「平沢ぁあああ…!私は個性が…個性が欲しいんだぁあああ…!」
「あーうん、わかったから鼻水拭けって公孫賛」
現在リトは食堂で相談を受けていた。
若干酒を飲んだようなテンションだが決してそうではない。
相談をしている相手…公孫…なんとかは、
「おい地の文んんんんッッッ!!!」
…公孫賛はガンガンと机を叩きながら愚痴っていた。
そう、分かるように彼女は個性と言うものが見受けられない人間だ。
塾生時代の同期の大半に字しか覚えてもらえず、太守になったら将がいず、客将の星も後に出ていき、そのあと袁紹に責められあっさり敗北、桃香に拾われるも大して目立ってもいない。
――メタい話だが無印時代には真名も出ず、北郷一刀との絡みもそこまでなかったままに死んでいる。
もっと言えば、この小説での台詞が少ない人物の一人でもある…もう一人は華雄だけど。
「くそ…不憫仲間の華雄がいないとここまで辛いなんて…!orz」
「苦労してんな…」
「同情するなら個性をくれ!」
「無茶言うなよ」
再び机を叩き出す公孫賛。
正直大人げないのだが、言ってやると喚くだろうと思い言わない。
おいおいと泣いていると、少し疲れ気味の顔良が公孫賛に気づきやって来る
「白蓮さん、いつものですか?」
「ああ…」
「いつものでわかっちゃうの!?何この二人、以心伝心!?」
「平沢さん、蜀にいる間の相談相手は私なんですよ?」
「そうか…苦労してんな…」
「同情するなら個性をくれ!」
「いや、お前にいったわけじゃねぇよ!?」
――てかさっきもいったような…
どうやら公孫賛は色々と混乱しているようだ。
完全に頭が回っていない…むしろ縦回転していそうな感じもする。
「個性って言われても私たちでどうこうできるものじゃないんじゃ…」
「そうだな…萌ポイントとかあればいいんだけどさ」
「もえぽいんと?」
「う~ん…張三姉妹的な?」
「無理だろ。一応あいつら大陸一の偶像だし」
「あ、じゃあ髪型を変えたらどうですか?目立つような感じにすればきっと…」
何個か意見を出しあっていると、遠くから高笑いが近づいてきた。
それを聞くと同時に三人は誰が笑っているのか察し、リトに関しては指の関節や首その他の関節をゴキゴキバキバキベキベキと鳴らしている。
どうやらカレーの件をいまだに根に持っているのだろうか…正直目が怖い。
そして、高笑いしていた本人…袁紹は連れの猪々子と共に部屋に入ってきた。
「お~~っほっほっほ!お~~っほっほっほ!」
「あー…あ、アニキ!助けてくれよ!」
「どうした?袁紹がとうとう壊れたか?」
「いつもの事だろ、暴走ぶりとか」
「いや、そうじゃねーんだ。さっきさ、姫が市場で変なキノコ食っちまったんだよ」
「変なキノコ?」
「ああ。なんか金ぴかに光るやつでさ、それを見た姫が『まあ、なんと美しいものでしょう!私が食べて差し上げますわ!』とか言って…」
「…食べちゃったんだね」
「…それ、毒キノコじゃないのか…?」
ため息を吐く三人。
リトは再三苦労してんな、と思わずにはいられなかった。
そうこうしている間にも、袁紹は高らかに笑っている。
…肺活量が凄い、と思う。
「自業自得だ…とは言ってもあのままだと近所迷惑だろ。とりあえず治すか」
「治せるのか?」
「まあね。世界的に有名なRPGの薬持ってるけど…もったないな」
「えー、早く治してくれよ」
「じゃあ腹パンして中の物全部だす?それとも境界弄って胃を取り出してキノコ取る?それとも友達の撲殺天使に頼んで撲殺してもらう?後で再生させるけど」
「薬でお願いします!!特に最後は絶対にやらないでください!!!」
――――撲殺ってなんですか!?
――――胃を取り出せんのか、スゲーなアニキ
――――平沢…麗羽の扱い酷くないか…?
――――お~~っほっほっほ!?
色々と思考を巡らす四人。
まあ、確かに穏便なやり方じゃなきゃこんなリアクションはしないだろう。
リトはしぶしぶといった感じでばんのうぐすりを取り出す。
そして分量を確認して袁紹に渡した。
「んぐ…んぐ…ぷはー…やっと治りましたわ」
「あんまり変な物食べるなよ麗羽」
「そうですよ。さすがに得たいの知れないキノコを食べるのは駄目です」
「で、旨かった?」
「そういう問題じゃないだろ」
「う…平沢さん…でしたわね…私を治してくださりありがとうございます」
一瞬リトを見て顔をひきつるが、袁紹はリトに礼を言った。
その時猪々子が「姫がおかしくなった!」と指差したがそこはスルー。
「ど、どうしたんですか麗羽様!?」
「どうしたも何も礼を言っただけですわ。助けてくれたお礼を言わなければ名家の恥ですもの」
「やっぱりおかしくなった!」
「そこまで言うか猪々子…でも成長したな麗羽」
「たしかにな…ま、これで今までの生活態度が変わってくれればいいんだがな」
袁紹が成長したと言う実感をもったリトと顔良、公孫賛。
たしかに今までの袁紹なら謝りもせずに迷家(誤字じゃない)を鼻にかけていただろう。
だからこそこの変化は好印象なのだ。
…だが、次の一言が無ければ袁紹は前回の失態を繰り返さなくてもよかったのかもしれない。
「ところで貴方はどこの医者ですの?どうせならこの名家の私が雇ってあげますわ!お~~っほっほっほ!」
「…やっぱ変わらねぇなお前は」
「あ、ヤバ…」
「麗羽…次会うときは真人間になってろよな」
「ちょ、文ちゃん物陰に隠れないで!?白蓮さんは何で麗羽様が逝っちゃうこといってるんですか!?て言うか平沢さんの周りの空間が別世界に!?」
的確な突っ込みだな…と、いつものリトなら思うかもしれない。
だがリトは目の前の標的に狙いを定めている為リアクションはしない。
リトは高笑いしている袁紹の頭を掴み、態勢を変えてヘッドロックしだした。
「おどれは今までなに聞いてたんじゃぁあああ!!?」
「ぐえ!?ちょ、な…苦し…!」
「俺not医者!医者はむしろ華陀だ、熱血だ、勇者王だ!」
「ぐ…ゆう…し……」
「俺魔神!仮面ライダー!霊長類ヒト科人間!ドゥー、ユー…アンダースタンンンンンドゥ!!?」
「 」
「えっとこう言うときは……やめてー、姫のらいふはもうぜろよー」
「らいふってなに!?と言うより平沢さん!麗羽様息してませんから!」
「え、マジ?じゃあ最後に……マッスルスパークッッ!!!」
前回よりも起こっていないのか、今回はヘッドロックですんだようだ。
と言ってもやり過ぎだが……終いにリトはマッスルスパークで止めをさす。
元祖がやっていないため劣化はしているがそれでも袁紹にはダイレクトアタックだった。
そんな中…今まで会話に参加してなかった公孫賛がリトに詰め寄る。
「平沢!頼みがある!」
「ん?どうした」
「私を仮面ライダーにしてくれ!」
「何で…いや、大体分かった。個性が欲しいんだな?」
「ああ。恋も焔耶もついでに星も仮面ライダーになったんだ。私だって…!」
「(仮面ライダー=個性って訳じゃないんだけどな…)個人的にはお勧めしないぞ」
「まさか私は仮面ライダーになれないのか?」
「いや、そういう訳じゃないけどさ…」
そう言ってリトは目を反らす。
そしてため息をつくと公孫賛をかわいそうな目で見た。
「…地味なんだよ」
「は?」
「お前が変身できるの、全部地味なんだよ。もしくは劣化、量産型、知名度低いとか」
「どういうことですか?」
「俺さ、大体勘で誰がどのライダーに変身できるのかわかんだよ。あ、ちなみに顔良は193のセーブモードね。猪々子はガイ」
「いく…?」
「なんか強そーな名前だな!」
「まあ、装甲固いけどな。んで公孫賛のは…」
ここでリトが口を開く。
これを見てくれる人に見やすいようになると―――
・仮面ライダークウガ グローイングフォーム
・仮面ライダーG3マイルド
・仮面ライダー龍騎系のライダー全員(ただしブランク体だけ)
・ライオトルーパー
・仮面ライダー電王 プラットフォーム
・仮面ライダーメイジ(劇場版)
・黒影トルーパー
普通の人間は多くとも三種類前後の仮面ライダーには変身できるが…これは異常すぎる。
リトでさえ八種類なのに公孫賛はその倍以上はある。
それを言った公孫賛は変身できる数より、内容を聞いて…物凄く落ち込んだ。
主に量産型の部分に。
「……orz」
「白蓮さーーーん!?」
「あちゃー、言い過ぎたか」
「なあなあアニキ。姫は何になれんだ?」
「ん?んー…アギトのグランドフォーム…グレイブ…煌鬼…フォーゼのエレキステイツ…位か?どれも主な色が金だな」
「呑気なこと言ってないで白蓮さん慰めてくださいよ!?」
「悪い悪い。だけどこれだけの数のライダーになれるのは凄い事なんだぞ?」
「そーそー、ある意味才能だって」
「…そ…ぉ…か…?」
真っ白になっていた公孫賛が顔を上げる。
正直可哀想な雰囲気なのだが笑ってしまうのは仕方がない。
だって公孫賛だし。
「だってって何だだってってええええ!!?」
「とどめ指すような事言わないでください!?」
「……斗詩、誰と喋ってるんだ?」
「さあ?多分、苦労人にしか聞こえない声じゃね?」
……公孫賛だけでなく顔良まで地の文が聞こえているようだ。
かなりの苦労人か、ツッコミストか…どのみち残念なのには変わらないが。
その後、リトは公孫賛と顔良の真名を預かった。
袁紹?そこら辺で犬神家してますが何か?
ちなみにつまみ食いをしようとしてやって来た鈴々が来るまで誰も気付かなかったようだ。
別ベクトルで公孫賛並に残念だ。
XXX「あでででで……」
一刀「うわ、湿布臭が凄いする!」
リト「とりあえず後書きコーナー!」
XXX「いやね、春ってか4月やること多いの」
リト「だからパソコンの前に立てなかったと?」
一刀「だとしても時間空きすぎだろ」
XXX「しょうがないじゃない!疲れたんだもの!」
一刀「はいはい、人生乙」
XXX「つねに修羅場のまん中にいる種馬に言われた!?」
リト「さっさと後書きしろこのカスが」
XXX「おま…叔父に似てきてないか?」
リト「義理の叔父なのに何で似るんだよ」
一刀(XANXUSか……もしかして二丁拳銃ってXANXUS真似したんじゃあ…)
XXX「残念は語る」
一刀「いや、ある意味白蓮回だったよな」
リト「だな。他の三人はあんまり…って言うと失礼になるな」
XXX「もう遅いけどな。でも一度はやりたかった白蓮の嘆きだ。乱れ方は…まあ自由で」
一刀「て言うか麗羽の助け方の例がヤバイの多いわ!」
リト「え?あいつには十分でしょ?」
XXX「ちなみに何故某撲殺天使の例があったのかと言うと…俺のカラオケの十八番だからさ☆」
一刀「それより変身できる仮面ライダーの規準はどうなってるんだ?」
XXX「まあ…イメージかな?今回のいい例は袁紹だな」
リト「たしかに、金ぴかだったしな」
XXX「ちなみに他の金色のライダーがいないのは、キバエンペラーとかだと袁紹にはもったいないからです」
リ一「「しょうもな!?」」
XXX「もっと言うと文醜がガイなのは突進のイメージが強かったから。顔良が193もといイクサなのはサイコロで決めた」
一刀「猪々子はともかく斗詩がひどい!!!」
リト「それで次回はどうするよ?」
XXX「次回は決まってるよ。そして久々タイトルコールだ!」
一刀「次回の真・恋姫†無双巡る外史と仮面の魔神 三十八話は!」
リト「仮面編 “キン肉バスター”……ってとうとう来たよこの謎タイトル!?」
XXX「予定としては次回は短くやってその次にちょこっと続くような感じ」
一刀「キン肉バスターが誰に火を吹くんだ…?」
XXX「あ、それと作者が考える恋姫キャラの変身できる仮面ライダーが知りたい場合にはコメントしてください」
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