ナタに夜の営みも拒否されてしまってアークは性欲を持て余していました。
「ううっ…、天使なら性欲がなかったから、人間にならなければ、こんな辛い思いはせずに済んだのに…」
強い性欲のせいで眠れずにいると、ゲイザーが現れました。
「寝ていないのですか?アーク殿…」
「はぁ…、ゲイザー様はフラウ様と夫婦喧嘩などなさらないのでしょうね」
「いえ、毎日のように夫婦喧嘩してますよ?」
「嘘です!あんなに仲睦まじくされてる、おしどり夫婦なのに…」
「さっきも私とミカエル様がお似合いだから、フラウは私に相応しくないので別れると言い出して困っていました…」
「えっ、ゲイザー様がミカエル様との不倫をフラウ様に疑われたのですか?なぜ…」
「ミカエル様は誰に対してもお優しいので、周りから勘違いされやすいのかもしれません…」
「確かに天界でも私とミカエル様が師弟愛を超えた禁断の関係であると、まことしやかに囁かれていました…」
「初めてグロリアさんと話した日の夜もフラウはご機嫌ななめで、一晩中、必死で慰めて機嫌を直すまで大変でした」
「意外です。ゲイザー様はフラウ様と夫婦喧嘩など、一切ないと思っておりました」
「結婚したら恋人時代とはまた違って大変ですよ」
「私も前世ではリリスと結婚していましたが、夫婦仲は良いとは言えませんでした」
「アーク殿も妻と夫婦喧嘩が絶えなかったのですか?」
「ええ、口を開けばいつも別れたい…と」
「意外ですね…。アーク殿も喧嘩ばかりだったとは…。まあ喧嘩するほど仲が良いと言う諺もありますし」
「私はリリスを心から愛しているのに、結婚しても幸せに出来ていませんでした…」
「私も不安なのです。フラウを幸せに出来ているかどうかが…」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第94話です。