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さて、次々と西涼を魏より攻め取っていく蜀の軍勢
そんな中
「・・・なあ?朱里」
「何ですか?愛紗さん?」
「今回の事はどうにも納得が行かないのだが・・・」
関羽だけではない
趙雲、張飛、魏延も反対意見を出していた。
無論、主である劉備もである
その中で賛成したのは馬超と馬岱、案を出した孔明、そして鳳統
黄忠と厳顔はとりあえずどちらにもつかず、状況を見守っていた。
しかし馬超の
「西涼は元々私達の国だ!それを取り返して何が悪い!!」
この言葉に皆は反論が出来なくなった。
西涼を取り戻す事が馬超達の目的だった。
もしこの案を否決してしまえば、馬超達は自分達だけでも行く!とも言い出しかねない剣幕だった
結局、劉備も馬超を止めることはできず、西涼への侵攻は決まったのである
「・・・愛紗さん達の気持ちは分かります。しかし曹操が万全の準備を整えていた時に攻めこんでも私達の勢力では勝てなかったでしょう。そしてあの両軍のどちらが勝っても、私達は大きく取り残される事になります」
「しかし、今回西涼を取ったとしてもすぐ取り返す為に仕掛けてくるのではないか?」
「すぐには無理でしょう。とにかく今は、西涼を取って少しでも蜀の立場と勢力を強化することです」
「・・・分かった」
孔明は思っていた。
親友である雛里の話では北郷一刀は元々自分達にあまり好意的ではないという事だった
そして力で物事を押し通す事を躊躇わない人間だとも
だとすれば、このままでは駄目だ
もっと強くならなければ
主人である桃香の理想を叶えるために
例えそのやり方が姑息だと言われようとも・・・
少し時は経って呉
「雪蓮、決戦の結果が届いたぞ」
「へえ?それでどっちが勝ったの?」
孫策の質問に周瑜はメガネを直して答える
「・・・公孫賛の軍だ」
「つまり、北郷一刀の方ってことよね?」
「・・・ああ」
「しかしあの曹操に勝つなんてね~~」
「のんきに言っている場合ではないだろう・・・」
周瑜は額に手を当てて頭を悩ませた。
「これからどうする?もしも戦うというなら蜀と同盟でも組まなければ勝てそうにないが」
「・・・冥琳は、北郷は呉に攻めてくると思う?」
「さて、どうだろうな?正直あちらからこちらに攻めてくる理由は無いと思うが・・・」
そして孫策は言った。
「だったら、こんなのはどう?」
・・・・・・・
そしてその提案を聞いて周瑜は
「・・・本気か?」
「モチよ!」
「・・・ハァ」
大きくため息をついたのであった・・・
そして時は決戦直後に遡る
「さて、どこまで攻めてくる気だろうな?」
「多分西涼まででしょう。あそこは元々馬一族の土地だったから言い訳も立つでしょうし・・・」
「まあ万が一を考えて、動ける兵士の半分位連れて国境まで行っとくか。白蓮、後頼むわ」
白蓮に向き直ってそう言う一刀
「・・・私はいつもこんな役だな」
すねる白蓮
「そう言うなって。帰ったらご褒美やるから・・・」
「ほ、ホントか?」
「ああ、だから後のことは頼む」
「ぜ、絶対だぞ!」
白蓮は興奮しながらそう言い、仕事を始めた。
「・・・罪な男ね」
曹操の言葉に一刀は
「お前にだけは言われたくない」
と返した。
「あら、そう?」
「ああ、んじゃ行くか・・・白蓮!曹操達連れて行くからな~~!!」
「分かった~~!気をつけてな~~!!」
白蓮の答えを聞いた一刀は西涼との国境に向かって動き出す
しかし結局蜀軍は西涼を取った所で侵攻を止めたので、今回両者がぶつかる事は無かった
そして一刀は一度国に帰ることにしたのだった。
乱世の終幕は
未だ遠いようだった・・・
どうも、アキナスです
更新情報にも書きましたが、時間軸が少々ずれています(主に呉)ご了承を・・・
蜀と呉
それぞれの動きが予測できなくなってきました
どうなっちゃうんでしょうね?
それでは次回に・・・
「ドラゴンフィッシュブロー!!」
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蜀と呉
それぞれの思惑は・・・