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一刀の晋王転生録 第三章四話

k3さん

少し遅れました。申し訳ない……

2013-03-24 20:19:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3290   閲覧ユーザー数:2930

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

 一刀達司馬家は六度も敵とぶつかっていながら今だに決着が付けられないことに少しずつ焦りを覚え始めてき

 

た。

 

 焦る原因の一つは戸惑い。

 

 彼らは実戦で此処まで戦って決着がつかず苦戦したことが今まで無かった。互角に渡り合う敵と戦うのは今回

 

が初めてである。今までに無い経験、故に戸惑いを覚えるのは無理も無いことと言えるだろう。

 

 そしてもう一つ、長安と洛陽の様子が気がかりだということである。

 

 洛陽、長安の状態は以前よりは良くなっているが安定はしていない。こうして苦戦している間に何かが起こっ

 

ているかも知れないのだ。

 

 だからこそ次で終わらせたい。否、終わらせなければならない。

 

 しかしそうしようにも、敵の本陣以外にも武器庫や兵糧庫にも計略をしかけると言った策はすでに実行してお

 

り、全て敵に防がれている。

 

 ならばどうするべきか……

 

「次で終わらせてみせる……次は――」

 

 考え抜いた末に瑠理が出した策が皆に伝えられる。

 そして七度目の激突。

 

 両陣営の中央でまたもぶつかる。

 

 司馬・馬連合の先鋒は恋と華雄である。

 

「来い……」

 

「かかって来い!」

 

 積極的に前線出て二人は奮闘する。

 

「行きます! 皆さん! 恋さん、華雄さんを援護します!」

 

「恋殿に続くのです!」

 

 月、音々の軍も恋、華雄に続く。

 

 しかし彼女達の奮闘はさらなる敵の援軍を呼ぶ。時間が経つに連れ彼女達は押され始める。だが……

 

「司馬師隊、中央を攻める」

 

 そこに瑠理が援軍に向かう。そしてまた敵は援軍を出す。

 

「鄧艾隊、瑠理様の援軍に向かいます!」

 

 今度は江里香が中央に向かう。再び敵から援軍が出る。

 

「王濬隊も行くよ!」

 

 さらに此方も澪羅が彼女達の援軍に向かう。

 

 援軍が援軍を呼ぶ。中央の戦は今まで以上の激戦となっていた。

 

 だが少しずつ均衡が崩れてゆく。

 

 押しているのは司馬・馬連合だった。

 

 その様子を姜維は遠くから見ていた。

 

(奴らめ……軍略で互角だからと言って力押しと来たか!)

 

 彼は今回の司馬家の戦いをこう考える。

 

 六度もぶつかりながら軍略での戦いはどちらもあまり成果を上げていない。

 

 ならば軍略競いは止め、犠牲は増えるが敵の策に注意しながら力で押したほうが有利と考えた。

 

 何故力押しのほうが有利か? それは将の質だろう。目の前の光景がそれを証明している。

 

 少し前から彼は感じていた。将の質は若干此方が下だろうと。

 

 そして相手も同じように感じている、そうでなければ説明がつかない。

 

(単純で軍師としてはどうかと思うが……だからこそ厄介だな……しかももう一人の男の方の司馬家の奴と馬家の

 

 奴らもまだ見えない……つまり奴らはまだ援軍を出せる余地があるという事だ)

 

 此方もまだ援軍は出せるがそれでもこのままだと中央を制され負けてしまうことは目に見えてきた。

 

(さて、どうするか……)

 

 彼はこの状況をどう対応すべきかを考える。

 一方、中央に見えていない一刀と馬騰達なのだが中央の援軍の準備をしていなかった。

 

 何と、彼らは中央から目立たないように敵本陣に進軍していた。

 

(敵のほとんどが中央に向かったのなら奇襲を仕掛ける、そして本陣に多く残るようならそのまま待機……)

 

 今回瑠理が取った策は最初と同じく敵本陣への奇襲する事だった。

 

 だが最初と違うのは、両軍の力を把握できているという事と、敵も恐らくそれを分かっているという事だ。

 

 優秀な指揮官は甘い考えはしない。此処まで互角に渡り合っているという事は此方の力を認めているはず。そこ

 

で今まで以上に中央に将兵を向かわせいるとなれば力ずくで中央を制しようとしていると思うだろう。そう思わせ

 

る事が瑠理の狙いだった。

 

 優秀な軍師がまさか防がれた事をもう一度行うなど考えもしないだろう。故に今回の奇襲は成功する確率は高い。

 

 さらに今回は見破られて中央に将兵を送るのを躊躇った場合の保険があった。この場合は本当に力ずくで中央を

 

制するというものである。軍の力が此方が上ならば、犠牲は増えるが実現可能だろう。そしてしかる後、敵の本陣

 

を攻撃、その際奇襲するための一刀達の部隊はそのまま本陣攻略のための伏兵として使うという算段なのだ。

 

 一刀はどちら行動を取るべきかを敵の本陣が見える位置まで来たときに判断するのだ。

 

 そして……

 

(敵本陣の数はそんなに居ない……なら!)

 

 一刀は決断する。

 

「このまま本陣に奇襲を仕掛ける!」

 

 一刀は全員にそう伝えるとすぐに行動は開始された。

 

 本陣に近づくと騒がしくなった。どうやら本陣に残った兵達が一刀達に気付いたようだ。

 

「いいか! 敵が戻ってくる前に本陣を落とすぞ!」

 

 だが一刀達は早かった。

 

 相手の体制が整う前に一気に本陣に到達。やはり敵の数はほとんどが中央に向かっているため多く無かった。

 

 一刀、馬騰親子が中心となって敵を斬り捨てて行く。五胡の兵達は大した戦いが出来ぬまま倒される。

 

 ――程なくして本陣にいる五胡の兵は倒されるか逃げたかで居なくなっていた。

 

「どうやら無事制圧出来たようだね」

 

 部下達が本陣の確認をしている最中に馬騰は一刀に話しかけた。

 

「これで大勢は決した、後は奴らを追い出すだけだ!」

 

「ええ、そうですね……」

 

 彼女は機嫌良くなっているが、対して一刀は浮かない顔をしていた。

 

(なんだろう……この敵が本陣にしている拠点……何か変だ?)

 

 違和感を感じていた。しかしその何かが分からず首をかしげる。

 

(気のせいか? それとも……)

 

「馬騰殿、申し訳ないが俺も此処を見ておきたい」

 

 疑問の解決のため、一刀は馬騰と離れ自身も拠点の確認に回る。

 

 ――しばらく見て回っても特に何も無かった。

 

(やはり目立ったものは何も無いな……ん? 何も無いだと!)

 

 一刀はようやく違和感の正体に気付いた。そう、何も無い(・・・・)のだ。

 

(なぜ何も無い!? 予備の武器は!? 鎧は!? 矢は!? 何故一つも無い!?)

 

 違和感は嫌な予感と変わる。自分達の部下が回収してしまったかを確認するため一刀は作業をしていた小隊長の

 

一人に声を掛けた。

 

「これは司馬昭様! 一体どうなさったので?」

 

「一つ聞きたい、お前達はこの拠点に武器が置かれていたのを見たか?」

 

「いえ……妙ですね……」

 

 どうやら回収はしていないようだ。予感はさらに強まる。

 

「他に何か妙なことは無かったか?」

 

「そういえば部下の一人に言われて気付いたのですが拠点の外側に藁や草が多いような……」

 

「な!?」

 

 一刀は奇襲を掛ける時の拠点の様子を思い出す。確かにそういったものがあったような気がする。

 

(これは……不味い!)

 

「司馬昭様!?」

 

 予感は確信と変わってしまった。一刀は小隊長の言葉に反応せず、すぐに馬騰の元に向かう。

 

「ん? どうしたんだい司馬昭」

 

「馬騰殿、これは」

 

 罠だと言う前にそれは起こった。

 

「ひ、火矢だ! 火矢が飛んできた!」

 

「う、うわぁぁぁぁ!」

 

 一刀達の周りは炎に包まれた。

 第四話

  「五胡撃退戦 姜維の火計」


 
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