No.105657

仮面の御使い 劉備編 第1話

Mr、加糖さん

やっとこ投稿。本編第一話、劉備Xアギトです。
と言ってもオリジナルライダーなんですけど。
それでもいいと言う人だけどうぞ。

2009-11-07 01:29:21 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:3298   閲覧ユーザー数:2874

仮面の御使い 劉備編 第一話

 

 『始まりの流星』

 

 

「え~~~っと…………」

 

 目の前の景色を眺めながら呟く。

 

「なんだ、コレ…………」

 

 とりあえず、落ち着いて考えよう。どうして俺はこんな所にいる?え~と、確か………

 

  

 学校の帰りに尾室さんから連絡があって、G5ユニットの人達と合流して、‘敵’と戦ってたらとんでもなく強い奴が現れて、やられる!と思った瞬間謎の光に包まれて、気が付いたら…………

 

 あたり一面を見渡せるほど高い崖の上、しかも見渡す限りの荒野のど真ん中にいる、と。

 

 うん、さっぱりわからない。

 

「とりあえず、ここから降りないとな……」

 

 ここがどこなのかだけでも知りたいと思い、崖を降りようとする。

すると崖の下、丁度俺のいる場所の反対側から剣戟の音が聞こえてきた。

 

 気になって見に行くとそこでは―――

 

 一人の少女が戦っていた。

 

 少女の着ている服も変だが、周りにいる男たちは明らかに時代錯誤である。どんだけ時代を逆行してんだよ、とつっこみたくなったがとりあえず様子を見てみることに。

 

(あの剣、本物だよな。どういうことだ?明らかに現代の戦い方じゃない。)

 

 そんなことを考えていると、遠くのほうから2人の少女が駆けてくるのが見えた。

 

『桃香様ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!』

 

『お姉ちゃーーーーーーーーーーーーーん!!!!!』

 

 どうやら少女の知り合いのようだが間に合いそうもなく。

 

「んじゃ、いくか。」

 

 少年は事も無げに崖から飛び降りたった一言だけ叫んだ。

 

「変身!」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、」

 

 肩で息をしながら少女は目の前の男達-野党の群れに立ち向かっていた。

 

(どうしよう、このままじゃ……)

 

 頭の中を不安がよぎる。すると―――

 

『桃香様ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!』

 

『お姉ちゃーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!』

 

 二人の義妹の声が聞こえてきた。が、一瞬気を逸らした隙に持っていた剣を弾かれてしまう。

 

 目の前にはすでに剣を振りかぶった男が迫っていた。

 

(もう、ダメ……かな……?ごめんね、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん…………)

 

 目を瞑り、痛みに備えるがいつまで待っても来るはずの衝撃は無く、恐る恐る目を開けるとそこには・・・

 

 

 

 

見たこともない鎧を纏った戦士が立っていた。

「やれやれ、女の子相手によってたかって……。恥ずかしくないのかな?」

 

 男たちははじめ混乱していたが、その言葉で冷静さを取り戻したのかすぐさま襲い掛かってきた。が―――

 

「「「なっ!!!」」」

 

 振り下ろした剣は逆に砕け散る結果となり、

 

「はぁっ!!!」

 

 直後に放たれた蹴りによって数人が一度に吹き飛ばされた。

 

「次は本気でやるけど……、どうする?」

 

 力の差を理解したのか一斉に逃げようとするが、

 

「はぁぁぁぁあああああっ!!!!!!!!」

 

駆けつけてきた少女の豪撃によって全員が地に伏すことになった。

 

 

(もう、大丈夫かな?)

 

 そう思い変身を解除するとやたらと驚かれたがその説明をする前に

 

「え~っと……、ココどこ?」

「えっと。ここは、幽州啄郡ですよ?」

 

 なんかぽや~っとした感じの少女が答える。

 

(ゆうしゅうたくぐん?やっぱり日本じゃないのか?っていうか聞き覚えがあるんですけど)

 

「どなたかは存じませんが、この度はわが主 劉玄徳様の危機を救っていだきありがとうございました」

 

 黒髪の少女が礼を述べる。

 

(劉玄徳って……劉備!? ってことはまさか……)

 

「あの~、もしかして今って後漢王朝で、霊帝が治めてる?」

 

「? お兄ちゃん何当たり前のことをきいてるのだ?」

 

 答えた少女の顔はいたって真剣で。

 

(本当にタイムスリップしたのか!? 三国志の世界に!? じゃあなんで劉備が女の子なんだ!?)

 

 一人であれこれ考えていると、

 

「ねえねえ、お兄さんってこの国の人じゃないの?」

 

「うん、どうやらそうみたいなんだけど……」

 

「やっぱり!愛紗ちゃん、鈴々ちゃん!この人きっと天の御使い様だよ!」

 

「天の御使い? 管輅の占いに出てきたあれですか?」

 

「そういえばなんかすごそうな鎧をきてたのだ!」

 

 少女たちがなにやら盛り上がっていると…………

 

 

 

 少年の腹の虫が盛大になった。

 

「え~~~~っと……。それでは近くの村にでも行きましょうか?」

「なるほど。で、今の世の中をどうにかしようと三人で旅をしていたら劉備ちゃんが迷子になって」

 

「偶然通りがかった隊商の人達と近くの村を目指してたら賊に襲われちゃって」

 

「なんとか商人たちは逃がしたものの桃香様だけが逃げ遅れて」

 

「あぶないところにお兄ちゃんが降ってきたのだ!」

 

 とりあえず近くの村に来た俺たちは食事をとりながら現在の状況を話し合っていた。ちなみに嫌な予感がしたので聞いてみると三人ともほぼ無一文だったらしく所持品のボールペンを売って何とかその場をしのいだ。

 

「そういえばさっき言っていた『天の御使い』ってなんなんだ?」

 

「実は、少し前から庶人の間で噂になっていたのです。『東方より飛来する流星は、乱世を治める使者の乗り物だ』と」

 

「そしたら本当に流星が降ってきて、もしかしたらと思って見に行ったら」

 

「賊に襲われて、俺が降ってきた、と」

 

 その言葉に三人が頷く。

 

「それで、お願いがあるんです。北郷さん! 私たちと一緒に戦ってくれませんか! この大陸に住むみんなを笑顔にするためにあなたの力を貸して欲しいんです!」

 

 普通だったら夢物語にしか思えない言葉。けど、その強い想いのこもった瞳と言葉、なにより自分以外の誰かのために戦おうとする姿が『あの人』によく似ていた。だから―――

 

「わかった。何が出来るかわからないけど俺でよかったら力を貸すよ」

 

 一緒に戦える。そう思ったんだ。

 

 

 

 

「それじゃあ、改めてよろしくね、ご主人様♪」

 

「って、ちょっと待った! なんだそのご主人様って!」

 

 拒否しようとしたが三人に押し切られ、結局呼び方は『ご主人様』に決まった。めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど…………。

 

「さて、それじゃあこれからのことについてなんだけど、何かいい考えはある?」

 

「そうですね、私も鈴々も武芸には自信がありますからどこかに仕官しようかと思っていたのですが…」

 

 すると話を聞いていたのか、店の女将が話しかけてきた。

 

「あんた達、腕に自信があるんだったらこの近辺を治めてる公孫賛様のところに行ってみな。確か今、義勇兵を募集しているはずだよ」

 

 その言葉に劉備が、

 

「あ、そういえば白蓮ちゃんがこのあたりに赴任するって言ってたよ」

 

「……桃香様、そういうことはもっと早く仰って下さい……」

 

「あぅ、ごめ~ん……」

 

「アハハ…、それじゃあ公孫賛さんのところにいってみようか」

 

 

 

 

店を出ようとすると女将から餞別にと陶器の瓶にはいった酒を渡された。

 

 

 これはもしや――――

 

「この辺り、かなぁ~?」

 

「女将から聞いた場所はこの辺りですね」

 

 公孫賛の本拠地に向かう途中―――

 

 

 

「おお―――――――」

 

 俺たちは一面に広がる『桃園』に立ち寄っていた。

 

 

 

「まさか、自分が立ち会うことになるとは……」

 

 正直びっくりだ。少々感慨に耽っていると劉備が話しかけてきた。

 

「えっと、これからはご主人様には私達を真名で呼んで欲しいんだけど………」

 

 なにやら聴きなれない言葉が出てきた。

 

「? 真名ってなに?」

 

「我々の持つ本当の名です。家族や親しきものにしか呼ぶことを許さない神聖な名前」

 

「その人の本質を包み込んだ名前なの。だから例え知っていても口に出してはいけない本当の名前」

 

「だけど、お兄ちゃんには呼んで欲しいのだ!」

 

 そいつは……責任重大だな……。だけど、これは彼女たちからの信頼の証。だから――

 

「わかった。じゃあ、えっと…」

 

「我が真名は愛紗」

 

「鈴々は鈴々!」

 

「私は桃香!」

 

「うん、桃香、愛紗、鈴々、これからよろしく!」

 

 そして皆で杯を天に掲げ――――

 

「それじゃあみんな、準備はいい?」

 

「うんっ!」

 

「はっ!」

 

「良いのだ!」

 

 それじゃあ――――

 

 

「我ら四人っ!」

 

「性は違えども、姉妹の契りを結びしからは!」

 

「心を同じくして助け合い、みんなで力無き人々を救うのだ!」

 

「同年、同月、同日に生まれることを得ずとも!」

 

「願わくば同年、同月、同日死せんことを!」

 

「……乾杯!」

 

 

 ――――こうして、俺の新たな戦いが始まった――――

 

 

                                ―続―

 拳を振るう度に

 

 蹴りを放つごとに

 

 体に残る嫌な感触

 

 それでも仲間のため、理想のために

 

 少年は覚悟を決める

 

 

 次回 仮面の御使い 劉備編 第二話

 

  『戦場』

 

    そこに潜むのは邪悪な影

あとがき

 

 えーーーーと。まずは遅くなってすいません!書き溜めしていたファイルが消えました………。

もともと遅筆なのでべっこりへこみまして、回復に時間がかかりました(心の)。

 

 

 正直、出番が少なかったですけど一応『アギト』の世界のオリジナルライダーです。敵もオリジナルですけど、アンノウンも出ます。次からはもっと出せるように頑張ります。あと、次のページに設定が載ってるのでよろしかったらどうぞ。

 

 

P.S

 アギトのOPってなんか蜀っぽいと思ったのは自分だけ?

設定

 

仮面ライダー<アルファ>

 

世界観

 『アギト』の本編終了から数年後。人々の中で徐々にアギトの力が目覚めつつある世界。

 

 アギトの力を恐れた一部の者たちがアギトを超える力を得ようと、自らを異形の姿へと変えた。

 

 そんな中で主人公、北郷一刀は不完全ながらもアギトの力に目覚める。その姿から区別のために『アルファ』と呼ばれるようになった。

 

 ちなみに津上 翔一<アギト>は一刀のバイト先の店長。彼の影響で覚醒が早まった。

 

能力

 外見は<アギト グランドフォーム>に似ているが全体的に白が基調となっている。

 

 角飾りは展開すると8枚になりそれぞれ色が違う。内側から順に金、赤、青、紫の4色が2枚ずつとなっており、フォームチェンジすると対応した色の角だけが展開され4本角になる。

 

 本来、胸部中央にあるはずのエネルギー制御機関『ワイズマン モノリス』がないため、非常に不安定な状態である。老化現象は起きていない。

 

 必殺技はアギト同様にオルタフォースを足に籠めて放つ『アルファスマッシュ』


 
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