No.485994

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第七十六技 ミッションコンプリート!

本郷 刃さん

第七十六話です。
今回で「釣り編」は終了です。

では、どうぞ・・・。

2012-09-19 08:45:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:12541   閲覧ユーザー数:11775

 

 

 

 

 

 

第七十六技 ミッションコンプリート!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

―――ズシン、ズシン!

 

俺が釣り上げた魚はなんと立ち上がりだし、俺の方を向いて走り出した!

 

「お、ちょ、まっ!?」

 

超巨大魚はどうやら肺魚なのだろう、地面を普通に走り追いかけてくる。

 

あたりを見回すと見物人達はすでに逃げており、物陰に隠れたりしている。

 

ちなみにアスナもちゃっかりと隠れていた。

 

「キ、キリトさん!? 早く物陰に!?」

 

「キリトくーーーん!」

 

ニシダさんは焦りながら俺に隠れるように言ったが、アスナは元気よく手を振っている。

 

おい、心配の一つもなしか…。

 

いやまあ、心配はあまりされたくないし、信用されているということだからいいか。

 

どちらにしろこの魚を何とかしないといけないからな。

 

「仕方がないか…」

 

俺は奴から逃げながら装備欄を操作していき、『エリュシデータ』を装備する。

 

準備が整ったので俺は逃げるのをやめて、今度はこちらから向かっていく。

 

「悪いが…、一撃で決めさせてもらう」

 

魚の懐に入り込みソードスキル《ファントム・レイブ》を使用して、六連撃の攻撃を行った。

 

その攻撃は全て命中して魚のHPは一瞬で0になって消滅した。

 

「へぇ~。レアモンスターだったのか、こいつ」

 

倒してみると下層のモンスターの割にそれなりにいい経験値を貰えた。

 

俺が巨大魚を倒すのを見て見物客達が溢れんばかりの歓声を上げた。

 

そんな中でアスナとニシダさんがこっちに向かってきた。

 

「キリトくん、大丈夫?」

 

「大丈夫でしたか、キリトさん!」

 

「ニシダさん。これあの魚がドロップしたレアアイテムと魚肉です」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

近づいてきたアスナとニシダさん。俺は魚から手に入れたレアアイテムと魚の肉をニシダさんに渡した。

 

俺が持っているよりもこの人が持っているほうがいいはずだしな。

 

「それはそうと……アスナ」

 

「は、はい!」

 

俺に呼ばれてアスナが体をビクッとさせた。ちゃんとわかっているようじゃないか。

 

「アスナ。俺はあの魚を釣り上げたり、退治した苦労を労ってほしいんだ……」

 

「(ゴクッ)」

 

アスナは喉を鳴らしている。俺は彼女の耳元に口を寄せてからこう言った。

 

「夜は楽しみにしてるからな……」

 

「あ…、は、はい…/////////」

 

俺の言葉にアスナは顔を真っ赤にさせた。

 

ニシダさんはよくわかっていない表情をしていたが、俺とアスナの会話が終わったと思ったのか話しかけてきた。

 

「いや~それにしてもお強いんですね、キリトさんは」

 

「いえ、そんな…」

 

まあ、最前線にいたからこれくらいはな。そんな風に考えていたら…。

 

「あの、すいません」

 

「はい。なんでしょうか?」

 

一人の青年が話しかけてきた。これはまさか…、

 

「やっぱりそうだ! 【黒の聖魔剣士】のキリトさんですよね! 俺、大ファンなんですよ!」

 

やはり、バレてしまったか。まさか上の層のプレイヤーが来てたとは、誤算だった。

 

アスナも少々苦笑いをしている。すると青年はアスナの方にも気づいてしまった。

 

「あ、血盟騎士団の元副団長、【閃光】のアスナさんですよね!

 うわ~嬉しいな、アスナさんにも会えるなんて…。あれ?

 お二人がここにいるってことはもしかして……」

 

俺とアスナは少しだけ目を合わせた。青年はそれをみて悟ったらしい。

 

「結婚、したんですか……」

 

青年は少しの間呆然としていたが、なぜだか表情が輝き始めた。

 

「うはー! おめでとうございます、お二人共!

 俺、キリトさんとアスナさんなら絶対こうなるって信じてましたよ!」

 

この人はなんて言った。こうなることを信じてた?さすがの俺も混乱してきたんだが。

 

「あの、それってどういうことだ?」

 

「ああ、すいません。実はお二人の事は前々から噂になってたんですよ」

 

「「えっ?」」

 

青年に訊ねてみると、そんな言葉が出てきて、俺とアスナは同時に困惑した。

 

噂になっていた? 俺達が? マジでどういうことだ。

 

「それってもしかして、俺とアスナの関係の事か?」

 

「はい。恋人同士だとか、天然カップルだとか、すでに結婚しているとか、そりゃもう色々と!

 でも、嬉しいですよ。俺としてもホントに!」

 

どうやらこの青年はファンである俺とアスナがくっついたのが嬉しいらしい。こういう人も珍しいと思うがな。

 

「あの、私達がここに住んでいる事はどうか秘密に…」

 

「勿論ですよ。お二人の生活の邪魔なんてしませんし、させるつもりもありません! なあ、みんな?」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

アスナの言葉に青年は意気揚々と答え、他の人達も声を上げた。

 

させるつもりもないって、なにからだよ。というかこの人みたいな奴が他にもここに居たのか。

 

今日は驚きばかりだよ…。

 

この後、少々混乱しているニシダさんと少し話して今日のイベントは終了した。

 

ミッションコンプリートだ!

 

それと魚肉はアスナが料理してみんなで美味しく頂いた。

 

ちなみに夜はアスナと一緒だったよ(ニヤリ)。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

「釣り編」終了です。

 

次回の話しは本作オリジナルの話しになります。

 

それではお楽しみに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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