第4話
「司馬昭の妻」
司馬家の屋敷の部屋の中で一人の女性が一刀を待っていた。
彼女はの名は、性は王、名は元姫、真名を美華という。
彼女は清流派の一人、王粛の娘であり、聡明で胆力もあると理鎖、解刀も認めて
いて、一刀の幼馴染であり、現在は一刀の妻である。
一刀と彼女は歳が共に十五となった時に婚姻の儀を済ませていた。
なぜこれほどに早く夫婦となったのか、
それはまず、彼女の母親の王粛の病没がきっかけである。
父親はすでに他界していたため、必然的に王家の家督は彼女、
美華が継ぐことになる。
だが、まだ若すぎたというのもあり、いかに聡明な彼女でも限界があった。
司馬家と同様に恨んでいた漢の宦官に彼女の家は廃されてしまったのだ。
さらに雇われた刺客の手により、自分の命のも危険が迫っていたが、そこで
一刀に救われ、司馬家に保護される。
帰る場所が無くなった彼女に解刀が提案したのが一刀と婚姻し
司馬家の一員になることだった。
元々一刀と美華は仲が良く、親同士が決めた許婚でもあって、
美華は喜んでその提案を受け、一刀の妻となった。
ちなみにその後、宦官と一悶着あったが理鎖と解刀が
王家を廃した時の不正を暴き返り討ちにした。
こうして今に至る。
夫婦仲は非常に良く常に同じ部屋で寝ていた。
そのこともあってか子を身ごもるのも普通の夫婦より早かった。
(いや・・・あれだけしたわりには遅い方かな?)
と美華は考えていた。
その時、外の方から足音が聞こえてきた。
(来た!)
そして一刀が部屋に入ってきた。
「一君(かずくん)!!」
彼女は一刀のことをそう呼んでいた。
「美華!俺との子ができたって聞いたよ!」
「うん!」
二人は喜びあっていた。
「一君、私すっごくうれしいなー」
「ああ、本当に・・・」
そういって二人はしばらくはしゃいだ。そして・・・
「二人供、私を忘れないで。」
瑠理が声を掛けた。
「あら、司馬師様申し訳ございません、そこにいらっしゃったのですか?」
瞬間、美華は雰囲気と態度を一変させた。
「ずっとここにいたんだけれど元姫。」
「そうでしたか、それはそれは。」
美華は一刀の愛し方に相当な拘り方があるのか、
一刀以外の人間には接し方を冷たくしてしまうところがあり、
真名に関しては一刀以外に預けていない。
彼女なりの徹底した愛情である。
「司馬師様、そろそろ出てってくれませんか?一君と二人っきりに
なりたいのですけれど。」
「そういうわけにもいかない、一刀は性欲魔人だからあなたの身体に
無理をさせるかも知れない。」
「そういって、本当は私に嫉妬してるんじゃありません?」
「そんなこと無い!」
瑠理と美華が口喧嘩を始めそうになっていた。
(やれやれ、仕方ないな・・・)
一刀は二人の止めるため二人の話に割って入っていった。
というわけで王元姫、美華でした。
お次は司馬一族に長くしたがってきたある元文官にいきたい
と思います。
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四話です。
今回は王元姫になります。
あとがき欄ちょっとだけ修正しました。