第七十七技 俺の(わたしの)名前は…
キリトSide
今日、俺とアスナはゆったりと一日を過ごしている。
昨日の主釣りイベントもあってかゆっくりしたい気分だったのだ。
朝は二人で散歩に出かけて、昼食をとったので今は休憩しているところだ。
「はぁ~。日差しが心地いいな~」
「そ~だね~」
俺もアスナも二人揃って垂れている(たれキリト&たれアスナと命名)。
昨日と同じく、穏やかな快晴なので二人でベッド(キングサイズ)に横になって日光浴ということだ。
「なぁ、アスナ…」
「な~に「ん…」んっ…」
俺はこちらに顔を向けたアスナに軽くキスをした。ほんの少しの事で、心が満たされる。
「へへ~。キリトくんのキスだ…///」
アスナは顔を紅潮させながらも少しだけにやけている。
俺はそんなアスナが愛おしくて堪らなくて、優しく抱き締めた。
「あ…、えへへ~///(ギュッ)」
アスナも俺の体を抱き締めてくれる。
故に俺はアスナの事をもっと知りたくなった。アスナの全てを…。
たとえそれが本来は
「キリトくん?」
「アスナ……。俺はアスナの事が知りたい。教えてほしいんだ。向こうでの事を全部…」
そう、リアルの話しをする事はこのデスゲームが始まってからは禁忌とされてきた。でも、俺は……。
「俺は、アスナとの関係をこの世界のものだけにするつもりはない。向こうに戻っても君を想い続けたいから」
「キリトくん……。うん、教えるよ。だから、キリトくんも教えて。わたしもキミを想い続けたいから…」
俺達は自分の全てを話す事を決めた。
「なんだか、改めて話すとなると緊張するね///」
「はは、そうだな」
俺も少し緊張している。改めて、面と向かって自己紹介というのは少し照れる。
まあ、こういうのは男の俺から言うものだよな。
「それじゃあ……『
「えと、『
キリトくんの方が年下だったんだね。わたし、年上だと思ってた」
「そうみたいだな…」
俺は他のプレイヤー達からも外見よりも年上だとか、年齢不詳とか言われているらしいからな。
「えっとほかには……」
アスナが何を話そうか悩んでいる様子だ。やはり俺から喋った方がいいな。
「俺は母さんと妹との三人暮らしなんだ。父さんはあの時は出張中だった」
「わたしはお父さんとお母さんとお兄ちゃんの四人家族なの」
アスナも四人家族なのか。まあ俺は大分特殊だけどな。
「といっても、俺は家族とは正しい家族じゃないけどな」
「えっ?」
「俺の本当の両親は俺が赤ん坊の時に交通事故で死んだよ。
今の両親は本当の母さんの妹、叔母なんだ。ま、俺にとってはどっちも大切な親だけど」
「キリトくんはそれを教えられて、どう思ったの?」
「えっと、俺は教えられたんじゃなくて自分で暴いたんだ。10歳の頃に住基ネットの抹消記録に気が付いて…」
「………すごいんだね。キリトくん」
アスナは呆然としている。たしかに普通は10歳の子供がそんな事はしないが俺だしな。
「わたしは……その、一応お嬢様だったの。エリートコースっていうやつで…、両親が求める事に従って生きてきたの……。
だから、この世界に閉じ込められてからはすごく辛かった。でも、でもね、いまは違うの。
キリトくんのお陰で今は自分の思うように生きてるよ///」
「そうか…」
アスナも色々あったんだな。でもそれを知ることが出来て、すごく嬉しいと思った。
そのあとも俺とアスナはいろんな事を話した。
好きなものや嫌いなもの、誕生日や趣味、他にもいろいろなことを話した。
こうして俺達は、本当のお互いを知った。
余談だが、好きなものでお互いの名前を言った時は嬉しかった。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
ほのぼのかつ今後の展開に繋がる話にしました。
簡単に言いましょう・・・この話し、フラグです。
これが最終話に繋がる鍵となります。
ちなみにネタバレですが、本作は75層の攻略では終わりません。
かといって80層以上も書く気にはなりませんのでそこらへんで最終話が来ると思ってください。
ではでは・・・。
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第七十七話になります。
今回はオリジナルの話しです。
どうぞ・・・。