「う、う~ん。ん?どこだここ?」
僕が目覚めたのは、知らない部屋の一室。
何故かはわからないが、いい匂いがする。
「痛っ」
布団から出ようとすると、全身に激痛が走る。
倒れこむしかできない。
痛ぇ……。
「ああ、そっか」
霞さんの『偃月刀』がかすって血がすごく出て、意識失って倒れたんだっけ。
さらに、華雄さんのパンチがモロに入って頬の骨折れた感じの痛みがあるんだけど。絶対手加減してなかったよね、あの人。
華雄さんと霞さんにつけられつたアザや、かすってついた腕の傷は数え切れない。
大丈夫、僕?慰謝料もらえる?
まぁ、しっかり治療してもらえて良かった。
包帯だらけなんだけど。こんな序盤からボロボロで大丈夫なのか、僕?
というか、さっきから左腕がメチャクチャ痛いんだけど。
そう思ってそちらの方を見てみると。
何故か、恋ちゃんが僕の左腕を掴んで、寝ていた。
「……う、ん。あ、起きた?……」
起きて、そんな平和なことを言う恋ちゃん。
僕の人生の中で、おそらく一番混乱した日であることは、間違いない。
「なるほど。僕の様子を見に来てくれたら、すごく体が冷たくなっていた。
心配だったから、温めようとしてくれていたと。そういうことかい?」
「……うん……」
混乱していた頭を回復させようと努力中な僕、高順です。
誇らしげな、でも可愛らしい笑顔で、恋ちゃんが僕に言う。
相変わらず可愛いなぁ、いやいや、そうじゃない。
「あのね恋ちゃん」
「……なに……?」
恋ちゃんが聞いてくる。
「だめだよ。年頃の女の子が、同じく年頃の男の子と同じ寝具で肌を密着させてたら、
もしもの事が起こったらどうするのさ?」
「……もしもの、事……?」
そう言うと、恋ちゃんは頬を赤らめる。僕の言いたいことが伝わったようだ。
「そういうこと。まぁ、これからは気をつけてね」
僕がそう言うと。
「……でも、高順となら、恋は別に……」
「ん?何か言った?」
「……・な、なんでもない……」
ボソボソと、何かの言葉を紡ぐ恋ちゃんに質問するのだけれど、なんでもないと言われた。
まぁいいか。
「それで?僕に何か用事があったんでしょ?」
「……あ、そうだった。ご主人様が、高順のこと皆に紹介してこれからのことを聞きたいって、
言ってた……」
なるほど。僕のこれからを、ね。
まぁ、そう来るだろうとは、思ってたけどね。
「じゃ、行こうか」
「……うん……」
恋ちゃんと部屋の扉を開けて、歩き出した。
更新情報書いてます。もしよかったら、見てください。
寒いですね~。作者の住んでいる町は毎年ハンパないほど雪が降ります。
この作品を見てくださっている方も、風邪を引かないように、体調管理に気をつけてくださいね。
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第二十一話です。