文字サイズ:
幅:
第8話~兄を想う二つの太陽~
~街中~
とある店・・・
バクバクバクッ
???「・・・・・・」
凄い勢いで食事をしているピンク色の髪の少女は、魏王親衛隊が一人、季衣こと許緒仲康である
季衣(・・・美味しいはずなのに・・・美味しくない・・・)
一刀が居なくなってから何を食べても美味しくない・・・いや、美味しく感じない・・・
季衣「・・・ごちそうさま」
店員「ありがとうございましたー。また、どうぞー。」
季衣「はぁーあ」
街を歩きながら、溜め息を吐く
季衣(・・・何を食べても美味しくないなぁ・・・)
季衣「はぁ」
???「あれ?どうしたの季衣?」
季衣「ん?あぁ、どうしたの?流琉」
流琉と呼ばれた緑色の髪をした少女は、魏王親衛隊が一人、流琉こと「悪来」典韋である
流琉「それはこっちの台詞よ。こんな道端で溜め息なんかして・・・」
季衣「あ、うん。・・・あのね流琉、ちょっと一緒に来てくれない?」
流琉「うん、別にいいけど・・・」
季衣「じゃあ、あっちにいこう。」
流琉「うん。」
~とある丘の上~
流琉は季衣に連れられて丘の上に来ていた
流琉「・・・で、どうしたの?季衣」
季衣「・・・あのね、・・・ご飯がね、美味しくないの・・・」
流琉「・・・え?」
季衣「兄ちゃんが居なくなってから、前はすごく大好きだったどんなお店の料理も、美味しくないの・・・」
流琉「季衣・・・」
季衣「・・・ねぇ、流琉?何時になったら兄ちゃんは帰ってくるのかなぁ?」
流琉「それは・・・」
言葉に詰まる
季衣「・・・ホントに兄ちゃんは帰ってくるのかな・・・?」
流琉「季衣!」
バシィーン
頬に痛みが走る・・・
季衣「・・・っ、何するんだよ!流・・・琉?」
ポタ・・・ポタポタポタ・・・
流琉は涙を流していた・・・
そして・・・
流琉「季衣のバカ!兄様は帰ってくる。だから、信じて待とうって二人で約束したじゃない!」
季衣を睨み叫ぶ
季衣「流琉・・・」
流琉「それ・・・なのに・・・それなのに・・・季衣が・・・兄様が帰ってくるのを・・・ううん、兄様を信じてないじゃない!」
季衣「そんな事ないよ!僕は兄ちゃんの事・・・」
流琉「じゃあ・・・じゃあ、なんでそんなこと言うのよ!」
季衣「!?」
流琉「私だって、寂しいしツライよ・・・。だけど兄様が帰るって言ってたなら絶対に帰ってくる。私はそう信じてる!」
季衣「流琉・・・」
流琉「それに・・・兄様が約束を破った事なんてないでしょ?」
季衣「・・・うん」
流琉「でしょ?なら、一緒に信じて待とうよ?」
季衣「・・・うん、そうだね。ゴメンね流琉?」
流琉「ううん、私こそゴメンね。叩いたりして・・・」
季衣「気にしないでよ、僕が悪いんだからさ。」
流琉「うん」
季衣「あ~あ、なんだかお腹すいてきちゃった!」
流琉「ふふっ。じゃあ、私がこれから何か作ってあげるよ。」
季衣「ホント!?やったー!」
流琉「じゃあ、一緒に買い出しに行こ?」
季衣「うん!」
二人の少女は手を繋ぎ、街へと走り出す・・・
季衣(兄ちゃん、待ってるよ!)
流琉(兄様待っています!)
兄への想いを胸に抱き・・・
太陽のような笑顔を浮かべながら・・・
Tweet |
|
|
25
|
2
|
第8話です
とりあえず、しばらくは魏の武将たちの話になります
早く再会につなげたいですが、もうしばらくお待ちください
続きを表示