お会計を済ませようとしたゲイザーにナンバーワンのミスターレディが言いました。
「また来てくださいね、ゲイザー様」
「いつもの店よりこの店の方が良心的な価格なので、これからはここに通わせてもらいます」
「まあ、ここは酒もつまみも安いし、美人揃いだけど本物の女じゃねぇって聞いたから、オレは通ってなかったんだが、ゲイザーがくるってんなら、オレも通ってやっても良いぜ?」
「あら、ベンは来てくれなくても良いわよ?」
「なんでオレとゲイザーで、お前らは態度が違うんだよ!」
「だって、ゲイザー様は好みのタイプなんだもん」
「ありがとうございます。必ずまた来ますよ」
ミスターレディの店から出るとミケーラをカードに封印して家に帰りました。フラウがまた仁王立ちして寝室で待っています。
「どこに行ってらしたんですか?ゲイザー様」
「いえ、今日はちょっと…ベン殿に誘われて、でも女性に会っていたわけではありません。店にいたのは全て男性でした」
「酒場には必ずバニーガールがいるではないですか?」
「その店はとても値段が安くて、女性はいませんが居心地の良い店なので通おうと思っています。ベン殿も通うと言っていました」
「うーん、男性だけのお店なら安心ですけど」
「そう思うでしょう?私はただ日頃の愚痴をこぼしに酒場に行くだけなので、女性がいない方がむしろ落ち着けるのです」
「浮気はしてないって信じてます。でも一人で待っていると寂しくて…。早く帰って来てくださいね」
「はい、寂しい思いをさせてしまってすみません」
「実はナターシャちゃんから、今日これをもらったのです」
「これは…ヘビの尻尾ですか?」
「ラミアの尻尾ですよ。どうやらアークがナターシャちゃんにプレゼントしたみたいですね」
「ラミアの鱗は私には必要ない気がします…」
「さっそく鱗を剥いで、古文書のレシピ通りに調合して、この子作りの秘薬を作りました。さぁ!グイッと飲んでください。ゲイザー様?」
「ううっ…、絶対にこれはアーク殿の嫌がらせだ。私が困るのをわかっていて、ナターシャにラミアの尻尾を渡したんだな…」
「何を躊躇っているんです?せっかくアークがラミアの尻尾を作り出してくれたのに…」
「飲むしかないのか…。今夜は眠れそうにないな」
ゲイザーは意を決して子作りの秘薬を一気に飲み干しました。元気百倍になります。
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第151話です。