No.565467

一刀の晋王転生録 第三章十五話

k3さん

フラグのようなものが……

2013-04-12 22:16:14 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2834   閲覧ユーザー数:2521

 

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十三話

   「袁家の乱 官渡の戦い 孫権の覚悟、理鎖の想い」

 

 

「そうか」

 

 一刀は闇那の報告を聞き、溜息を吐く。

 

(これで俺達が勝ったら孫家は滅びるかもしれない)

 

 あの何皇后の短期な性格を考えると十分に有り得た。

 

 かつて彼女は名声が気に入らないという理由で自分達を殺そうとしていたぐらいなのだから。

 

(これも運命か……)

 

 そう思った時である。闇那は表情を変えて立ち上がる。

 

「誰です!?」

 

 闇那が何者かの気配を感じたらしく周りを警戒する。

 

 だがすぐにその正体は現れる。

 

「失礼した。私は孫策軍の甘寧、司馬昭殿にこの手紙を読んでいただきたい」

 

「俺に?」

 

 先ほど協力を断ったというのに何故と思いながらも手紙を受け取り内容を読む。

 

『司馬昭殿へ、私、孫権は貴方に協力を申し出たい。必要な情報がほしいのであればお姉様では無く私に言って

 

ほしい、可能な限り貴方達に伝える』

 

(どういう事だ? これ? 孫策は協力を突っぱねて、孫権は協力するって事?)

 

 一刀は混乱する。

 

 ――だが彼はすぐにはっとなって孫権の意図を理解した。

 

(そうか……彼女は)

 

 これが孫策と話し合ったことなのかそれとも孫権の独断かまではわからない、しかしどちらにしても確実なの

 

は此方が負けたら彼女は間違いなく死ぬということだ。

 

(それが今、君が孫家のために出来ること、か)

 

 一刀は思い出していた。初めて彼女と出会ったときの事を、そしてその時に自分が彼女に言った事を。

 

「自分の家族がそうだからと自分も同じやり方で孫家を守るのか、それとも自分だからこそできることで、

 

 孫家を守るのか・・・」

 

 彼女はそれをやろうとしているのだ。命を掛けてでも。

 

(わかったよ孫権、君の覚悟、報いて見せよう)

 

 一刀は孫権宛の血判書を作る。

 

「甘寧、これを孫権に渡してくれ……孫策では無く、な」

 

「承知した」

 

 甘寧は血判書を受け取り姿を消す。それを確認した後、一刀は闇那を引き連れ、理鎖と瑠理の元に向かう。

 

(まず母上と姉上に言っておかないとな……どう説明すると良いだろうか? 簡潔にするの難しいぞ……)

 

 そんなことを思いながら。

 一方、理鎖と瑠理は此方の陣営を歩きながら確認していた。

 

 しかしそんな中、瑠理は理鎖を見て何かに気付いたようで声を掛ける。

 

「母上? どうしました?」

 

「何でも無い……」

 

 理鎖はそう言い何でもないように振舞う。確かに誰が見ても平気そうだが瑠理には誤魔化しきれなかった。

 

「母上、やはり」

 

「無駄な問答は不要、この戦……勝たなければならない……無駄なことはするな……」

 

 瑠理の言葉を遮り理鎖は話を強引に終わらせる。

 

 瑠理はもう分かった。確信してしまった。

 

 無駄という意味が、分かっていてもどうにもならないという事に。

 

 先に進む母を見て何かに耐えるように身体を震わせる。

 

「母上……やはりそうだったのですね」

 

 母の姿を見送った後、悲しい目をしながら空を見上げた。

「理鎖、どうしたんだ?」

 

「……」

 

 彼女は返事をせず、黙って解刀の横に立つ。

 

 ――しばらくしてようやく理鎖が口を開く。

 

「瑠理にばれた」

 

「……そうか……」

 

 彼は特に驚かなかった。あの子ならばそろそろ気付くだろうと思っていたからだ。

 

「一刀も何かに気付いていたようだったな……本能ではわかっているためか、意図的に考えないようにしているよ

 

うだ」

 

「そう……」

 

 理鎖は自身の身体を解刀に預ける。

 

 これは理鎖が解刀に甘えたくなったというのもあったがただそれだけと言う訳では無い。

 

「解刀……」

 

「ん? どうした?」

「この戦が終わったら……あの子達の事……お願い……」

「まだ……それを言うのは早いと思うがな……」

 翌朝、ついに両軍が官渡の地にて激突する。

 

「おーほっほっほっほっほ! さぁ! あの方達に力を見せ付けてあげましょう!」

 

「奴らを滅ぼしてしまうのじゃー!」

 

 袁家は勇んで出陣の命を出す。

 

 漢を滅ぼし、自分達の国……仲王朝を作り上げるために。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
27
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択