No.124419

恋姫異聞録15

絶影さん

許昌拠点
月と詠のお仕事の話です^^

メッセージ、コメント下さる方支援してくださる方
本当にありがとうございます><

2010-02-14 19:36:48 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:24125   閲覧ユーザー数:18672

 

 

 

反董卓連合終結後、自分達があまり評価されなかった麗羽と袁術は早々に洛陽から引き上げ

俺たちは復興を終えた後その脚で許昌に本拠地を移した。洛陽での復興支援の風評は大陸にい

きわたっていたようで許昌に着くなり民たちから盛大な歓迎を受けた。

 

「お待ちしておりました華琳様、この鳳、兵より伝令を受けると共にこの許昌に入り基本的な政策は

終わらせておきました。」

 

そういって玉座の間で迎え入れてくれたのは荀攸こと鳳、さすがはといったところで陳留と同じ政策の

下地をすでに整え俺たちを迎え入れていた。それどころか俺の娘までこの地に連れてきてくれていたのだ

 

「ええ、さすがね短期間でここまで下地を整えられるとは、これからも期待しているわ」

 

お褒めの言葉を頂、それに嫉妬した桂花と相変わらずの口喧嘩を始める

このいつもの感じ、やっと戦が終わったと感じた

 

それから数日、春蘭達は諸侯の動きを探りながら各地で活性化を見せる賊たちを討伐していた

俺はというと曹操様から月と詠のことを任され、とりあえず俺の新しい屋敷に呼んでこれからのことを決める

感じだ

 

「いらっしゃい、涼風挨拶しなさい」

 

「はぁ~い、はじめましてこんにちは、すずかですよろしくおねがいします」

 

丁寧にお辞儀をして自己紹介をする我が娘、なんと愛らしいことか。

俺はたまらなくなって抱きしめて頭を撫でる。

 

「あははは、なんというか親馬鹿ね・・・・」

 

「よろしくおねがいしますね涼風ちゃん、私は月って言います」

 

そういって涼風に挨拶して握手している、それを見ながら俺はふと二人の仕事を思いついた

 

「なぁ、二人とも子供って好き?」

 

「え?ええ好きですよ可愛いし、一緒にいると癒されます」

 

「僕も別に嫌いじゃないわよ」

 

ならあの仕事をしてもらうか、ちょうど良いしなこの二人ならうまくやっていけるだろう

 

「それじゃあ着いてきてくれるか?」

 

俺はそういうと涼風を肩車して外へ歩き出す。

急に歩き出す二人はあわててついてくる、詠にいたっては「何考えてるの?変なことじゃないでしょうね?」

など言ってくる。おいおい娘が一緒なのに変なことなんかしないよ

 

「おと~さん、みんなこっちにきてからおともだちいっぱいできたみたいだよ」

 

「そうか~、涼風もいっぱいお友達できたか?」

 

頭の上で「うん」と答える涼風を見ながら進んでいくと詠はどこへ連れて行かれるのかわからず

「どこまでいくのよっ!」と駆け寄ってきた、気が短いなぁ

 

「着いたよ、皆元気か~!!」

 

その声に反応した子供達が駆け寄って集まってくる

着いた場所は少し大きい屋敷、俺が前に曹操様にお願いして建て給金の一部をここに回して

いる戦災孤児のための孤児院だ

 

「え?え?え?」

 

「はぅ」

 

 

たくさんの子供達に囲まれて萎縮する二人、まあそうだろうなここはとりあえず外にいるだけで30人はいるからなぁ

いきなり囲まれたら面食らうに決まってるよ、俺は子供達一人一人頭を撫でながら眺めた

 

「あらあら、昭様と涼風ちゃんとそちらの二人は?」

 

そういって近づいてくるのはここの園長さん、戦で子供と夫を亡くして行き場をなくしていたところを

俺が雇った少し恰幅のいいおばちゃん

 

「どうも園長、明日からこの二人をここで働かせようと思ってるんだがどうかな?」

 

「え?え?ちょっとまって!僕たちの仕事ってこれ!!!」

 

「おや、元気のいい子だねぇ!これなら良く働いてくれそうだ、さすが昭様だね見る目がある」

 

俺は頷いて月に目を向けると、さっきまで萎縮していたのが嘘のように子供達と話している

それを指差すと詠は「あ」と声をもらし、その後はやれやれといった顔を浮かべる

 

「やらせてください、私はこの子たちのお世話がしたいです。」

 

「ああ、よろしく頼むよ。それじゃあ次だな」

 

「え?次!!!これだけじゃないのっ!」

 

にっこりとした顔を詠に向けて園長に明日からお願いしますと告げ、また歩き出す

「ちょっと!まちなさいよっ!」と子供達に手を振りながらついてくる

 

「お~い一馬!」

 

「かずまく~ん」

 

次についたのは警備隊の隊舎、涼風と俺は一馬を呼びながら隊舎に入っていく

 

「あ、兄者と涼風ちゃんそれにお二人も」

 

「こんにちは一馬さん」

 

「ちょっと!こんなところに連れてきてっ!僕たちに警邏でもさせる気っ!」

 

そんなわけ無いだろう、ホントに気が短いなぁ俺は少しあきれたように笑う

月はそんな詠に「昭さんはそんなことさせないよ詠ちゃん」といってくれた

 

「ああ月の言う通り、一馬これから犯罪者の更生活動として後孤児院に輸送し手伝いをさせる」

 

「なるほど、わかりました兄者、それでは監視として二名をつけましょう」

 

その言葉で納得したのか詠は口をあけて月を見る。そして言葉を発しようとした瞬間

 

「その方達を導くのが私の役目ですね?」

 

月はその目に強い光を宿し見上げてくる、そうだよ洛陽での話しの通り君は

大きい光となる、それこそ聖女となるほどね

その言葉で止まってしまった詠に月は「お願い詠ちゃん」といって懇願する

 

「わかったわよ、その代わり昭のとこの最高の兵を送って!安全は保障してもらわないと」

 

「もちろん」と答えると一馬に明日から頼むと言い残しまたその場から移動する

 

「ちょっと!またなの?今度はなによっ!!」

 

今度は新兵鍛錬所、凪が一番に気がつきこちらに走ってくる

それを追って真桜と沙和が近寄ってくる

 

「どうなされましたか隊長?」

 

「ああ、明日から新兵訓練の指揮をとってくれる軍師の詠だ」

 

「え!!」

 

俺の言葉に詠が叫ぶ、よほど予想外だったんだなこれほど驚くとはな

 

「ちょっと!な、何言ってるの?」

 

「隊長、どういったことでしょうか? 」

 

「ああ、洛陽であそこまで俺たちの攻撃を凌いでいたのはこの詠だ、彼女の能力は素晴らしい

だから新兵の訓練に詠を混ぜてより実践的に訓練をつんでもらいたいんだがいやか?」

 

「洛陽で・・・・」そうつぶやくと沙和と真桜は納得してくれたが凪だけは納得いかないといった感じだな

 

「凪、お前達のことを信頼してないわけではない、だが色々な意見を取り入れるのはいいことだ

一つのことにとらわれすぎると成長は無い」

 

頭を優しく撫でながら諭すと顔を赤くして頷いてくれた。相変わらず恥ずかしがりやだな

 

「えっと、いいの?僕なんか入っちゃって」

 

「ああ、是非頼む!ただ孤児院のほうに差し支えないようにな」

 

「良かったね詠ちゃん」

 

「え、あ、そ、そんなの当たり前よ!僕の力を評価できるなんてなかなかじゃない!」

 

詠は顔を赤くしながら胸を張って威張っている。嬉しいんだな、でもなんていうか

素直じゃない、でもきっとそこもいいところなんだろうな

 

 

「さて、それじゃあ二人は俺の屋敷で今日は過ごしてくれないか? 」

 

「え、昭さんはどちらへ?」

 

「ああ、俺はこれから真桜と一緒に新しい水路の設計にな」

 

「え?うち?これから?だめやで隊長!うちこれから大将にいわれたもん作らんとあかんねん」

 

どうせまたろくでもないものだろうなあの顔は、とりあえず「どんなのだ?」と聞いてみた

 

「それは全自動はり・・・・」

 

ガシッ

 

「アイアンクロー!」

 

真桜が途中までいって察した俺は真桜の頭を鷲掴みにしてぎりぎりと握る

まったく曹操様はっ

 

「いだだだだだだだだだだだっ!!!割れる割れる割れる割れるぅぅぅぅぅ!!!!」

 

手を離すと頭を抱えうずくまり、それを見ている沙和も見ていて頭が痛くなったのか

「うう~痛いの~」と言いながら頭を手で押さえている。涼風も笑いながら頭をぺちぺち叩き

「いたいいたい~」と言っている

 

「まったく、曹操様には俺から話しをする。それにお前じゃないと出来ないんだよ」

 

「え?うちじゃないとできへんの?誰でもいいんじゃないん?」

 

「そうだよ、まったくお前達は!三人の能力を一番に信頼してるのは俺だぞ?特に真桜は俺がお願いして

曹操様の下に来てもらったのを忘れたのか?」

 

そういうと凪と真桜と沙和は顔を赤くしながら笑っている。まったくしょうがない奴らだ

 

「ゴメンな隊長!すぐ行くわ!!」

 

「ああ、それじゃあ月と詠は俺の屋敷で、それか町でもみて回ってきたらいい

作業着でも買ってくるのもいいな、明日からは忙しいから」

 

そういうと俺は懐から財布を出して月に渡し、手をふりながら真桜を従えて後にした

 

「詠ちゃん、私ここに着てよかった。きっとここなら皆の笑顔が見れる」

 

「うん、あいつ変な奴だけど目は確かね」

 

「これから町にいこうか詠ちゃん、動きやすい服用意しなくちゃ」

 

二人は手をつなぐと走りだす。これからの生活を考えながら

きっとこの先は光のある道だと

 

 

仕事を月と詠に紹介してから数週間、玉座の間での会議

 

「・・・・・・・・・・以上です」

 

「それは本当なの?毎日湯浴みが出来るなんて」

 

「ええ、許昌は川が近いので水路を引き生活用水を各屋敷に引きます。下水路にアーチ構造を使用して

地面の下を通し生活廃水もここに流し、川の下流へ送ります」

 

そこまでいうと桂花が眉根を寄せてこちらに伺ってくる

 

「下水路に敵が侵入したらどうするの?簡単に内部に侵入されるわ」

 

「それなら大丈夫、アーチ構造って言うのはとても頑丈なんだけど要石をはずすと一瞬で崩れてしまうんだ」

 

「なるほど、進入したところで一気に崩す。罠の役割も果たすのね?」

 

俺の説明に納得したように曹操様は言葉をつなげる。どうやらこれもお気に召したようだな良かった

 

「ではそれに予算を回しましょう、指揮は真桜でいいのね?」

 

「はい」そう答えると真桜がにっこりと笑って「やったで隊長!」と後ろからささやいてくる

良かった、これで真桜の評価も更に上がる。俺はそうだな、と答え笑顔を返した

曹操様は報告が終わったのを見ると立ち上がり皆を見回す

 

「これで報告は終ね、最後に私から皆に話があるわ、これからここに我らの国を興します」

 

              「「国号は魏とします」」

 

皆はざわめきそれぞれの顔に期待や希望の色が浮かぶ、ついに国を魏を興されましたね

しかし、鬼に委ねるとは貴方は自分を鬼だと言うのですか?私は貴方のような優しい方は

見たことが無い、なのにもかかわらず鬼とは実に貴方らしい

 

秋蘭を見るとこちらに目を向けて嬉しそうに目を細める。そうだよ、今曹操様の口から

覇業の始まりが告げられた、俺も嬉しいよ秋蘭今日は祝杯だな。そう俺は秋蘭に微笑み返した

 

 


 
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