No.978300

裏ビーストテイマー・ナタ43

リュートさん

本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第43話。

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2018-12-28 05:35:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:144   閲覧ユーザー数:144

アークはナタの頭を撫でながら優しく言いました。

 

「その感覚共有の呪いは外した方がよろしいかと思います」

 

「浮気したらすぐ私にバレるから、アークは感覚共有の呪いがあると困るの?」

 

「浮気はしません。ナターシャ様のお体に負担がかかるのが心配で…」

 

「今更この呪いを外す必要性を感じないし、私の方だけが痛みを感じるようにしてあるから、使い魔は私が痛くても痛くはならないよ」

 

「だからこそ外すべきだと申し上げているのです。仮に私が敵から拷問を受けた場合、ナターシャ様はその痛みを感じるのでしょう?」

 

「うん、かなり生々しくて自分も痛くなっちゃう時ある…」

 

「どんな感じで伝わるのか知りませんが、私の痛みをナターシャ様に味わわせたくはないのです」

 

「上手い事言って呪いを外したらフラウおばさまとエッチな事するつもりでしょ!」

 

「フラウ様にはもう手は出しません。神に誓いますよ」

 

「私、おじさんはおばさまに譲ったけど、アークは譲る気ないからね。私だってずっと前からアークの事好きだったの!」

 

「私に再婚を勧めておられたのになぜです?」

 

「その時はまだ私、アークとエッチな事してなかったから…。おばさまは今、私にアークを取られて焦ってる」

 

「うーん、ナターシャ様と婚約した途端にフラウ様から猛アタックを受けて驚いています。今まであんなに素っ気なかったのに…」

 

「だから言ったでしょ?おばさまはアークの事ずっと前から好きだったの!使い魔の言霊が飛んで来てたから。アークが好きで好きで堪らないって」

 

「確かにナターシャ様の言う通りでした。私はまだまだ女心の読みが甘いようです」

 

「今もアークが大好き!愛してるって言霊が飛んできてるよ?」

 

「嫌われるのを覚悟であの事を話したのに…。なぜ?私がどんなに甘い言葉で口説いても堕ちなかったと言うのに…」

 

「あの事ってなぁに?」

 

「いえ、ナターシャ様には話せません…」

 

「夫婦なのに隠し事するつもり?私には隠さず思ってる事はちゃんと話して!」

 

「こんな事を話したらナターシャ様には絶対に嫌われてしまいます。フラウ様のお気持ちがわからなくなりました…」

 

「フラウおばさまの言霊、前より酷くなってるんだけど?フラウおばさまが聞いても嫌わない事なら、私も嫌いにならないと思うよ?」

 

「女心は本当に複雑ですね…。フラウ様はゲイザー様の事をまだ愛しておられるようなのに、ゲイザー様を手にかける策を講じた私を、なぜ愛せるのかがわかりません」

 

「だってあれってアークは命令されて仕方なくやったんでしょ?逆らったら呪いで拷問されるの知ってるし、私も怒ってないよ?」

 

「私は直接手を下してはいませんが、私がいなければゲイザー様は生きていたかもしれないのです。それでも私を愛してくださるのですか?私がもし逆の立場ならば、決してそのような腹黒い者を愛する事など出来ないと思います…」

 

…つづく


 
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