拠点・澪羅
「ある水軍訓練の時」
「違う!、そこはそうじゃない!!」
澪羅は現在、兵達に水軍の指導をしていた。
「何をやっている!!、このままだとお前らの船が味方にぶつかるぞ!!」
「へい!!、わかりやした!!。」
そんな訓練の様子を一刀は見ていた。
(陸での訓練に比べるとやはり厳しくなるな、彼女は水の上での戦いには拘っているみたいだし・・・
ちょっと厳しすぎるような気もするけど・・・)
だが・・・・
(皆、素直に澪羅の言うことを聞いているな・・・澪羅の事を信じている・・・良い軍だ。)
一刀が関心しながらその後も彼女の指導の様子を見ていた。
「あれ、一刀のお頭!?、一体何時から此処に!?」
訓練を終えた彼女は一刀の姿を見つけて驚き、駆けつけた。
「少し前にね、良いものを見させて貰ったよ。」
「い、いや、お頭に比べたらまだまだだよ。」
澪羅はそう言うが一刀は、
「謙遜はしなくて良いよ。」
(お頭からその言葉が出るとは)
澪羅はそう思っているところに一刀はさらに続ける。
「普通、あれだけ厳しい訓練をしたら、兵達の何人かが反発してくることがありえる。だけど俺が見たところそんな事
は無かった。兵達皆が澪羅の事を信じてなきゃ絶対に起きない現象だ。良い将だよ、澪羅は。」
「そ、そんなに褒めないでくれ、か、かなり照れるよ。」
澪羅は顔を赤くしながら言った。
「そうか。」
「そ、それにやっぱりお頭ほどじゃ無いって。」
今度は澪羅が一刀を褒め称えようとした。
「お頭の軍だけじゃなくてアタシの軍の奴ら、江里香の軍の奴ら、さらには闇那の隠密の奴らだって皆、お頭のことを
慕ってる。自分の軍だけのアタシ達三人じゃ敵わないよ。」
「そうか・・・それはうれしいな。」
澪羅から言われ、一刀は本当にうれしそうに言った。
そして一刀は続けて、
「だけど、自分の軍だけってところは訂正したい。君も、江里香さんも、闇那も少なくとも俺の軍の中で認めている
人達はいる。そして、江里香さん、闇那も君の事は認めてくれているよ。」
「そ、そうか、うれしいね。」
やはり照れながら澪羅は言った。喉が渇いたのか彼女は水を飲み始める。
そこに一刀は、
「面倒見が良いところがあって、美人だし、良い将だけじゃなく良い女だと思うし。」
「ぶっ!!!」
澪羅は思わず水は噴き出した。
「お、お、お頭!!?」
「ん?、どうしたんだ?。」
「変なこと言わないでくれ!、アタシが美人とか良い女とか!」
澪羅はそんなことは無いと言うつもりだったが、
「変なことか?、本当にそう思っているんだけど。」
「!!!!!」
澪羅はもはや頭の中が真っ白になってしまい、
「えー、あー、うー。」
どう言葉を返したら良いかわからなくなってしまった。
そして、
「じゃ、じゃあ、アタシこれから仕事あるから!」
澪羅はそう言って一刀と別れた。
夜、澪羅は自室にいた。
(アタシが美人とか良い女とか・・・あんな笑顔で・・・本当はあの後、街を一緒に歩くつもりだったのに。)
そして・・・
(反則だよあんなの・・・美人、良い女・・・)
にやにや、にやにや、
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ」
じたばた、じたばた、ごろごろ、ごろごろ、
澪羅は部屋の中で悶えた。
澪羅の拠点でした。
次の拠点は姉君になります。
次の拠点が第一章最後の拠点となります。
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またしても一刀が・・・