No.62711

繰り返しながらも新たなる外史[旅]!?~帰還の章~・第二話

つよしさん

えー、繰り返しながらも新たなる外史[旅]!?
の続きです。
これ需要あるのかなぁ?と思ってる次第です。
誤字等ありましたら、ご指摘の方をよろしくお願いします。

続きを表示

2009-03-11 13:08:52 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:15595   閲覧ユーザー数:11518

────絶対絶命。

 

 

天和達の爆弾発言のおかげで、この言葉以外に当てはまるものがない状況だ。

 

アニキ「やっぱり、こいつだよな…」

他の男たちからアニキと呼ばれる男が写真と俺の顔を見比べながら、口角を上げる。

チビ「間違いないと思いますぜ、ヒヒッ」

背の小さい男は短刀を抜き、下劣な笑いを浮かべつつ刃に舌を這わせる───舌切るぞ、お前。

デブ「ち、ちょっと顔がいいがらっで、ち、調子にのるなよ………」

…いや、何も言ってないからな?しかも、関係ないし。

 

そして、そんなどっかで見たことあるような3人組の様子に気付いて、回りのファンも俺に注目しだした。

 

男A「おいおい、こいつじゃねえのか?地和ちゃんたちの大事なもんを盗んだのって…!」

男B「こいつ一体、何盗んだんだろうなぁ…!?」

あれ、もうキレかけてるし!

男C「金…かぁ?いや、ないなぁ?」

男O「もしかして、天和ちゃんたちの処女とかとちがうん?なんてなw」

ギク!?

それ、当たってるよ。これは、ヤバくないか!?……………てか、お前まさか…!

────いや、ないよな…多分。

 

男D「いやいや、それはねーよ」

男A「そうそう」

ホッ。危ない、危ない。

男D「だって、地和ちゃんの処女はオレのモンなんだしぃ」

 

は?

 

男B「なに、いってんだよ!地和ちゃんは俺の嫁だぞ!!!!」

いや、そのセリフ、時代を先取りし過ぎじゃないですか!?

男E「ばっか、俺の嫁だし」

男A「天和ちゃんは俺が貰うけどな!」

男O「俺は人和ちゃんがええわぁ…純情そうな感じがそそんねんなぁ…」

んー、男Oの声ってなんかなぁ?気のせいだよな?

男C「全員俺の嫁だっつーの!おまえらよぉ、あんま舐めたこと言ってっと、ぶん殴んぞ!?」

男A「はぁ!?やってみろや!こらぁ!」

ボクッ!!

男C「てめぇ、やりやがったな!オラァ!」

バキッ!!

 

 

一刀「……え?あれ?」

さすがにやばいと思ったので身構えていたのだが、いつの間にかいろんな所で乱闘が始っており、怒号や罵声が飛び交っている──────なぜか、男Oの声は全く聞こえないが…。

 

 

まぁ、それはともかく。突如として起こったこの混乱(暴走?)によって皆、俺のことを忘れている。

──────と思ったのだが。

アニキ「へへ。こいつらこの男のこと忘れてやがる。おい、チビ、デブ!やっちまえ!いいか?くれぐれも殺すなよ!」

チビ「ヘイ!」

デブ「わ、わかったんだな…」

こいつらが残ってるのか…。ほんとお前らよく見るよ。──特にアニキな。

でもまぁ、こいつらぐらいならなんとかなるか?

 

とか、考えていると。

一刀「……ん?」

チビの背後に男が来たぞ。

チビ「おい、なんだなんだぁ。どうし─ぷらぎゃ!!!」

アニキ「おい、どうしたチビ!…ってなんだてめぇ!」

チビは棍を持った男に背中を突かれた。当たり所が悪かったのか、起き上がれないみたいだ。男はそれを気にしないまま、アニキの背後に立ち口を開く。

男J「おい、お前!嫁の名を言ってみろ!!」

いや、おいおい…。

アニキ「はぁ!?な、何言ってんだ、こいつ!?別にそんなのいねぇよ!」

男の、突然の意味不明発言に困惑するアニキ。

男J「なんだとぉ!いいから、嫁の名を言ってみろぉ!」

こいつ滅茶苦茶だな…。───あれ、でもこれチャンスじゃないか?

 

一刀「…あのさぁ、悪いけど俺行くぞー。なんか、お前らには捕まりたくないんだ!なんか、こう…生理的に?ごめんな!」

両手を胸の前で合わせつつ、3人に(なんとなく)謝る。

チビは起き上がってこないので、正確には2人になんだが…。

アニキ「てめぇ!ふざけんなよ!何が生理的に?だっ!」

デブ「ち、ちょっと顔がいいがらっで、ち、調子にのるなよ………」

お前、そればっか。

でも実際、こいつらは別に嫌いな顔とかじゃない。

けど、なんかダメなんだよな。…なんでだろ?

一刀「と・に・か・く!俺は自分で会いに行くからな!じゃあな!」

3人組に向かってシュタッっと左手を上げて、背を向けダッシュで走り出す。

アニキ「あ、こら!待ちやがれ!」

男J「嫁の名ー!!」

アニキは、逃げる俺を捕まえようと手を伸ばすのだが、男に阻まれその手は空を切った。

──ありがとう、男J!

一刀「ふぅ、助かった。…しかし、予想の斜め上だったなぁ…」

暴れ狂う暴徒達の間を、走りながらすり抜け、呟く。

正直、あの状況だったら誰に捕まって(ボコられて)もおかしくないと思っていた。

でも、助かった。

なんだか、俺を助けるために何らかの『力』がはたらいたかのようにも思える。

「まぁ、結果がよければいいか…」

 

 

 

──しかし、世の中そう簡単にうまくいかない訳で…。

 

 

 

男G「あ、こいつ!写真の男じゃねぇか!?」

男F「あ、マジだ!おい、こらてめぇ!天和ちゃんたちから奪った『モノ』を返せ!」

いや、無理!?

一刀「返せと言われて、ホイホイ返すやつはいないと思うけど!?」

実際、返せないしね。

男F「そりゃ、そうか」

男G「納得すんな!?くそ!とにかくおとなしく捕まれ…っと!!」

納得してしまった男よりも賢そうな男が俺の顔めがけて拳を突き出す。

一刀「よっと!…はっ!」

だが春蘭たち英傑に比べれば遅いわけで…。拳を避け、男の腹に肘でカウンターを叩き込む。

男G「─かはっ!?」

男は膝をつき、倒れる。

あの頃の俺だったら、今の流れだって出来なかったと思う。

でも俺だって、現実世界──この世界じゃ『天の国』か?──に帰って何もしなかったわけじゃないんだ。

 

 

 

───あの時のこと

愛する人の後ろ姿を見ながら消えてゆき、そこで意識は途切れた。

…次に目が覚めると布団の中だった。

部屋を見渡し、カレンダー付きの時計を確認すると、一日も経っていなかった。

─「胡蝶の夢」─

華琳の言葉を思い出す。

夢だった。という現実を頭が理解する。

次の瞬間、泣いた。涙が止まらなかった。体中の水分が枯れるまで泣いたと思う。

しばらくすると涙が止まり、顔を洗おうと洗面台に向かった。

そこで鏡に映る自分の顔は、ひどい顔だった。

その顔を見て、また涙が出てきた。華琳たちと別れたという事実をさらにつきつけられた気がしたから──。

 

───華琳たちの所へ、愛する人たちの所へ戻りたい。

と、強く思っていたが「戻れない」とも心の隅で思っていた。

けど、諦めたわけじゃない。元々あの世界に行った原因もわからないんだ。戻らないという保証はどこにもない。

 

 

そして、気持ちを切り替えた。

………絶望から願望、希望へと。

そう考えたら、意欲が出てきた。

まずは、変わろうと思った。

あの世界での俺は、役立たずだった。

じゃあ、変わろう。いつか戻った─いや、「帰った」ときに魏の皆の役に立てるように。

 

 

まずは、鍛え方を変えた。ジムにも週3で通うようになった。体をつくるために。

戦い方も変えた。学校の剣道じゃない、──剣術にだ。

剣道は防具があった。だから打つことが出来た。けど、剣術にはそれがない。

自分には覚悟が無かったんだ。人を傷つけ、自分も傷つくという覚悟が…。

一言でいえば「甘い」。

だから、爺さんに教えを請うた。

勝つための覚悟を手に入れるために。

大学には行った。けどそれ以上に鍛えた。─ただ、がむしゃらに。

 

 

腕が上がったと自覚したのは4年経ってからだった。

今なら楽進──凪とだって打ち合えるかもしれない。……負けるだろうが。

自覚した日、早めに寝た。最近は忘れかけていた皆のことを思い出しながら…。

 

 

────そして、今。

 

 

一刀「悪いな。そんな簡単に捕まるわけにはいかないんだよ。自分で会いに行く」

男F「くそ!…………………ふん。周りを見てもそんなこと言えんのかよ?」

一刀「なに?………やば」

囲まれていた。二十人ぐらいだろうか。そこら中から聞こえる怒号のせいで接近をゆるしてしまったらしい。

うん。こいつら普通の状態だったらなんとかなった。

…けど今のこいつらは無理!

だって目がヤバいんだよ!

天和たちもっと言い方を考えよ!?

男たち「「「「「へっへっへ」」」」」

俺が目的。というよりもその先にあるものを想像しているんだろう。男たちは涎を垂らしながらにじり寄ってくる。

一刀「くそっ」

やばい。本格的にヤバい。

これが物語だとしたら、みんなはこういう状況を期待しているかもしれない。

さあ、どうす(な)る!?

 

 

???「お前たち、静まれ!!一体何をしている!」

 

 

 

一刀「なんだ?」

喧噪のなかでもひと際大きい声で聞こえる。

俺の周りにいたやつらの動きが止まる。

んー、なんかこの声聞いたことがあるぞ?

 

 

???「静まれ!静まれ!貴様ら、な……に…………を………って隊長!?」

魏の鎧を着けた男が暴徒を押しのけながら俺に近づいてきて、俺に気づく。

なんだ、俺を知っている人間か。こいつ、どっかで…。

一刀「………君、見たことあるね……。確か真桜の隊にいなかった?」

韓浩「はっ!わたくし、李典様の下で副将をやっている、韓浩と申します!隊長がおられた時には大変お世話になっておりました!」

…正直、もっとよく知っている人かと思った。…???だったし。

 

ん?………あ。

 

一刀「…君さあ、御前訓練の時…じゃないか。通常の新兵訓練の時に、桂花──荀彧の写真を手に入れた人じゃない?」

韓浩「あ、ああ。はい。えっと、これの事でしょうか?」

韓浩が鎧の下の懐から一枚の写真を取り出す。その写真には玉座の間で華琳に放置プレイをされて、恍惚の表情を浮かべている桂花が映っていた。……てか、今持ってんのかよ。

一刀「そうそう、それそれ。やっぱ、君か。……ってそんなことより!まずはここから出て、天和たちに会いたいんだけど」

韓浩「…はっ!ふむ、この暴動は写真が原因ということですかな。では、すぐにご案内いたします。魏の兵士たちよ!我はこれより数え役満☆姉妹の天幕へと向かう!その間にこの暴動を鎮圧せよ!」

兵士たち『はっ!』

韓浩は写真を再び懐へしまいながら辺りを囲む兵士たちにテキパキと指示を与え、同時に俺を暴動の外に出してくれる。

先程まで俺を囲んでいた男たちもさすがに軍に逆らおうとは思わないのか、悔しそうな表情で俺を見逃す。

 

一刀「ふぅ、助かったよ。もう、ダメだと思っていたからさ」

暴動の外を歩きながら韓浩に感謝する。

韓浩「間に合ってよかったです。しかし、驚きました。まさか、隊長があそこにおられるとは思いませんでしたから。…成都での決戦が終わった後、隊長は戦死なされた、行方知れずとなった、天へと還ったなど、色々と噂は立ちましたが、曹操様はただ『もう、いない』と報告されただけでしたので…。一体、どうされたのですか?」

一刀「………いろいろあってね」

韓浩「……そうですか」

韓浩は深くは聞いてこなかった。有難い。正直、あんまり話したくないしね。

一刀「こっちも驚いたよ。君が副将になってたなんて。凄いね」

確か、頭はよく回る人だった。さっきもすぐ察してくれたし。でも、副将になるくらいの実力はなかったはずだ。

韓浩「はぁ…。わたくしもよく分からないのですが、荀彧様の写真が欲しいがために訓練を死ぬ気でやっていたらいつの間にか成っていた、という感じでして…」

 

は?

…ちょっと待って。

 

一刀「…ちなみに、聞きたいんだけどさ。桂花の写真、何枚持ってる?」

韓浩「荀彧様のですか?…少々お待ちください。えーっと」

韓浩が再び懐に手を伸ばし、探る。

すると、紐でくくられた写真の束が出てきた。

紐を解くとそのまま数えだす。

韓浩「えーっと、五十二枚ですね。あと二枚ありますが、これは曹操様ですね。」

一刀「それ、なんていうトランプ?」

しかも、華琳がJokerか…。…ぴったr……なんでもないです!!

なんでだろ。首筋が少し冷えた気がした…。

韓浩「とらんぷ?」

一刀「い、いやなんでもない」

説明するのがめんどくさい。

てか、こいつすげぇ…!よくそんな目的で副将になれたな。

真桜もすげぇ!よく52枚も撮れたな…。しかも、華琳のまで撮って、それどころか訓練のご褒美に…。

………ホントに度胸あるよ。

こいつが報われないのが、少し同情するよ。桂花って、華琳絶対主義だからなぁ…。

 

一刀「それはともかく。なぁ、皆の様子も聞きたいんだけど…」

気になった。自分が消えてから皆はどんな反応を示したのかを。

韓浩「はっきり言わせてもらいますと、魏の重鎮の方たちには覇気が感じられませんでした。一言でいうなら意気消沈。戦が終わり平和になったというのに、皆様の顔には影が差しておりました」

一刀「………………」

なにもいえなかった。自分のせいだと分かったから。

韓浩「ただ、まぁ最近は覇気が戻り始めましたが…」

一刀「あ、そうなんだ?」

韓浩「ええ。実は…………あ!い、いえ、なんでもありません!そ、それより天幕が見えてきましたよ!あちらが数え役満☆姉妹が休まれている天幕です!」

…ありえないぐらい強引に話を逸らされた。…なんだ?

韓浩「て、天和さん達に報告してまいりますで、しばらくお待ちください」

一刀「…そう、だな。いきなり行っても驚くだろうし」

まぁ、今はいいか。

────あとでゆっくり聞き出そう。

少し慌てながら韓浩が天幕の中へ入っていく。

んで、俺は天幕の外で待つことに。

 

 

韓浩「……で……だ!!」

一刀「ん?なんだ?」

少し、怒ったような韓浩の声が聞こえてくる。

それがすこし気になって、天幕の中を少し覗く。

 

 

兵士「で、ですから。攫われてしまったようなのです…」

え?

攫われた?

その単語を聞いて、俺は焦り、天幕の中に入っていく。

韓浩「なんだと!?貴様らがいながら何をしている!…どこのどいつに攫われたのだ!」

うんうん。

兵士「そ、それが…」

韓浩「それが!?」

それが!?

兵士「ねお黄巾党に…」

ネオ黄巾党!?

韓浩「あいつらぁ…!」

一刀「いや、ネオて!?」

ネオに対する突っ込みはなし!?

韓浩「それで、どこに行ったんだ!」

一刀「だから、ネオって!?」

兵士「北西の方角に向かったと…」

また、シカト!?

一刀「……ネオ……」

その後も韓浩と兵士の会話は続き、俺の「…ネオ…」という、繰り返しの呟きはだれにも聞いてもらえなかった……。

 

 

 

 

 

──────続く!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「な、泣いてないんだからな!」

 

~あとがき~

 

えと、第二話です。

なんで第一話はあそこまで支援があったのか、本気で疑問です。

投稿してから、読んでみて「あー、これはヤバい」と思ったのですが、どうなんでしょうか?

 

 

これは続けるべきなのかどうか。

 

 

皆さんの意見を聞かせてもらえれば、と思う次第です。

よろしく、お願いします。

 

 

 

 

 

~韓浩について~

 

三国志は疎く、知ってる武将が少ないため、知ってる韓浩を使いました!

確か夏侯惇の下にいたんじゃなかったかな?

韓浩のファンの方がいたらごめんなさい!

 

 

 

 

 

 

 

次回は戦かも。

 


 
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