No.140743

『偽・悲恋姫†異聞録』24

絶影さん

GW企画!続けて投下!

麗さんが強い!
ですが秋蘭はまだまだ戦えます!
相変わらず劣勢ですが頑張ります!!

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2010-05-04 11:41:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:9134   閲覧ユーザー数:7471

 

 

 

「では御機嫌よう、今日打ち込んでくれた矢の数だけ、次会ったときは体に穴を開けて差し上げます」

 

無理やり身体を建て直し、矢を構えたときには敵将は既に馬に跨り身を翻していた

よく見れば敵将は体から血を流し、それでも顔には笑みを浮かべ

胸には矢が刺さっていると言うのに馬を走らせ兵をなぎ倒していく

 

私の矢をあれだけ受けてその顔、あの胸で心の蔵に矢が届いていなかったということか

だがあの傷ならばそう長くは動けまい、しかし油断はするな。あれは『魔王の将』なのだから

 

「ならば私は今日の倍の矢を撃ち込んでくれよう、その時姉者の真名を穢したことを悔いるが良いっ!」

 

矢を放っても効果の薄い距離だと判断した秋蘭は敵の攻撃を受け、動揺する兵を抑える為

痛む身体を正し、苦痛に歪みそうになる表情を消して敵将へと言葉を放つ

 

なんて奴だ、あれだけ血を流し、それでも我が兵をなぎ倒し進むのか、化け物め

 

「夏候淵様っ」

 

「大丈夫だ、兵を纏めろ本陣を守れ、舞台を崩してはならんっ!」

 

・・・昭は魔王は人だと言った。ならばあれも人、臆する事はない弱みに付け込み

人を欺く、それが貴様らの戦いかっ!ならば我等は余計に負けるわけにはいかん

心を強く持て、自軍を鼓舞しろ、私は舞王の妻!同じ人間に何を臆することがあろうか!

 

体の苦痛を押し隠し、左手を掲げ素早く兵を指揮し始める。敵の攻撃を受け

負傷しているのにもかかわらず、なお強く雄雄しく大地を踏みしめ自軍の兵士の

心を支える。その姿に応えるかのように兵の心には強いものが宿り敵へと向かっていった

 

やはり舞うしかないのか、舞など舞わせたくない。だが敵は普通の敵ではない

昭が皆が生き残る為にはこれしかないのだ

 

何時もと変わらぬ表情の秋蘭、だがその握る弓からは一筋の血が流れ落ちた

 

 

 


 
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