「池袋サンシャインキャラクターパーク」
ゴールデンウィークの池袋サンシャインシティは、そこかしこでキャラクターが関わるイベントが開催されていて、娯楽までもがキャラクターに支配されているかが分かる。まあ、浦安にある世界でもっとも有名なネズミのキャラクターの王国が、日本の娯楽の王様だったりするから、今さら何を言ってるんだということになるけれど、それにしてもという感じ。4月30日に開催されたドールのイベント「ドールズパーティー」は、最新の素体を求める人の長蛇の列を入場待ちと感じ違いして入らず概要は不明だけど、おそらくはオリジナルのドールに交じってさまざまなキャラクターに改造されたドールが並んでいたことだろう。
せっかく池袋まで来たのだからと寄ったイベントが、文化会館で開かれていた「たれまつり」。あのだれきったパンダのキャラクター「たれぱんだ」を集めた展示会で、ブレイクしてから相当な期間が経っているにも関わらず、幼稚園とか小学校の低学年といった層と、その親という一行や、カップルやマニアで結構な賑わいを見せていた。迷路仕立てのコースの中にあった、ラブラブカップルな人が行くコースでは、「たれぱんだ」の「すき」の格好を真似て抱き合っているカップルもいて、水でもかけてやりたくなったけどボコられるのも面倒だからと我慢する。
外では可愛い6歳くらいの女の子が立っていて、着ているエプロンドレスの生地がたれぱんだの模様で背中にも「たれぱんだ」のリュックを背負っいた姿に、もう近寄って頬摺りしてあげたくなったけど、こちらも母親連れだっため断念。ほかにも背中に「たれぱんだ」のマークが入ったシャツとか着た女の子とかが結構いて、「ポケモン」のブロックバスター的な人気には遠く及ばないとは言え、ゲームやアニメが核となってブレイクするキャラクターの多々あるなかで、メインのコンテンツを持たないキャラクターがかくも巨大になってしまった状況は、分析すると「キャラが売れない」と嘆く企業にとっていろいろ参考になるかもしれない。
「日本キャラ国、キャラクターの国」
サンシャインではほかに「デジモンアドベンチャー」や「セーラームーン」のイベントが開催中で、ソニー・クリエイティブプロダクツのショップではメールソフト「ポストペット」の「モモ」が兄と妹の2匹連れで来場してサイン会を実施。ナムコが運営する屋内型テーマパーク「ナンジャタウン」もキャラクターの「ナジャヴ」が人気だったりする訳で、サンシャインはさながら「キャラクターの塔」と化していた。
こうなると、例えばアミューズメントなりエンターテインメントから「キャラクター」という要素を取り払った時、そこに楽しさは成立するのだろうかと考えてしまう。というより、そんな残酷な状況を考え辛くなってしまっている自分にふと気がつき、すべてをキャラクターに依存している状況が、遊びを想像し創造する感性を狭めている可能性はないんだろうかと自問する。
そうはいっても逆に「キャラクター」という価値を、まったくの無から創造する感性は養われることも事実。それも立派に1つの想像力であり、創造力なのかもしれない。すでにキャラクターが国民の娯楽の、商品の血肉となってしまったこの日本。失言壁というキャラの立ちまくった首相に言わせてみたい。「日本はキャラクターを中心にしたキャラクターの国」、なんてことを。
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