No.453339 SAO~黒を冠する戦士たち~ 第十技 黒の剣士本郷 刃さん 2012-07-15 13:46:40 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:22943 閲覧ユーザー数:21458 |
第十技 黒の剣士
アスナSide
「……あれほどの戦いを行えるとは見事なものだな。名を聞いても?」
「キリトだ……もしかしなくとも、ボス攻略を行うつもりだったのか?」
団長が少年に尋ねると、彼はキリトと名乗り、周囲のプレイヤー達を見渡してから訊ねてきた。
「ああ。そのつもりだったのだが、どうやら被害を出さずに済んだようだ。
共同戦線の呼びかけを行ったのだが、その様子だと知らなかったのかな?」
「一昨日からずっと迷宮に潜っていたからな。余計なことをしてしまったか?」
そういった彼だが、特に悪びれた様子は無い。というか、ずっと迷宮にいたの!?
「いや。被害も無く終わったのだ、私は問題ない」
「俺も礼を言おう。仲間の仇を討ってくれて感謝する」
彼に礼を述べたのは『聖竜連合』のギルドリーダーであるウェルガーさんだった。
「俺は自分がやりたいことをやっただけだ」
「いや、それでもだ。なにか礼ができたらいいのだが…」
「……それなら、次の階のMAPを解明してくれ。俺はもう帰るからな」
「分かった。それならば喜んで引き受けよう。行くぞ、みんな」
ウェルガーさんがお礼にと、言葉にしていき、彼もそれに甘えることにしたようだ。
ウェルガーさんは兵団の人達に声を掛けて次の階に向かった。
「ありがとな。俺達の仲間の仇を討ってくれて」
「すごかったぜ、あの戦い!」
兵団の団員達が次々と彼に賛辞を述べてから去っていった。
「それにしても、本当に凄まじい戦いだった。君が全て一人でやったのか?」
この場に残った全員が気になっていた事を団長が聞いてくれた。
「あんた達がここに来た時に戦っていたのは俺だけで、俺も一人で戦っていた。それが答えだと思うが…」
彼のその言葉に私は戦慄した。私だけじゃなくて、おそらく全員がそうなったと思う。
つまり彼は、一人で〈リザードマン〉約30体と〈The
「本当に恐ろしい少年だな、君は」
「話がそれだけなら俺は街に戻る。じゃあな」
団長がそう言ったけれど、彼は今日も興味が無さそうにして、
アイテム欄から転移結晶を取り出して、街へと帰っていった。
「キリト……そうか、思い出した!?」
「ど、どうしたんだよ!?」
一人の男性プレイヤーが驚いたような声を上げたので、周囲のプレイヤーも彼に目を向けた。
「さっきのキリトってやつ。盾無しの片手剣使いに黒の装備…。多分、あいつが【黒の剣士】だ!」
「く、黒の剣士って。攻略組の最前線にいるっていうソロの?」
他の人達も声を出していく。私も名前だけなら聞いたことがある。攻略組の最前線で戦っている上級プレイヤー…。
「で、でも、あんな子が黒の剣士だなんて…。信じられないわ…」
「けどよ、特徴は一致してるぜ! それにあんな戦い方、上級者じゃなきゃできないぜ」
女性がそう言うものの、男性が言ったように特徴は一致している。
それに、あんな戦い方をできるのは上級者ぐらいだろうし、
ここが今の最前線だから攻略をしにきてもなんにもおかしくはない。
「ふむ。彼のことも気になるが、今は置いておくべきだ…。ここで解散することにしよう。
兵団の後についていき迷宮突破を行うか、街にもどるか、各自それぞれで行動してくれ。
今日は集まってくれて本当に感謝する。では、解散!」
団長が号令をかけると何人かのプレイヤーは迷宮へ、残りは街へと戻った。
「我々はこのまま、兵団の後を追って迷宮の突破を行う。では、いくぞ」
団長の言葉に私たちは迷宮の奥へと向かった。
その後、改めて彼について調べたところ、彼が【黒の剣士】で間違いない事が判明した。
さらにその後も、彼は攻略組のなかでも最前線に立ち、
同じ攻略組で黒の装備を纏うプレイヤー達と共に『黒衣衆』と呼ばれるようになっていた。
これが、私が初めてキリト君を見た時のことだった。
~現在~
「改めて思うとあの時のキリト君って本当に凄かったなぁ…。
あの時からあんなに強かったんだもん。そのうえ、また強くなってたし…」
はぁ…。考えてみたら私は彼を守れるほど強くなれるのだろうか?
今ではキリト君の異名も【黒の剣士】から、
新しく手に入れた武器に
そのうえ、お昼のような高等テクニックまで使えるなんて…。
非の打ちどころがない……まぁ、考えても仕方が無いかな。
明日からはキリト君とコンビを組むんだ。早く寝て、備えよう。
こうして私は明日の為に眠りについた。
アスナSide Out
To be continued……
後書きです。
回想編が終了しました。
キリトが帰ってからのアスナの心情と思い。うまく書けていたでしょうか?
それでは次のお話で・・・。
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第十話です。
今回で回想編は終了です。
次からはまた原作沿いに進みます。
それでは、どうぞ・・・。