旧校舎に到着したエステル達はドアに挟まっているカードを見つけて、カードに書かれている意味深な言葉を推理して探索しているとさらにほかのカードがあり、カードをどんどん探して行くと最後には地下への階段を見つけ、エステル達は地下に降りて、進んだ。
~旧校舎・地下~
エステル達が最初の部屋を抜けるといきなり霧のような魔獣が複数現れた!
「えっ……」
「チッ……いきなりかよ!」
「ドロシーさんは下がって!」
「了解~!ミントちゃん達も気をつけてね~!」
そしてエステル達は戦闘を開始した!
「オラァッ!!」
アガットは先制攻撃をしたが、攻撃はすり抜けた。
「何!?チッ。物理は聞きにくいタイプか。」
自分の攻撃がすり抜けた事に驚いたアガットだったが、すぐに状況を理解して舌打ちをした。
「だったら魔法攻撃よ!光よ、槍と化して、敵を貫け!……光槍!!」
エステルが魔術を放つと、魔術によってできた聖なる槍が魔獣の一匹を貫き、そして爆散させた!
「………冷気の雨よ、降りそそげ!………ダイヤモンドダスト!!」
「……開け、黄泉の門!ヘル・ゲート!!」
そしてエステルに続くようにクローゼやオリビエがアーツを放って、ダメージを与えた!
「えいっ!!」
そしてミントがクラフト――ピアスドライブで一匹に止めをさした。
「へっ!?なんでミントの剣はあんなあっさり通ったのかしら?」
(攻撃が通って、当然よ。)
(ニル?ミントの攻撃が効いた理由がわかるの??)
ミントの物理攻撃が効いたことに驚いているエステルにニルの念話がエステルの頭の中に響いて、エステルはニルに尋ねた。
(ミントの持っている剣はエステルも知っていると思うけど、ニル達の世界で作られた魔術効果を秘めた剣よ。加えて”アーナトス”は光――神聖属性の秘印術が込められた剣。相手が霧のような不定形には効果が倍増する上、必ず命中させる効果を持っているわ。)
(そっか。………あれ?じゃあ、なんでアガットの剣はすり抜けたの??アガットの剣もミントが持っている剣と同じなのに………)
ニルの説明に納得しかけたエステルだったが、ある事に気付いて首を傾げた。
(”アーナトス”が他の武器と違って、普段から魔術効果を発しているのもそうだけど、あなたやミントと違って、あの青年は魔力や闘気を流し込んでいる訳ではないからね。それだとただの物理攻撃になってしまうわ。)
(え………じゃあ、魔力や闘気とか込めたら、アガットやクロ―ゼもあたし達みたいに魔術効果を込めた攻撃ができるの!?)
ニルの説明に驚いたエステルは尋ねた。
(さすがにあなたの魔術を込めた技みたいな威力は出せないけど、少なくとも魔力か闘気………どちらかを込めれば武器に込められている属性を呼び起こせるわ。)
「そっか、ありがとう、ニル!」
「おい、エステル!さっきからそこに突っ立ているようだが、何をしているんだ!戦闘中だぞ!!」
エステルがニルにお礼を言ったその時、ニルと念話をしていた事がわからないアガットはエステルを注意した。
「ごめん、アガット!ミントの剣が簡単に通った事をニルに聞いていたんだ!」
「ハァ?誰だそれ??」
「もしかして………念話で聞いていたんですか!?」
ニルの存在を知らないアガットは首を傾げ、クロ―ゼは察しがついて尋ねた。
「うん。ミントの剣には霧を振り払う光の魔術が込められているからああいった魔獣にも効くみたいだって!」
「ミントの剣、そんな効果があったんだ!」
「フム。ならばミント君をサポートする形でいいかな?」
エステルの説明にミントは驚き、オリビエは感心した後尋ねた。
「ううん。それよりいいやり方があるわ!アガット!クロ―ゼ!2人ともクーデター事件の時以降、武器を変えていないよね?」
「ええ。私はエステルさん達みたいに、普段から戦う訳でもないので………」
「俺もだ。この剣、思った以上に使いやすい上威力があるからそのまま使っている。」
エステルの質問にクロ―ゼとアガットは戸惑いながら答えた。
「そっか。ニルが言ってたんだけど、2人の剣もミントと同じ魔術効果を込められている剣だから、闘気や魔力とか込めたらその剣に込められている属性が発揮するんだって!」
「ほお………確か、これを買った時、あの商人がこの剣の名前を言ってたな………『火炎剣ルバニオン』って。………だったら、炎か!オラァッ!!燃えやがれ!!」
エステルの説明を聞いたアガットは自分の得物である両手剣に炎をイメージして、闘気を流し込んだ!すると両手剣がうっすらと赤く輝いた!
「せいやっ!!」
そしてアガットは敵の一匹に襲いかかって攻撃した!すると敵は燃えながら消滅した。
「へっ………普段の攻撃と比べると、少し疲労が多いが大したことねえな。こんな効果があるとは思わなかったな。あの商人………見た目に反して、いい物を売ってやがるな。」
敵を倒し、アガットは自分の持っている両手剣を見て不敵に笑った。
「あの………エステルさん。私の持っているレイピアは何の属性が込められているのですか?」
そしてミントやオリビエが魔獣を相手にしている間にクロ―ゼも自分が持っているレイピアが気になり、エステルに尋ねた。
「へっ!?ちょっと待って!(ニル、クロ―ゼの持っているレイピアには何の属性が込められているの?)」
クロ―ゼに尋ねられたエステルは驚いた後、ニルに尋ねた。
(あの娘の持っているレイピアからは冷却属性の魔力が感じられるわ。)
「ありがと、ニル!クロ―ゼ!そのレイピアからは水か氷の魔術が込められているんだって!」
「水か、氷ですか………エステルさん、魔力を込めるってどうすればいいのですか?」
「魔力を込めるか。……………ん~………難しく考える必要はないって!集中して、何かをイメージすれば、できると思うわ!」
「イメージですか…………………………」
エステルの説明を聞いたクロ―ゼはその場で目を閉じて、集中して水をイメージした。するとクロ―ゼのレイピアがうっすらと蒼く輝いた!
「!!えい、やあ、はあ!」
そして目を見開いたクロ―ゼは蒼く輝いているレイピアでクラフト――シュトゥルムを放った!すると霧の魔獣は大ダメージを受け、霧が消えかかっていた!
「燃えちゃえ~!ファイアシュート!!」
「時の刃よ!ソウルブラ―!!」
そしてそこにミントの魔術とオリビエのアーツが命中して、最後に残っていた魔獣は消滅した。
「フゥ……」
戦闘が終了し、クロ―ゼは安堵の溜息を吐いた。
「凄いじゃない、クロ―ゼ!あたしやシェラ姉みたいに、武器に魔術を込めれたじゃない!」
そこにエステルが興奮した様子で話しかけた。
「そんな…………このレイピアのお陰ですよ。エステルさん達みたいに、魔術は使えませんよ………」
エステルの言葉にクロ―ゼは苦笑しながら答えた。
「そうだ、クロ―ゼ!あたしでよかったら魔術の使い方を教えるよ!」
「あ!ミントも!」
「二人とも…………ありがとうございます。機会があれば、お願いしますね。」
エステルとミントの提案に驚いたクロ―ゼだったが、微笑みながら答えた。
その後エステル達は非戦闘員であるドロシーを連れての探索は危険と判断し、ドロシーは入口に待たせて、奥へと進んだ………
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第194話