No.561121

真・恋姫†無双~不信の御遣い~ 第二十九話

BLADEさん

第二十九話です。

2013-03-31 14:16:33 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2077   閲覧ユーザー数:1926

は?

 

『的盧』?

 

今『的盧』っておっしゃいましたか、ゼウスさん?

 

「おっしゃたとも、高順」

 

『的盧』って、あの『的盧』ですか?

 

「そうじゃ。劉備玄徳の愛馬にして、『死』を呼ぶ凶馬として有名なあの『的盧』じゃ」

 

ゼウスさんは、肯定する。

 

なぜあの『的盧』が天水に?

 

「知らん」

 

いや、知らんって……。

 

「『的盧』がここにいる理由は分からぬが、一つだけ分かっとる事がある」

 

分かってること?

 

「奴はお前さんを、いや」

 

一拍おいて、ゼウスさんは僕に告げる。

 

 

 

「『人間』を、憎悪しておる」

 

 

 

と。

 

 

……。

 

「『人間』に尽くし、『人間』の為に駆け、『人間』によって迫害される。

 

それも、自身が自身であるというだけでじゃ」

 

……。

 

「自身の所為でなくとも、『的盧』であるというだけで、迫害されたのじゃ。

 

その心は、どす黒く染まっているであろうよ」

 

ゼウスさんは、憐れむように言う。

 

「どうじゃ、高順。誰かに似とりはせんか?」

 

それは、そうだろう。

 

『的盧』は似ているのだ。

 

昔の僕に。

 

自身が自身であるというだけで、迫害される。

 

異端であって当然だというように。

 

恐れられ、痛めつけられ、拒絶される。

 

気がつけば、心は『憎しみ』で、埋まっている。

 

僕は思い出す。

 

あれは確か、高校生の頃だったか。

 

僕を捨てた両親のようにはならないと心に決め。

 

『誰かの為に』という甘っちょろい戯言を。

 

本気で信じ志し、得たものは。

 

『人間』に対する『絶望』と。

 

そして、『失望』だった。

 

それだけだったのだ。

 

『的盧』は、僕にとっての『写真』だ。

 

思い出したくないことを、嫌でも思い出させる感覚は、まさに『写真』だ。

 

 

「ここまで聞いた上で、高順よ。どうする?」

 

どうするって……。

 

「説得できるかできないか、それだけですよ」

 

それに、約束したのだ。

 

あの少女と。

 

僕に、『人間不信』のこの僕に。

 

『死んで欲しくない』と言ってくれた少女に。

 

『努力はしてみる』と。

 

約束したのだ。

 

僕は嘘つきだが、約束は破らないのが矜持だ。

 

「ほほう、いい表情じゃ。変わったな、お前さん」

 

と、言われた。

 

変わったか?

 

いや、変わったのかもしれない。

 

まぁいい。

 

それはこの場を乗り切ってからだ。

 

「また何か進展があったら来ることにするわい」

 

「分かりました。『的盧』のこと、教えてくれてありがとうございます」

 

「構わんよ。ではな、高順。お前さんが、良い『生』と『死』を送れるよう祈ることにするわい」

 

嫌味かよ、まったく。

 

さて。

 

 

 

「じゃあ、行きますか」

 

 

 

覚悟を、決めて。

 

僕は足を、一歩。

 

『的盧』に向けて、踏み出した。

 

 

大!復!活!

 

どーーーーん!

 

すいません、いきなりなテンションで。

 

皆々様、帰ってまいりました!BLADEです!

 

一ヶ月半ほど、お待たせしてしまって、本当に申し訳ありません。

 

言い訳なんですが、パソコンがブッ壊れ使えず、修理に出していたので、遅くなってしまいました。

 

本当に申し訳ありません。謝るしかないです、本当に。

 

待っていただいた読者様。

 

これからは大丈夫です。

 

どんどん投稿して、いけたらなぁ~と思っています。

 

よろしくお付き合いください。

 

実はですね、第二十八話のやつも纏めて投稿するつもりだったのですが、

 

弟が勝手に投稿しやがったので、めちゃくちゃ少ないのです。

 

本当に申し訳ありません。

 

これからも、真・恋姫†無双~不信の御遣い~をよろしくお願いします!!!


 
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