漫画的男子しばたの生涯一読者
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■収穫ザクザクH漫画系 〜単行本(2)

今回はチェックした単行本が多かったんで、H漫画系はこちらにまとめてみた。

「ぷるるんゼミナール」 1巻 ながしま超助 (双葉社)
ぷるるんゼミナール
「ぷるるんゼミナール」1巻
ながしま超助
昨年リニューアルされて週刊エロ漫画雑誌となった「漫画アクション」(双葉社)だが、このところなんだか妙な面白さがある。エロ漫画が大半を占めているけれども、ほかのエロ漫画雑誌では見られないような独特の味を持った作品が多い。「ぷるるんゼミナール」は、そんな現在の「漫画アクション」を象徴するような作品だ。

哲学界の大物である大学教授の一人娘である名門女子大生の新入生・深瀬菜々美が主役なのだが、彼女には他人とは異なる特徴があった。ものすごい巨乳なのである。そしてちょっと乳を刺激されるとすぐHな気分になってしまって男の人をつかまえてはヤラせちゃうという性癖を持っている。その厄介なクセを克服するため、大学で女性問題の権威である女教授のゼミに入るのだが……というストーリー。この要約だけだと何もすごくなさそうだけど、この作品、ノリがどうもヘンなのである。一見フツーにお話が始まったかと思っても、なんだかあれよあれよという間にHな展開に突入。ゼミの構成員は全員巨乳だったり、状況としてはかなり異常なのにまったく悪びれることなく開けっぴろげで、ノリがとにかく陽気。何かあっても、たいていのことは菜々美の決めゼリフ「オッパイ大き過ぎてごめんなさ〜い!!」であっけらかんと解決。このおめでたさはタダゴトではない。お話の展開も予想がつかないし、今後何をしでかしてくれるか、すごく気になる。

「スクール」 2巻 OKAMA (ワニマガジン)
スクール
「スクール」2巻
OKAMA
ついに……というかやっと出た。連載が完結したのが「快楽天」の(ワニマガジン)2000年4月号だから、単行本にまとまるまで1年以上かかったことになる。お話は最初、純な少年に見える主人公の孝幸が転校してくるところから始まるのだが、転校先の学校でモテモテになるうちにしだいしだいに彼の無軌道なプレイボーイぶりが浮き彫りになってくる。本人は全員を公平に愛しているつもりでとくに悪意がなかったりするのだが、その落とし前をつけなくてはならなくなってきて、最初の美しげなお話からどんどん居心地の悪い方向へと進行。そして最後は、悪意とイタズラ心バリバリの突きっぱなしたラストへとなだれ込む。連載の第1回めを読んだときは、まさかこんなぶん回したお話になるとは思っていなかった。OKAMAの作画はナイーブで美しいだけに、よけいに「一本とられた!」って気持ちが強まる。いやー、見事にやられました。
「BWH」 1巻 花見沢Q太郎 (集英社)
BWH
「BWH」1巻
花見沢Q太郎
一般誌の「ウルトラジャンプ」掲載ってことでエロはほとんどないけれど、H漫画方面に近しい人ということで。この作品はいわゆる女子寮モノだ。転校生のユイちゃんが「ベルウッドハウス(BWH)」と呼ばれる女子寮に入寮。その後、ルームメイトや寮の先輩たちと仲良しになったり、先生と恋をしたりするという、実に他愛もないお話だ。でもコレがいい。ヌルくて甘いお話、それからかわいい女の子たちがきゃいきゃいいって騒いでいるさまに、もうトキメキまくり。すごく甘口なのに、後味がサッパリと軽いのも素晴らしい。なんといっても女子寮というシチュエーションが素晴らしいではありませんか! 最近の花見沢Q太郎は、「ヤングキング」(少年画報社)連載の「ももいろさんご」(単行本は1巻が発売されている)といい、萌え度がやたら高い。素晴らしい。
「モウソウマニアおんなのこ」 朔ユキ蔵 (メディアックス)
モウソウマニアおんなのこ
「モウソウマニアおんなのこ」
朔ユキ蔵
第12回で紹介した「チマタのオマタ」(ワニマガジン)に続き、2001年になって2冊めの単行本。それにしてもやっぱりこの人の作品は面白い。シャープな線によるとても端整な絵柄なのに、登場人物はみんなどこかイカれてて、たまりにたまった情念を物語のある一点でドバーッと爆発させる。その瞬間のカタルシスがとても気持ちいい。ヘンなんだけどカッコイイ。大したもんです。朔ユキ蔵は3月末発売の「快楽天」5月号から初の長編連載「少女、ギターを弾く」もスタートさせている。かなりダイナミックな作品になりそうで、これからがとても楽しみだ。

それでは単行本編の締めくくりとしては、最後は濃厚でアクの強いモノ紹介する。これは耐性のある人にだけオススメ。
「崩壊の慟哭」 柿ノ本歌麿 (桜桃書房)
崩壊の慟哭
「崩壊の慟哭」
柿ノ本歌麿
柿ノ本歌麿は、現在「夢雅」(桜桃書房)で活躍中の作家で、最近しばた的にかなり注目している。実際この人スゴイです。何がスゴイって、とにかくやたらめったらスケールの大きい凌辱シーンを描くのだ。とくにこの単行本の後半に掲載されている連作「I・dol・翔子」はもう絶句モノである。凌辱されるのは15歳のアイドルなのだが、クライマックスで彼女は、超強力媚薬を大量に投与され5万人の観衆を前にドームのステージで延々犯され続ける。最終話の冒頭から引用すると「体内射精延べ208人」「絶頂回数計測不能!!」「もうっ限界です!!!」。うえー。テンション高すぎる。そして「母乳も愛液もすべての体液を垂れ流しながら」「絶命した!!!」と来たかと思ったら、間髪置かずに電気ショックで蘇生させられ、さらに今度は7万人のファンクラブ会員に1年がかりで凌辱されるという大作に出演とくる。最近は鬼畜系の作品がだいぶ増えてきて人道的にヒドいのもよく見るのだが、ここまでつきつめた作品というのは、ちょっと類を見ない。普通の鬼畜系は「壊れるまでヤル」ところを、この人は「壊れてからもヤル」というか「壊れてからが本番」といった感じなのだ。1冊読んだだけでもうお腹いっぱい。降参!
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