No.565223

一刀の晋王転生録 第三章十四話

k3さん

あの勢力がどうしているかが判明する。

2013-04-11 22:37:23 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2986   閲覧ユーザー数:2638

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十四話

   「袁家の乱 官渡の戦い 客将、孫策軍」

 

 一刀達は予定どうり、官渡の地にて軍を終結させる。

 

 終結させた後、董卓と華雄はある人物達の再会する。

 

「詠ちゃん!、霞さん!」

 

「月! よかった……」

 

「華雄も元気そうでなによりや」

 

 曹操軍に捕らえられていた賈詡と張遼であった。

 

「二人は曹操軍に?」

 

「ええ、世話になりすぎたからね……」

 

 反董卓連合の後、二人は自暴自棄になっていた。

 

 そんな二人を曹操はけっして責めることは無かった。

 

「別にどうこうする気はないわ、立ち直ったら道は自分で決めなさい」

 

 その言葉どうり、彼女は自分に仕官しろとは決して言わず、彼女達の気力が戻るまで世話をしたのだ。

 

 二人はそのことに深く感謝し、月が司馬家に保護されて安全が分かった後、彼女達は曹操に報いるために曹操

 

に仕官したのだ。

 

「そうなんだ」

 

「まぁ、こんなこともあるっちゅうことで堪忍な、世話になって何もしないってほど、うち等は薄情もんでもな

 

いんや」

 

「ううん、良いの。二人とも頑張ってね」

 

「いつか、皆で一緒に頑張れる時が来るといいわね」

 

「華雄、月こと、頼むで!」

 

「ああ、任せろ! もう過ちは犯さない」

 

 こうして四人は分かれた。出来れば戦う時が来ないことを祈って。

 公孫賛軍が壊滅し、参加できなかったのは痛いが泣き言をしている訳にはいかない。

 

 敵は袁紹軍、袁術軍という二大袁家なのだ。この二つだけでも兵力は圧倒的である。

 

 司馬家は五胡撃退戦での苦戦により、あまり兵は出すことが出来なかった。曹操軍、劉備軍を合わせても約5

 

万、一方袁家は20万である。その差約四倍。三倍差ならば耐えられる篭城戦でも足りない差だ。

 

 だが、さらなる問題がある。それは、この戦で勝ち尚且つ袁紹と袁術を両方捕らえるか討ち取らなければなけ

 

ればならないということだ。もし逃がしてしまえばもう一度攻めてくるだろう。そうなったら流石に彼女達も今

 

度は他の諸侯を引き連れてくる可能性は高い。そうなったら兵力差がどうなるか想像もつかない。

 

 今、この戦で他の諸侯を連れてこなかったのは単純に袁家の力を天下に見せ付けるためだろう。それで勝つこ

 

とが出来れば袁家の権威は確実なものになる。彼女達はそういう事には聡いのだ。

 

 ここで袁家が負けたら権威が落ち、他の諸侯から見限られ、次の戦で連れて来る事は出来ないのではと思うか

 

もしれないがそうも行かない。何故なら袁家の力を恐れて袁家側に就いたとは言え、すでに漢に対して喧嘩を

 

売ってしまったのだ。今更漢に戻りますとは言えない、すでに彼らは反逆者なのだから。だからこそこの戦で決

 

着をつけなければならない。

 

 そのための方策を練る軍議の最中、偵察に出た闇那が一刀達に気になる情報を持ってきた。

 

「何だって!?、孫策軍が袁術の客将に?」

 

「はい、間違いございません」

 

「一体何故?」

 

 一刀が困惑するのも無理は無い。何故なら袁家の味方をするという事は反董卓連合の時の袁紹の行動を赦す事

 

なのだ。それだけではない。この戦いには参加してはいないが劉表軍は袁家側に就いている。孫堅の仇である劉

 

表軍の黄祖すら赦す事にもなる。

 

(……嫌、しかし此方側に就いても負けてしまえば仇を取る以前の問題か……ならばありえない話という訳では

 

ないのか?)

 

 だがそれでも彼女達の心中は穏やかではないはずであろう。

 

(一度反応を見るべきかもしれん)

 

 一刀は早速筆をとり、手紙を書く。内容は単純に此方に協力してほしいというもの。

 

「闇那、すまないが孫策軍にこの手紙を渡してくれないか」

 

「はい」

 

 手紙を受け取った彼女はすぐに孫策の元に向かう。

 手紙は問題なく孫策の元に送り込まれた。

 

 天幕にて孫策は手紙を読む。横には周瑜が控えている。

 

「私達に協力を求める理由や意味は分かる……でも断らせて貰うわ」

 

「差し支えなければお尋ねしても?」

 

 闇那は特に驚く様子も無く問う。

 

「確かにこの手紙どうりに動けばこの戦は勝てるかもしれないわ……でも戦に勝つだけじゃ駄目でしょう?」

 

 ここで控えていた周瑜も口を動かす。

 

「ここで両袁家を捕らえるか討つかしないとどうなるかは分かっているな?」

 

(なるほど、孫家もこちらの勝利条件が分かっていて、その実現性は低いと判断した訳ですか)

 

 つまり一刀の予想どうり、司馬家が勝てる可能性が低すぎると思われているのだ。

 

「私達はね……何としてもお母様の仇を討ち、そして孫家を守りたいのよ……だからね、私達に確信させてほしい

 

の……其方に孫家の未来があるかどうかを。日和見者と言われてもかまわないわ」

 

「司馬昭殿に伝えてくれ……其方に孫家の未来が見えた時、我らはすぐにでも其方に協力しよう。だが現時点での

 

協力は出来ないと」

 

「かしこまりました、ではそのように」

「お姉様」

 

 闇那が去った後、孫権が天幕に現れた。

 

「私は今すぐにでも彼らと協力するべきだと思います」

 

「どうしてそう思うの?」

 

「確かに両軍の兵力差は圧倒的です。しかしながら袁家はただ突撃するか、簡単な奇襲しか出来ないと思われます。

 

一方、司馬家は様々な策を講じ、思いもよらないことをするかもしれません。将の質も彼らが上です。条件を含め、

 

彼らが勝つ可能性は十分にあるかと、それに孫家の未来を考えたら漢に属していたほうが良いと思います。袁家

 

側にいたら不遇な扱いを受けるのは間違いないでしょう」

 

「私も可能性はあると思うわ。だから状況を見て判断すると言っているの。あなたはどうして今すぐにするべきだ

 

と思うのかしら?」

 

「それは司馬家が有利となったところを見てから、我らが彼らに就いたとすると、漢での我らの立場が危うくなる

 

可能性があるのではと思ったからです」

 

 孫権が懸念しているのは、先ほど孫策が言った日和見者になることで小帝や可皇后にどう思われ、どういう扱い

 

を受けるかということである。

 

「逆に司馬家に協力した後に、袁家が勝ったら確実に私達は一族皆殺しになるわよ。兵力の差と条件という鎖があ

 

る以上、司馬家が勝つ確率はどうしても低い。それに私の勘も嫌な感じがするし……」

 

「だから、今すぐは反対だと?」

 

「そうよ」

 

 孫策の説明に納得できないのか、孫権は少し考え、ある提案する。

 

「ならば……こうするのはどうでしょう?」

 

 彼女の提案に孫策は驚愕しながら立ち上がる。

 

「本気なの!?」

 

 これを実行して、司馬家が負けたら孫権の命は確実に失うことになる。しかし司馬家が勝った時の、漢での立場

 

の問題は解消される保険になる。

 

「かまいません! 孫家を守りたいのは私とて同じですから」

 

「蓮華、あなた……分かったわ、お願いね」

 

「はい!」

 

 この孫権の覚悟が、孫家の運命を変える。


 
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