No.616970

一刀の晋王転生録 第五章拠点・美華

k3さん

美華の拠点です。
今回は瑠理と二つだけでこれで拠点は終わりになります。

2013-09-07 20:14:00 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1932   閲覧ユーザー数:1732

  拠点、美華

   「彼女達の正室と側室の関係」

 

 

「うぅー」

 

 美華はうなり声を上げている。その表情はとてもこの世のものと言えるか疑問に思えるほど歪んでいる。

 

「うぅー!」

 

 再びうなり声を上げる。そしてついに。

 

「うがぁー! 一君成分が全然足りないぃー!」

 

 美華は最近一刀との時間が大幅に減少していた。原因は側室達にある。

 

「……ふふ、フフフフ……オキュウヲスエルヒツヨウガアルワネェ」

 美華は早速四人を集めた。

 

 呼び出され、彼女を見た瞬間、四人は肝が冷える。

 

「四人共ぉー、随分の間、私と一君との時間を減らしてくれたわねぇ」

 

 江里香、闇那、澪羅、綺羅は身体が恐怖で振るえ上がる。

 

 側室になった後、舞い上がってしまった四人が、何かと一刀にアプローチを掛けていた。江里香が仕掛けた後は闇那が、その次は澪

 

羅、そして綺羅と言ったような流れなり、美華の一刀との時間が大幅に減少と言った事が長い間続いてしまい、ついに彼女の怒りが頂

 

点に達したのだと彼女達は理解した。

 

 ちなみに理奈は近々こうなると予測していたのか、一週間ぐらい前から一刀と時間を作っていない。

 

「も、申し訳ございません! まさかそのような事になっていたとは露ほどの知らずに」

 

「わ、私もそうだとは知らなかったんです!」

 

「お、お頭と話したいことがいっぱいあって」

 

「な、何となく分かってたけど、こうでもしないとあいつと時間が取れなくて」

 

 四人は何かと理由を言うが彼女にとっては言い訳にしかならず、そして彼女達も薄々そうであると気付いている。

 

「それでぇ?」

 

 ゆらり、と四人に対して、形容しがたい気配の当て方を強め、顔を近づける。それが止めとなった。

 

「ご、ごめんなさーい!」

 

 ついに四人は耐え切れなくなり、謝罪の言葉を口にしながら逃げ出した。

 

 が、どういう理屈なのか、逃げた先には美華が待ち構えていた。

 

「ウフフフ、ニゲラレルトデモ! オロカナ! サア、オシオキノジカンヨ!」

 

「ひぃぃぃぃ!」

 

 四人の悲鳴が洛陽に木霊した。

 四人は何をされたのか。これ以降、彼女を「美華様」と反射的にそして徹底して呼ぶようになり、彼女には決して逆らう事はしなく

 

なったと言う。

 

 理奈ですら、江里香にこの出来事を聞いただけで冷や汗をかく。

 

「それは、流石に御免被ります……」

 

 彼女もこれ以降、美華の制裁が来ないよう彼女と相談するようになり、時間を念密に計画するようになった。

 

 ちなみに瑠理は、彼女と和解した時点で既に彼女と相談して決めている。

 

 こうして美華は自分と側室達、そして瑠理の一刀との時間の過ごし方を支配。名実共に、生涯一刀の一番であり続けたと言う。


 
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