No.624729

司馬日記外伝 店員ちゃんと一刀さん

hujisaiさん

11月5日の夜のことでした。

2013-10-03 06:58:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:12060   閲覧ユーザー数:7410

「すいませーん燗2本とつくね下さーい。あ、隣すみません…あっれー!?いつものお兄さんじゃないですか、こんなところで一人飲みですか?…そうなんですか、その来れなくなっちゃったお連れさんって女の人ですかぁ?ウェヒヒヒヒ。…いえなんか、うちのお店来られる時って女の人の雑用ばっかみたいな気がしましたんで。…あ、宜しいんですか?すいませんじゃ遠慮なく。私の燗が来たらお分けしますね。

…えー?忙しいですよ、朝遅いってとこは楽ですけど。お兄さんは暇そうですよね。え、だっていっつも女の人に呼び出されて来てるじゃないですかぁ、まともな勤め人だったらそんな暇無いですよ?えへへ冗談です、管理人さんとかされてるんですよね?役所の方で見たことありますし。あ、お名前は伺いませんから。うちの規定で絶対だめってなってますんで。

はあいこっちです…燗来ましたんで良かったらお兄さんもどうです?じゃまあ一杯どうぞ。あ、私?私今ちょっとぐいっとやりたい気分なんですみませんけどこのまま。

…ってか聞いて下さいよ仕事の愚痴をー!いや厳密には仕事の愚痴じゃないんですけどね、いや私、最近都に来てあのお店に勤めるようになったんですよ、たら昔の友達が都にいっぱい勤めててお店来てくれてそれは嬉しくて良かったんですけど、なんか皆揃いも揃って彼氏持ちになってて、もう何なのって!斗詩と純と静…あ、私の友達なんですけど、その子達はちょっとそういうとこぽやーっとしてるけど確かに普通に可愛いからわからないわけじゃないんですけど、猪々子とか椿までって一体どういうことなのって…あの猪々子って子は顔は可愛いんだけどどっちかっていうと男前な子で、男なんか興味無いはずだったのにアニキとはゆうべ4回とか言うし、椿って子の方は頭は良いんだけどもうはっきり偏屈女だったのになんか可愛くなっちゃってる上に彼氏に調教されきっちゃってるとかね、もー!一体!どうなっているのかと!どうなっているのかと、都の風紀は!ちょっとお兄さん役所の人なら皇帝様にでも言ってくれません!?それに調教って言えば麗…あのお兄さん、一応聞いときますけど冀州出身じゃないですよね?田舎の人?全然土地勘ない人?…あー良かった。麗羽さまって言って私の上司だった人まで「私は雌奴隷ですわ」って高笑いするような人になっちゃってますし、都怖すぎ!治安いいけど!

あすいませーん、冷やを角舛でふたつー。あれ、お兄さん顔色悪いみたいですけど大丈夫ですか?…ならいいんですけど。

えー私?そうですよ。麗羽さまの下で働いてましたけど。今じゃ店員やってますけど、こう見えましても逢紀って言やぁ冀州じゃちょっと知られた知恵者だったんですよ。…あ、自分が名乗っちゃうのはいいんです。お客様の名前を聞かなければ。それに私、かなり長い間麗羽さまの残党狩りされてるって勘違いしててー、最近人材登用があったらしくて友達はそれであっさり就職しちゃってたのに私だけ無駄に逃げ回ってたんですよねー。そうそう友達の彼氏の話って言えばさっき言いました純と静っていう子達、よく聞いたら彼氏同じ人で!逆にあの二人囲えるってどんだけ偉い人なんだろう、その二人すごい可愛いし頭も良いんですよ。知りません?田豊と沮授って言うの。おっぱいおっぱい。…えー知らないかなぁ、目立つと思うんだけどなぁ…お兄さんが下っ端過ぎるからいけないんですよ、もう少し偉くなればわかりますよ!でもあの二人権力になびく性格でもないんだけどなぁ、初心っぽいからコロッと騙されちゃったのかなぁ…え、ちょっ、お兄さんが申し訳なさそうな顔しなくていいんですよ!悪いのはそのコマシた奴で!なんか体でいう事聞かされちゃってるって感じなんですよねー。あはははは、だからお兄さんが謝らなくっていーですってば!

あ、燗3本追加で、あと枝豆もお願いしまーす!

それよかお兄さんの事教えてくださいよぉ、折角だし。…ええ、名前は聞いちゃ駄目だけど。…なんでそんな事知ってんですか!…確かに私が詮索したら駄目です、ですけどお兄さんが自発的に喋っちゃう分には仕方ありません。店外だし。店外デートだし、きゃはははははは!んじゃ…ちゃっちゃと喋ってもらいましょうかね、自発的に。んー…じゃあとりあえず、あの銀ぱい…じゃない、凄い怖い妹さんについて。…え?ウソ、だって父兄だって言ってましたよ妹さんが。ってまさかお父さんじゃないですよね!?…?いえ違います、髪青くないです、背も高いです。ってかそれうちの店の料理の先生じゃないですか?もっとこー…ツリ目気味で長い銀髪でおっぱいがどいーんで、あんまり喋らなくてメイド服よく着てる。身辺警護っぽい感じの。…いえ三つ編みじゃないです。…そうそうそれそれその人!…妹さんじゃないんですか?あの人すっごい怖いんですけど!あ、って事は、あのうちの給仕長がですね、あの人の前でお兄さんにちょっかいかけるなって言うんですけど銀ぱいさんお兄さんの事ひょっとして好きなんじゃないですか!?…あ、もうつまんなーい、そういう優等生な答え聞きたくないですよぉ。…え?そのまんまですよ、銀色でおっぱいさんだから。わかりやすいでしょ?銀色って言えばちっぱいメイドちゃんも居ますよね、あと三つ編みちゃんも。みんな可愛いですよね。あとそういえば猫耳ちゃん…猫耳さん!あの人なんなんですか、すごい喧嘩してるの?店であれだけボロクソ言うからそのうちお兄さんがキレちゃうんじゃないかって私ハラハラして見てましたけど…。そうなんだー、あれで仲いいんだー…お兄さんってひょっとしてどM?きゃはははは、ごめんなさい嘘ですよ!

あ、紹興酒くださーい。お兄さんも飲みます?じゃ3つー。え、駄目ですか?私2杯飲もうと思って。

えー私の話?あそうだ、私友達から役所来ないかって誘われてるんですよねー。どうですお兄さん、役所って?…んまー、そうでしょうねぇ、きっと忙しいですよねー。って言うか出会いありますか出会い。友達がねえ、なんか皆揃って「就職したらいい男紹介する」っていうんですよねぇ。え、ちょ、なんで真顔になってるんですかお兄さん?あ、ひょっとしてあれですか?私役所行っちゃったら「三国一」の看板娘居なくなっちゃって寂しい?ねえ寂しいです?あははははは…ね、そこ笑ってくださいよ!ただ斗詩も純も静も椿(審配)も恵(高覧)も、皆「ちょっとモテる人だけど」って言うんですよねぇ。…え?いえ?まあいい男はモテるのはしょうがないからそこは私気にしないんですけど、あんまイケメンって好みじゃないんですよねぇ、どっちかっていうと顔はお兄さんくらいで人畜無害そうな方が私は。ってかお兄さん、女の子に対する年相応なガツガツ感が無いですよね。もうちょっと頑張る感じ見せないと幾ら女子寮の管理人で出会いがあってもいい人止まりになっちゃいますよ?あーでもね、今度私役所にもお邪魔しますよ。生協の店員もやる事になったんで、お兄さんも来たら何か買ってって下さいよ。…え?今ある方じゃなくて新しく出来る方だって聞いてますけど。…いえ、何売るのかまだ聞かされてないんですよ、研修は受けたんですけどねー。でも生協なんだから雑貨とかじゃないですか?ま私にかかりゃお茶の子さいさいですよ。で仕事のついでに男でも探そっかなって。ただねぇ、なかなか難しいかなーとは思ってるんですよ。ってのはですねー、ま、さっきもちょっと言っちゃいましたけど私ってそこそこ出来る女なのですよってはいそこ笑わない!笑ってない?いいんですよ細かい事は!多分普通の管理職とか安定した土地の太守くらいなら勤まるんじゃないかなぁって思うんですけど、いまある程度偉い人ってみんな女の人らしいじゃないですか。ったら私が段々上に上がると自然と彼氏と格差ついちゃうわけで、それに相手が耐え切れるかなぁってのがちょっと二の足踏んじゃうんですよねぇ。でも今の職場じゃ出会いなんてないし、周りがどんどんカタがついてっちゃうのを見てるとうら若き乙女といえどちょっとは焦りが来るってもんなんですよ!お兄さんどうです?私のほうが収入多くても気にしない?…あーもうっ、勿論そういう前提、仮定ですよ仮定!その仮定のもと!…おっ、いい返事ですねぇー。そうですよ男はそんな細かい事気にしちゃいけない!

すいませーん、あぁこっちです。もう自分でやりますんでビンで下さーい。

んく…よしわかりました、お兄さんは私が養ってあげます!…いーえ!十分自分を大事にしてます、いえ今まで大事にしすぎました。今日も街歩いて色々見てたんですけどいまいちこれはって男見当たらないんですよ、稼ぎしょぼくてもいいから大人しめで一歩引いてくれる感じの、顔はそこそこで、んー、ぶっちゃけちゃえばお兄さんぽい人?だったらなーって。あでもあの銀ぱいが妹かぁ…あ、妹じゃないんでしたっけ、あー言ってましたねそういえば。…はぁ?そんなくらい私どうにかして見せますよ、あの銀ぱいさんと斗詩より怖い女なんてそんないるもんじゃないですよ世の中!一応私、かつては一国の軍師やっててそれなりの修羅場くぐってきてるんですよ?…あはははは、そんなお兄さんが越えてきた修羅場なんか修羅場の数に入りませんよ!…で、どうです!?今ならお安くなってもれなく処女までついてきます!あ、処女は嫌いか!?…そうでしょう、お兄さんならそう言ってくれると思いましたよ。優しくね!……もー!四の五の言う男は可愛くないですよ!…じゃあおっぱいか?おっぱいが気になるのかこのむっつり大臣め!すごく大きくはないけどちっちゃくもないですよ!店内だからお触りは駄目ですけど顔で感じて下さい、ほらぎゅ~っ!分かりました?嫁にする?嫁にする?むしろお兄さんがなっちゃう?うりゃうりゃー!」

 

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「一刀一刀」

「あ、白蓮…来れたんだ、今日はもう来れないって聞いてたけど…何時からどこに居たの?」

「暫く前から後ろの卓に」

「…助けてくれればよかったのに」

「私が来た時はもう入れる雰囲気じゃなかったぞ…」

「まあ…うん…」

「ところでその娘、『三国一』の子だろ?お前が呼吸をするように女を引っ掛けてくるのは今更止めないが、さっさと正体ばらした方がいいんじゃないか?今日のだって聞く人が聞いたら殺されてるだろ」

「既に俺の口からはかなり言いにくい状況にされちゃってると思うんだけど…善処する」

 

「…それでさ、その子役所の仮眠室に運ぶんだろ」

「うん、そこが一番近いし」

「運び終わったらさ、もし時間…」

「があるから、白蓮の部屋に行ってもいい?本当は白蓮と飲む約束だったし」

「…うん。待ってる」

 


 
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