カルトAV女優として知られる卯月妙子の第2単行本。初単行本の「実録企画モノ」は彼女の実体験を語ったものだったが、こちらはフィクションであるようだ。風俗嬢のAV監督とその息子、そして二人の部屋に転がり込んできているAV監督のオヤジの3人が繰り広げる家族ドラマ。かーちゃんの人格はかなり破綻していて、オヤジと彼女の喧嘩のシーンもやってることはかなりドギツかったりするんだが、あまり陰がなくカラッと明るい。妙にほのぼのしているのだ。お話のテンポが良くて面白く読めるし。この人、漫画家としてのセンスもけっこういいなーと感心した。
「つまさきだちおんなのこ」 わんぱく (二見書房)
|
「つまさきだちおんなのこ」
わんぱく
|
基本的にはロリ系の人なのだが、この人の作画のクオリティの高さは相当なもの。スッキリとした線が、一つ一つ実に気持ち良い造形で気持ちのいい場所に配置されていて美しい。造本もなかなかにシャレていて、所有する喜びもある。この本に関してはbk1に在庫がなかったんでリンク張れませんでした。うー。
「オッパイファンド」 1巻
山本よし文 (双葉社) [bk1]
|
「オッパイファンド」1巻
山本よし文
|
いや〜、もう笑った笑った。週刊エロ漫画雑誌へと変身した「漫画アクション」(双葉社)を、先月紹介したながしま超助「ぷるるんゼミナール」と共に代表するような作品。まずはあらすじを説明すると、オッパイやお尻を金融商品化した市場「パイダックジャパン」における、株の値の上がり下がりに一喜一憂する男たちを描いた物語、ということになる。つまりオッパイやお尻を揉んだりつまんだりする権利が小分けにされて株形式をとっており、それが投機対象になっているわけです。そんでそのオッパイやお尻が魅力的であればあるほど値段が上がるので、セールスマネージャーたちは女性たちに縄跳びさせたり、おしりを振らせたりするわけなのだ。というあらすじをきいただけで、ひっじょ〜に馬鹿馬鹿しい作品だということが分かっていただけると思う。展開もノリもやたらマヌケかつハイテンションで、もう圧倒されちゃうこと必至。
「PEACH!」 1巻
遊人 (小学館) [bk1]
|
「PEACH!」1巻
遊人
|
最近の遊人先生はスゴすぎる! 何がスゴいといって、H以外のことをこれ以上ないくらい思い切って捨て去っているかのごとき、その割り切りっぷり。この作品は、英会話教師の職を得たオタクで童貞な主人公が、その英会話教室の生徒をつなぎとめるために奮闘するというものなのだが、それはとりあえずわりとどうでもいい。重要なのは生徒がなんと全員美少女であるということなのだ! そしてそれぞれコスプレしてたり女子高生だったりする彼女たちを順番に攻略していく〜というわけで、つまりは美少女エロゲーをそのまんま漫画にしたようなもんだと思えばいい。やってることはもうむちゃくちゃ。英会話教室の女上司は、主人公と電話するときもまったく意味なくオッパイで受話器をはさんだり自分の乳首をなめたりしてるし、パンチラ胸チラは当然当たり前。あまりにも必然性なく生産されては消えていくエロスを見ていると、何やら断崖から次々と海に飛び込んでいくレミングをも連想してしまう。昔から「遊人といえばエロ」だったが、ここにきてこの人は何か前人未到の境地に達してしまったような気がする。
page 3/4