第九技 美しき技、圧倒的な力
アスナSide
もう少しでダンジョンボスのいる大広間なのだけど、少し様子がおかしい。
「あの、団長。少しいいですか?」
「なんだね、アスナ君?」
「もしかしたらお気づきかもしれませんが、モンスターの数が少なすぎじゃありませんか?」
「ふむ、君もそう思うか。私もこの大人数なのにこの数は少なすぎると思う」
そうなのだ。
大人数での行動時はモンスターとのエンカウント率が上がるはずなのに、ほとんどエンカウントしていない。
「ボスの広間にいけばなにかわかるかもしれないな」
団長は皆に急ぐように呼びかけて、足早に行動した。私もそれについていく。
大広間の前のエリアに着いたとき、一人のプレイヤーが声を上げた。
「お、おい! ボス部屋で誰か戦ってるぞ!? し、しかも一人で!?」
その言葉に私だけでなくここにいるプレイヤー全員が驚愕の表情に変えた。
「そ、そんな無茶苦茶な!?」
「早く助けに行かないと!?」
他のプレイヤー達も言葉を上げてから、矢継ぎ早に準備を始める。
「みんな、急ぎ準備を終えて中のプレイヤーの援護に向かうぞ!」
団長の指示のお蔭で迅速に準備を終えた。
「では、行くぞ!」
集まったプレイヤーが次々に大広間に入っていき、私もボス戦に緊張しながら他の団員達と一緒に大広間へと入る。
そこに待ち受けていた光景は………。
「な、なに…これ……」
私は呆然として呟いた。
大広間の中にはこの38層のボスと共に出現する〈リザードマン〉の体が約30体は転がっていた。
どれも、ポリゴン化を始めて消滅しようとしていた。
その中央では一人の、それも私と変わらないくらいの少年がボスモンスター、
〈The
〈The lizardman-Megiddo〉は巨大な剣と盾を装備していて、
鎧を着こんでおり、真紅の鱗は非常に高い強度を誇っている。
すぐに援護に行かなければならないのに、誰もが足を止めてその戦いに魅入っていた。
「疾っ!」
戦っている少年は素早く動き、足元に入り込むとすぐさま剣で切り払いを行って足にダメージを与えた。
―――グギャァァァッ!
切り払いのダメージで足のバランスを崩したボスにソードスキル《ダブルストライク》を使って、頭部に攻撃を繰り出した。
その攻撃がクリティカルヒットとなり、大ダメージを与えている。
「はあぁぁぁぁぁ!」
さらに、剣を持つ右腕の鎧の隙間にソードスキル《ヴォーパルストライク》を放って右腕を切断した。
―――ガアァァァァァッ!
ボスは右腕を失っても立ちあがり左腕の盾で殴りつけようとしたが、
彼はそれを躱してからソードスキル《ラピッドスター》で盾を下部から切りつけると、
殴った拍子の勢いでボスの体勢がさきほどよりも大きく崩れた。
彼は飛び上がってからソードスキル《ダウンスラッシュ》を正面から放って、ボスを真っ二つにしてしまった。
私は舞うように戦った彼に対して凄いと思った。それと同時に恐怖すら感じてしまった。
そんな、感想を抱いている間に〈The lizardman-Megiddo〉はポリゴン化して消滅した。
戦いの終わった彼は必要な分のドロップアイテムを手に入れていた。
「ふぅ……終わったぞ」
いきなり喋りかけてきた彼に団長を除いて全員が体を少しはねさせてしまった。
彼は一体何者なのだろう? ただ、それだけが私の中に渦巻いていた。
アスナSide Out
To be continued……
後書きです。
名前は出ませんでしたが、我らがキリト君ですw
最初の無双でしたがいかがでしたか?
うまく書けているといいですが・・・。
それでは次回まで過去回想編が続きます。
ではまた・・・。
オリジナルスキル説明
ソードスキル《ダブルストライク》
早い段階で覚えられる二連撃を行う威力のあるスキル。
ソードスキル《ダウンスラッシュ》
初期の段階ではかなりの威力が出せるスキル。
大振りで当たりにくくもあるが、当たれば大ダメージとなる、縦一閃の技。
オリジナルボスモンスター
〈ザ・リザードマンメギドス〉オリジナル
リザードマンのボスモンスター。真紅の鱗に鎧を着ていて、右手に剣、左手に盾を持っている。
38層にて出現。
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キリトの戦闘シーンがあります。
上手く書けてるか不安ですよ・・・。
ではどうぞ・・・。