漫画的男子しばたの生涯一読者
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■萌えやらHやら 〜単行本その2

その2では萌え系&H系な作品を集めてみた。なぜだかよく知らないが、今回はこっち方面で妙に個人的な注目作品が多かったような気がする。

「ななか6/17」 1巻 八神健 (秋田書店) [bk1]
ななか6/17
「ななか6/17」1巻
八神健
現在の「週刊少年チャンピオン」は、あろうことかかなり萌え萌え路線を強めている。読者コーナーにでじこを起用するなど、「タイマン張ったらダチじゃ!」とかいってた時代を知る者からすると驚きの誌面となりつつある(とはいえ「あんどろトリオ」とかが載っていた時代を知る者にとってはそれほどでもないような気もするが……)。で、その萌え萌えチャンピオンの中心的な存在といえるのがこの作品、そして次に紹介する「しゅーまっは」である。「ななか6/17」は、17歳の女の子・ななかの精神年齢が6歳児のものになってしまい、幼なじみの男子がそれに振り回されるというお話。17歳でありながらなんか表情があどけなくなり、子供ことばでしゃべるななかやたら可愛くて、もうオタク的男子のハートをわしづかみ〜なのでございますよ。
「しゅーまっは」 1巻 伯林 (秋田書店) [bk1]
しゅーまっは
「しゅーまっは」1巻
伯林
そしてこっちでもハートをわしづかみされているオタク的男子なしばたでございますよ。この作品は、キュートな女子高生・彩がマッドサイエンティストなおじいちゃんと一緒に暮らすことになり、おじいちゃんが作ったグログロ改造人間「しゅーまっは」に悩まされるというドタバタコメディ。ギャグの回転がかなり速くて愉快なうえ、親しみやすい絵柄によって生み出されるヌルさに、グロさが妙にマッチしてもう大騒ぎなのである。この巻ではまだ出てないんだけど、その後連載のほうでは妹型しゅーまっはの「まは」という反則的な萌えキャラも登場し絶好調である。
「紺野さんと遊ぼう」 安田弘之 (太田出版) [bk1]
紺野さんと遊ぼう
「紺野さんと遊ぼう」
安田弘之
上記2作とはまた違った感触の萌えを与えてくれるこの作品。女子高生である紺野さんの日常を、じーっと観察し続けるというお話だ。無口でやる気なさそうなんだけど、ときどき人が見ていないところで奇行にふけっている紺野さんの微妙な表情の変化を見ているとなんだかすごく楽しい。描き方としても陰湿さがなく、あくまで一定の距離を保ち続ける姿勢がとてもクール。最近の安田弘之はすごくキレてるなあ。
「新・家族計画」 1巻 卯月妙子 (太田出版) [bk1]
新・家族計画
「新・家族計画」1巻
卯月妙子
カルトAV女優として知られる卯月妙子の第2単行本。初単行本の「実録企画モノ」は彼女の実体験を語ったものだったが、こちらはフィクションであるようだ。風俗嬢のAV監督とその息子、そして二人の部屋に転がり込んできているAV監督のオヤジの3人が繰り広げる家族ドラマ。かーちゃんの人格はかなり破綻していて、オヤジと彼女の喧嘩のシーンもやってることはかなりドギツかったりするんだが、あまり陰がなくカラッと明るい。妙にほのぼのしているのだ。お話のテンポが良くて面白く読めるし。この人、漫画家としてのセンスもけっこういいなーと感心した。
「つまさきだちおんなのこ」 わんぱく (二見書房)
つまさきだちおんなのこ
「つまさきだちおんなのこ」
わんぱく
基本的にはロリ系の人なのだが、この人の作画のクオリティの高さは相当なもの。スッキリとした線が、一つ一つ実に気持ち良い造形で気持ちのいい場所に配置されていて美しい。造本もなかなかにシャレていて、所有する喜びもある。この本に関してはbk1に在庫がなかったんでリンク張れませんでした。うー。
「オッパイファンド」 1巻 山本よし文 (双葉社) [bk1]
オッパイファンド
「オッパイファンド」1巻
山本よし文
いや〜、もう笑った笑った。週刊エロ漫画雑誌へと変身した「漫画アクション」(双葉社)を、先月紹介したながしま超助「ぷるるんゼミナール」と共に代表するような作品。まずはあらすじを説明すると、オッパイやお尻を金融商品化した市場「パイダックジャパン」における、株の値の上がり下がりに一喜一憂する男たちを描いた物語、ということになる。つまりオッパイやお尻を揉んだりつまんだりする権利が小分けにされて株形式をとっており、それが投機対象になっているわけです。そんでそのオッパイやお尻が魅力的であればあるほど値段が上がるので、セールスマネージャーたちは女性たちに縄跳びさせたり、おしりを振らせたりするわけなのだ。というあらすじをきいただけで、ひっじょ〜に馬鹿馬鹿しい作品だということが分かっていただけると思う。展開もノリもやたらマヌケかつハイテンションで、もう圧倒されちゃうこと必至。
「PEACH!」 1巻 遊人 (小学館) [bk1]
PEACH!
「PEACH!」1巻
遊人
最近の遊人先生はスゴすぎる! 何がスゴいといって、H以外のことをこれ以上ないくらい思い切って捨て去っているかのごとき、その割り切りっぷり。この作品は、英会話教師の職を得たオタクで童貞な主人公が、その英会話教室の生徒をつなぎとめるために奮闘するというものなのだが、それはとりあえずわりとどうでもいい。重要なのは生徒がなんと全員美少女であるということなのだ! そしてそれぞれコスプレしてたり女子高生だったりする彼女たちを順番に攻略していく〜というわけで、つまりは美少女エロゲーをそのまんま漫画にしたようなもんだと思えばいい。やってることはもうむちゃくちゃ。英会話教室の女上司は、主人公と電話するときもまったく意味なくオッパイで受話器をはさんだり自分の乳首をなめたりしてるし、パンチラ胸チラは当然当たり前。あまりにも必然性なく生産されては消えていくエロスを見ていると、何やら断崖から次々と海に飛び込んでいくレミングをも連想してしまう。昔から「遊人といえばエロ」だったが、ここにきてこの人は何か前人未到の境地に達してしまったような気がする。
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