フラウがやっと落ち着いてきたのでアークは話を一旦終わらせる事にしました。
「今夜はもう遅いです。ナターシャ様も私をお待ちになっておられるようなので、そろそろ戻ります」
「ナターシャちゃんと今夜は…するの?」
「そうですね。新婚ですからおそらく…」
「もうアークは私の手の届かないところに行ってしまったのね」
「あなたの夫の命を奪った黒幕の私をまだ愛してると言うのですか?」
「不思議ね…。あの頃はテオドールが憎くて憎くて仕方なかったのに、今は全くテオドールを憎んでないの。アークを愛してしまったから」
「あなたの心の中から完全にゲイザー様の影を消しされたのですね。私はゲイザー様に勝ったと言う事なのでしょうか?」
「ううん、完全には消しされてはいないわ。アークの方がゲイザー様より床上手だから」
「やはりゲイザー様より私の方がテクニックは上だったのですね。まあゲイザー様は女遊びを全くされていなかったようなので、仕方ないと言えば仕方ない事ですが…」
「ゲイザー様のぎこちない手つきの方が私は好きだったの…。床上手は褒め言葉ではないわ」
「ふむ、下手な方が喜ぶ女性もいるとは…。勉強になりました」
やっとナタの部屋に戻って来たアークにナタはプクッとほっぺを膨らませて怒っていました。
「遅い!ずっと待ってたのに…」
「先程、フラウ様の部屋の前まで来ておられましたよね?」
「あの部屋、防音になってるらしくて話し声は聞こえなかったわ。他の部屋は結構、話し声聞こえるんだけど」
「盗み聞きしようと思われたのですか?」
「浮気調査してただけ」
「私は浮気はしていませんよ?」
「知ってるよ?感覚共有の呪いがあるから、エッチな事したらすぐわかるもん」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第42話。