No.315114

一刀の晋王転生録 第一章三話

k3さん

三話です。
前話で母と父と書きましたが、
司馬家の過去話ですねぇ、
申し訳ない。

2011-10-09 02:27:26 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:11907   閲覧ユーザー数:9772

三話

  「理鎖と解刀、子を語り合う」

 

「理鎖、聞いたか。」

 

「ええ、元姫が一刀の子を宿したと・・・」

 

二人は先ほど、元姫こと、王元姫が一刀との子ができたことについて

 

話合っていた。

 

「もう孫に会うことになるなんて思わなかった。」

 

「そうだなー、まだお互い・・・」

 

そのとき理鎖からすさまじい殺気が放たれた。

 

歳のことははっきり言うなと・・・

 

「す、すみません・・・」

 

なぜ、と思ったがこれ以上ひどくなる前に解刀は謝罪した。

 

「それにしても・・・」

 

ふと、解刀は思ったことを口にした。

 

「一刀はもうそんなに立派になったか・・・」

 

心のそこからそう思っていた。

 

「今でも思い出すよ・・・あの時・・・俺が本格的に、一刀に武を教える

 

きっかけになった時のことを・・・」

 

解刀は目をつぶり思い出して語る。

 

その時の事を・・・

まだ一刀が歳が十になった時の日だった。

 

あの時ほど理鎖と解刀は油断した、と後悔したことはない。

 

屋敷が賊に襲撃されたのだ。

 

賊の襲撃の手引きしたのは司馬家を憎む漢の宦官だった。

 

彼等は自分達の欲望の満たすために邪魔な清流派とよばれる

 

その筆頭の司馬家をつぶすため賊を司馬家の屋敷に手引きという大胆、

 

あるいは無謀とも取れる手段に出たのだ。

 

(油断した・・・まさかここまでするとは・・・)

 

そう思っても事態は変わらない、

 

理鎖は兵達に冷静な指示を出している。

 

そして解刀を中心に賊を斬っていった。

 

しばらく時間が経ち・・・

 

「まだ賊がいるか確認するんだ!!」

 

解刀は兵にそう指示した。

 

「父上!!」

 

その時解刀に声を掛ける子供の声が聞こえた。

 

「!!、一刀か!」

 

解刀は一刀に駆け寄る。

 

「無事だったか!」

 

だが次の瞬間、

 

「あ、姉上が変な男に捕まっちゃった!!」

 

「な、なんだって!?」

 

そう聞いた解刀はすぐさま一刀に案内してもらい、

 

そして・・・

 

「動くな!!」

 

その男は見つかった。

 

「動くじゃねぇぞ!この娘がどうなってもいいのか!?」

 

「ち、父上・・・一刀・・・」

 

男は瑠理に刃物を首に当て脅す。

 

(く・・・どうする。)

 

解刀はこの状況を打開する方法を必死に考えていた。

 

「父上!私のことはいい・・・この男を排除してください。」

 

「黙れ!この子供(ガキ)」

 

そういって瑠理を思いっきり殴った。

 

「瑠理!!」

 

解刀が叫んだ次の瞬間・・・

 

(!!!な、何だこの寒気は!)

 

その元をたどってみると、

 

(か、一刀!)

 

一刀から発せられたものだった。

 

子供とは思えない鋭い目つきをして・・・

 

「オマエ・・・アネウエニナニシテル・・・」

 

そう言葉を放った瞬間に一刀は男に向かって駆けていた。

 

男はまさか十もなってない子供が向かって来るとは思わず反応が遅れ、

 

一刀の体当たりをまともに食らい、

 

「ぐわ!」

 

男の手から瑠理と刃物が離れ、

 

「し、しまった!!」

 

そう言って起き上がった瞬間、

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ」

 

一刀が男の刃物でその男を刺していた・・・

その後、後始末のため理鎖と解刀は動いていた。

 

一刀は顔を青くしてうつむいていた。

 

瑠理はそんな一刀を見ていた。

 

しばらくして後始末が終わった理鎖と解刀は、二人のもとに

 

歩みより、

 

「一刀、大丈夫か?・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

解刀が一刀に声をかけるが返事は無かった。

 

しばらく無言が続いたが一刀はついに口を開いた。

 

「姉上が殴られたとき・・・何かものすごく気持ちの悪いものがこみ上げてきて

 

 ・・・・・それが抑えられなくて・・・・父上・・・・・あの時・・・・・」

 

自分はどんな表情で人を殺したのかと・・・・

 

(わが子でありながら恐ろしさを感じたとはとても・・・)

 

言えなかった。

 

だが、一刀は今の沈黙である程度察していた。

 

そして・・・

 

「父上・・・」

 

一刀は解刀に正面を向いて、

 

「俺を・・・俺を・・・強くしてくれ!!」

 

解刀に願った。

 

「もうあんな気持ちで、あんな衝動で動くのはいやだ!!、だから!!」

 

そうならないように強くしてくれと。

 

解刀は驚きながら見ていた。

 

誰かを倒すためや、自分のほしいもの手にするためではなく、

 

自分を律するために強くなりたいといったわが子を・・・

 

(この子は・・・強くなる!!教えてみたい!!自分が今まで

 

 培ってきたものを!!)

 

この瞬間解刀は一刀の師となった。

 

その後、理鎖と解刀は賊を手引きした宦官3人を法で排除し、

 

これにより宦官達はしばらくおとなしくなっていった。

 

そして一刀は解刀から武を学んでいった。

 

強くなることへの執念からか急速に武を伸ばしていった。

 

また、瑠理もこの事件をきっかけに何かを感じたのかより知を深める努力し、

 

その才をさらに伸ばしていくことになった。

「二人ともあのころからだった・・・その才を急激に伸ばていったのは」

 

理鎖はそう言って目をつぶった。

 

「ああ、そうだね・・・」

 

あの事件は司馬家にとっていろいろな変化、そして成長をもたらした。

 

あれは起こるべくして起こったのかもしれない。

 

(そういえば・・・あのころからだっけ、瑠理が一刀を見る目が変わったのって。

 

 しかもあれはかつて理鎖が俺を見ていた目にそっくりだったような・・・

 

 まさかな・・・いや、気のせいだな。)

 

解刀がそう思っていた時、

 

「失礼します。」

 

侍女の声が聞こえた。

 

「司馬師様と司馬昭様がお見えになりました。」

 

どうやら二人が戻ってきたらしい。

 

「それじぁ行くか、理鎖。」

 

「ええ・・・」

 

理鎖と解刀はわが子を向かえるため歩き出す。

 

(そういえば・・・)

 

再び解刀は思考する。

 

(あの時の一刀の言ったこと・・・あれはどういうことだったんだろうな・・・)

 

それは事件後に一刀と瑠理に質問したことである。

 

親らしいともいえる質問。

 

賊に襲われて怖くなかったのかと。

 

瑠理は、

 

「敵、味方にそれを悟らせたくなかった。」

 

なるほど理鎖の娘だと思った。

 

一方、一刀は、

 

 

 

 

 

 

 

 

「よくわからないけど遠い昔にそれ以上の恐怖を感じたことがあった

 

 ような気がするんだ・・・遠い昔に・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・どういう意味だったんだろ?、前世とか?、まさかな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

三話でした。

 

一刀君はあからさまな暴力で家族、身内が傷つけられたら

 

キレると思うのですけどみなさんはどうでしょうか?

 

次は王元姫、美華を書きたいと思います。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
86
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択