No.653900 魔法少女リリカルなのは~原作介入する気は無かったのに~ 超・番外編 別作品とのコラボ(その3)2014-01-12 05:19:46 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:21597 閲覧ユーザー数:19083 |
「これでここに来るのは3度目か」
「新年最初の来日だね」
「今回は一体誰かしら?」
「誰なんですかカルピスウォーター?」
俺、亮太、椿姫、暁は少しずつ見慣れつつある中庭にいる。
暁は今回のコラボ先の作者さんが誰なのか尋ねている。
今日のカルピスウォーターはアロハシャツに短パン、そして顔がドラえもんである。
つまりドラえもんの道具を使えるという事なのだろう。
「そろそろ到着するから自分の目で確認しろ」
別に教えてくれても良いと思うんだけどなぁ。
「特に今回向こうさんは大所帯だからな」
へぇ…。
ちょっと期待しながら扉を眺め、相手が来るのを待つ。
「けど今回僕達の姿、
うん。亮太の言う通りだ。
今の俺達は本編の中学生ではなく小学生の姿まで若返っている。
「しかも俺自身の身長から予想すると小学3~4年生…丁度『無印』~『なのはGOD』ぐらいの時期だな」
「僕、海鳴にまだ来てないなぁ…」
「私と暁なんてまだこの世界に転生していない時期ね」
「ていうかこの小説の本編が始まった頃よりも前の世界ですね」
という事はまだSts編になってない作品って事か。
「相手は当然小学生だよなぁ」
…いや、意外にも原作に介入した時点で大人って事も有り得るか。
いずれにせよ、早く来てもらいたいもんだ。
「「「「「「「「「「………ぁ………~~」」」」」」」」」」
「???今何か聞こえなかった?」
椿姫が俺達に尋ねてくる。
何か聞こえたか?
「誰の声でしょうか?」
「うーん…心当たりの有りそうな人は思い浮かばないわね。しかも声が複数人分…」
「「「「「「「「「「………ぁぁぁ………~~~~」」」」」」」」」」
「…僕も聞こえたよ。確かに知らない人達の声色だ」
「一体どこから?」
キョロキョロと辺りを見渡すが、俺達以外には誰もいない。
向こう側の扉も開いていないからゲスト御一行が来たって訳でも…
「「「「「「「「「「あああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~っっっっ!!!!!!」」」」」」」」」」
「っ!!皆、上だよ!!上から人が落ちてくる!!!」
亮太の声で一斉に俺達は見上げる。
すると空から落ちてくる人影が複数あるではないか。
「…おいおい。アレが今回のゲストなのか?」
てっきり扉の向こうからやってくるものだとばかり思っていたのに、まさか落下しての登場とは随分と斬新だな。
「…ていうか助けた方がいいよなコレって!?」
呆然と見てる場合じゃないだろ!!
「その心配は無用みたいよ勇紀。ホラ、バリアジャケットを纏い始めたわ」
椿姫の言う様に上空から落ちてきた連中は最初こそ慌てていたものの、すぐにバリアジャケットを纏い、飛行魔法を使って落下の速度を緩め始める。
けど一部のキャラ達が相変わらず落下中で助けに行く姿が見える。
一部のキャラ達を助け終え、ゆっくりと地に着いたゲスト御一行様。
とりあえずは挨拶しましょうかねぇ………。
~~???視点~~
俺達は今回、自分が介入していた『リリカル・マジカルゥ~』な外史の世界では無く、全く新しい世界に来ている。
ていうか『コラボするから向こうの世界に行って来い』だとさ。
「兄さん、今回僕達は貂蝉の依頼でこの世界に来たの?」
「いや…今日俺達をここに連れて来たのは作者であるアサシンの陰謀だ」
「陰謀…成る程ね。なら僕達が何故こんな事になってるのかも納得出来るよ」
「ああ…アサシンめ。こんな場所に転移させやがって」
おかげで俺達は今……
「「またこんな登場の仕方かーーーーーーー!!!!!!!!!」」
エルトリアの時に続き、遥か上空から絶賛落下中である。
これじゃ『行って来い』というより『逝って来い』である。
クソ!!シュテルの言う通り、俺には落下型ヒロインとしての素質と宿命が義務付けられているのか!?
「にゃああああ!!?」
「きゃああああ!!?」
「ちょ!?空の上とか訳分からんねんけどおおおおお!?」
原作3人娘も突然の事で驚いている。
「主はやて!落ち着いて下さい!まずはバリアジャケットの展開を!」
「皆も急いでジャケットを纏って!」
シグナム、シャマルの言葉に俺達は『ハッ』としてすぐさま、バリアジャケットを展開する。
皆が光に包まれ、バリアジャケットを纏って落下速度を緩める。
これで一安心…
「私魔導師じゃないんですけどおおおおぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!?」
「助けてえええええええええぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!」
「「あ、アリサーーーー!!!?(す、すずかーーーー!!!?)」」
出来ねえええええぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!!
俺と俺の弟、クライドは急いでアリサとすずかに向かって飛び、2人を抱き抱える。
「大丈夫かアリサ?」
「うぅ…な、何で一般人の私がこんな目に…」
お姫様だっこの体勢で抱き抱えたアリサは涙目だ。
「すずかも気分が悪かったりしてない?」
「ううん…大丈夫だよ。ありがとうクライド君」
クライドの方もお姫様抱っこですずかを抱えている。
向こうも無事で何よりだ。
「「……………………」」
とりあえず魔王に死神よ。その瞳から光を消して俺を見るのは止めようか。
「クライド~♪ウチも魔力が尽きて飛ばれへん~♪」
はやてはクライドの側まで行ってクライドの背中に抱き着く。
…ここは『バリアジャケットを展開出来てるんだから魔力尽きてねーじゃねーか』とツッコむべきなんだろうか?
「……で、高町にハラオウン。俺はお前等に背中を預けるつもりは無いぞ」
「「ええっ!?アリサちゃん(アリサ)は助けたのに私は助けてくれないなんてえこひいきだよ!!」」
お前等魔導師だろ?空戦適性あるだろ?それに…
「魔王と死神に懐かれるのはどうにも…」
「「私魔王(死神)じゃないよ!!?」」
「じゃあお前等は何なんだ?」
「「魔法が使えるだけの女の子だよ!!」」
「……ふっ」
「「鼻で笑われた!?」」
なのはとフェイトは一旦置いといて段々と地面が近付いてきた。
よく見ると何人かの人物達が地上から顔を上げ、俺達を見ているじゃないか。
「あれが別世界の『リリカルなのは』の住人かな兄さん?」
「だろうな」
何つーか…1人1人とんでもない力を秘めてるな。
もしあそこにいる連中が俺達の世界で敵対する存在だったとしたら『天下三分の計』を実現させるのはかなり困難だったかもしれん。
ゆっくりと地面に降り、抱き抱えているアリサ(クライドはすずか)をおろすと同時に向こうから先程俺達を見上げていた連中がやってくる。
せっかくのコラボなんだ。まずは友好的な関係を結ばないとな………。
~~???視点終了~~
「…という事で今回コラボしたのはアサシン氏執筆の『真・恋姫なのは?』の面々だ。仲良くやれよ」
カルピスウォーターは言うだけ言ってこの場を離れた。お腹が痛いそうでトイレに向かったのだ。
作者がいない間に、皆自己紹介する。……一部を除いて。
「しかし『北郷一刀』ねぇ……もしかして転生者?」
俺は向こうの主人公を見ながら尋ねてみる。
見た目が子供とは言え、まんま北郷君だもんな。
自分の容姿を他作品の主人公にする転生者って結構いるみたいだし。
「いや、俺は転生者じゃない。正真正銘の『北郷一刀』本人だ」
「て事は『他作品の主人公が『リリカルなのは』に介入』ってパターンか?」
「そういう事になるな」
コラボ3回目の主人公は転生者じゃなかった。
「むむむ…ならばお前は戦えない一般人って事じゃあ…」
「いや、本編を読めば分かると思うが俺、結構なチートキャラだぞ。もう別人と言ってもいいぐらいに」
「レアスキルからしてもう反則だよね兄さんは」
彼…一刀を『兄さん』と呼ぶのはこれまた見た目が縮んだ『クライド・ハラオウン』その人である。
何でも原作通りの展開の際、アルカンシェル撃たれる直前に一刀が助けたらしい。
見た目はともかく年上なので『さん』付けで呼んだのだが、本人は『呼び捨てで良い』と言ってきたので呼び捨てで呼んでいる。
「代価さえ支払えば大抵の事は出来るぞ」
一刀本人からの説明を聞いて改めてチートなスキルだと思わされる。
エルトリアの死蝕すら治すなんてどんだけーーー。
俺なんて神様に頼んでグランツさんの病気を治すのと、
いや…
「いやいや、お前の持ってるレアスキルも大概反則物だろ?」
「ていうかレアスキル持ち過ぎだよ」
苦笑しながら言う一刀とクライド。
「それはそうと…勇紀」
「ん?」
「アイツ等は…その……」
一刀の指を差す先には
「俺達の世界のシュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリだな。それがどうした?」
「いや……何で
「……俺に聞くな」
俺だって知りたいんだ。
「……………………」(クチャ…クチャ…)
「……………………」(スゥ~…プハ~…)
「……………………」
「……………………」(ペッ…)
一刀が言うシュテル達は皆いつもと違う姿になっていた。
シュテル=学ランにサングラス、髪形はリーゼント(※カツラです)でガムを噛み、クチャクチャと音を鳴らせている。
レヴィ=学ランにサングラス、髪形はリーゼント(※カツラです)でタバコ(電気タバコ)を吸っている。
ディアーチェ=学ランにサングラスで仮面を被っている。髪形は多分いつも通りだと思う。リーゼント(カツラ)ではあの仮面被れんだろう。
ユーリ=学ランにサングラス、髪形はリーゼント(※カツラです)で先程から唾を吐きまくっている。
「「「……………………」」」
俺、一刀、クライドは無言で視線を合わせない様に4人の方を盗み見ていた。
4人共、学ランの前ボタンは全て外しており、胸にはサラシを巻いている。小学生の姿にまで戻っているため本編のシュテル達とは違い、胸がペッタンコだ。
アイツ等…何でグレてんの?
あの姿は昭和の
てかディアーチェの被ってる仮面って北斗の拳でジャギ様が被ってるヤツやん。何処から手に入れたんだ?
『原作介入』のメンバーはおろか『真・恋姫なのは?』の面々もあの4人には声を掛けられず、ただ遠目に眺める事しか出来なかった。
「勇紀…貴方何したのよ?」
「いや俺は何かした覚えが無いんだが…」
「でも可能性があるとしたら勇紀が何かしたとしか思えないよ」
「本当に何も覚えが無いんだよ」
椿姫と亮太が疑わしそうな目で見ながら尋ねてくるが俺としてもどうしてあんな事になっているのか疑問過ぎて仕方が無い。
「そっちのシュテル達は反抗期なのか?」
「それは無いと思うんだが…」
「本人達に聞いてみたらどうかな?」
「誰が聞くんだ?」
ヤンキーモード全開のシュテル達に声を掛けられる勇者はここにいるのか?
「「「「「それは当然勇紀だろ(勇紀だよ)(勇紀でしょ)(長谷川君ですよ)」」」」」
「ですよねーーーーー!!!」
一刀、クライド、亮太、椿姫、暁が声を揃えて俺を指名してきた。
俺は再びシュテル達の方に視線を向ける。
うう…今のシュテル達には関わりたくないなぁ。
しかし、このままでいても仕方が無い。
俺は勇気を振り絞って4人の方へ歩み寄る。
「な…なあ4人共。せっかくのコラボなんだからもっと愛想よく…」
「「「「……………………」」」」(ギロリ!)
「《北郷監督!!自分にはこれ以上彼女達との接触は無理であります!!》」
即座に振り向き、念話で北郷監督に伝える。対して監督のご意見は…
「《逝け》」
『クイッ』と顎で指して俺に指令を出す。
監督は俺に『死ね』と命じられた。
俺の人生、ここまでか…。
「(長谷川陸曹!突貫します!!)」
……って、決意したのはいいものの……
「(本当にどうしよう?)」
具体的にどうするかも思い浮かばん。
こうなりゃ…
「(戦略的撤退だ!!)」
俺はその場を離れ、皆の元に戻る。
「何で帰ってきたんだ?」
「開口一番それか」
一刀は手厳しいね。
「ていうかお前やクライドはどうなんだよ?こう言った場面に遭遇した時の対処法とか知らないのか?」
君等もハーレム系主人公じゃないか。
「そういう事は自分で考えろ。そんなんじゃ童貞卒業出来ないぞ(俺も対処法なんぞ知らん)」
「うんうん。童貞を捨てるための試練だと思いなよ(僕達の世界のディアーチェやユーリがグレた時の対処法をここで身に着けておかないと…勇紀、頑張れ)」
くっ…コイツ等、自分が既に非童貞だからって…。
「童貞と非童貞…この差は大きいわよ勇紀」
「ウッセー!!お前も童貞て言うな!!」
椿姫のニヤけ顔が気に食わん。
「大体アイツ等の対処法に童貞は関係無いだろ!!」
「「………ふっ」」
うわ!一刀とクライドの『童貞卒業してるから』とでも言うかの様な笑い方がムカつく。
「「「……ふーん。一刀君(一刀)は初体験済ませてるんだ」」」
「「クライド(クライド君)、どういう事や?(どういう事かな?)」」
「「しまった!!」」
向こう側のなのは、フェイト、アリサは一刀に。はやてとすずかはクライドに光の無い瞳を向け、少しずつ詰め寄っていく。
「一刀君…少しO☆HA☆NA☆SHIしようよ」
「断じて断る!!」
「一刀、本当の事言わないと私は嘱託魔導師として一刀を逮捕しないといけなくなるから素直に言って欲しいな」
「それでも俺は黙秘権を行使する!!」
「い…一体どういう事なのよ!!正直に話さないと風穴開けるわよ!!!」
「アリサさん、キャラ違いますから!!!!」
一刀は冷や汗を掻きながら詰め寄ってくる3人から逃げる。
「いや待って!!はやてとすずかは僕が妻子持ちだったって事知ってる筈だよね!!?」
「言い訳は見苦しいでクライド」
「ねえ…いつそんな事したのか正直に答えてくれないかな?」
「ちょっと!!僕の話を聞いてよ!!」
クライドは自分の意見を聞いて貰えずにいた。
…嫉妬による女性陣の問い詰めは最早ハーレム系主人公として避けては通れない道だな。
「ハッハッハ!!!良いザマだな一刀!クライド!」
「「「「「「「「「「誰!!!?」」」」」」」」」」
突如聞こえてきた笑い声にグレているシュテル達を除く全員が反応する。なのは達も一時的に正気に戻る。
しかし何処を見渡しても俺達以外には誰もいないし、カルピスウォーターはトイレに駆け込んでったし。
「あの…」
そこへ暁が口を挟む。
「あそこにロッカーなんてありましたっけ?」
「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」
暁が指差す先には掃除用具を収納するロッカーが置かれていた。
……この中庭にロッカーってあからさまに可笑しくないか?てかついさっきまでは無かった筈。
バンッ!!!!
「「「「「「「「「「っ!!?」」」」」」」」」」(ビクウッ!!)
突然そのロッカーが開いたので俺達はビックリする。
そして中から人が現れた。
呆然とする俺達の方にスタスタと近寄ってくる人物。
「長谷川勇紀!!!」
「は、はい!!!!」
名前を呼ばれたので思わず返事してしまった。
「君はハーレム系主人公なので
「は…はあ……」
『童帝』って……そんなモンになってどうしろと?
「だが一刀!!クライド!!テメエ等は駄目だ!!!本編でモテまくっているだけでなく、既に童貞すら卒業しているテメエ等はなぁ!!!!!!」
「「……………………」」
謎の人物は嫉妬と殺意の入り混じった視線を一刀とクライドに飛ばす。
「暗い夜道を歩く時は…背中に気を付けな」
その台詞の後『アハハハハハハハハハハ…』と笑いながら走り去っていく人物の背中を俺達は見送り続ける。
やがて硬直が解けた俺達。
「だ………誰だーーーーーー!!!!?今の誰だよーーーーーー!!!!!!?」
まずは俺が口を開く。
「し…知らん知らん!!!!」
「不審人物だよ!!警察呼ぼうよ警察!!!!」
「そ…それよりも管理局員よ管理局員!!!!アレは絶対次元犯罪者の類よ!!!」
「お、落ち着きなよ椿姫。僕達が管理局員だよ!!!」
「あ…新たな転生者じゃないですよねアレ!!?」
一刀、クライド、椿姫、亮太、暁も混乱しまくって叫ぶ様な大声を上げている。
アイツは一体何者なんだよ?
今、その問いに答えられる者は誰もいなかった………。
「私が『真・恋姫なのは?』の作者、アサシンだ。よろしく頼む」
さっき走って行った謎の人物がすぐに帰ってきて俺達は警戒心バリバリだったけど、まさかの作者さんだった。
よく見たら容姿が『GODEATER』に登場する『コウタ』じゃん。
「む?カルピスウォーターさんはいないのか?今回コラボを受けてくれた事と、ここに招いて貰った事に対する礼を言いたいのだが?」
「カルピスウォーターならトイレに行きました」
ここ最近体調が悪いらしい。
駄目だぜ作者。体調管理はしっかり行っておかないと。
「そうか。なら後でしっかりお礼を言っておかないと…」
「おいアサシン!」
アサシンさんが喋ってる最中に一刀が呼ぶ。
「お前、俺の登場シーンを空から落とすの止めろよな!!」
「僕達魔導師はともかく、非魔導師のアリサとすずかは普通に登場させてあげなよ」
「おお!!美味そうな料理だヒャッハーーーーーー!!!」
「「人の話聞けよ!!?」」
一刀とクライドの抗議を全く聞かず、料理に手を出し始めるアサシンさん。
何つーか、マイペースな人だ。
「まあまあ落ち着いて一刀、クライド」
椿姫が2人を宥め、落ち着かせようとしている。
「いや、言うべきことは言わないといけないからな」
「うん。今後もこんな登場させられたらたまったもんじゃないよ」
確かに空中に放り出されるとか、普通は有り得んわな。
俺もカルピスウォーターにそんな事されたら抗議するし。
「はやてちゃん、リインはお腹空いたですぅ~」
「ん~……せやなぁ。クライド、アサシンの抗議は後にしてウチ等も先にご飯食べへん?」
お?向こうのはやては呼称が『ウチ』なのか。
「そうだなクライド。アタシも腹減った」
「ヴィータも?…じゃあ先に腹ごしらえしようか兄さん?」
「俺は構わない。腹が膨れたらアサシンに文句言いまくるか」
クライド、一刀がそう言い、『真・恋姫なのは?』の面々は早速アサシンさんとは別のテーブルに向かう。
「改めて見ると凄い量のお料理なの」
「コレ、毎回食べきってるの?」
なのはは料理の数の多さに目を奪われ、アリサは料理が食いきれているのか尋ねてくる。
「どうなんでしょう?」
「毎回食べきらずに残してたと思うよ」
その言葉に反応したのは暁、亮太。
「つまり残した料理は捨てているのか?勿体無いな」
向こうのシグナムさんは料理を見て呟く。
「食材の無駄使いはいけないわよね」
「…シャマル、お前がその台詞を言う資格は無い」
「ザフィーラ酷い!!」
シャマルさんとザフィーラの会話も耳に入る。
「…クライド。ソッチのシャマルさんって料理の腕は……」
「……石田先生には、お世話になったなぁ……」
遠い目をして語るクライドを見て確信した。向こうのシャマルさんは殺人兵器を作成出来るシャマルさんだと。
「ソッチは?やっぱりシャマルを厨房に立たせまいと奮闘してるのかい?」
「ん?いや、俺が必死に教えたからコッチのシャマルさんは普通に料理出来るぞ」
「「「「「嘘おっ!!!?」」」」」
「…にわかには信じ難いな」
「ですぅ~」
「皆も酷い!!!」
俺の発言に思わず叫ぶクライドと向こう側の八神家一同。
まあ…苦労したからな。あの人の料理オンチを直すのは。
落ち込むシャマルさんを宥めて、元気を取り戻させてから食事を摂り始める。
「クライド。ほい、あ~ん♪」
「ん?あ~ん」
パクッ
「美味しい?」
「(モグモグ…ゴクン)うん。美味しいよ」
はやてが箸でおかずを摘まみ、クライドの口元に持っていく。
クライドは周りの目を気にもせず、箸に摘ままれたおかずを食べる。
「く…クライド君。あの…これもどうかな?//」
今度はすずかがはやて同様におかずを摘まんで口元に。ただはやてと違って恥ずかしそうにしているが。
「いただくよ。はぐっ…」
間髪入れず口にする。
「(モグモグ…ゴクン)これも美味しいよ」
「そ…そう。良かった」
ホッと一息ついているすずか。
けどここにある料理は予め用意されていた物だという事を忘れているのだろうか?
「「「……………………」」」
その様子を『またか…』っていう感じでありながら、どこか羨ましそうに見つめている向こう側のヴィータ、シグナムさん、シャマルさん。
……ふむふむ。この3人のクライドに対する感情は『やや意識』っていう感じか。
……こういうのって堕ちるのは時間の問題じゃないか?
「か…一刀。コレ、食べなさいよ////」
向こうでは顔を真っ赤にしたアリサが一刀に食べさせようとスプーンで食べ物を掬い、差し出している。
「お…それ食べたいと思ってたんだ。有り難うなアリサ」
「お…お礼なんて良いからさっさと食べなさいよ////」
「ん…ぱくっ…」
スプーンで掬っていた料理を食べる一刀。
アリサはゆっくりとスプーンを引き、一刀に尋ねる。
「ど…どう?」
「文句の言い様がない味だ」
「と…当然よ!!私がしっかりと見定めた料理なんだから(良かった)////」
頬を赤らめ、そっぽを向きつつも嬉しそうなアリサ。
「「か…一刀君(一刀)!!これも食べてみて!!」」
そんなアリサに『後れを取ってたまるか』と言わんかの様になのはとフェイトが料理を箸で摘まみ、一刀に詰め寄る。
「あ…俺、その料理好きじゃないから」
「「そう言う割には小皿に取って食べてるよね!!?」」
「気のせいだ気のせい」
なのはとフェイトからの『あ~ん』イベントを拒否る一刀。
…珍しいタイプだな。ハーレム系主人公なのにあの2人の好意を拒否るとは。
「ひいいいぃぃぃぃぃっっっっっ!!!!!!」
「「「「「「「「「「ん?」」」」」」」」」」
突然中庭に誰かの悲鳴が木霊したので俺達は一斉に振り向く。
そこにはシュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリに四方を囲まれ逃げ場の無いアサシンさんの姿が。
悲鳴を上げたのはアサシンさんの様だ。
よく見るとディアーチェがアサシンさんの額に銃を突き付け…
「……って、何してんのアイツ!!?」
質量兵器の不法所持だよ!!?
「おい貴様、我の名を言ってみろ」
「じゅ、銃なんか突き付けても無駄だ!弾が無きゃ撃てないんだぞ!?」
「弾ぁ~?
ディアーチェが空いてる片手で見せるのは正真正銘本物の銃弾。
だから何でそんなモン所持してんだお前は!!?
「ひいっ!!」
「我の名前を言えんとは…貴様はここで死んだ方が良いかもなぁ」
ストン…ストン…
銃弾を詰めていくディアーチェ。
「い…いや!!知ってる!!知ってるから!!!」
「ほう…ならばもう一度チャンスをやろう。我の名を言ってみろ」
「ディアーチェ!!『ロード・ディアーチェ』だろ!!!」
「……我は嘘が大嫌いなのだ」
ジャキッ
「ひいいいぃぃぃぃぃっっっっっっ!!!!何で!!!?」
うむ。アサシンさんはちゃんと答えた筈なのに。
「もしかして……『原作介入』では勇紀の家族だから『ディアーチェ・長谷川』というのが正しいんじゃあ…」
「「「あー…成る程」」」
亮太の推測に俺、椿姫、暁が納得する。
つまりアサシンさんは苗字を間違えた訳だ。
「ディアーチェ、少し待って下さい」
今銃の引き金を引かんとするディアーチェにユーリからの制止がかかる。
「む?何故止めるユーリ」
「まだこの男には用がありますので」
用って何があるんだろうか?
「アサシン…でしたね?ズボンの中のサイフを寄越しなさい」
ぶっ!!
アイツ、他所の作者さんから金を奪い取る気だよ!!
「な…何で私がそんな事を…」
アサシンさんが若干怯えながらも抗議する。
「ディアーチェに代わって私が手を下しましょうか?」
ユーリの背に魄翼が現れる。
「どうぞ!!!!」
自分の命が惜しいのか、即座にポケットから財布を取り出す。
それをすかさずユーリが拾い上げ、中身を確認する。
「………大して入っていませんね」
「安月給だから仕方ないんだ。私の勤め先はあまり景気が良くないし」
アサシンさんが懐事情についてカミングアウトする。
「ねぇ…ちょっとジャンプしてよ」
今度はレヴィが絡んでいく。
「は?何で?」
「良いからジャンプしなよ。さもないと…」
バルニフィカスの魔力刃をアサシンさんの顔の前で止める。
「ジャンプさせていただきます!!!」
その場でピョンピョンと跳び始めるアサシンさん。
チャリンチャリン
すると何か音が聞こえるではないか。
シュテルがバインドですかさずアサシンさんを拘束し、ポケットから小銭を取り出す。
「まだ残ってるじゃないかーーーーっっ!!!!!!!」
「ひいっ!!すいませんすいません。けどその小銭だけは勘弁して下さい。それが無いと帰りの電車賃が無くなるんですーーー!!!!」
アサシンさんはレヴィの剣幕と怒声に圧され、謝りながらも小銭の返還を要求している。
しかしその返還要求は呑んで貰えず、小銭も没収され、アサシンさんは一文無しになってしまった。
「これで全部みたいですね」
「ふむ……ならばこの金は我等が有意義に使ってやるから貴様は心置きなく死ねぃ!!」
ガチッ!!
躊躇せず引き金を引くディアーチェ。
……って、駄目だろ!!!!
一歩遅れて止めようとしたがどうやら弾は出ず、不発に終わった様だ。
「チッ…不発か。運の良い奴だ」
舌打ちし、残念がるディアーチェ。
アサシンさんが一命を取り留めた事にホッと一息吐く俺。
「……………………」
しかしアサシンさんは突然その場に崩れ落ちる。
「ん?……ショック死しおったわ。胆の小さい作者だな」
「ですが小遣いも手に入りましたし、良い事した後は気分が良いですね」
ディアーチェとシュテルがうつぶせで倒れたアサシンさんを見て言う。
「だから殺したら駄目だろーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
「か…華佗!来てくれ華佗ーーーーーっっっ!!!!!!!!」
俺は急いでアサシンさんに駆け寄りながら宝物庫からAEDを取り出し、一刀は魔導書らしき本を懐から出す。
「ふぅ~、スッキリした。……ん?何かあったのか?」
カルピスウォーターが戻って来たが、俺と一刀は一刀が召喚した医者王と共に、アサシンさんの蘇生に尽力するのに必死でソッチを気にする余裕は無かったのだった………。
「……で、お前等。本当に何があった?」
アサシンさんの蘇生に成功し、今は中庭の一部にビニールシートを敷き、そこに寝かせてある。
「……………………」(クチャ…クチャ…)
「……………………」(スゥ~…プハ~…)
「……………………」
「……………………」(ペッ…)
悪びれた様子も無く
無言の圧力はキツいが、家族がしでかした事なので俺はコイツ等が何故ここまでグレたのか、事の真相を追及する。
「黙ってたら分からんだろ?いい加減理由を語れ」
「……お前が悪いのだぞ」
遂にディアーチェが口を開く。
「やっぱり勇紀が悪かったんじゃない」(ヒソヒソ)
「本人の自覚が無い内にシュテルちゃん達を傷付けてたんでしょうね」(ヒソヒソ)
「勇紀も酷い事するよね」(ヒソヒソ)
「お前等、ヒソヒソ話するのならもう少し静かにやれや」
椿姫、暁、亮太をジト目で見ながら言う。コッチまで聞こえてんだよ。
「お前が!我等を差し置いて!女なんぞ作るから!!」
「……………はあっ!!?」
何言っちゃってんのコイツ!!?
「勇紀!彼女出来たの!!?」
一瞬で俺の側に近寄ってきた椿姫が目を輝かせながら尋ねてくる。
アカン…これをネタに俺を弄る気や。てか…
「身に覚えがねーよ!!」
本編でもコラボでもそんなキャラ登場してねえし!!
「うるさい!!確かに今は出ておらんが近い将来、別世界に飛ばされたユウキがそこで出会うのだろう!?『最初に愛した女』というのが!!!」
すんごい怒気を周囲に放つ4人。
「プロローグからこの小説に出続けていた我等は一体何なのだ!?道化か!?ピエロだったというのか!?」
「ちょっと落ち着けディアーチェ」
「これが落ち着いていられるかーーーーーー!!!!!!!!」
俺が宥めても効果を成さない。
「カルピスウォーター。これってどういう事?」
「確かディアーチェちゃんが言ってるのって前回のコラボの際に取ったアンケートの一件の事ですよね?アレ、却下になったのでは?」
「うむ。第百二話のあとがきにアンケートの結果を載せたぞ。あの設定は無かった事にした筈だ」
向こうで亮太、暁、カルピスウォーターの会話が耳に入ってくる。
「じゃあ何で?」
「……ひょっとしてあの4人、アンケートの結果知らないんじゃ?」
「「それだ!!」」
暁の推測に俺とカルピスウォーターが納得する。
て事はアンケートの結果を伝えたらコイツ等は元に戻る筈。
「ディアーチェ、それにシュテル、レヴィ、ユーリも聞いてくれ。実は…」
「うるさい!!いくら『ハーレム』のタグがあるからといって納得できるか!」
「いえ…ですからね……」
「第一、超鈍感属性持ちのお前が何故その女を愛する事になるのだ!?普通は向けられた好意に気付かぬものだろうが!!!」
「少しは俺の話を……」
「大体お前はいつもそうだ!!フラグをポンポンポンポン確立させおって……」
……アカン。全然聞く耳持ってくれへん。
こういう時はカルピスウォーターに助けを請おう。
「《何とかしてくれカルピスウォーター》」
カルピスウォーターの方を見て念話を送る。
アンタ作者なんだからこの状況を打破出来る策が思い浮かぶ筈だ。
「《ふむ……ならこういう方法はどうだ?》」
カルピスウォーターは念話でその方法を伝えてくれる。
「《……というやり方だ。これなら確実だぞ》」
「《……いや…確かに確実なんだろうけど…》」
マジでやんの?
「《将来の予行演習と思ってやれ》」
「《…………へ~い》」
カルピスウォーターとの念話を終え、俺はディアーチェに向き直る。
ジャギ様の兜を取ると頬を膨らまし、ジト目で見てくるディアーチェ。
そんなディアーチェの左右の頬に両手を添えて
「んぐっ!!?」
強引に唇を奪う。
俺の行動が予想外であったのだろうディアーチェは大きく目を見開く。
ていうかシュテル、レヴィ、ユーリの3人も硬直している。ま、俺からキスなんて基本無かったもんねー。
第八十四話は例外として。
後はカルピスウォーターに言われた通り…
「ん……れろっ……//」
「っっっっっっっっ!!!!!!!!!!!?////」
そのまま俺の舌をディアーチェの口内に侵入させる。
未だに目を見開いたままのディアーチェの舌を絡め取り、ひたすら舐め回す。
「くちゅっ…ちゅぱっ……んむっ、ちゅううっっ……////」
「んんっ……んちゅっ…んむむっ、はちゅっ……////////」
しばらくするとディアーチェも舌を動かし始め、お互いの舌がより絡み合う事に。
先程までジト目だったディアーチェ。今ではすっかり蕩けきった表情で瞳を潤ませている。
その後、ゆっくりと唇を離すと俺とディアーチェの口元からツーッと唾液の糸が伸び、少ししてプツッと切れる。
今度は頬に添えていた両手をディアーチェの背中に回し、ゆっくりと引き寄せて耳元で囁く様に言う。
「ディアーチェ…お前が怒るのも分かるけど、少しは俺の言い分もちゃんと聞いて欲しいな//」
「…………うむ。済まなかった。ユウキの意見を聞かずに怒るのは一方的で不公平であったな(ゆ、ゆゆゆゆゆゆ、ユウキのし、しししししし舌がががががががが……)////////」
既に怒気は完全に消え失せているのが分かる。ただね…
「……………………」(クチャクチャクチャクチャ!!)
「……………………」(スゥ~プハ~スゥ~プハ~スゥ~プハ~スゥ~プハ~!!)
「……………………」(ペッペッペッペッ!!)
他の3人の行動速度が更に早くなってるんだよ。それも怒気の増量というオマケ付きで。
「《心配はいらんぞ勇紀。ディアーチェにした事を残りの3人にもしてやれば
…カルピスウォーター、他人事だと思って。
けどキスすればいい訳だよな?なら軽く唇同士を触れ合わせてさっさと…
ズゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!
ひいいいぃぃぃぃぃぃっっっっっっ!!!!!?
舌入れる方のキスじゃないと駄目ッスか!!!?
「「「////」」」(コクコクコクコク!!!!)
スッゲー勢いで首を縦に振ってる。
「「「ディープ!ディープ!ディープ!」」」
椿姫、一刀、クライドが煽ってくる。
アイツ等も他人事だと思いやがって。
俺はジロッと3人を睨んだ後、覚悟を決めてシュテル達と唇を重ね合わせるのだった………。
「シュテル・長谷川です」
「レヴィ・長谷川だよ」
「我がディアーチェ・長谷川だ」
「ユーリ・長谷川です」
「「「「どうぞよろしく」」」」
ヤンキー姿から普段の私服姿に戻ったシュテル達。肌はツヤツヤの超笑顔。
『真・恋姫なのは?』の面々に挨拶しているが今更である。
「はあ…」
逆に俺は疲弊していた。
「お疲れ様勇紀。はいハンカチ」
「……済まん」
亮太から受け取ったハンカチで口元を拭う。唇や口元が涎まみれだ。
「流石ハーレム系主人公。やるじゃないか(ふむふむ。機嫌が悪い時は強引に唇を奪う……と)」
「皆の前で堂々とする大胆さに感服したよ(僕達の作品内のディアーチェとユーリを怒らせた時にも今の方法で対処しよう)」
「ここに『原作介入』側のなのは達がいたら面白かったのだけど(デバイスで撮った今のシーンを本編に帰った時、皆に見せる事が出来たら良いのに…)」
…何つーか目の前にいる一刀、クライド、椿姫に
「クライドー、クライドー」
「ん?何はやて?」
「ウチも濃いキスがしたい。んー♪////」
クライドの背後から服の裾をクイクイと引っ張って呼ぶはやて。目を閉じ、唇を突き出している。
「しょうがないなぁ…皆コッチ見てるんだけど」
そう言いつつ周囲の視線なんか全く気にしていない様子のクライドはゆっくりと顔を近付けていく。
これがかつて大人であった男の余裕というものか。はやてとの新婚オーラが半端無いぜ。
2人の顔の距離が0になろうとした瞬間…
「きいいぃぃぃぃぃえええええぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!!!!!!!!」
「「危なっ!!?」」
クライドとはやての間に投擲されたフォークが通り過ぎていく。
フォークを投げたのはいつの間にか目覚めていたアサシンさんだった。
「い…いきなり何するんや!?」
「リア充死すべし!!リア充死すべしいいいぃぃぃぃぃっっっっっ!!!!!!!」
天に向かって叫ぶアサシンさん。
「む?おはようございますアサシン氏。本日はコチラの世界にご足労頂きありがとうございます」
「おお、カルピスウォーターさん。いえいえ、コチラこそ招いて頂いて感謝しております」
作者同士がお互いに頭を下げ、挨拶している。
「それと先程は腹が痛くて挨拶する余裕が無かったが、久しぶりだな北郷一刀、クライド・H・北郷」
ん?
カルピスウォーターと一刀、クライドは面識があるのか?
「…まさかとは思ったが、やっぱりアンタがあの時の男だったのか?」
「てっきり同姓同名の別人だと思ってたんだけど」
「あの時とは姿が違うからな」
どゆこと?話についていけないんだけど?
「ふむ。実は以前自分は『真・恋姫なのは?』の世界に登場した事があるのだ」
「「「「「「「「「「嘘っ!!?」」」」」」」」」」
一刀、クライド、アサシンさん以外の面々がカルピスウォーターの発言に驚く。
「そ、そんな描写どこにも無かったぞ!?」
「知らないのも無理ないよヴィータ。これは『真・恋姫なのは?天軍割拠編第五話』と『真・恋姫なのは?天軍割拠編最終話』の間に起きた空白の期間…あの会談が行われた日から僕が海鳴市に戻ってはやてと再会するまでの間に起きた『語られていない物語』なんだ」
「まあ、実際に観て貰った方がいいだろう。あそこに巨大なスクリーンを用意した、皆様アチラをご覧あれ」
カルピスウォーターが指差す先にはいつの間にかスクリーンが用意されており、すぐ側にDVDプレイヤーが置かれている。
「では…DVD再生開始」
カルピスウォーターがリモコンで操作するとスクリーンに映像が再生され始めるのだった………。
~~回想シーン~~
~~クライド視点~~
『天下三分の計』が成り立ち、管理局に蔓延る闇の部分をほとんど排除した僕達。未だに何人かは捕まえられず、逃げている様だが時間の問題だと思う。
そんな近況の中、各次元世界を掌握した者達……兄さんが持つ『天帝王歌の魔導書』の中にいる武将達も全て兄さんの元に帰還しており、これから事後処理に取り掛かろうという時だった。
あの男が現れたのは………。
地上本部前に突如感じた巨大な魔力の波動。
僕や武将の者達は兄さんの背を追う様に走り、地上本部の入り口を出た所に……いたのだ。
巨大な体躯をした黒い馬に跨り、耳の部分から猛牛のように前へ突き出た鋭い角付き兜と巨大なマントを羽織った男が。
兄さんとその男の視線が交差する。
「うぬがこの『真・恋姫なのは?』の小説の主人公、北郷一刀か?」
「そうだ。お前は?」
「我が名はカルピスウォーター。この世界の召喚魔導師によって呼ばれし、『リリカルなのは』の二次小説を執筆している作者だ。戦うか退くか選ぶがよい」
兄さんを見下ろす男が威厳のある声で兄さんに選択を強いる。
そう言えば未だ逃げ続けている管理局の高官の1人に確か召喚魔導師の者がいた筈。ソイツが目の前の男を召喚したのか?
「…………どちらも選ばない。出来ればこの小説の世界には手を出さず、黙って去って貰いたい」
「「「「「「「「「「兄さん!?(ご主人様!?)(一刀!?)(一刀様!?)(お館様!?)(隊長!?)(北郷!?)(お兄ちゃん!?)(兄ちゃん!?)(兄様!?)(一刀さん!?)(主!?)」」」」」」」」」」
僕はおろか、この場にいた全ての武将達が兄さんの言葉に驚愕している。
「何?」
カルピスウォーターと名乗った男も、兄さんがどちらも選ばずに第三の答えを答えた事にやや驚いている。
「ご主人様!!何故戦わないのです!!?今ここには各次元世界や時空管理局本局を掌握したご主人様の力になる者が全て集っているのです!!」
「そうだぞ北郷!!こんな見かけ倒しの男など、我等の力なら!!」
彼女達は確か関羽(真名=愛紗)、夏候惇(真名=春蘭)だったよね?ここに集う武将達の中でも実力が上位に入るであろう2人が兄さんの言葉に食って掛かる。
「ふっ…見かけ倒しとは言ってくれるな。貴様は実力差も理解出来ん阿呆か?」
カルピスウォーターが不敵に笑みながら言う。
「何だと!?貴様ぁ、言わせておけば!!」
「止めなさい春蘭」
そんな春蘭に制止の声を掛けたのは彼女の主でもある存在、覇王曹操(真名=華琳)。
「か、華琳様!?」
「くだらない挑発など、聞き流しなさい」
「で、ですが…」
「春蘭?」
「は…はっ!」
ジロリと睨むと春蘭は一歩下がる。
「でも春蘭や愛紗の言う事も分かるわ。何故戦わないの一刀?ここにいる者達の総力ならば目の前の男がいかに強大でも勝てるんじゃない?ま、私としては一刀の意見が最善だって直感で感じてるんだけどね」
孫策(真名=雪蓮)と呼ばれている女性が兄さんに尋ねている。
「……確かに俺達の総力を結集させたなら、小説の作者とはいえ倒せる可能性がある」
『だが…』と兄さんは言葉を区切って続ける。
「もしこの男と戦えば俺はおろかクライド、愛紗、春蘭、恋、雪蓮……ここにいるほとんどの者達は命を落とす事になるだろう。もしそうなればせっかく成り立った『天下三分の計』が早くも崩壊する事になる。そうなれば未だ安定していない各次元世界の治安に対処する事も出来なくなる。後は目の前の男が執筆している小説のキャラ達によってこの『真・恋姫なのは?』の世界が侵略され、この小説はBADENDを迎える事になる」
「ふっ、こやつ見抜いておるわ」
そう言ってカルピスウォーターは『むん!』と自分の力を解放する。
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……
魔力、覇気等が解放されたその瞬間、
「「「「「「「「「「(………勝てない)」」」」」」」」」」
今、僕達は全員同じ思いを抱いたに違いない。
この場にいる武将達は全員が顔を青褪め、呼吸が荒くなり、立っているのがやっとという状況だ。軍師を務めている者達は意識を落とし、その場で崩れ落ちた。
そう言えば兄さんは『倒せる可能性がある』と言っただけで『倒せる』と言い切った訳では無い。つまり勝てる事自体が奇跡の様なものだ。戦えばほぼ負ける。
「……勿論ただでとは言わない。この小説の主人公でもある俺の片足をくれてやる」
ザシュッ!!
「っ!!?自分の足を!!?何やってるの兄さん!!!」
兄さんは躊躇せず、
「……俺は、誰にも死んでほしくないんだ。誰にも……」
額にビッシリと脂汗を掻き、苦痛に満ちた表情を浮かべながらも、目線だけは決してカルピスウォーターから逸らさない兄さん。
カルピスウォーターは無言で馬から降り、兄さんの足を拾う。
「……うぬの片足確かに受け取った。この足、次元世界1つどころかこの小説そのものを護る価値として充分に値する」
そうしてカルピスウォーターはジロリと別の方向を睨む。
「出てこい!そこのネズミ」
ゴウッ!!
カルピスウォーターの掌から闘気が放たれ、駐車場に停めてあった1台の車が破壊される。
「ひいっ!!」
その車に隠れる様にコチラを見ていたと思われる1人の男の姿が露わになる。
誰だあの男は?
「嫉妬に満ちた穢れた目をしておるな」
カルピスウォーターが目を細めると、男は腰を抜かし、ペタンと尻を地面につく。
「北郷一刀よ。今すぐこの者を殺せい!さもなくばこの男、貴様にとって災いをもたらし、この小説の未来を絶望に染めるであろう」
~~クライド視点終了~~
~~回想シーン終了~~
「……以上が、空白の期間に起きた物語だ。ちょっとしたお茶目のつもりだったのだ」
「あん時はマジで死を覚悟した。片足で足りなかったら腕も差し出すつもりだったし」
「その後、兄さんは自分のレアスキルで斬り落とした片足を治していたよね」
『あっはっは』と笑いながら語り合うカルピスウォーター、一刀、クライド。
「そうか。とりあえず言いたい事として………アンタ他所様の作品内で一体何やってんのさ!?わざわざラオウの姿になって黒王号まで用意して!!!」
笑い事で済む事じゃないだろ!
そもそも『真・恋姫なのは?』の世界を侵略なんてしないわ!!!
いくら召喚されたからって他所様の作品にケンカ売る様な真似すんな!!!あと『小説の主人公』とか『作者』とかメタ発言するなよ!!語られなかったとはいえ、本編の時間軸に該当するんだろうが!!!
「アサシンさんは何してたんですか?ウチの作者が貴方の書く小説の世界で好き勝手やってましたけど止めなかったんですか?」
暁の言う通りだ。
「あ、私そん時腰抜かしてました」
「「「「アンタが(貴方が)ジャコウ役かよ!?(ジャコウ役だったんですか!?)(ジャコウ役だったの!?)(ジャコウ役ですか!?)」」」」
俺、亮太、椿姫、暁が一斉にツッコむ。
まさか腰を抜かした男がアサシンさんだったとは。
映像越しに観た男の姿が、今回のコウタの姿じゃなかったから誰もアサシンさんだとは思ってなかった。
ていうか自分で自分の小説の未来を絶望に染めるとか有り得なくね?アサシンさんがBADENDを目指す上で、執筆してるなら話は別だけどさ。
「勿論何もしなかった訳じゃ無いぞ。その物語には続きがあるんだ」
アサシンさんのカミングアウト。まだ続きあんの?
「このDVDにその続編が撮られています」
そう言って差し出す1枚のDVD。
「じゃあ続きを観るとしよう」
DVDを取り換え、新しい方をプレイヤーにセットすると次の映像が流れ始めた………。
~~回想シーン~~
~~アサシン視点~~
馬に跨ったカルピスウォーターさんが地上本部から去り、私がその後を追い掛けた所、廃墟のある区画に足を踏み入れた時に1人の男がカルピスウォーターさんの前に姿を見せた。
「どういう事だ!?何故あの者達を殺さなかった!?何のためにお前を召喚したと思っているのだ!!」
激昂してる男。
この男の『召喚した』という台詞から察するに、カルピスウォーターさんをこの小説の世界に招いた召喚魔導師の様だ。
しかも先程までのやり取りを知っているという事はサーチャーで様子を見ていたんだろう。
「既に対価は頂いた」
そう言って一刀が斬り落とした片足を見せる。
「ふざけるな!!!あの男の死体を手土産とするならまだしも、たかが足一本で!!!」
「ならば自分でやるがよい」
「くっ、所詮は使えない作者だったという事か」
男はそう言って魔法陣を足元に浮かび上がらせると、巨大なドラゴンを召喚した。
「もういい!使えない作者はここで死ね!!」
召喚されたドラゴンは真っ直ぐカルピスウォーターさんに向かう。
「自分を殺すだと?全く…虫けら並の戯け台詞を吐くものだ」
軽く溜め息を吐く。
「貴様如き雑兵に、作者である自分を殺せると思うてかぁ!!!」
ドオンッ!!!
先程と同様に掌から放たれた闘気がドラゴンの腹部にぶつかるとドラゴンは腸を撒き散らして絶命した。
腹部を貫いた闘気はそのまま背後にいる召喚魔導師にも届き
「ぷりゃびゃあっ!!!!」
闘気に吹き飛ばされながら断末魔の叫びを最後に全身をバラバラにされ、肉塊となって果てた。
「す…凄い」
その時の私の目に映ったカルピスウォーターさんの姿は、まさに神をも凌駕した男に見えた。
タタタタッ
「お…お願いです!!私にその拳を、その拳を教えて下さい!!」
「何故?」
「は…はい!!フラグをポンポンと確立させ、ハーレムを満喫している主人公達に身の程を弁えさせたいのです!!」
「ほう…主人公達に」
私は頭を垂れ、必死に自分の想いを伝えた。
「よかろう…共を許す。だが、自分は他人に物を教えるのは不得手だ。盗め」
「は、はい!!!」
~~アサシン視点終了~~
~~回想シーン終了~~
「…こうして私は何度も『原作介入』を読み返し、『北斗剛掌波』を始めとする拳の一部を盗む事に成功したんだ」
「『原作介入』読むだけで北斗剛掌波どころか北斗神拳自体習得なんて出来ないからね!?」
もし出来たら今頃、読者の皆さんは北斗剛掌波撃ち放題だぞ。
そして必死に修行して北斗神拳を身に着けた北斗兄弟は涙目だ。
ていうかアサシンさん、よく教えを請おうと思ったな。地上本部ではカルピスウォーターのせいで腰抜かされたのに。
「ふふふ…そして遂に私は!!一刀とクライドを抹殺する力を手に入れたのだ!!」
そこまでして自分が書く小説の主人公を殺したいのだろうか?
「嫉妬に支配された作者…哀れな奴よ」
「そんな事してるヒマがあるなら、少しでも出会いを探せばいいのに」
ディアーチェ、レヴィ。そんな可哀相な人を見る様な目で見てはいけません。
「あんなのが私達の小説の作者なの?」
「……恥ずかしいったらありゃしないわね」
すずか、アリサも呆れている。
「一刀ぉ!!クライドォ!!俺はテメエ等を葬るために地獄の底から甦ってきたぜえぇ!!!」
遂に自分の呼称が『私』から『俺』になっちゃった。
「『地獄の底から甦ってきた』って言ってんぞアイツ?」
「さっきのショック死の時の事を言ってるのか?」
「あの時、一刀君も蘇生作業に協力してたのに」
「恩を仇で返すなんて作者として最低だね」
ヴィータ、リインフォース、なのは、フェイトが順に口を開く。原作キャラ達からの評価は最低の様だ。
「テメエ等に、明日を生きる資格は無ぇ!!!」
アサシンさんが筋肉の隆起させるとケンシロウみたいに服が破け、ムキムキな肉体が露わになる。あの身体つきが『原作介入』を読み返した成果なのか?
「うっ…力むと痔が……」
痔持ちかよ!!!
「…どう対処すればいいと思う?弟よ」
「…対処法なんて僕にも思い付かないよ兄さん」
北郷兄弟も『メンドクセェ』っていう雰囲気を隠そうともしない。
「行くぞ!!これが俺の!!!!『
良いじゃん!!そこはもう素直に『北斗神拳』って名乗って良いじゃん!!!
「『北斗神拳』を進化させた我が拳法!!この拳で突かれた者は例え、その部分が秘孔でなくとも身体を弾け飛ばす事が出来るのだ!!」
構えるアサシンさん。
秘孔を突かなくても身体を弾け飛ばすとな?それがホントなら暗殺拳としては北斗神拳以上ではないだろうか?
「行くぞ!!!ほあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
駆け出すアサシンさん。一刀とクライドは突っ立ってるままだ。
「あたぁ!!!!」
両手の人差し指を一刀、クライドに向けてアサシンさんは突き出す。
ガッ!×2
しかし左腕の手首を一刀、右腕の手首をクライドに掴まれ
グイッ!×2
そのまま捻られ
ビシッ!×2
そのままアサシンさんは自分の指で自分の頬を突かされる。
「……………………」
そのまま棒立ちになるアサシンさんと、手首を放し、少し距離を取る一刀、クライド。
「お……俺はもう、死んでいる?」
いや…疑問形にされましても……。
だが、次の瞬間
「ひ…ひぎゃっ…ひぎゃぱあっ!!」
全身がボコボコと膨れ上がったかと思うと内側から破裂し、アサシンさんは『かつてアサシンさんだったもの』へと変貌する。
「また…つまらぬものを斬ってしまった」
斬ってないよ!!?弾け飛んだよ!!!
「汚い花火だったね兄さん」
そこ!!!サイヤ人の王子と同じ事言わない!!!!
「ザフィーラ。アレが今日のご飯やで」
「主、私でもアレを食す気にはなれません」
はやては凄く良い笑顔で肉塊となったアサシンさんを指し、ザフィーラに後始末させようとする。当然ながらザフィーラは拒否するが。
てか、自分達の作者が死んだのに心配位してやれよな『真・恋姫なのは?』の面々よ………。
「…ぐすん。今日は踏んだり蹴ったりだ。カツアゲされるわ、ショック死させられるわ、挙句の果てに弾け飛ばさられるわ……」
1人イジけながらアサシンさんはカルピスウォーターが出した『どこでもドア』を潜って何処かへ行く。
「カルピスウォーター。アサシンさんは何処行ったんだ?てか何で生きてんだ?」
「前者の質問に対する答えだが、『帰りの電車賃が無いからコンビニで引き下ろしてくる』との事だ。キャッシュカードはカツアゲされなかったみたいでな。後者の質問に対しては『タイムふろしき』を使ってアサシンさんを元通りにしたのだ」
俺の質問にカルピスウォーターは何か書きながら答える。
タイムふろしきをアサシンさんの死体に被せてアサシンさんが死ぬ前まで時間を戻したって事か。
タイムふろしき万能だな。死者を生き返らせるとか…。というよりも『どこでもドア使って自宅に帰ったら電車賃必要無い』と思うのは俺だけか?
「カルピスウォーター、何を書いてるんですか?」
ユーリもカルピスウォーターが何かを書いている事に疑問を持った様だ。
「これか?これは勇紀、亮太、椿姫、澪の4人が今後、介入する事になる
「「「「ちょっと待てや」」」」
即座に反応する俺、亮太、椿姫、暁。
何キチガイみたいな事言ってんのこの作者?
「へー。ユウ達が介入する他作品かー」
「多少興味はありますね」
レヴィ、シュテルは興味を持ったみたいだ。
「前回のコラボ時に言ってた『ユウキが異世界へ次元漂流する』というのも他作品だったのか?」
「その通りだディアーチェ。勇紀には『戦女神』シリーズの世界に行って貰おうとしていた」
おい!!!
「待て待て待て!!!『戦女神』シリーズってアレか!?やり込み要素満載で
「うむ。ちなみに勇紀が最初に愛する女は『黄墟のイオ』だったのだ」
『うむ』じゃねえよ!!
死ぬ!!あんな世界に行ったらマジで死ぬ!!!
それに愛する相手が古神とか色々ヤバいフラグ立つの確定じゃねえか!!!!下手したらセリカと
「それはアンケートの結果、没になったけどな」
良かった!!没になってマジで良かった!!
「あれ?けどユウが次元漂流する事件って
そういや、俺が関わるのは2件だったっけ。レヴィ、よく覚えてたな。
「もう1件は『ヴァンガード』の世界だ。コレは勇紀だけでなく、アリシアと誠悟も巻き込まれるが」
おおう。TCG研究部の仲間がですか。
「むしろソッチの世界に巻き込まれるなら歓迎だぞ俺は」
基本カードゲームがメインの世界だし。あわよくばPSYクオリアに目覚めたい。
多少ファンタジー要素もあるけど『負けたら死亡』みたいな事は無いし。
「ふむ。ならこの小説が一段落したら書くか」
カルピスウォーターが軽く首を振って決意を固める。
「まあ、そんな事はもう良いとしてユウキ達がどんな世界に行くのか興味はあるな」
「ですね」
ディアーチェとユーリまで。
「じゃあ早速その…」
バタン!!
突然どこでもドアが開かれる。
『アサシンさんが帰って来たのか?』と思い、視線を向けると
「「「お兄ちゃーーーん」」」
ちっこい3人組が一刀に駆け寄って正面から飛び掛かった。
「んお!?」
不意を突かれながらも一刀は3人を受け止める事に成功する。
「アリシア、イクス、ヴィヴィオ!?何でここに!?」
一刀がちっこい3人組の名を叫ぶ。
「「「
「うーん……そうか。なら最初から一緒に連れて来たらよかったなー。あ、けど一緒に来たらスカイダイビングする羽目になってたから、後から来て正解だな」
3人のチビッ子の頭を順に撫でながら言う一刀。
「…クライド、あの3人って」
「原作知識あるならすぐ分かると思うけど?」
あ、やっぱ本人達って事ね。
アリシアは『原作介入』にも登場済みだけど、ヴィヴィオ、イクスは未登場だし。
既にヴィヴォやイクスがいるなんて原作ぶっ飛んでるねー。
「てかイクスに『お兄ちゃん』呼ばわりはどうなんだ?」
アレは古代ベルカ戦乱期の王の1人だろ?どっちかと言うとヴィータと同じ合法ロリの部類なんじゃあ…。
「…まあ良いか。他所様の小説のキャラである以上、何らかのオリジナル設定に変わってる可能性もあるし」
『全てはアサシンさんのみぞ知る』と言う事だ。
「まあ、兄さん達の事は置いといて、今は他作品介入の件でしょ?」
そうだったそうだった。
「ほれ、これがその一覧表だ」
カルピスウォーターに手渡された用紙を、亮太が受け取り、皆して覗き込む。
『他作品介入一覧』
『長谷川勇紀』
・魔弾の王と戦姫
・ハイスクールD×D
・ゼロの使い魔
・戦国†恋姫~乙女絢爛☆戦国絵巻~
・PRINCESS WALTZ
・咲‐saki‐
etc……
『大槻亮太』
・マブラヴオルタネイティヴ
『滝島椿姫』
・IS〈インフィニット・ストラトス〉
『暁澪』
・JINKI EXTEND Re:VISION(ジンキ・エクステンド リヴィジョン)
……………………
………………
…………
……
「どうだ?」
カルピスウォーターが尋ねてくるが
「いや!『どうだ?』じゃねえだろ!!!」
何だよこの俺の介入作品の多さは!?
『咲‐saki‐』を除けば戦いに巻き込まれる要素満載の作品ばっかじゃねえか!!てか『咲‐saki‐』キャラは本編にいたよね!?
しかも『etc』って事はまだ介入する作品あるって事だよな!?
「僕はBETAと戦わないといけないのか」
いや、お前なら生身でも余裕だろ?光人間である以上、BETAに食われる事も無いだろうし。
「IS……ねぇ。私の設定上、主人公の織斑一夏を堕としたりするのかしら?」
そのまま原作ヒロイン達に刺されてしまえばいいのに。
「わわ、ジンキですか。しかも18禁版ですね」
アレ、選択肢次第で主人公がラスボスになっちゃうよねー。
亮太、椿姫、暁はあまり乗り気じゃない様子。
てか、3人共ロボット物じゃん。
「ISはロボット物なのかしら?」
「さあ?」
機動兵器なんだし、ロボット物で良いんじゃね?
「…羨ましい」
ロボットに乗るのはちょっと憧れてたりする。
「カルピスウォーター、何故こんなにユウキの介入作品が多いのですか?」
「何でって……勇紀といえば『
「待て!!『嫁365人』って何だよ!!?」
「この小説の最終目標だ。誰にも真似出来ない様な小説を目指そうと思い、『読者の皆さんを置いてけぼりにするぐらい嫁を増やそう』と思ったんだ」
「そんな目標捨ててしまえ!!」
「確かに365人ハーレムなんていう小説なんか、他には無いだろうね」
「でも何で365人?」
俺が憤慨する中、クライドは頷き、亮太はカルピスウォーターに尋ねている。
「家にある『賭博覇王伝 零』というマンガを読んでいたんだが、その作品に登場する『在全無量』というジジイには愛人が365人いるらしいじゃないか。で、それに対抗しようと思ってコッチは嫁を365人にする事にした」
「そんなもんに対抗意識燃やすな!!!」
俺にとっては迷惑以外の何物でもない!アンタの場合、本気でやりかねないから不安過ぎるんだよ!!
「そうだそうだ!!もうユウにこれ以上のハーレムメンバーはいらないぞー!!」
「レヴィの言う通りです!!今でさえ多いというのに…」
「この前も峰理子を堕としてましたし」
「365人とか…貴様は正気か!!?」
レヴィ、ユーリ、シュテル、ディアーチェが反論する。
「しょうがない……他の奴等より優先的に勇紀に抱かれる権利をお前達にやるからここは見逃せ。ついでに結婚したら最初に勇紀と初夜を迎えられる権利もくれてやる」
「「「「今回だけは見逃しましょう(見逃してあげるよ)(見逃してやろう)」」」」
「見逃すな!!!!」
君等今、ハーレム増員に反対してたじゃん!!!
「「「「でもユウキ(ユウ)に抱かれるんですよ!!(抱かれるんだよ!!)(抱かれるのだぞ!!)////」」」」
…アカン。目先の利益に心が囚われてる。
「ちなみに勇紀の初体験の際、マンツーマンかお前等4人まとめてヤッちゃうかは未定だが、最初に勇紀とベッドの上でユニゾン・インするのは誰かまだ決めてないからな」
『ヤッちゃう』言うな。『ユニゾン・イン』言うな。
「何を言ってるんですかカルピスウォーター?そんなの聞くまでも無いでしょう」
「全くだよ。そんなの判り切ってる事じゃん」
「読者でも分かる当たり前な事だぞ」
「そうですよ。ユウキと最初に結ばれるのは…」
「「「「私です(僕だよ)(我に決まっておろう)(私以外に有り得ませんよ)」」」」
シュテル、レヴィ、ディアーチェ、ユーリが、さも自分が当然であるかの様に言い
「「「「……………………」」」」
瞳から光を消して睨み合う。
「…どうするんだよカルピスウォーター?」
一触即発の雰囲気だぞ?
「勇紀、お前が決めたらどうだ?」
「アホな事言うな!!」
そんな事してみろ。俺は間違い無く選ばなかった残り3人に殺られる。
「『殺られる』というより『犯られる』という表現が正しいな」
止めて!!ホントに襲われそうで怖いから!!
「まあ、この問題は読者の皆さんにアンケート取って決めて貰おう」
出た!困ったときの読者頼み。
まあ、俺でも選べないから仕方ないな。
てか、コレってある意味マテ娘間での人気投票だよな。誰が1位になるのやら…。
「何か面白そうな事になってるな」
「…その姿は何だ一刀?」
「俺の青年モードだ」
一刀は少年の姿から青年の姿になっていた。ヴィヴィオを肩車し、右手はイクス、左手はアリシアと手を繋いでいる。
「何で青年になったんだ?」
「小さいまんまだと3人を構うのが大変なんだ」
さいでっか。
「「「ほわ~……////////」」」
なのは、フェイト、アリサは一刀に見惚れてるな。
「勇紀の初体験の相手も気になるが、それよりも他作品に介入するのか?」
「俺としてはしたくねぇ」
後365人も嫁なんて作りたくねぇ。そんな事になったら俺の死因は誰かに背後から刺されて刺殺するか腹上死のどちらかだ。
「そういう否定的な態度はフラグ確定に繋がり易いから気を付けろよ」
一刀……頼むからそんな不安な事言わないでくれ………。
「そう言えば西条の奴いねえな」
ふと俺は銀髪でイケメンなオッドアイ野郎がここにいない事に気付いた。
「誰だソイツ?」
「二次小説でよく見かけるお約束な奴の事だヴィータ」
俺は西条の事を知らない『真・恋姫なのは?』の面々に西条という人物について事細かく伝える。
「…そんな奴がソチラの世界には存在するのか」
「シグナムさんはまだ良い方です。地上の方に配属されてますから」
はやても捜査官の研修として近々、地上の方に来る筈だ。『アイツの顔しばらく見んで済むわぁ♪』なんて言って超喜んでたっけ。
「ていうか豚の話題なんて止めましょうよ」
「そうですよユウキ。せっかくの交流会なんですから」
暁とユーリに窘められた。
「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!」
「「「「「「「「「「っ!!!!?」」」」」」」」」」(ビクッ!)
背後から悲鳴を上げられたので俺達全員がビックリする。
声の主はいつの間にか戻って来ていたアサシンさん。
そのアサシンさんが前のめりに倒れ、アサシンさんの背後には黒い長髪をポニーテールにしてる女性が立っていた。
手に武器を持っている辺り、アレで斬り付けたのだろう。
「愛紗!?え!?何で!?俺、呼んだ覚え無いけど!?」
愛紗と呼ばれた女性…いや、一目見て『恋姫』の関羽だって分かってたけどさ。
一刀が驚いている所を見ると、呼んだ訳じゃなかったのか?
よく見ると関羽以外にもいるではないか。あれは……孫権と曹操。
「今回はコラボなのよ一刀。貴方の意思に関係無く私達は『天帝王歌の書』から自由に出入り出来るという事らしいわ」
「だから姉様や祭なんかは…アッチに」
曹操がここにいる理由を説明し、孫権は呆れた様な表情で中庭の一角を指す。
そこには料理を食らい、酒を飲んでどんちゃん騒ぎを始めてる一団の姿があった。
「お前等が天帝王歌の書から出てる理由は分かったけど、愛紗がアサシンを斬った理由は?」
「この
ひでえな!!?いきなり斬る事は無いだろうに。
「そうなのかアサシン?」
「わ…私はただ、一刀とクライドの下半身を不能にしてやろうと…」
「愛紗、俺が許す。こんな作者は斬って捨ててしまえ」
「待ていっ!!!」
スパーン!!
無慈悲な命令を出した一刀の頭をハリセンでどつく。今は一刀と身長差があるため、軽くジャンプして。
「痛いぞ勇紀」
「お前がアホな事言うからだ!!アサシンさんが死んだら誰が『真・恋姫なのは?』書くんだよ?」
「そりゃ、もっと小説を上手に書ける人にお願いするさ」
コイツ…よく平然と自分の作者見捨てる様な発言出来るよな。
「ご主人様の言う通りです長谷川殿。この様な輩よりも私とご主人様の……その……イチャイチャするシーンを上手く書ける作者は世に沢山いる筈ですから////」
関羽…アンタもアサシンさんに容赦無いな。
「それよりも……治療を……」
背中を斬られたアサシンさんは助けを求めている。
治療と言えばシャマルさんなんだけど…。
瀕死のアサシンさんに近付くのははやて。
「なあアサシン。助かりたい?」
「た…助かりたい……です……」
「死にたくない?」
「し…死にたくない……です……」
「ほな取り引きや。ウチの言う事聞いてくれたらシャマルの治療受けさせたるわ」
アイツ…瀕死の作者相手に何を頼む気なんだ?
「取引っちゅ-ても簡単な事や。『なのはGOD編』に突入したらウチとクライドのラブラブな描写…個別イベント書いてほしいんや」
「な……何……だと?」
「だって『原作介入』のウチは個別イベントあるんやで。しかも主人公の長谷川君とキスまでしてたし」
ああ……大掃除の時の話ですか。
「同じ『八神はやて』やのにウチには個別イベントが無い……何や、向こうのウチに負けてる様な気がしてならんのや。だから書いてーな」
「は…はやてちゃんズルいよ。わ……私も個別イベント書いて貰いたい…な////」
すずかも希望してますよ?
「私は一刀君とのデートイベントとか書いてほしい……というかいい加減名前で呼んでほしいの!!」
「抜け駆けズルいよなのは!!私も一刀とい、イチャイチャしたい!!//」
「わ…私の個別イベントも書きなさいよ。ありきたりなヤツでも文句言わないから」
なのは、フェイト、アリサは一刀とのイベントを激しく所望している。
「い…嫌だ!アイツ等のリア充ぶりなんて…見たくないし……書きたくない……」
アサシンさん、ホント治療急がないとまた死にますよ?出血量半端無いし。
「ええんか?このままやったら死んでまうで?」
「う……ぐうぅっ……」
悩んでる。自分の命のために皆の個別イベントを書くのか、『リア充死すべし!!』を貫き通すのかでメッチャ悩んでる。
ズンッ!!
「ぐばっ!」
そんな瀕死のアサシンさんに容赦なく剣を突き立てる人が。
彼女は孫権。先程とは違い、瞳から光を消していた。
「「「「「「「「「「……………………」」」」」」」」」」
彼女の突然の凶行にどんちゃん騒ぎをしてる一団以外の面子は言葉を失う。僅かな時間の間、彼女に何があったんだ?
孫権は静かに口を開き始める。
「アサシン……私はいつになったら一刀とイチャつけるのかしら?」
ズブッ…
突き刺した剣を引き抜き
ズンッ!
また突き刺す。
「げはっ!」
吐血するアサシンさん。
「しかも『真・恋姫なのは?天軍割拠編』では、一言も喋ってなかったのよ?何で喋らせてくれなかったの?」
ズブッ……ズンッ!
「雪蓮姉様に冥琳、祭、思春、明命、亜紗、真紅母様は喋っているのにどうして私は一言も台詞が無かったの?」
『陸遜、孫尚香の2人も台詞無いから貴女だけじゃないですよ?』と言ったら少しは落ち着くだろうか?
…無理かも。というより声を掛ける勇気が俺には無い。
「何か理由があるんでしょう?私が納得出来るだけの理由が?ねえ、答えて?ねえ、ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ」
ズンズンズンズンズンズンズンズン!!!!!!
剣を引き抜いては突き刺すというだけの作業を行い始めた。
正直言って怖すぎます。下手な犯罪者よりも怖すぎます。
「『デ蓮華さん』、相当鬱憤溜まってたのねぇ…」
若干引き気味の椿姫が目の前で行われてる惨状を見ながら口を開く。
「…てか『デ蓮華さん』て何だよ?」
「『デレてる蓮華さん』を略して『デ蓮華』さんよ」
別にアサシンさんに対してデレてる訳じゃないのに。アレは出番が無かった事に対する怒りをぶつけてる病み状態の孫家の次女だ。
向こう側では『病華』と呼ばれてる彼女が容赦なく作者であるアサシンさんを刺しまくっている。
「デレはデレでも言葉の頭につくのは『ツン』や『クー』ではなく『ヤン』なデレ方だね」
亮太も納得してるのか首を縦に振りながら言葉にする。
しかし勝手に孫権の真名名乗って良いのか?
「今回はコラボだし、そもそも『真・恋姫なのは?』の世界では私達の真名を普通の名前として使っているから気にしなくていいわよ長谷川勇紀」
曹操が俺の心を読んだかの様に、的確に答え返す。
「だから私の『華琳』という真名を気軽に呼ぶ事を許しましょう」
いや…『気軽に』って……。
けど、向こうが良いって言ってるからそう呼ばせて貰うとしよう。
「ではよろしくお願いします華琳さん」
頭を下げ、彼女の真名で呼ぶ。ついでに真名を預けてくれたお礼代わりに宝物庫の中にある神代物のお酒をプレゼントする。
「ていうか貴女、『覇王』なら凶行中の彼女を止めて下さいよ」
夢に出てきそうだ。出たら絶対にうなされる。
「無理ね。今の蓮華を止められるとしたら一刀ぐらいでしょ」
「……おい
「無理無理。あの蓮華に声掛けるのは自殺に等しい。ここは涙を呑んでアサシンに犠牲になって貰おう」
お前さ…もう少し作者に優しくなれって。
結局孫権が落ち着き、瞳に光が戻るまで誰1人としてアサシンさんには手を出さなかった。そしてアサシンさんは再びタイムふろしきのお世話になるのだった………。
「で、話を戻すけどカルピスウォーター。西条がいないのに何か理由あるのか?」
「知らん。前回のコラボの際に灰にしちまったからな」
あの後、1日経ってMPが全快になっても復活させる事自体忘れていたらしい。
「まあ、アイツがいないのは皆にとって喜ばしい事だし…」
このまま来ない事を祈っていたのだが
「俺様を呼んだかぁ!!!!」
俺の祈りは天に届かなかった様だ。
「ユウキ!!ユウキが気にするせいで出て来たじゃないですか!!」
「……マジで悪い事したと心の底から反省している」
俺のせいじゃないとは思うが、シュテルの剣幕が凄いので下手に言い訳せず素直に謝る。
しかし西条の声は俺達の頭上から来たよな?
上を見上げてみると
「ヒャハハハハ!!クソモブぅ!!!俺様は帰って来たぞぉ!!!」
上空から腕を組んで俺達を見下ろす
「「「「「「「「「「…………………………」」」」」」」」」」
俺達はそんな西条をポカーンとしたまま見ていた。
そんな硬直の中一刀、クライドが静かに口を開いた。
「おい…アイツが例の『自称・オリ主』とかいう奴か?」
「髪どころか全身が銀色だね」
英雄王の着ている黄金の鎧を模したバリアジャケットでさえ、銀一色に染められている。これじゃあ金ピカではなく銀ピカだ。
一体アイツに何があったんだろうか?
「ヒャハハ!!見ろぉ、この白銀の肉体を!!!『ビッグゲテスター』の科学力によって新たな肉体を手に入れ、生まれ変わった最強のハイパーオリ主、西条貴志とは俺様の事だぁ!!!」
テンション高いなー。
「ていうか『ビッグゲテスター』に銀色のボディって…メタルクウラじゃあるまいし」
さしずめアイツは『メタルサイジョー』ってところか。
「例え銀色になろうとも豚は豚でしかないですよ」
確かに…。見た目が銀色に変わっただけで魔力や性格なんかは一切変わってないもんな。
「はっ!!以前の俺様との違いが分からねえとは所詮モブだな」
だから銀色のボディ以外に何が違うと言うんだ?
「この身体はなぁ、あらゆる魔法を弾く素材で出来てるんだぜ。つまりモブとはいえ、魔導師であるテメエはもう俺様に手も足も出ねえって事だ」
ヘー、スゴイネー。
でも魔法以外はどうなんだ?俺の
いくら身体が硬くてもカラミティエンドでスパッと斬れそうだし…。
……やべ。魔法なんて使わなくても負ける要素が見付からねえ。
「毎回毎回シュテル達に付き纏うテメエに今日こそ引導を渡してやるぜ。それからそこの種モブと亡霊モブ!」
メタルサイジョーが一刀とクライドを呼び止める。
『種モブ』とは言うまでも無く一刀の事で『亡霊モブ』とは原作で本来死んでる筈のクライドの事だろう。
奴にとって他作品や原作キャラの容姿をしてる男は『モブ転生者』として認識されてしまうのだ。
「テメエ等も俺様のなのは達に近付いてんじゃねぇ!!なのは達が嫌がってんじゃねえか!!!」
ま、なのは達は当然の如くメタルサイジョーの言葉を否定するのだが。
「心配するなよお前等。無理矢理言わされてるって事は充分理解してるからな」
ニコッとなのは達に微笑みながらメタルサイジョーは答える。
「……この見事なまでの勘違いっぷり…何てお約束通りな奴なんだ」
「僕は死んでる訳じゃ無いから亡霊じゃないんだけどなぁ…」
一刀は二次小説の自称オリ主として完璧過ぎる設定のメタルサイジョーに感心し、クライドは溜め息を吐いて答えていた。
「オラ!!3人まとめてかかってこいやモブ共!!瞬殺してやるからよ!!」
「……だってさ。3人でやっちまうか?」
「前回みたいにフルボッコでも良いと俺は思う」
「氷漬けなら僕にも出来る事だし」
一刀、俺、クライドはメタルサイジョーの奴をどう処分するか相談していた。
「すみませーん」
「「「ん?」」」
中庭の入り口の方から声が聞こえる。
「宅配便ですー」
宅配便業者の人がやって来ていた。
……どうやってここに来たんだ?
「ご苦労様です」
カルピスウォーターが受け取りのサインをし、荷物を受け取っている。
「北郷一刀、お前宛の荷物だぞ」
「俺に?誰からだ?」
一刀は首を傾げながらもカルピスウォーターから荷物を受け取る。
荷物を送ってきた送り主は……『真・恋姫なのは?』側のジェイル・スカリエッティからだった。
「……何だろう。あの馬鹿が『送ってきた』というだけで一抹の不安を感じるんだが…」
そう言いつつ、開梱作業を行う一刀。ダンボール箱の中に入っていたのは…
「「「……ボタン?」」」
クイズ番組でよく見掛ける様な押しボタンだった。
「中に手紙も入ってるよ兄さん」
クライドが手紙を取り出して一刀に渡す。
「何やってんだモブ共!!作戦会議なんかしたって無駄なんだよ!!愛紗達だって俺様の勇姿をみたがってんだ!!早くしろゴルァ!!」
……奴の頭の中では既に『恋姫』の武将達もハーレム入りしてる様です。
まあ、吠えてるメタルサイジョーを無視して一刀は手紙を読み始め、俺とクライドも目で手紙の文を追う。
『やぁ一刀君。この手紙を読んでいるという事は無事に荷物が届いたという事だろう。しかも面倒臭そうな輩に絡まれ、バトルを挑まれていると推察するよ』
その瞬間、俺、一刀、クライドはバッと顔を上げて辺りを見回すが特に先程から変わった様子は無い。
何でコッチの状況をピンポイントに推察してんの!?何処かから見てるんじゃないの!?
『一刀君なら手間取る様な相手じゃないだろうけど、そこまでやる気も出せないだろうからあまり相手にしたく無い筈だ。そこで君の代わりにその輩と相対してくれる存在…魔改造ガジェット軍団を呼び出す召喚ボタンを作成したと言う訳だ』
このボタンがガジェットの召喚アイテムだとは。
『まあ、呼び出した後は一刀君が指示を出してあげてくれたまえ。もっとも、君自身が戦うと言うのなら使う必要は無いけどね』
「…どうするんだ一刀?」
「一応使ってみるか」
どうやら使う事にした様だ。
『そうそう、ガジェット軍団に新たな武装を付け加えてみたのでソレ等に対する感想も後日、聞かせてくれたまえ。いやー、日本のアニメは『素晴らしい!!』の一言に尽きるね』
「…俺の不安が的中しちまった」
溜め息を吐く一刀。新武装…ねぇ。
しかもこの文章から察するに何らかのアニメに影響され、作ったと思われる。
『最後に…一刀君のいる場所から37°左の方向を見たまえ。そこに私が…』
俺達は手紙のある方向に顔を向ける。『やっぱここにいるんじゃあ…』と思ったのだが、そこにジェイル・スカリエッヒの姿は無い。
『いると思ったかね?やーいやーい、引っ掛かった引っ掛かったー。アホが見るブタのケツー♪』
グシャッ!!
手紙を握りつぶす一刀。
「……とにかく僕達が手を下すまでも無いって事だね」
「ああ…ジェイルの奴には帰って色々と話さないといけないな」
一刀は相当お冠の様子だ。ソッチの世界のジェイル・スカリエッティ……南無。
「とりあえず召喚しようぜ」
「分かった……という事でポチッとな」
一刀がボタンを押すと魔法陣が俺達の周囲に複数浮かび上がり、ガジェット軍団が次々に召喚されていく。
さあ、見せて貰おうか。ガジェットに追加された新武装とやらを。
ガジェット軍団が召喚された後ディスプレイが表示される。どうやら新武装についての詳細みたいだが。
「「「ふむふむ…」」」
俺達は目を通す。
「……よし、理解した。攻撃対象をメタルサイジョー…そんで、ガジェットの指揮官は『北郷一刀』っと……」
ガジェットへのプログラムを調整し、コンソールを叩く一刀の様子を俺とクライドは眺める。
一通り設定し終えるとガジェットは一斉にメタルサイジョーへ襲い掛かる。
「はっ!鉄クズ風情がハイパーオリ主である俺様に挑むとは。全部スクラップにしてやるよ!!」
お約束の夫婦剣を投影し、斬りかかる。が…
ガキイイィィィィィンンンン!!!
突如、ガジェット本体を護るかのようなバリアが発生し、夫婦剣を弾いた。
「何いっ!!?」
まさかバリアを張るとは思っていなかったのだろう。
「アニメ通りだ。アレが『ディストーションフィールド』か…」
まさか『機動戦艦ナデシコ』とは。
「鉄クズのくせに生意気なんだよ!!」
今度は夫婦剣を投げる。
「
直後、夫婦剣は爆発し、ガジェット数機はディストーションフィールドでも防ぎ切れず、撃墜された。
「ガジェット全機!!目標に向かってグラビティブラスト一斉砲撃!!」
一刀が指示を出すとガジェット軍団はエネルギーをチャージし始める。
「ヒャハハ。鉄クズ如きが何をしようとも無駄なんだよオラアッ!!!」
再び夫婦剣を投影、そして投げつけ爆破させる。
また4機程撃墜されたがガジェットはまだ数に余裕がある。
「撃てえええぇぇぇぇぇっっっっ!!!!」
一刀指示の元、ガジェット軍団によるグラビティブラストの一斉砲撃が始まる。
ドオオオオォォォォォォォンンンンンンッッッッッッ!!!!!
メタルサイジョーの立ち位置を起点に大爆発が起こり、粉塵によって視界が奪われる。
「ちょっと一刀!!せっかく酒盛りで盛り上がってんのに埃が舞う様な事止めてよね」
「あ、すいません」
孫策に怒られ、素直に頭を下げる一刀。孫策以外にも黄蓋、張遼、黄忠、厳顔等々呑兵衛軍団からは非難の視線が向けられている。
そんな一刀の様子を見た後で、爆心地に視線を戻す。
徐々に粉塵も晴れ、メタルサイジョーの姿が露わになる。
「ぬ…ぬがあああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
メタルサイジョーは右腕が吹き飛び、脇腹にも穴が開いていた。ただ、全身が機械のため血は流れていない。
「やりやがったな鉄クズの分際で!!」
吹き飛んだ右腕や穴の開いた脇腹が修復されていく。
「メタルクウラを忠実に再現してるなぁ…」
やっぱ跡形も無く消し飛ばさないといかんみたいだ。
「なら出力アップでもう一度グラビティブラストだ!!あの銀ピカを宇宙の塵にしてやれ!!!」
一刀が叫ぶとガジェットが再びチャージを開始する。今度は全機チャージではなく数機がメタルサイジョーに接近し、囮となってチャージの時間を稼ぐ。
「無駄だっつってんのが分からねえのか種モブ!!鉄クズで止められる程ハイパーオリ主の俺様は弱くねえぜ!!」
…ガジェットに負ける様じゃ、転生者の面目丸潰れな上にSts編では確実に役立たず確定だ。
けどこのガジェット軍団は魔改造済みだし、そのガジェット軍団に善戦出来てると言う点は評価出来るか。
戦い方は相変わらずだけど。
「チャージ完了!!撃てーーーーーっっっっ!!!!!」
先程より出力増しで放たれるグラビティブラスト。
「はっ!!ならコイツでどうよ!!
これまたお約束の花弁型七重障壁が展開され、同時にグラビティブラストが放たれていた。
遠距離からの砲撃に対し、
ガジェット軍団全てのグラビティブラストに
当然メタルサイジョーには届いていない。
「ヒャハハハハ!!俺様に障壁を張らせた事は評価してやるがそれが鉄クズの限界だな!!!」
高笑いするメタルサイジョー。
「ならば攻撃方法を変えるまで。フォーメーション『突撃ラブハート』!!」
その単語はナデシコではなく『マクロス7』でっせ。いや、フォーメーションって言った以上『マクロスF』の方か。
設定を変えられたガジェット軍団は十数機が一瞬にしてメタルサイジョーが展開した残り3枚の障壁の
「んなっ!!?」
予想外の障壁の突破の仕方に驚きを隠せないメタルサイジョー。
アレ……転移じゃなくてボソンジャンプじゃねえか!!
「お兄ちゃん!!鈴々も援護するのだ!!」
張飛がすぐ側で静かに食事を摂っていたアサシンさんにボディーブローをかます。
「げはあっ!!?」
張飛は蹲ったアサシンさんの背後に回り、両足を掴んでグルグルと回り出す。
「これが鈴々の宝具『
勢いよく回転してた張飛がアサシンさんの足を手放すとアサシンさんは一直線にメタルサイジョー向かって飛んでいく。
『
本作品オリジナル宝具。
作者の両足を掴み、勢いよく投げるただのジャイアントスイングだが、小説内のキャラが作者を投げる事で宝具に昇華される(笑)。
投げるキャラの腕力によって威力は増減するが基本的には対人Bランクの宝具として扱われる。作者を非道に扱う事の出来る小説内のキャラだけが使用出来、投げた後の責任や後悔を一切負わないのが発動条件である。『鈴々の宝具』と明言してるが実際には誰でも出来るお手軽宝具のため、彼女専用という訳では無い。
尚、病んでる方がこの宝具を使用すると腕力の強さに関わらずA++ランクまで跳ね上がる(笑)。
アサシンさんは障壁にぶつかり、停止する。
「食らえ!!」
一刀がそう言うと一斉にガジェット軍団が自爆する。アサシンさんを巻き込んで。
グラビティブラスト一斉砲撃時よりもよりも遥かに大きな爆発が起こり、威力が高いのが見て分かる。
「だから埃を巻き起こさないでって言ってるでしょう!!」
「度々すいません!!」
で、孫策に頭を下げる。
「今度こそ殺ったかな?」
クライドの呟きを聞き、視線を戻す。
煙が晴れた先には、メタルサイジョーの影も形も見当たらなかった。アサシンさんはボロボロの姿で倒れているが息はある。
「どうやらくたばったみたいですね」
「気持ち悪ぃ奴だったな」
ユーリとヴィータの言葉が耳に届く。
それってメタルサイジョーの事だよな?アサシンさんの事じゃなよな?
「「「「「「「「「「ヒャハハハハハ!!!!!!」」」」」」」」」」
しかし喜べたのも束の間。
周囲に響き渡るメタルサイジョーの声……それも複数。
「ぶ…豚がこんなに!?」
「まさか
「いや、周りの風景が変わってないからソレは有り得ないよ!」
暁、シュテル、亮太は周囲のメタルサイジョー達を見て言うが、原作通りメタルクウラを模してるならアレはビッグゲテスターで量産されたメタルサイジョーであり、
「き…気持ち悪いですぅ~」
「それにしても奴等の視線が不快過ぎる」
「カルピスウォーター。何とか出来ないの?」
リインは怯え、シグナムさんは眉を顰め、椿姫はカルピスウォーターに尋ねている。
「勇紀、椿姫。お前等が大規模転移魔法でメタルサイジョー達を遥か上空に転移させろ。ビッグゲテスターもろとも消し飛ばす兵器を出してやる」
カルピスウォーターに言われたのでメタルサイジョーの群れを上空に転移させる。
そしてカルピスウォーターが四次元ポケットから取り出したのは
「何で四次元ポケットに
まさかの公式チート性能機だった。
「気にするな。将来的にはお前の専用機だ」
いらねえよ!!リリカルな世界にこの機体はいらねえよ!!
「だが、さっきロボット物に介入する3人を羨ましそうに見てただろう?」
「ぐ…」
否定出来ない。
「それともネオ・グランゾンの方が良かったか?一応ネオ化出来るぞ?」
「うぐぐ…」
「何ならアストラナガンでも良いぞ?お前の好きな機体だろう?乗って無双したくはないか?」
何て魅力的な言葉を投げかけてくるんだカルピスウォーターは!
グランゾン(もしくはネオ・グランゾン)にアストラナガン……確かに俺のお気に入り機体だ。乗りたいとは思う。
だが、乗ってしまったら何か嫌なフラグが立ってしまいそうで……けど乗りたい。
「さあ……乗るがいい。なあに…今回はコラボだから気にする必要は無いさ(デバイスとして勇紀に入手させ、バリアジャケットがこの機体を模させたモノならば良いだろうしな。……いや、実物を『原作介入』側のジェイル・スカリエッティに開発させるか?そして勇紀もロボット物に介入を…)」
……何か良からぬ事考えてない?
「ないない。それより乗らないのか?なら仕舞うけど…」
「……乗ります」
『ロボットに乗りたい』という誘惑に抗えず、俺は決意した。
だってグランゾンだよ!?スパロボシリーズで味方の際は真っ先に改造するぐらい好きなんだよ!?
この機会逃したらもう乗れないかもしれないし。
なら何時乗るの?今でしょ!!
俺はコックピットに乗り込み、グランゾンを起動させる。
モニターには上空に転移させたメタルサイジョー達とビッグゲテスターが。
「とっとと消し飛ばそう」
俺は手元にある1つのスイッチを押す。
「ブラックホールクラスター、発射!!」
胸部を解放して、シュヴァルツシルト半径が量子サイズのマイクロブラックホールを特殊な重力フィールド内部に生成し、それを目標へと発射するグランゾンの必殺武器。
これだけカッコイイ演出にも関わらずアニメのスパロボを観た際、俺が今押したスイッチ1つでブラックホールクラスターが発射されるのを観た時は色んな意味で衝撃が走ったさ。
生成された重力球をビッグゲテスターに向けて飛ばす。
ブラックホールクラスター着弾後、瞬く間にビッグゲテスターが呑み込まれていく。
周囲にいるメタルサイジョーもほとんどが巻き込まれ、残っているのは4人……というより4体。
「お次はコイツだな。ワームスマッシャー」
続けて胸部から放たれるエネルギービームを連射しながらワームホールに吸い込ませ、メタルサイジョー達の前にワールホームのゲートを出現させる。
ズガン!!ズガガガガッッ!!!
直後にゲートを通過してきたエネルギービームにメタルサイジョー達は貫かれ、吹き飛ばされるが吹き飛んだ先にワームホールを配置して追撃、更に吹き飛んだ先にもワームホールを…という流れを繰り返し、最後には全周囲からの集中攻撃でメタルサイジョー達を滅殺する。
悪は滅びた。
「うん…流石公式チート機体」
見事に反則なまでの強さだ。
「カルピスウォーターに返したら何かしら悪用されてフラグが立つかもしれないし…」
グランゾンは俺の宝物庫に収納して厳重に保管しておこう。
け、決して『返すのが勿体無い』とか思ってないんだからな!!本当だからな!!
~~某所~~
「っ!!?」
「どうした于吉?」
「…誰かが私のグランゾンに手を出したみたいなのですよ左慈」
「グランゾン?何言ってるんだお前は?」
「左慈のサイバスターに手を出すのならともかく私のグランゾンに手を出すとは…」
「おい、何か顔が怖いぞ」
「ふふふ…まあ、見逃してあげましょうか。せっかくのコラボですし、彼は主人公である上、グランゾンがお気に入りみたいですからね。特別にグランゾンの使用許可を認めてあげましょう」
「……………………」
「ただし…今後グランゾンに乗り、誰かに撃墜でもされる様な醜態を晒す様なら……ふ、ふふふ……」
「(大丈夫かコイツ?)」
~~某所での一幕終了~~
~~あとがき~~
新年最初のコラボにして第3回目のお相手はアサシン様の執筆作品『真・恋姫なのは?』でした。
今回はご本人も登場させ尚且つ、弄られるのを希望されてたので書いてみましたが、やり過ぎた感があったり……。
面白おかしく書こうとしてたらこういう扱いになっちゃったんです。ご本人からの反応が怖いですね。けど書いた以上、この内容で投稿します。
あと、曹操(華琳)だけが唯一病ませられませんでした(関羽(愛紗)もアサシン様を斬り付けただけで『病んでる』とまでは言えないかも)。ご期待に添えず申し訳ありません。反面、蓮華を『(ヤン)デ蓮華さん』として頑張りましたのでコレで勘弁して下さい。
しかしコラボは書くと楽しい反面ネタを探す、思い付くのが大変で仕方が無い。『未だに順番待ちの作者様とのコラボネタはどうしよう?』と日々、仕事に追われながらネタ探しに奔走しています。ついでに勇紀の嫁にするキャラも探してます。
365人……達成出来るか否か。半分適当、半分ガチです。実際にやるかは自分の気分次第。まあ、ハーレム要因はまだ増やしますけど。
さてさて、本編で語った通りアンケートです。内容は言うまでも無く『勇紀と最初に(性的に)ユニゾン・イン出来るおめでたいキャラ』についてです。候補は
①シュテル
②レヴィ
③ディアーチェ
④ユーリ
です。
以上4人の中から誰か1人選んで下さい。上記のキャラ以外の面々は後回しです。2人以上は選ばないで下さい。勇紀の童貞を奪えるのは1人だけですので。
期限は1月31日(金)まで……いつもよりちょっと長めに設けます。
気が向いた方だけ投票お願いします。
ではでは。
P・S
次回の本編では時間軸を飛ばし、勇紀達を中学3年生にまで進めます。中学2年の内容については書く事が特に無いので(戦女神シリーズ介入はアンケートの結果没になり、ヴァンガードの介入はしばらくしてから執筆するので)。
Tweet |
|
|
13
|
7
|
追加するフォルダを選択
コラボ第三弾ッス。