第八技 想いと過去
アスナSide
私は自室のベッドで布団に潜り込んでいた。胸がドキドキしている。
さっきまでキリト君と手を繋いでいたのだけれど、繋いでいた手と顔がすごく熱い。
正直、ご飯を食べたり、コンビの話しをしていた時以外の事はあまり覚えていない。
美人とか可愛いとかいろんなことを言われたりしちゃったからかな。
それにコンビを組むために彼を挑発するようにナイフを使った時は、彼が取った行動にすごく驚いた。
同時にすごくカッコイイとか思っちゃったりもした。
彼は凄い。攻略組の最前線にいて、しかも実力はトップクラス。
柔軟な思考と様々な発想力に、冷静な判断力を誇るなど団体行動になっても力を発揮できる。
装備は黒一色なので一見地味に見えるけれど、どれも最上級のものを装備している。
そのうえ大人びていて、いつも余裕な表情をしている。
「『俺なんかとは釣り合わない』、か…」
そんなことはない。むしろあんなに凄い彼に対して私の方が釣り合わないと思ってしまう。
コンビを組めたときも本当は飛び跳ねて喜びたいくらいだった。
彼の、キリト君の事が好き。それが、私の気持ち。
だけど、私は彼の事を何も知らない。
だからこそ、コンビを組んで彼の事を知ろうと思った。
ギルドへ対する気持ちも本当だけど、それはコンビを組むための口実だ。
キリト君を知って、彼に想いを伝えたい。
「はぁ。それにしても、こんな風になっちゃうなんて…。相当重症よね、私…」
私は自分がこういう風になったきっかけ、昔のことを思い出そうとした。
~約一年半前~
「ボス攻略の呼びかけをするんですか?」
「ああ。団長達と話しあってな。この前、大型ギルドの『聖竜連合』のプレイヤー達が、
38層のダンジョンボスにやられてしまったのは覚えているな?」
ギルドの古株の人の言葉に私は俯いてから頷いた。他の団員も苦虫を噛み締めたような表情で頷く。
聖竜連合は、私が所属している『血盟騎士団』よりも大きな規模のギルド。
その聖竜連合の一部隊の人達がフィールドにある迷宮のボス戦の際に全滅してしまったのだ。
「そのことがあったからな。団長があっちのリーダーと話し合って、
色んなギルドやソロプレイヤーたちと協力して攻略を行うことになったんだ」
つまり、今度の攻略戦は大人数での戦闘になる。
連携が取りにくいから戦い難くなるけれど、生存率は間違いなくあがる。
「ボス攻略戦は明後日の朝10時から行われる。全員、装備を整えて十分に休息をとるように」
「「「「「了解!」」」」」
私は他の団員達と共に答えた。
二日後―――
「今回、ボス攻略戦に協力を申し出てくれた各ギルド、並びにソロプレイヤーの諸君に感謝の言を送る。ありがとう。
私がギルド、血盟騎士団のリーダー、ヒースクリフだ」
現在、私達はボスのいる大広間の近くにある、休憩エリアに集まっている。
そして、集まったプレイヤーに団長であるヒースクリフさんが挨拶を行っている。
「長々と話すのは体力や集中力を乱してしまうので、挨拶はこれぐらいにしてボス戦に向かおうと思う。
私から君達に言えるのは唯一つ、生き残るぞ!」
「「「「「「「「「「オオオオオォォォーーーッ!!!」」」」」」」」」」
団長の言葉に、皆が声を上げて応えた。こうして、皆でダンジョンボスの大広間に向かった。
アスナSide Out
To be continued……
後書きです。
オリジナルの話で、アスナの過去回想編です。
あと、二話ぐらいは続きます。
しかし、現在自分は悩んでいる事があります。
それは書き溜めているこの小説の話しを二話を一つにまとめて、投稿したほうがいいのではないかと
考えています。
つまりは投稿ペースを上げようかと考えております。
そこらへんを悩んでいますので、よければコメントかメッセージにお書きくださればありがたいです。
すいません。こんなくだらないことで・・・。
コメントなどがなければ自分で考えますが・・・。
では、また・・・。
Tweet |
|
|
27
|
9
|
追加するフォルダを選択
第八話です。
今回はオリジナルの話になります。
キリトが帰ったあとのアスナの・・・。
では、どうぞ・・・。