No.450183 【勝手に】真・恋姫†妄想 もしもあの三人が義姉妹だったら?【続き】#102012-07-10 00:33:13 投稿 / 全7ページ 総閲覧数:6495 閲覧ユーザー数:4929 |
例えばの三姉妹。#10
反董卓連合もとうに解散し、諸侯はそれぞれの土地で善政に努めている。月たちが洛陽に来た事で不安要素の残っていた天水は馬騰が西涼連合のうちのひとつとしてまとめ、五胡ともうまく折り合っている。大陸の南西部は紫苑と桔梗、南東部は蓮華がそれぞれ治め、東部は曹嵩を中心にまとまっている。北部は不安が若干残るが、何かあったら麗羽を復権させると脅してあるので、七乃がなんとかしてくれるだろう。
「――――という訳で、緊急会議を行ないます」
俺の呼びかけに、玉座に集まった面々はそれぞれの反応を示す。
「ちょっと、雪蓮姉様!また昼間っから飲んで!」
「いいじゃない、華琳。たまには休みが欲しいのよー」
「はぁー、恋ちゃんは可愛いよぉ」
「それは同意しますが、桃香は恋殿にくっつきすぎなのですぞ!」
「……め。桃香も、ねねも、ともだち」
「はわわっ!この艶本の表現は斬新だよ、雛里ちゃん!」
「あわわ!まさかこんな書き方があったなんて」
「朱里たちは何を見ているのですか?……ぷっはぁぁああああ!」
「はーい、稟ちゃん。とんとんしましょーねー」
「月っちー。この
「ふむ、月様ならば、さぞお似合いだろうな」
「ちょっと!霞も華雄も何言ってるのよ!月に侍女なんてやらせられる訳がないでしょ!」
「それはいいとして、ツマミが切れた。月よ、メンマを持ってきてくれないか?」
「あ、はい。ちょっと待っててくださいね」
「こんなバカ共は放っておいて、さっさと軍議を始めましょう、一刀様」
亞莎の成長っぷりが半端なかった。
ようやく場が静まったところで、俺は軍議を開始する。
「さて、集まってもらったのは他でもない。今後の事だ」
「「「「「…………」」」」」
俺を見つめるのは、亞莎のオーラによってgkbr状態の将たち。なんというか、可哀相な気もしてきた。
「皆が知る通り、俺は『天の御遣い』と言われている。ここで思い出して欲しいんだが、『天の御遣い』は、管輅の占いでは何と言われていた?」
「確か、流星と共に大陸に降り立った御遣いが、天の智とその大徳を以て、世に太平をもたらすとかなんとかだったと思うわよ」
流石は華琳。記憶力抜群だな。
「そう。で、いま現在の大陸の状況を見るに、これ以上大きな争いが起こる事はないと思うんだ」
「確かにそうね。ここのところ賊もいないし、身体が鈍っちゃうわ」
雪蓮は相変わらず戦狂だな。
「という訳で、俺も天の国に帰る頃合いのようだ」
「…………え?」
呟いたのは誰だったか、皆の視線が、一斉に俺を向く。というか余所見してた奴もいやがったのかよ。
「ごめんな。……ほら。もう、手が半分透けてるんだ」
皆の瞳が、驚きに見開かれる。その視線の先には、掲げられた俺の両腕。掌を通して、皆の姿が見える。
「役目を終えた異分子は、世界から弾き出される。俺の役目も終わったからな」
さぁ、感動のフィナーレを始めようじゃないか。
「そうなの?お疲れ様、一刀。貴方のお酒は美味しかったわ」
「せやな。作り方は職人が覚えとるし、これでいつでも飲めるわ」
「うむ。メンマ丼も街の食事処の店主に教えてあるから、いつでも食べられるな」
…………え?
「それなら、新しい相国を決めなければね。月、貴女やる?」
「へぅ、私ですか?出来るのかなぁ……」
「いいじゃない、月。大出世よ!」
「そうです、月様。北郷を除けば、この中では貴女様が一番高位にいらっしゃるのですから」
……………………あれ?
「ご主人様のご飯、美味しかったね、恋ちゃん」
「ん……」
「恋殿の舌を満足させた事は評価してやりますぞ」
………………だから、え?
「ご主人様のおかげで、同人の世界にも新たな道が拓けました」
「ありがとうございました」
「朱里ちゃんと雛里ちゃんが意味不明な事を言っているのです……ぐぅ」
「寝るな!」
………………………………ちょっと。
「お疲れ様でした、一刀様。お元気で」
………………いやいやいや。
「待て待て待て!お前ら――――」
「あ、消えた」
「あー……またこの世界に来たのか……何度目だっけな、これで」
折角元の世界に戻ったってのに、相も変わらず、学校帰りの道筋で、どこぞのストーカー野郎に出くわして。でもって、やっぱりソイツの持っていた鏡が何の脈絡も無く割れたと思ったら、もうとっくに見慣れた荒野にポツンな俺。
まあそれはともかくだ。
本来なら、たとえ何度外史を体験しようが、その都度全ての記憶も経験もリセットされて、それから改めて、また別の物語にお呼びがかかる。ってのが、これまでのパターンだったんだけど、此処最近、そういったリセットが行なわれなくなりつつあるんだよな、これが。
まぁ、前回の記憶は忘れたいけど。
「ま、来ちまったものは仕方ないし、折角だから記憶と経験は有意義に使わせてもらうとして、と」
きょろきょろと。自分でそう結論付けた俺は、思考を前向きに切り替えて、現状把握のためにあたりを見渡す。
「んー。大体のパターンからすると、まず出てくるのは例の黄巾三人組だと思うんだけど……それらしい気配が一向にしないな」
いつもなら「おうおう兄ちゃんいい服着てるな」とか言って出てくる、チビデクアニキの三人組が、今回に限っては中々出てくる気配が無い。
……もしかしてアレか?これまであんまりにもテンプレ過ぎたんで、もう出番そのものカットでもされたかな?
と、そんな風に考えていたら。
「おいそこの貴様!」
あ。女の子の声だ。しかもこの声色と口調は……。
「あ。ふんどしさん」
「誰がふんどしさんか!私の名前は甘寧だ!妙な呼び方するな!」
「おわっと!?危ないなあ、いきなり人に向かって剣を振るなんて」
「ッ!……今の私の一撃を避けるとは……貴様、何者だ?」
何者って言ってもなあ……まあ、今までのパターンからすると、やっぱ『天の御遣い』役……なんだろうけど。でもその立ち居地もいい加減飽きたしなあ。……ふむ。たまには違うパターンで行ってみるか。
「……名も無き旅の武芸者……だって言ったら、信じてくれるかい?」
「ほう。旅の、な。……身のこなし方等からは、確かに良い腕はしているように見えるが」
んー。やっぱイマイチ説得力ないかなあ?目の前のその人、ふんどしさんこと甘寧こと思春さんは、俺の台詞にはどうやら半信半疑といった感じだ。
……にしても、だ。
冒頭で彼女に出会うってパターンは珍しいよな。このままの流れだと、彼女と一緒に呉√に入るって流れが強いかな?
と、そんな風に、こっちを警戒したままの思春さん(勿論声に出して真名は呼ばない。その瞬間、確実にクビチョンパされるから)を前に、俺はこの先の展開を予想していたんだけど。
「へぅ…思春さん、ちょっと待ってくださぁい」
「月姉さま、大丈夫ですか?もう、思春姉さま!私はともかく、月姉さまの事をもう少し考えてください!」
……………………………………だから、え?
おしまい
あとがき
というわけで、最終回です。
この後、狭乃 狼様の外史に続いていくようです。
お疲れ様でした。
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というわけで、少し空いたけど最終回。
長い間、ありがとうございました。
一郎太先生の次回作にご期待ください。