EP10 奈良修行編・女の子も大変です
明日奈Side
和人くん達の修行が本格的に始まる今日、わたしは6時に目が覚めました。
直葉ちゃんと雫さんも目を覚まし、里香と珪子ちゃん、詩乃ちゃんと燐ちゃんも少ししてから起きてくる。
すぐに服に着替えて洗顔などを済ませ、居間の方にみんなで向かいます。
少し遅れて起きた4人はまだ眠たそうにしているけれど、そこで道場の方から戻ってきた和人くん達と会いました。
台所では葵さんが朝食を作っていて和人くんが手伝おうとしたところ、彼女はそれをやんわりと断った。
代わりにわたし達が申し出て手伝う、男性陣は大人しく居間へと移動した。
「男の子達は~、これから大変ですからね~。ゆっくりと休んでもらいたいですから~」
「そうですね。わたし達がしっかりサポートしないと」
「勿論です」
葵さんの男の子達への心遣いにわたしは言葉にし、珪子ちゃんも頷く。
「だけど直葉と燐はゆっくりしててもいいんじゃないかしら?」
「2人だって練習するのよね?」
里香と詩乃ちゃんがそう言った。確かに2人もずっとではないけれど、和人くん達の修行に参加するんだよね。
「僕は別にいつもの分を熟すだけだから大丈夫。いつもお母さんの手伝いもしてるし」
「あたしも学校での練習量に八雲さんとの稽古だけですから大丈夫です」
燐ちゃんも直葉ちゃんも問題無しとのこと。わたし達は早速朝食の用意を手伝い始める。
朝食を作り終えてみんなで食べ終わった後、わたし達は夏休みの課題を進めることにしました。
和人くんは3割、景一君と烈弥君は2割、志郎君と刻君は1割を済ませていて、たった1日でそこまで進ませていたことに驚きました。
わたし達はまだ手を付けていなかったのに……というのも今回和人くんに付き添えるということで荷物を急いで準備したり、
楽しみだと考えたり、ALOで和人くんとユイちゃんと過ごしている内に昨日に至っちゃったんだけどね。
ちなみに公輝さんと雫さんは『高等学校卒業程度認定試験』、
通称『高認』が8月初旬にありそれに向けての勉強をしていて、
九葉君と燐ちゃんも中学校の宿題を熟しています。
男の子達と直葉ちゃんと燐ちゃんは9時前で勉強を中断すると走り込みに行き、残ったわたし達は10時まで課題を続けた。
課題を進めたあと、今度は昼食を作ることになりました。
おにぎり、卵焼き、唐揚げ、サラダなどを作り、途中で帰ってきた直葉ちゃんと燐ちゃんも休憩してから手伝ってくれました。
そのあとお昼時になって帰ってきた和人くん達、わたしは早速卵焼きをお箸で摘まんで和人くんの口元に持っていく。
「はい、和人くん。あ~ん///」
「あ~む」
照れてもこれくらいはやりたいんだよね~/// 和人くんもちゃんと応えてくれてるし///
他のみんなもわたし達に触発されてやっている中、景一君と詩乃ちゃん、
九葉君と燐ちゃんが違う反応を示していたのは当然かもしれない。
昼食を終えて休憩も終わった和人くん達は今度は道場へと移動していった。
凄い音が鳴って、組手の激しさを物語っている。
和人くん、みんな、頑張ってるね…。
昼食の後片付けを葵さん達と終わらせてみれば、わたし達は手持無沙汰になっていた。
その時、道場の方から鍛練が終わったと思われる直葉ちゃんと燐ちゃんが戻ってきました。
2人は汗を流す為に温泉に入ってきてから居間にきて休憩している。
折角だし、葵さんのお手伝いでもしよう。
「葵さん、何か手伝えることはありませんか?」
「そうですね~、お洗濯の手伝いをしてもらってもいいですか~? タオルが多くて困ってるんです~」
「分かりました」
お世話になっているんだし、これくらいはさせてもらわないと。
「それでしたら、私には掃除をさせてください」
「あたしも!」
「家が大きいし、私も」
雫さんと珪子ちゃんと詩乃ちゃんも掃除をと名乗りをあげる。
「ならあたしはお風呂掃除をするわ」
「僕もやるよ」
「あたしもやります!」
里香と燐ちゃんと直葉ちゃんはお風呂(温泉)掃除を手伝うと言った。葵さんは嬉しそうにしている。
「それでは~、お言葉に甘えさせていただきますね~。皆さん~、よろしくお願いします~」
「「「「「「「は~い」」」」」」」
それでは、お手伝いスタート!
「「「「「「「「キングクリムゾ~ン♪」」」」」」」」
(作者「ジョ○ョネタって便利だな~(笑)」)
お洗濯や掃除を終えたわたし達はさすがに疲れてしまったので、葵さんがだしてくれたお茶を飲んで休憩しています。
「皆さんお疲れ様でした~、それとありがとうございます~」
「お役に立てて良かったです」
そこでわたし達は泊まらせてもらっている間、葵さんのお手伝いとこの家の掃除を行うことに決めました。
でもいまは折角なので休憩しながら談笑をしよう。
「燐ちゃんは好きな人とかいるの?」
「僕? そういうの全然。告白はされるんだけど、みんな真剣さが足りないんだよね~。夢とか目標とか強さとかそういうのに」
珪子ちゃんの質問に答える燐ちゃん、夢とかそういうのに真剣な人がいいみたい。
そういえば、和人くんの夢ってなんなんだろう? 今度聞いてみようっと。
「やっぱりお父さんとか九君みたいな理想的な人がいるせいかもしれないけど」
「それはあるかもしれないわね」
そんな彼女の言葉に同意する詩乃ちゃん、確かにそれはありえるかも。
和人くんだって勉強できるし、運動できるし、武術も強いし、家事もできるし、物知りだし、パイプも凄いし、
カッコイイし、優しいし……あれ? 和人くんって、もしかしなくても完璧超人?
「でも、強さとかイケメンじゃなくても、とにかく夢とかそういうのに真っ直ぐ、真摯に頑張れる人が僕は好きかな」
「それ凄く良いね」
燐ちゃんの好きな男性像、直葉ちゃんも賛成しているし、わたしも素敵なものだと思う。
どうか彼女にもそんな素敵な人が見つかればいいなと考える。
「ですが、もし燐さんに恋人が出来たとしたら八雲さんはどう反応するんでしょうか?」
「「「「「あ~……」」」」」
雫さんの言葉にわたし達はそれがあったかと小さく漏らす。それに反して燐ちゃんと葵さんは笑みを浮かべている。
「お父さんはそこらへん大丈夫だと思うんだ」
「ですね~。八雲さんの人を見る目は確かですから~、私も大丈夫だと思います~」
「なんか意外かも。結構子煩悩に思えるし…」
2人の言い分に里香は意外と言う、正直わたしもそう思ったけど。
「子煩悩、だからですよ~。子供が見極め、自分で見極める……それで値すれば、反対なんてする人じゃありませんから~」
葵さんから昨日の真剣な時の空気が一瞬だけ感じ取れた、多分気のせいじゃないはず。
そっか、そんな八雲さんなら大丈夫なのかもね。
「ま、今は1人身でいいよ。まだ中学生だし、明日姉(明日奈のこと)達みたいに好きになった人をゆっくり見つけるよ」
「それもそうだね」
燐ちゃんは暢気そうに言ったけれど、やっぱり恋に恋する女の子だね。
「そろそろ課題でもしませんか? 早いうちに終わらせて、残りの夏休みは遊びたいですし」
「賛成、さっさと済ませちゃいましょ」
珪子ちゃんと里香の言う通りかも。早く課題を終わらせて、この修業期間のあとは夏休みを満喫しなくちゃね。
わたし達は課題用の端末を取り出し、直葉ちゃんと燐ちゃんは学校で用意された課題用のノートなどを出し、
雫さんもノートや参考書を準備して取り組む。
よ~し、頑張っちゃうぞ!
追記、この1週間和人くん達が同じ修行内容を熟している間、
わたし達は順調に課題に取り組んだ事で見事に全て終わらせた。
雫さんもますます勉学が身に着いた様子。
お料理やお掃除、お洗濯などの手伝いもしたから、リアル家事スキルも上がったりしました♪
明日奈Side Out
To be continued……
後書きです。
今回は少しのんびりとした感じの話しでしたね。
さて、次回は修行前半が終わったことで1度だけ休憩的な話しになります。
内容はずばり物語中が夏なので夏祭りです!
ギャグあり、イチャコラありの話しになると思いますよw
それでは・・・。
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EP10です。
和人達が修行に励む一方、明日奈達の様子は・・・。
どうぞ・・・。