねえちゃん、なんのご本よんでるの?」

 

という言葉から始まった。

最初は若干鬱陶しく感じていたが、自分が何のためにこの本を読んでいるのかを思い出して説明してやることに。

 

「私はね、魏では私塾の教師として子供に勉学を教えているのよ。そのための教本を読んでいるの。

 (男である天の御遣いが書いた教本だっていうのは気に食わないけど…効率はいいのよね、悔しいけど)」

 

そう、それは一刀が発案した学校で使う教本を、元いた世界で自分が使ってきたものを思い出しながら作ったもの。

(実際はどうだったかは不明だが)この世界の教本だと文字の羅列がほとんどだ。

説明書きも、相手に確実に伝えようと少々長めの文に。

対して、一刀の書いた教本は説明文書きを少なめにして、代わりに挿絵を多めに入れている。

論より証拠…ではないが、ただ文章で説明するよりも、絵を用いてその現場を見て想像する。

文章を理解しようとするよりも、現場を想像するほうが頭には入りやすい。

そんな考えで一刀が書いた本を、桂花が読んでいた。

 

で、本を見せてみると、一刀が内容に興味を持ったらしく、覗いてくる。

一刀が発案した学校制度は魏でも取り入れられており、その教師役は三軍師が担っている。

この本の有効性を見るには丁度良いかと思い、桂花はチョクチョク教えながら問題を出してみることに。

 

すると以外にも、一刀は真剣に考えながら問題を解いていく。そんな一刀を見て桂花は気を良くする。

普段自分が教鞭を振るう生徒は、自分が勉強している自覚が無いのか、問題を出しても適当に答える。

それに比べて、一刀は自分が教えたことを、少しずつではあるが学習して問題を解いていく。

このように、自分が教えたことを身に付けてくれると言うのは良いものであった。

 

そんなこんなで、桂花は一刀に勉強を教えてやっているのだ。

その表情は、彼女の性格からは、男嫌いの彼女にしては驚くべきことに、晴れやかな表情だ。

 

そんな珍しい表情をしていれば、彼女を知るものにとっては、華琳に関わること以外で何がこのような表情をさせるのか気になるというもの。

特に普段反発、対立している者、春蘭にとっては。

 

「ほおぅ…おまえがその様な表情を華琳様の前以外で見せるとわな」

「し、春蘭!?…ええ、誰かさんと違って教えたことはちゃんと学んでくれるからね」

「なぁ!?…い、いくらちゃんと学ぼうともそれを使えなくては…」

「なら勝負してみる?私が勉強を教えた北郷君と春蘭のどちらが優れているか…」

「い、いいだろう!桂花なんかが教えた知識が通用するのか見てやろうではないか!!」

 

―テスト対決開始!―

 

…………

 

―終了―

 

ショタ一刀と春蘭の頭脳対決。結果は…一刀完全勝利、春蘭完全惨敗。

 

勝負が終了すると、そこには満面の笑みで一刀を褒め称える桂花と、

子供に負けるのは大人としての誇りが許さず、普段使わない頭を使って知恵熱を出して目を真っ白にした春蘭がいた。

 

その後、一刀はおトイレ(厠)に行くといって、その場を去っていく。

それを見ながら桂花は考える。

自分の男嫌いは、成長するにつれて余計な思考が付いてきて、そこから男が自分達女性に何を考えているのかを察してしまったが故に。

だが、まだ純粋で飾らぬ思考と思想を持つ幼少期から育て上げれば…

本能レベルで自分と主人である華琳を中心とするように育て上げたなら…

そんな将来を妄想して、桂花は思わず…ニヤリ…

 

それを実現させるべく、桂花は勝負に備えるのであった…

 

 

『彼女のそれは○次元ポケット?』

 

その時、一刀はある人物に視線を固定していた。

その人物とは亜莎。正確には彼女の袖に注目していた。

 

何故亜莎の袖を見ているのかというと、

それは、彼女が袖からモノを出している光景を数回目撃したからです。

筆を取り出し、墨を取り出し、竹簡を取り出し、暗器を取り出し使わずに仕舞い込み…

その光景を見て、一刀は未来から来たという青狸ロボットを彷彿する。

そして、ある疑問がわいてくる。

アニメだとポケットに突っ込んでいったら反対側に出るが、亜莎の袖に突っ込んだらどうなるか?

気になることは解明したくなる。これ人間の本能!

一刀は本能に従い行動する…

 

眼前の目標の状況を確認。

現在亜莎はレストランにあるテーブル席のような個室で読書中。

その集中力は半端なく、接近する一刀に全く気付かない。

呼びかけても反応が無かったが、一刀は構わず行動する。

 

まずは、手を突っ込んで中から適当に取り出す。

出てきたのは…ゴマ団子がいくつか入った袋。

先程昼食(バイキング)でも食べたし、別に言いやと言うことで入れなおす。

次に出てきたのは…予備の眼鏡。

試しに掛けてみると…右のモザイクの掛かった視界、左の普通の視界で視覚不調を起し慌てて外して元に戻す。

 

自分の真横で、自分の袖でいろいろやられているにも関わらず、亜莎が気付いた様子は無い。

それを確認した一刀は…突入!!

結果、驚くべきことに反対側の袖から!?出るはずも無く…

袖の端、つまりは行き止まりに当たって終わった。

 

少々残念に思う一刀。

期待と興奮が抜け脱力してしまい、そこに思った以上の袖の中の心地よさが加わって、一刀は猫の様に丸まって寝てしまう。

袖の中で…

 

 

暫く経って…

 

 

「ふぅ…大変面白かったです。天界の物語、流石です!

 まさかとは思いましたが、主人公でさえも指輪に魅了されるなんて…

 でも、良い結末でよかったです!」

 

長時間かけてやっと読み終えたのは、一刀が元いた世界で見た映画を本に書いたもの。

タイトルは『指○物語』(…微妙に伏字になっていないような…)。

著作権?この世界では一刀が始めて書いたことになっているから問題なし!(と思う…)

 

本を閉じて、元の場所に戻すために移動しようとした所、片手が異様に重くなっていて持ち上がらない。

何故?と思い見てみると、片手の袖が不自然に膨らんでいる。

 

一体何が?と思い中を覗いてみると、驚くことに、一刀が寝ていた。

何時の間に入ったのか?気付かないほどに読書に集中してしまっていたのか?

疑問はいくつかあがるが、このままでは身動きも取れないので、とりあえず一刀を起すことに…

 

「あのー、一刀君?こんな場所で寝ちゃってたら起きたときに体が変になっちゃいますよ?」

 

身体を揺すってみるが反応は無い。次に頬を突いてみるとわずかに反応があった。

顔に悪戯されることを眠りながら不快に思ってイヤイヤするがその仕草がなんとも可愛らしい。

そう感じて、暫く続けていたのだが、予想外の反撃を受けてしまう。

 

「ん~~~…ハム」

「っ!?」

 

眠っている一刀の無意識の反撃、それは…指をくわえる!!

指についてしまったゴマ団子の餡を舐め取るということはあれど、

このように口の中で舐めまわされ、吸い尽くされることなどまず無い。

初めての感覚に亜莎は身動きが取れずに、ただ悶えていた。

 

そこに、更なる追撃が…

 

無意識に、その口の中に入れたものの感触を堪能した一刀が…目を覚ます。

ところで、皆さんは二段ベッドで寝ていて起きた時に頭をぶつけた経験はありますか?

これは、起きた時に天井の位置が低いためにこのようになるのです。

で…今一刀が寝ているのは、亜莎の袖の中。

そこで起きて身体を起こそうとすると…ぶつかります。亜莎の腕や脇に…

普段人に触れられない場所は、大多数の人にとってのくすぐりの弱点でもあります。

亜莎も例に漏れず、自分の弱点を、それも指チュパされて悶えている所にやられたのだから…効果は抜群だ!

 

「○×△□※&%$*@っ~~~~!?」

「っぷはぁ…おはよーアーシェおねえちゃん…あれ?」

 

自分が原因であることも知らずに、袖から抜け出してきた一刀は、

目の前で顔を真っ赤にしながら頭上から湯気を出している亜莎を見て?を浮かべるのであった。

 

 

 

~あとがき~

 

いかがでしたでしょうか?図書喫茶館でのショタ一刀と軍師達のひと時。

 

それでは早速各話の作者の感想&プチ解説をば…

 

『走り出したら…誰にも止められない…』

 

穏ならではの話を書いてみました。山積みにされた本の裏では何が起こっていたのかは…

読者の皆さんの想像にお任せします♪

それにしても…本当に穏の、この現象って止められる人っているんですかね?

某金髪神族の「まままぁ♪」よりも性質悪いですよね…こっちはちゃんと対処したら帰ってくるから…

それに対して穏は…逝くまで逝かないと…

 

『成年向け…』

 

この二人の話といったら、やっぱりこの類の話は避けられないでしょう!

都合良く蔵書の中にあったとある本…それを読む二人…

そして、それを朗読する一刀!規制に関してはひらがなにすることで受け流す!!

 

『逃走者と追撃者…』

 

これでこそ稟だ!って場面は簡単に思いついたんですが、

風に関しては簡単に思いつきそうでかなり難しかったです。

とりあえず、いつのまにやら館に施された諸々の知識を得て、

それを当然のごとく使う風を書きました。

今回はこれで勘弁してください…風(ちなみに稟とコンビ)ルートではもっと彼女らしさを出すように頑張ります。

 

『女王様といえば…』

 

女王様ルックの冥琳…ヤヴァイ…鼻血が止まらない!?

今回はこんな感じで終わってしまいましたが、冥琳ルートではちゃんと彼女らしさを、

特に、意外と子供好きというか子煩悩な所をしっかりと書きたいと思います!

ちなみに、個人的恋姫ランキングベスト5に入ってます

 

『げに優秀な生徒ですこと…』

 

正直一番苦労しました…

ネタが思い浮かばないし、彼女らしさを消さずに行こうとするのも難しいし…

だが、全員のルートを書こうと決めたからには逃げるわけにはいかない!

ってな感じで、苦労の末こんな話になりました。

 

『彼女のそれは○次元ポケット?』

 

実際、坊さんとかは袖をポケット代わりにしていますが…まぁ幼い子供にそんな知識があるわけが無く。

袖に包まって寝ようか、中にもぐりこんで寝ようか…どっちにしようか迷いましたが結局こっちに。

実際には入れるのか?入った後出られるのか?という疑問はスルー!

こんな感じで一話ネタならともかく、彼女のルートでも美味く書けるかちょっと不安だったりします…

 

以上感想と解説でした。

次はいよいよ戦術闘技会の勝負の話。

どんな勝負が繰り広げられるかは作品が投稿するまでのお楽しみです。

とりあえず、文読んで解説して意見を言い合う、って感じの傍から見てつまらないものではありませんのでご安心ください。

 

次回投稿は上記の勝負編の予定です。

サバゲーの紫苑+桔梗、小蓮ルートはもうちょっと待ってください。

…軍師勢も出てきたから、ちょっとどころじゃないかも…

とにかく頑張ります!


 
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