No.720301

九番目の熾天使・外伝 運命の獅子

第二十話 獅子とまほら武道会 第三回戦第二試合

2014-09-21 20:45:52 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1742   閲覧ユーザー数:1706

第二十話 獅子とまほら武道会‐第三回戦第二試合

 

 

「楓忍法!四つ身分身朧十字!!」

障壁(パリエース)最大(マーキシム)!!」

 

楓が滞空するウルを、分身によって四方から急襲する

それに対してウルは幾重もの障壁を張って攻撃を防ぐ

 

「流石でござるなウル殿!」

「楓さんほどじゃ無いです、よっ!」

 

楓の掌を、その腕を蹴り上げることで避けたウル

今はまほら武道会の準決勝

月詠と戦い勝利したウルと、タカミチとの激戦を征した楓の戦いの真っ最中である

 

「今度はこっちから行きますよ!解放(エーミッタム)魔法の射手(サギタ・マギカ)集束(コンウェルゲンティア)雷の1001矢(フルグラーリス)』!!」

「おっと、危ないでござる、な!」

 

ウルの右手から多数の雷の矢が集束された、強力な雷の矢が発射される

楓はひょいっとそれを交わし、観客に被害が出ないように蹴り折る

 

「そんな簡単にいなされると自信が無くなるんですけど?」

「はっはっは、自信の塊みたいなウル殿が何を今更」

 

この会話の間にも蹴りや拳の応酬は続いている

 

「(いつまでもこうしてても埒が明かない。…攻めるか)行きますよ!」

「ぬ、来るでござるか!」

 

ウルは魔法を使うため、楓から十分に距離をとる

楓はそれを静かに待ち受ける

 

解放(エーミッタム)魔法の射手(サギタ・マギカ)集束(コンウェルゲンティア)光の1001矢(ルーキス)×4(クアットゥオル)』!!」

「っ考えたでござるな!」

 

ウルは集束された光の矢を、楓の四方から発射する

これで楓が避ける道は上空に固定された

だが、楓も簡単にその道を選ぶつもりは無い

 

「(魔法使い相手に空中戦は不利!であるならば―)」

 

楓は全身に気を充満させ、迎撃の態勢をとる

 

「迎え撃つのみ!」

 

良く観察すればそれぞれの矢の速度には違いがあり、タイミングさえ掴めば迎撃は難しくない

 

「まずは一本!」

 

楓は自らの背後に迫っていた光の矢を、その中心を蹴り抜き霧散させる

 

「二、三本!」

 

その後、左右の矢を両拳でそれぞれ迎撃

 

「四本目!…ッ!!」

 

最後に自分の真正面、つまりウルが矢を放った方向の矢を拳で撃ち抜き破壊した

―が、破壊した矢の欠片に紛れて見えた黒い影が一つ

 

「矢の…真下に!」

 

ウルは矢の影に隠れ、まんまと楓に接近していたのだ

そして楓は今、拳を伸ばしきった完全に無防備な状態

その隙を見逃すようなウルではなかった

 

「はぁぁぁッ!!」

「うあぁっ!?」

 

楓の真下から顎を打ち抜く掌底

それはさながらアッパーカットのようだった

綺麗に決められた楓は、浮き上がりながら背後へ吹き飛ぶ

 

『楓選手ダウーン!カウントに入ります!ワン!ツー!スリー!』

「う、むむ…今の攻め方は中々だったでござるよ、ウル殿…しか、し…!?」

「流石に脳を揺らされては、忍者も形無しのようですね?」

 

舞台に肘を着き立ち上がろうとする楓

しかし視界がふらふらと定まらず、足も震えて力が入らない

ウルはその状態を狙って顎をかち上げたのだ

 

「う、ぬぅ…」

『エイト!ナイン!テーン!ウルティムス選手の勝利でーす!これでまほら武道会の決勝戦は、ネギ・スプリングフィールド選手対ウルティムス・マクダウェル選手となりましたー!』

 

脳震盪を誘発された楓は立ち上がれず、結果準決勝を勝ち抜いたのはウルとなった

ウルは楓に肩を貸しながら舞台を降り、ネギが観戦していた観客席のほうを見る

 

『絶対勝ちますよ』とネギに目で伝えながら

 

 

 

『さて、前代未聞の決勝戦と成りました!片方は11才の少年先生!かたや8才の子供中学生!この決勝戦は選手の休憩もかねて30分後から行われます!昼食を取りたいかたは受付横の超包子出張店で!』

 

ちゃっかりスポンサーの宣伝をしていた和美だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…よし、体調は万全。魔力も充分。…行こう」

 

選手控え室にてウルは準備をしていた

今までの全てをぶつけてネギに挑むためである

腰には木刀を携え、手にはエヴァから貰い受けた指輪が赤く輝く

準備を整えたウルは舞台へ向かう廊下を進む

 

「あ…ネギさん」

「良くここまで来てくれたね、ウル君」

 

舞台と室内を繋ぐ入り口にはネギが立っていた

功夫服を纏い、エヴァから貰った指輪を嵌めたネギが

 

「この舞台はね、去年、僕と父さんが戦った舞台なんだ」

「ネギさんの父…千の呪文の男(サウザントマスター)、ナギ・スプリングフィールドが…?」

「うん、だからね。僕はとっても嬉しいんだよ。その舞台で弟弟子の君と戦えることが」

 

感極まったような、それでいて無邪気な笑顔でウルに語りかける

 

「ウル君、僕は手加減しないよ。全力でぶつかって来てくれ」

「当たり前ですよ。まあ、魔法の秘匿に抵触しない範囲で、ですけどね」

「違いないね」

 

あははははは、と二人は笑いあい拳をぶつけ合う

 

「それじゃ…」

「「どっちが勝っても、悔いの無い勝負に」」

 

二人は揃って舞台へと上がっていった

今回は大分どころか超短かったですね…

ま、まあでもその分次は内容が濃くなる…はず…多分、きっと


 
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