No.124129

恋姫異聞録14

絶影さん

反董卓連合
洛陽攻略辺完結

次は拠点的話です^^
月と詠を次はチョコチョコいじろうと思ってます

2010-02-13 14:52:42 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:24277   閲覧ユーザー数:18911

 

 

 

「あ、昭っ!!さっきは、その・・・・すまなかった。お前は何も悪くないのに」

 

「気にするな、春蘭は何も悪くないよ」

 

俺は復興指揮を行うために凪たちの元に戻る途中、春蘭が俺の姿を見つけ駆け寄ってくるなり謝ってきたのを

笑顔で向かえた。あの目は俺の責任だ、誤る必要などないのだから

 

「姉者、昭は何も気にしてない心配するな」

 

そういって俺に絡ませた腕をしっかりと引き寄せている様子を見た春蘭はなにかに気がついたように

顔をはっとさせると顔をうつむかせた。秋蘭の様子で俺がいつもと違ったのを察したようだ

 

「惇ちゃん大丈夫やで~!兄ちゃんもさっきと違って落ちついとるよ」

 

「張遼・・・・そうか、昭を見て気が抜けてしまったようだ本来ならば笑って迎えるところだったんだがな」

 

「なんや兄ちゃんは二人に信頼されとるんやな~!なんかええなぁ」

 

春蘭にゆっくり近づいて俺は頭を撫でる。余計な心配をかけてしまったんだな、俺はもっと冷静でいないと

 

「そういえば曹操様は?天子様の護衛はどうしたんだ?」

 

「ああそれなら・・・・」

 

「それなら大丈夫よ、宦官どもはさっさと逃げていたみたい、護衛は季衣と流琉にまかせてきたわ」

 

曹操様がゆっくりとこちらに近づいてくる。そうか、よかったそれでこちらに来るということは

 

「董卓殿はどこかしら、会ったのでしょう?」

 

やはりそうか、俺は「ええ、こちらへ」と言って曹操様を凪たちの下へ案内すると

 

「一馬、曹操様をお連れした。董卓殿はどちらか?」

 

「兄者、良かった先ほどは別人かと思いました。こちらです。」

 

そういって一馬に七星刀を返し案内されると二人は兵に囲まれながら負傷した民の介抱をしていた。

やはり思っていた通りの子達だ、曹操様も二人を見ると微笑んだ

 

「お二人ともよろしいか?曹操様がお話をされたいようなんだが」

 

一馬が二人に「あとはお任せください」と伝えるとこちらに近寄ってくる

 

「はじめまして、董卓と申します。このたびはなんと感謝を言ってよいのか」

 

「フフフッ、良いのよ貴方達のことは聞いてるわ、それで?」

 

「ええ、私達は夏候昭さんのおっしゃるとおりの道を、光を指し示すために生きたいと思います。」

 

そういって強く意志のこもる眼差しを曹操様に向けてきた、その眼差しをとてもいい笑顔で

愛しいものを見るように見つめて曹操様は私のほうを向く

 

「彼女達を我が軍に、罪を背負うものの光に、どうかお願いいたします。」

 

「わかったわ、これからは真名を名乗りなさい董卓は死んだのだから、私のことも華琳で良いわ」

 

董卓殿はそれを聞くと目を歪ませ、頭を下げる。賈駆もそれにならって頭を下げて二人で笑いあう

 

「やった~!!!!よかったなぁ!二人とも~!!心配したで!!!さっきはすまんな話しかけられんで」

 

張遼は飛び出して二人を抱きしめる。その頬からは涙が伝う、さっき会ったときはこらえていたようだな

下手に話したり、擁護してしまって俺に変な印象をもたれたくなかったのか、救出した後の身の振り方も

考えるとは張遼は随分頭が回る

 

「霞あんたも無事でよかった。月を信じてくれたんでしょう?さっきはありがとう」

 

「ええて、変に話したかて兄ちゃんに月の良さは伝わらん!月と慧眼を信じただけや!!」

 

「ありがとう、華琳さん私の真名をお預けします。私は月、よろしくおねがいします」

 

月の言葉を皮切りに賈駆と張遼が真名を口にしてきた

 

「僕は詠、これからよろしく」

 

「うちは霞や!兄ちゃん!いや昭これからほんまによろしくたのむで!」

 

そういうと霞は最初と違って手を握ってぶんぶんと振ってくる、よほど嬉しかったんだな

というかそんなに振ったら・・・・・・・あ

 

「あまり乱暴にしないでもらおう」

 

霞の腕をがっしりと掴むと秋蘭が睨む、やっぱりかそう思って秋蘭を引き寄せ

後ろから抱きしめると少し頬を膨らませる

 

「すまんすまん!はしゃぎすぎたわ~!でもホント仲良いなぁ」

 

「フフフッ顔が赤いわよ昭、それでは洛陽の復興をするわ、炊き出しと仮設天幕を後は街道整備を」

 

どうやら天子様のところへ行ったのは護衛だけではなく大きく復興支援をするために許可をもらいに

も行っていたのか「さすがです」というと少し顔を赤らめて「仕返し?」と曹操様は聞いてくる

そんなことは無いですよ、心底貴方の優しさに感服していただけです

 

一日たって月も詠も身を粉にして復興に従事している

春蘭と秋蘭、凪も一緒に崩れた家に挟まれた人を助けたり、沙和を中心に炊き出しを

真桜と一馬は天幕を立てている

 

「曹操さん!」

 

「あら、劉備どうしたのかしら?糧食ならまだあるからもっていってかまわないわよ」

 

劉備達も昨日から復興に従事しており、豊富な糧食のある曹操軍に分けてもらいながら

炊き出しを行っている

 

「はい、すみませんありがとうございます。愛紗ちゃん手伝って」

 

「はい・・・・・ところで昭殿の姿が見えませんがどちらに?」

 

糧食を持ってきた荷車に載せながら聞いてくる

 

「ああ、昭は洛陽の外よ」

 

「外で?門の修復でしょうか?」

 

ちらりと目を関羽に向けると「そうではないけど、見てきたほうが早いわ」とだけ言って

桂花の持ってきた木管に目を通しながら倒壊した建物に取り掛かる兵士に指示を送り始めた

 

「外・・・・ですか」

 

「行ってみようか愛紗ちゃん、私も気になるし運ぶ途中に見てみようよ」

 

「ええ、桃香様」

 

そういって荷車を引き正門に向かう、二人はきっと外で困ってる人達がいるのだと思い

そうなら運んでいるこれもそのとき少し配ろうなどと話しながら

 

「あ、あそこにいるのお兄さんじゃないかな?」

 

「む?ああ、そのようで・・・・・・・・・・・・・・・」

 

二人はその姿を見て動きが止まる、体中を血で染め亡骸を運ぶその姿を

一人運んでは壁に優しく座らせ、また亡骸に近づき優しく担ぎ運ぶ

 

「あ、あのお兄さん何をしてるんですか?」

 

劉備が恐る恐る話しかけてきた、後ろで見守る関羽も目を見開き驚きを隠せない表情でいる

 

「ん?ああ、兵士の墓と遺族に形見を持っていこうと思ってね。」

 

「え、そんな全部の人達のですかっ!!」

 

「はははっ、全部は無理だよ。でもせめて自分のところの兵士ぐらいはね、よっと」

 

そういって俺はまた一人担ぎ上げる。コイツは確か三年前入隊してきた志願兵だったな

家族を食わせるために、名前は確か膏だったな

 

「あ、あの・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・それよりも、生きている民のほうが大事ではないのか?今は復興をしているときでは」

 

俺はその言葉にちょっと困った顔をした。

 

「皆が復興に行ってるなら俺一人くらいは大丈夫さ、それにこのままじゃ俺の兄弟達が可愛そうだ」

 

劉備と関羽は自分の兵士を兄弟と言う俺の言葉に顔を沈める。

 

「みんな食事を待ってるよ、それ曹操様からもらってきたんだろう?早く行ったほうがいい」

 

しばらくボーっと俺のほうを見ていた二人に話しかけた。曹操様が二人をこちらによこしたのか?

こんな姿はあまり見てほしくないんだがな

 

「えっ、あああ、愛紗ちゃん行こうか」

 

「あ、は、はい!そうですね」

 

正門を離れ、自分達の設置した配給所に向かう二人のは何も言葉を交わさず歩いていく。

途中、劉備の足が止まり唇を震わせながら口を開く

 

「あ、あのね?愛紗ちゃん」

 

「桃香様っ!強くなりましょう、誰も傷つくこと無い世界を作るためにっ!」

 

関羽はそういって叫び劉備の言葉をさえぎる、ここで揺らいでは駄目だと

その目には信念の火がともる、劉備もその言葉に無言で頷き歩を進めた

 

 

 

 

「なんですの!華琳さん!勝手にこのような工事をっ!わたくし達に無断でっ」

 

遠くから一番乗りに腹を立てて、しかも復興作業をすることにも口を出してる

麗羽と袁術が見えた、よほど悔しかったのだろうな、曹操様に食って掛かってる

 

「麗羽、曹操様のお祖父様のことを知っているだろう?それに一番に護衛に赴いたのは俺達

だから陛下も許可されたのだ」

 

俺が後ろから近づき話しかけると振り向いた麗羽と袁術が声にならない声を上げた

 

「~~~~~~!!!!!な、なんですのその格好はっ!血まみれじゃないですのっ!!!!」

 

袁術はカタカタと震えて麗羽の後ろに隠れている。そういえば血を落とさずに来てしまったな

斗詩と猪々子も口をパクパクさせている。これはこれで面白いな

 

「と、ととととととかくっ!そんなの点数稼ぎ・・・・ひっ!おおおおお、おぼえてらっしゃい!!!」

 

近づく俺におびえて逃げるようにその場から四人は立ち去っていった。

 

「ウフフフフッ!!あの顔!助かったわ昭」

 

「いえいえ、お役に立てたようで」

 

そう答えるとお腹を抱えて笑ってらっしゃる。確かにあの顔は無いな、黙っていれば美人なのに

 

「昭、こっちに来い血をぬぐってやる」

 

そういって秋蘭は濡らした手ぬぐいを絞り俺の顔や首をぬぐう

 

「手の包帯は後からだな、さっき姉者に使ってしまったんだ」

 

「ああ、かまわないよあの二人はどうだ?」

 

「しっかり働いてくれてるよ、問題はない少し頭を下げてくれ髪にまで血が付いてる」

 

素直に頭を下げてごしごしとぬぐわれる、血はなかなか落ちないからなぁ

しかし本当に良かった、あの子たちは俺たちのところでうまくやっていけそうだな

 

「昭、皆にはもう言ったのだけど私達は陛下より許昌をいただくことになったわ、そこから私達の覇業は始まる」

 

その言葉に俺は秋蘭の手を掴み曹操様の顔を見つめる。

するとゆっくり頷いてくれた、許昌が俺たちの・・・・・ついに国を興せるんだ

 

「フフフッ、秋蘭の手が赤くなってるわよ」

 

「あ、す、すまん」

 

秋蘭は首を振り「ここからが大変だぞ」と言ってくる。ああ、わかっているよ

ようやくここまで来た、だがこれからが大変だ漢王朝の力は弱まっている

賊ははびこり諸侯はここぞとばかりに争いをするだろう、飲み込まれないように

国力を上げなければ

 

「これからも私に力を貸してちょうだい昭」

 

「もちろんです。この身朽ち果てるまで曹操様にお使えいたしましょう」

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
113
28

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択