ゲイザーがミスターレディの店に着くと、とても男性とは思えない美しい女性たちに迎え入れられました。
「えっ、あなた本物のゲイザー様なんですか?てっきりベンのホラ話だと思ってたんだけど、まさか本当にゲイザー様をお店に連れてくるなんて…」
「だから言っただろ?オレはゲイザーのマブダチだって!」
「マブダチって…。どうせ酔っ払って無理やり絡んでいたのを、仲良しって勘違いしてるだけなんですよね?ゲイザー様」
「いえ、ベン殿は私の親友ですよ?」
「えええっ!絶対に嘘だと思ってたのにぃー」
「ほらな!賭けはオレの勝ちだぜ?約束通りツケはチャラにしてもらうぞ」
「私を賭け事に使わないでください。ベン殿」
「悪い、悪い!だってこいつらがオレがゲイザーのマブダチって言ってんのをちっとも信じねぇからさ…」
「でもベン殿が私の事をそんな風に思っていてくださったなんて嬉しいですよ」
「水くせぇ事言うなって!オレとお前の仲だろが?アラヴェスタの投票券もお前に賭けといたぜ」
「アラヴェスタまでわざわざ投票券を買いに行ったんですか?」
「あたぼうよ!お前がアラヴェスタの議長決定トーナメント戦に出るって噂はマルヴェールにまで届いてるからな?」
ミケーラがゲイザーの腕に自分の腕を絡めるのを目敏く、この店のナンバーワンは気付きました。
「あら?あなた…同業者ね」
「私は占い師ですよ?」
「そうじゃなくて、作り物って意味」
「作り物とは…どう言う意味です?」
「だから!本物の女じゃないんでしょ?」
するとそれを聞いたベンが仰天してひっくり返ります。
「えええっ!このねぇちゃんもミスターレディだったのか?ちっとも気付かなかった…」
「驚きました…。あなたはなぜ私が本物の女性ではないと見抜いたんですか?」
「ふふ、同業者は同じ匂いがするからなんとなくわかるの」
「匂い…ですか?そんなに私から匂っているとは思いもしませんでした…」
「ううん、本当に匂いがするってわけじゃないの」
「私の母上と同じ心眼の持ち主なのでしょうか?」
「ゲイザー様がノンケなのもわかるわ。でもゲイザー様は私たちを差別的な目で見たりはしてない。それも全部、匂いでわかるのよね」
「私も驚きました。あなたにはすべてお見通しなのですね」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第150話です。