何かを見上げていた孫策-雪蓮-が周瑜-冥琳-に話し掛ける。
雪蓮「ねぇ、冥琳あれ」
冥琳「どうした?雪蓮」
冥琳は雪蓮の視線の先を追う。
冥琳「ふむ、こんな昼間から星が流れるとは不吉な…」
雪蓮「あれ流星よね?冥琳」
冥琳「うん?ああそうだな」
雪蓮「あれどこに向かってるように見える?」
冥琳「どこに向かう?あれが落ちるというのか?」
雪蓮「例えばの話よ」
冥琳「ふむ。陳留の方に向かって行ったようにも見えるな」
雪蓮「ふーん、陳留か~……今回は華琳のところか……」
最後の言葉は冥琳に聞こえない声で呟く。
冥琳「?」
雪蓮「なんでもないわよ~♪」
冥琳「まぁ、雪蓮の考えが理解できないのはいつものことだからな」
雪蓮「ひっどーい!」
冥琳「ふふふ」
雪蓮「でね~冥琳。お願いがあるんだけど~」
冥琳「雪蓮がそう言い出すときは大概とんでもないことなんだがな」
雪蓮「ぶー」
冥琳「はぁ…。まぁいい、なんだ?」
雪蓮「ん~。これから行く盗賊退治さ、あれ私1人で行くから」
冥琳「なっ!!」
雪蓮が慌てて耳を塞ぐ。
冥琳「何を言い出すんだ雪蓮!!」
冥琳「たかが盗賊といえども、孫家の主が1人でなど…」
冥琳「聞いてるのか!雪蓮!!」
冥琳が雪蓮に詰め寄る。
雪蓮「聞いてるわよ~。もう固いんだから」
冥琳「しかしだな」
雪蓮「ごめんね、冥琳。でも今回は1人で行かせて?」
冥琳「雪蓮?」
雪蓮「誰にも見せたくないの、それにそろそろ我慢できなくなるくらい昂ってる」
冥琳が雪蓮の瞳を覗くと、今まで見たこともないほど雪蓮の瞳は暗い色をしていた。
冥琳「雪蓮……?」
雪蓮「ゴメンね、冥琳。我侭言って」
冥琳「しぇ、雪蓮の我侭などいつものことだろう…」
冥琳は普段の調子を保つので精一杯なほど、雪蓮の雰囲気に圧されていた。
雪蓮「じゃ、ちょっと行ってくる」
冥琳「あ、雪蓮!」
雪蓮「?」
冥琳「ちゃんと帰ってくるのよ?」
雪蓮は自分に怯えつつも、心配してくれる友に笑顔を向ける。
雪蓮「りょーかい♪」
手を振り、盗賊のアジトに向かう雪蓮を冥琳は黙って見送った。
冥琳「どうしたというの、雪蓮?」
冥琳の呟きは見送る友には届かず、風とともに荒野に消えた。
盗賊のアジトに到着した雪蓮は俯きながらも無造作に中に入っていく。
盗賊達が雪蓮に気付き驚きの声を上げる。
盗賊A「なんだ、テメェ!」
盗賊B「ここがどこかわかってんのかっ!」
盗賊C「顔上げろやっ!」
盗賊の1人が雪蓮に近づき無理矢理顔上げさせる。
盗賊C「おおっ、よく見れば綺麗なねーちゃんじゃねぇか」
盗賊D「俺達の相手でもしてくれるってのかwww」
盗賊の言葉に雪蓮は笑みを浮かべ、
雪蓮「そうね。全員で相手してもらおうかしら」
<ザシュッ!!>
言った瞬間雪蓮の顔を掴んでいた盗賊の首が飛ぶ。
盗賊B「なっ!?」
あまりに突然の出来事に盗賊達も言葉を無くす。
雪蓮「ふふふ」
盗賊A「テメェ! 何しやがる!?」
雪蓮「私の相手をしてくれるんでしょう?」
雪蓮「今、私はとても気分がいいの♪ 苦しまずに殺してあげるわ」
<ぶわっ!!>
突然雪蓮の体から暗い金色の氣が溢れだす。
盗賊D「ひっ! 怯むな!! やっちまえ!!」
盗賊 「おっ、おおっ!!」
盗賊達が雪蓮に群がるが、
雪蓮は笑みを崩さず、全て一太刀で盗賊達を絶命させていく、
一方的な狩りが始まった。
程なくして全ての盗賊が雪蓮1人によってその命を刈り取られていた。
雪蓮「くくくっ、あーはっはっはっはっ!!!」
盗賊達の屍の中心に立ち雪蓮は笑う。
体は盗賊達の返り血に濡れ、その瞳を暗い色を輝かせたまま。
雪蓮「ふふふ、やっと来た」
雪蓮「このときをどれだけ待ちわびたことか!」
雪蓮「でも華琳のとこかぁ~。ちょーっと手が出し難いかなぁ」
雪蓮「あ~あ、早く会いたいな~」
頬を紅潮させ、誰もいないしかし確実に陳留の方角を見つめ、
笑いが堪えられないと肩を震わせながら
雪蓮「ふふふふ」
雪蓮「あーはっはっはっはっはっはっはっ!!!」
「"今度"こそっ!」
「私のものにしてあげるわ!!」
「待っててね♪ 北郷一刀♪♪」
あとがき的な
たくさんのコメントありがとうございます!!
Re:TAKE 第4話でした。
雪連の役所ですが・・・、
現段階の予定で燃える展開にするには必要な役なので、
誰にするかは相当迷いました。
最初は凪にやってもらおうかと思ってたんですが、
ウチの凪はかなり強化してしまったんで
華琳様の敵回したときに相手できる武将がいない、
しかもこの役どころの最後(というか燃える部分)はもう決めてあったので、
真・恋姫無双で好きなキャラTOP3に入る雪蓮にやっていただきました。
一刀関係にだけ理性が無くなってしまうように
書いていけたらな~と思ってます。
また読んでいただければ幸いです♪
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Re:TAKE 第4話です。
ちょっと寄り道してますが、
読んで頂けたらうれしいです。