総帥と連盟幹部は秘密結社で話をしています。
「理由はわかりませんが、お互いに合意の上で公的な文書にサインして役所に提出していたようです」
「ふむ、この娘は大した魔力も持ってないようだから、それほど厳重に見張らなくても逃げられないだろう?」
「ゲイザーには娘を助けたくば、一人だけで来い!と脅迫文に書いて呼び出しておきました」
「マルヴェール一族は厄介なクセ者揃いだが、奴だけは大した事はない。スラム街のゴロツキでも雇って見張らせておけ」
その頃、ゲイザーは魔術師の使い魔の伝書鳩から脅迫文を受け取っていました。
「これは…!アウローラが…?フラウの見た夢が正夢になってしまった…」
ルークがゲイザーの執務室に息を切らして乗り込んで来ました。
「おじさん!ローラが拐われた」
「ああ、今脅迫文が届いたよ?」
「僕も行く!連れて行って」
「騎士団に連絡したり、他の仲間を連れて来たらアウローラを殺す、と書いてある」
「そんな…!おじさんだけで助けられるの?」
「わからないが、君はついてこないでくれ…」
「ローラが殺されたら僕…何をするかわからないよ?」
「ああ、私の命より大事な娘を殺されるわけにはいかない」
「もしかして僕のせいなのかな?あの書類をお父さんに見せたから…」
「こうなる可能性があったから、今まで何もせずに捨て置いたのだが、いつかはやらなければならないと思っていたんだよ?」
「僕のせいだ…。あんな書類、お父さんに見せなければ良かった。どうでも良かったのに!」
「とりあえず呼び出された場所に今から行って来るが、決して騎士団には通報しないでくれ。すぐに総帥の耳にも入るからな」
「うん、でもお父さんには伝えるよ?お父さんは議員だから騎士団員じゃないし…」
…つづく
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一応、新シリーズだけど本編の第3部・第122話。