「私だけでなく、私の仲間まで侮辱したこと後悔させてやるっ!」
敵の三つ編み娘の言葉が耳に届き、幽は鼻にしわを寄せて、完全に馬鹿にしたように鼻で笑う。
そうかい、アンタ敵を後悔させた程度でいいのかい・・・
なぜだろう、無性に相手の言葉や態度にイラつかされる物を感じる。
本当は、判っている。
感情に任せて、真っ直ぐに、ただ自分の力を、感情を叩きつける・・・
それしか出来ないと思い込んでいる
それでいいと、思い込もうとしている
・・・そんなざまで一軍の将が勤まると思ってるのか
・・・アレはアタシの影だ。
昔のアタシを見るようで、吐き気がする。
「アタシはね『魔王』様馬鹿にしたやつに、後悔させてやる暇なんかやらないよ」
三つ編み娘には届かないような声で答える。
「味方だろうが・・・叩き斬る」
走り寄る凪の手元に起こる変化に、幽の目が警戒を新たにする
なんだありゃ、手に光が集まってる・・・
走りながらそれを飛ばしてくるって事は
・・・こいつは見せ札だ。
これが必殺の威力のある武器だったら、突っ込まずに遠くから打って、アタシを近寄らせないようにするはず。
情報の水漏れがひどい
格闘戦に持ち込みたいのが見え見えすぎて、笑いがこみ上げてくる。
そんなに、こっちに裏をかかれたいなら、望み通りかいてやる。
「娑婆っけが抜けてないんだよメス犬
アンタの愛しの隊長さんの、足元に寝転がって腹でも見せてろ」
相手に向かって疾走しながら、大声で怒鳴り返してやる。
これであの三つ編みは頭に血が上って、こっちの動きを追えなくなる・・・おしまいだ。
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GWも最終日、本日の朝の便です
どなたか一人でも面白いと思っていただけたら僥倖です