ゲイザーは懐から占い師ミケーラのカードを取り出すと金庫にはしまわず、机の上に置きました。
「ミケーラさんも連れて行かない方が良いだろう」
「僕はアラヴェスタ城に行ってお父さんに会いに行って来る!」
「くれぐれも騎士団の耳に入れないように気をつけるんだよ?」
「うん、わかった…。ローラの身の安全が第一だからね?」
ルークはマルヴェールとアラヴェスタの国境付近で待っている馬車に乗り込みました。ゲイザーがよく使っているので出待ちをしている馬車が常に待機しています。
「アラヴェスタ城まで急いで!」
馬車がアラヴェスタ城に着くと、ルークは御者に金貨を一枚渡してお釣りも受け取らずに降りました。
「父はいますか?ルシファー・マルヴェールに話があるんです」
「ルシファーは外回りの仕事で出ていますね」
「えーっ!時間がないのに…。どこにいるかわかりませんか?」
「伝言なら承りますので、ルシファーに伝えたい事があれば、この紙に書いてください」
「紙になんか書けるわけないじゃないか!お父さん、どこにいるんだろ?」
ルークはアラヴェスタ城の受付を出ると、また別の馬車を呼び止めて、街中をあちこち探し回ります。
「坊や、お金は大丈夫なのかい?こんなに乗り回したら乗車賃が嵩むよ…」
「お金なんかいくらかかっても構わないよ?俳優とレコード契約で稼いだ金が銀行にあるから足りなかったらおろして来る!」
「おお、俳優さんだったのか?どうりで綺麗な顔をしていると思った」
「本当は卒業してすぐに新しい家を借りる金が欲しくて貯めてたんだけど…。ローラが死んだら全部無意味じゃないか!」
外回りの仕事が終わったアークは、クタクタになって直接家に帰宅していました。ナタが先に帰宅しています。
「今日は早かったじゃない?ルークもまだ帰ってないわ。と言うかルークは帰りが遅いわね」
「ナタ、今日は疲れたよ?連盟に行って怖い魔術師たちと話したり、大変だったんだから…」
「世界最強とか呼ばれてる魔王の台詞とは思えないわね…」
「僕だってあれだけ大勢の魔術師を相手にするとなると大怪我だってするさ?怖いよ…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第123話。