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「と、いうことです。すいませんね。せっかくのご好意を無駄にしちゃって」
口調をもとに戻して言う。
「いや、なんというか・・・・・・。言葉がでてこないのじゃ」
「そうでしょうね」
転生すると思っていたようだからね。当たり前か。
「でも、何度でも言わせてもらいますよ。僕は、転生する気はありません」
「そうか・・・。じゃが、『自殺』は罪じゃ。それだとお前さんは『地獄』に行くことになるぞ?
よいのか?」
「構いません」
当たり前の選択だといえる。
だって、よく考えて欲しい。
生きたくないから。
死にたいから。
裏切られたくないから。
これ以上、人を信じたくなかったから。
だから僕は、自らの命を自らで断つという行動を起こした。
それなのに。
僕の痛みも気持ちも知らないのに。
転生させてやる、なんて言われても、納得できるものじゃない。
『自殺』は罪?
知ってるさ、そんなこと。
でも、罪を犯しても。
僕は。
生きたくなかったし。
死にたかったし。
裏切られたくなかったし。
なにより。
これ以上、人を信じたくなかった。
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第五話です。