ラミアが外出中の出来事でした。ラミアのヘビの尻尾を見て魔界の子供たちが石を投げ付けます。子供たちの親もいましたが止めようともせず、せせら笑いながら見ていました。
「男を惑わす悪魔め!ここから出て行け」
「ルシファー様はお優しいお方なのに…。元セラフィムの地位でありながら、我々にも平等に接してくださる」
「きっとあの魔性の女に魔法か何かで操られているんだな」
「ママが言ってた!お前のせいでルシファー様はセラフィムの地位を奪われて堕天したって」
「お前がいなければルシファー様は神の怒りを受けずに済んだのに…」
家に帰宅したラミアが傷だらけなのを見て、ルシファーは怒り狂いました。
「一体、誰にやられたんだ?許せない!」
「ルシファー、私の事で誰かを傷付けるのはやめて…」
「どうしてだい?君にこんな酷い事をするなんて、僕は許せないよ…」
「私を襲った男たちもあなたが見つけ出して、血祭りに上げたのでしょう?逆恨みされて悪口を流されてるの」
「なぜラミアが悪い事にされるんだ?僕の悪口を言えば良いだろう!」
「あなたは地位が高いからよ?私の地位が低いから私が悪いと言われるの」
「そんな!僕はラミアより低い地位に生まれたかった…。そうすればラミアではなく、僕が傷付けられる。その方が百倍マシだ!」
アークは毎晩、同じ悪夢に魘されて目を覚まします。そして前世の記憶に苦しんでいました。
「なぜだ…。今の私はナターシャ様より地位が低いはずなのに、ナターシャ様が傷付けられている…」
ラミアの言葉がまた頭をよぎります。
「アダムと別れなければ幸せだったのかも…」
「ラミアはまだアダムの事を愛してるのか…」
「ううん、もうアダムの事は愛してないわ。でも私がルシファーと結婚して、喜ぶ人は誰もいないの」
「僕はラミアを愛してはいけなかったと言う意味かい?僕が全て悪かったと言うことだね…」
「私がいけなかったの。あなたに近付くなって何度もセラフィムから注意されていたのに…」
ここでアークはハッと我に返ります。
「私はアダムに…ゲイザー様には永遠に勝てないということなのか?」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第93話です。