ナタもアークにしがみついて愛おしそうに頬ずりしながら言いました。
「使い魔は命令には逆らえないから、私は命令はしないけど、してるとしたら自由にしてって命令だけしてる」
「いつも私はやりたいようにやっています。家事もやりたいからしているだけです」
「アークにばかり押し付けて悪いなぁと思ってるの。フラウおばさまも本当は私がするべきなのに…って言ってたわ」
「女性が家事をするべきと言う考え方は男性の驕り高ぶりです。それは自然界の役割分担として、オスが狩を行なっている場合、メスが子育てをしていたからですが、メスが狩を行う場合は話が別です。オスも子育てに参加するのが、自然界でも常識となっています」
「狩って人間の場合、仕事してるって意味?」
「ええ、働く女性に対して男性は支える義務があるのですが、男性の多くは自分が支えて欲しいと考えているので、女性を支えようとは考えないのです。だから女性が仕事を頑張ると批判されたりします」
「そうなんだ?私も大人になったらバリバリ働いてフラウおばさまみたいなキャリアウーマンになるのが夢だったのに…」
「その時は私がナターシャ様を支えますので、安心して狩に行ってください。家事全般子育ては私に任せても大丈夫です」
「アーク、イクメンだー!」
「イクメン…。育児が好きな男性の事でしたっけ?イケメンだと言われるより嬉しいですね」
「アークなら子育ても上手そう」
「子育てに関しては自信はないのですが、子供が産まれたら可愛がろうと思っています」
「私のお腹の中にも今アークの赤ちゃんいるのかな?」
「おそらく昨日の初夜で赤ん坊が腹の中にいる可能性は十分あります」
「なんとなくなんだけど、昨日赤ちゃん出来ちゃった気がしたの。気のせいかもしれないんだけど…」
「ナターシャ様がそう感じたなら本当にそうかもしれません。出来た瞬間がわかる女性もいるそうですよ」
「うん、感覚共有は自分の知らない感覚はハッキリとは伝わってこないんだ。だからエッチな事してるのはわかってたんだけど、私はした事ないから、気持ち良さとかわかんなかったの」
「そうなのですね。なんだか少しホッとしました。気持ち良さまで伝わってしまっていたのかと思っていましたので。六歳児にはちょっと、問題があります」
「私、ずっとしてみたかったんだけど、なんかお友達の話とか聞いてると十二でもしてる子いたんだよ?」
「十二の子供に手を出すような男はロクな人間ではないので、お付き合いはやめた方がよろしいかと思われます。犯罪的傾向の強い思考だと推測されるので、そのご友人の身が危険です」
「うん、私もそう思った!その男ヤバくない?やめた方が良いよって」
アークはナタの友人の事が心配になりました。
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第44話。