出没!
TINAMIX
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「子供をねらえ」

にゅ。今や見る影もない、訳でもないけれど一時期に比べれば大きく減ってしまった「エヴァ」に比べて、快調どころか全世界レベルへとマーケットを広げている「ポケモン」の人気ぶりを見ると分かるように、常に新しいキャラクターを探しては話題にし、いっしょになって人気を盛り上げていく気分を味わいたい、「大きなおお友達」に受けているキャラクターの寿命は決して長くはない。ブロッコリーのいかにもな設定のキャラ戦略に、どこか「乗ってあげてた」部分のある「でじこ」人気の今後も心配されるところだけれど、「デジキャラフェスティバル」の会場を見ると、意外や中学生とか小学生の女の子たちも「でじこ」に「ぷちこ」のグッズを買って身につけている姿がチラホラ見えて、将来性を感じさせる。

会場の事務局に座っていた木谷社長に、職権を使って話を聞くと、東京・池袋の西武百貨店で同じくゴールデンウィーク期間中に開催されていた「デ・ジ・キャラット原画・セル画展」にも、買い物に来た親子連れの子供が入りたそうな仕草を見せていたそうで、ビジュアルで子供たちを引きつけ、内容でヒネた「オタク」を倒す2段構えの戦略に、これでなかなかしぶといキャラになりそうとの感触を抱く。

後日のぞいた「原画・セル画展」はなるほど男子が圧倒的ながら、女子もそこそこ来場しいたのが目についたし、最近は秋葉原ににある「ゲーマーズ本店(通称でじこビル)」をでも、女子の客の姿も結構見えるようになっている。池袋では、家族連れの母親が子供に「でじこ」の性格設定を指さして「狡猾でうかつだって、ヘンだねえ」と言っていたけどれ、ウケたのかそれともヘンだと思われたのかはともかく、巨大なマーケットである親子連れの気を引いていた事実は意味がある。

「ぼくらが育てる」

それでも「でじこ」の場合は、最初にブロッコリーの仕掛けありきの部分があった分、ヒットする力もあった。これに対して東北電力が昨年夏のエコアイスキャンペーンに使ったキャラクター、一般的には「えここ」なり「エコアイスちゃん」なりの名前で呼ばれる美少女キャラの場合、企業による仕掛けのいっさいないまま、主にネットの中で人気が盛り上がって行き、ついにはその名前を冠につけた同人誌の即売会「エコケット」(→公式サイト)が開かれるまでになってしまった。

エコケット4月23日に浅草橋の「東京文具共和会館」で開催された第1回目の「エコケット」は、11時の会場時間で軽く100人は超える人数の行列が出来きるほどの大人気。「エココ」自体のペンギンを頭に被った可愛らしさが受けるのは確かに分かる。が、アニメにもなっておらず正規のグッズすら出ていないマイナーキャラがこれほどまでの人気を獲得するのは、メジャーではないが好ましいキャラを発掘し、いっしょに育てていきたいというファン心理あってのものなのだろうか。ミュージシャンなりアイドルが、マイナーな番組に出ていたりデパートの屋上で歌っている頃から目をつけて、大ヒット後に「ぼくは知っていた」と嬉しがるみたいなものなのだろうか。

あとは、ネットという迅速なコミュニケーションを可能にするツールの登場のお陰というのも避けて通れない事実だろう。ネットで話題になってるって聞かなければ知らなかった可能性が高いだろうから。ただ、情報の伝わるスピードが速いということは、そのまま情報が消費されるスピードの速さとも関係して来る訳で、「ああ流行ってるね」が「流行ってたね」となった瞬間に、陳腐化して意識的に気持ちから除外されてしまいかねない懸念もはらむ。そこを越えて心の倉庫に殿堂入りできれば良いんだけど、そうなるためにはもう1段の「メジャー」な場での活躍が必要。とりあえずは第2回目の「エコケット」が9月3日に開催される予定で、大手出版社からの絵本の刊行も決まっているとかで、「でじこ」の企業パワーにこそかなわないものの、マーケットは広がる方向にあるようだ。

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