No.446394 魔法少女リリカルなのはStrikerS ~赤き狂戦士~ゼロ・スパークさん 2012-07-05 13:18:03 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1158 閲覧ユーザー数:1130 |
第一章 赤き狂戦士
第十二話「烈火の将VS赤き狂戦士」
Sideヴァン
「準備はいいか?ハートネット?」
「へーい・・・いつでもどうぞォー」
休暇があった次の日の朝・・・俺様はなのはから新人共の為にシグナムと模擬戦するよう頼まれたァ。
当然断った、しかも即答で!!
がすでに遅かったようでなのはの隣にいたシグナムはなのはの言葉を聞き目をギランギランに輝かせ、強制的に廃墟に設定された訓練シュミレーターの中心に連行されたァ。
「なんだそのやる気のない返事は?もう少し気を引きしめろ」
「無茶いうなよォ。俺様低血だから朝はテンション低いンだよォ」
まァ仮にこれが昼間だったら、昼飯食って眠いとか言うがなァ。
「そうか・・・ならば私が全力でお前を叩き起こしてやろう・・・行くぞ!!」
「血の気が多いざンすねェ・・・」
距離を一気に詰め、レヴァンティンで斬り掛かってくるシグナムをルーチェ・ブレイドモードで
受け止める。
「ほう・・・私の初撃を食らって一歩も下がらんか・・・ん?」
「前言撤回だァ・・・テメエは全力でぶちのめしてやるぜェ!!あげゃげゃげゃ!!」
朝から何させンだと思ってたが、コイツァなかなか面白れェ!!今の一撃でわかったぜェ・・・
コイツは俺様を楽しませるほどの腕を持ってやがる!!
「!!ようやくやる気になったか・・・ならばこの戦い勝たせてもらう!!」
「ハッ!ほざいてろォ!!勝つのはこの俺様だァ!!!」
鍔ぜり合いを止め、お互いに距離をとる。
「レヴァンティン!!カートリッジロード!!」
「ルーチェ!!」
《わかってますよ》
カートリッジを使用したレヴァンティンをシグナムが俺様に放つ為、駆ける。
俺はルーチェを構えてい
るだけで何もしていない。
「紫電・・・」
上に飛びレヴァンティンを振りかざす。
「一閃っ!!」
シグナムの一撃が放たれ、粉煙が舞、視界が奪われる。
「すげーなァ」
粉煙の中から上にヴァンが姿を現す。
「シールドモードのルーチェでも今のはちょいときつかったなァ」
《確かに。並みの攻撃では傷つかない私のシールドが少々焦げてますね》
紫電一閃を受ける寸前に俺はルーチェをシールドモードにし、その一撃を防いだァ。
ルーチェのシールドはルーチェ自身が言うとおり、なかなかの強度を誇っている。
だがシグナムの紫電一閃はそのシールドモードのルーチェに少しではあるが一部を焦がしていたのだ。
《マスターと私はリミッターを付けているので、多少強度が落ちているのかもしれませんね》
「だがそれがまたおもしれェ。リミッターを付けられたときはうんざりだったがァ・・・これはこれで楽しいなァ」
そう言っていると煙の中からうねうねした何かが俺様に向かってくる。
「オモシロなオモチャを使うじゃねェーかァ」
それを俺様はブレイドモードに戻したルーチェで弾き返し、ソレを放った奴に話しかける。
「はぁぁぁぁ!!」
声を上げながらシグナムが煙の中から現れ、また俺と得物をぶつけ合う。
「なんだァ?あの連結剣もう戻したのかよォ?」
「今回は剣だけで戦いたいのでな」
「あげゃげゃ!!ソイツはいいなァ!!思わず尊敬しちゃいそうだぜェ!!」
ここまで剣にこだわる奴は初めてだなァ。
流石は古代ベルカ式の使い手だぜェ。
「なら俺様もテメエのその心構えに乗って剣だけで遊んでやるぜェ!!あげゃげゃげゃ!!」
「よく言った!!」
SideヴァンEnd
刃を交わす。
お互いの得物が周囲の大気を切り裂き、魔力の煌めきが線となって空間に刻む。
対峙する両者は目まぐるしくお互いの位置を入れ替えながら移動を繰り返し、
今は空にいた。
空中でぶつかり合うヴァンとシグナムは休む事なく、剣を舞わせる。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
お互いに、無言。
あのヴァンがだ。
今の二人には相手を倒す事しか考えていない。
「っ!」
斬線が交錯する。
「はぁぁぁぁ!!」
「あげゃげゃげゃ!!」
気合いの咆哮とけたたましい笑いが衝突する。
鍔迫り合い。
二人から発っせられている闘志が空気の密度を変化させ、視界を歪ませる。
技量は、今のところは互角。
魔法、剣技、そのどれもが互角。
鍔迫り合いの最中にもお互いの使う技で寸余の間合いに適応した技の応酬がなされ、
小さな衝突が火花となって二人を飾る。
しかし、長い硬直の時間は許されない。
激しい魔力の衝突で二人の間で小さい爆発が起き、二人はその場から飛び離れ、
お互いに牽制をし合う。
技は互角。それ以外の部分でもだ。
近くのビルから見るフォワードがあまりの激しい戦いに声を出せずに二人の戦闘を見ている。
(だけど・・・)
二人の戦いをなのはは見ながら考えた。
今のところは全て互角で戦えてはいるが、あれだけの魔力を使えば嫌でも
徐々に動きが鈍くなるはずだ。
その証拠にシグナムの息が少し乱れている。
ヴァンは正直疲れているかすらわからない。
いつも通りの狂気的な笑みを見せているだけだ。
(・・・やっぱりヴァン君の状態を知るのは難しいね・・・)
なのはが考えている間に二人は再びぶつかり合う。
ヴァンは刀身を左腰に深く添える。
左手で刀身を握り、カートリッジをロード。
抜き打ちの構えを取る。
ヴァンのほぼ直線上、同じ高さにいるシグナムはレヴァンティンを左手に持った鞘に収め、
ヴァンと同じく左腰に深く添え、カートリッジをロードする。
その行動を見たヴァンがニヤリて笑う。
カートリッジロード・・・すなわち大技を出す事。
派手な事を好むヴァンにとってはこの上嬉しい事はない。
ヴァンの思惑通りだった。
硬直した睨み合いに許される時間には限りがある。
二人の真下にある二人の攻撃の余波で倒壊寸前のビルが崩れ始めた時、二人は同時に動いた。
次の瞬間には二人は互いの得物をぶつけ合い、それぞれためていた技を解き放つ。
「紫電・・・一閃っ!!」
「ブラッディスラッシュ!!」
炎華を巻いて放たれた居合いと赤く血のようなまがまがしい輝きを放つ居合いは、
刃の先に威力を押さえつけられた魔力を置き膠着する。
互角の衝突。
それもまた、望むところ。
「あげゃげゃげゃげゃげゃ!!!!」
更に魔力を跳ね上げる。
赤く輝くルーチェの刀身が更に赤みを増す。
「っく!!」
魔力がこれ以上上がると思っていなかったシグナムが驚愕すると同時に徐々に押されていく。
だがそれで終わるシグナムではない。
もう一度カートリッジロードをし魔力をレヴァンティンに叩き込む。
「おおおおおおおおっ!!!」
シグナムの咆哮。お互いにに魔力を叩き込み、再び魔力が、その規模を増大させながら膠着の状態に戻っていく。
そして・・・・
先ほどと同じく爆発が起きる。
だがその規模さっきのものよりも遥かに大きい。
観戦しているフォワード達が中心にいる二人の身を案じ、声を上げる。模擬戦中に初めてフォワードが上げた言葉だった。
未だ爆発した場には爆煙が漂っている。
そして爆煙が晴れる。
見るもの全員がそこにある結果を早く知りたがっている。
そして・・・
「これで、終わりだァ」
シグナムの背後にヴァンが立ち、彼女の首筋にルーチェの刀身を当てている。
「・・・そのようだな」
戦いが決着した瞬間だった。
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集合場所に戻ると、フォワード達が唖然とした表情でヴァンを見ていた。
理由はさっきの模擬戦だろう。
あれほどな戦いを新人達は見たことがない上に、これが初めての各分隊の副隊長同士な
戦いだったからもある。
「何だお前らァ?死にかけの金魚みてェに口パクパクして?」
「二人の戦いが皆には刺激がちょっと強かったんだよ」
成る程と頷くヴァン。四人でようやく半人前の新人には今の戦いはレベルが違うとわかったのだろう。
皮肉めいた笑みを見せながら新人達に話し掛ける。
「お前らァ、今の戦い見てどォー思ったァ?」
ヴァンの問い掛けに、唖然としていた4人はなんとか平常に戻り、ヴァンの問いに答える為に、
回答を考える。
「正直・・・凄いとしか言えないです・・・」
4人のリーダーとしてティアナが一番最初に感想を述べる。
「リーダーのクセにその程度の感想かよォ?ったく・・・もうちょいまともに答えろよなァ」
「す、すみません・・・」
ヴァンの言葉に対しティアナが頭を下げる。
「リーダーがコレだと、他の三名も同じような感想だろうなァ~?」
「「「うっ・・・」」」
スバルとエリオとキャロの心に容赦なくヴァンの言葉が突き刺さり3人は小さくなる。
「まぁまだ4人にはちょっとレベルが高いんだし、それくらいでいいんじゃないかな、ヴァン?」
フェイトがすかさずフォローに回る。
スバルとエリオとキャロの3人の顔がほころぶ。
「確かになァ・・・まァこれからコイツらには強くなってもらうンだしなァ。
気長にコイツらの成長を待つかねェ」
目を瞑りながらそう呟く。
「俺様が言うのも何だがァ・・・お前達には才能もある。
ティアナは周りに的確な指示できる指揮能力、スバルはシューティングアーツによる近接格闘・・・
すなわちパワー、エリオはフェイトほどでないにしろ、4人の中では一番のスピード、
そしてキャロは竜召喚というレアスキルに他の3人の長所や短所をサポートする補助魔法・・・
4人でようやく半人前だがァ、それは当たり前だァ。
いきなり、俺様のような力を持ってたらそれこそ化け物だァ」
「「「「・・・・・・」」」」
黙ってヴァンの話しを聞くフォワードの4人。
隊長達はヴァンの意外な行動に目を丸くしている。
「いいかァ?強ェー奴っていうのはなァ、ココが一番強い奴の事を言うンだァ」
自分の胸元を右手で軽く叩くヴァン。
「心が腐ってたンじゃ意味がない。ココが強くねェー奴は絶対に負ける・・・自分にもなァ」
「ヴァン君・・・」
「お前・・・」
普段と180度違う事を話すヴァンに思わず声を漏らすなのはとヴィータ。
「話が長くなった上にらしくねェ事を話しちまったなァ・・・
まァーつまり俺様が言いたい事はだなァ・・・」
額わ右人差し指で掻きながら続きを考えるヴァン。
全員黙ってヴァンが話すのを待っている。
「ン~やめとこォ」
全員ズッコケル。
「て、テメェ・・・」
ヴィータがあまりにズレた事を話したヴァンを睨む。
なのはもフェイト、シグナムとハーナもヴァンを冷たい視線で見ている。
「たまにはいい事を話していると思っていたら・・・」
「最後ので全部ブチ壊しだね」
「ハートネット・・・貴様それでも騎士か?」
「いい加減に死んでください」
シグナムの発言に思わずツッコミを入れたくなったが、ヴァンを除く隊長陣の可哀想な者を見る目を向けられ、言えなくなる。
そしてヴァンが次に行った事は・・・
「コレにてドロ~ン☆」
ヴァンの足元から煙が上がり、煙が晴れるとそこにヴァンの姿はなく、
フォワードと隊長達だけが残された。
つまりヴァンは逃走したのだ。残された者達はというと・・・
「・・・皆?やる事はわかってるかな?」
なのはが皆・・・残りの隊長陣に聞く・・・最高の笑顔で。
「もちろんだよ、なのは」
なのはの問いに頷くフェイト・・・最高の笑顔で。
「あぁ、わかってんぜ」
「ふっ・・・愚問だな高町?」
ヴィータとシグナムも同じような感じで頷く・・・最高の笑顔で。
「・・・ブチ殺す」
静かにそう告げるハーナ・・・最高の無表情で。
4人の返事を聞くとなのはは4人を率いてビルから移動を始める。
「あ、あのなのはさん?」
尋常ではない雰囲気を纏っている隊長達に勇気を振り絞りスバルが声をかける。
「でもまぁ、フォワード達を残して、ヴァン君を探しに行くのは上官としてはやっては
ダメだから、訓練が終わってから皆で探しに行こうね?」
「うん。そうだね」
「今日は絶っ対に容赦しねぇ・・・」
「私が騎士としての、礼儀を奴の心に刻みつけよう」
「・・・手加減なしです」
「「「「・・・・・・」」」」
もはやフォワード達は恐れるしかできなかった。
そしてその日、ヴァンがどうなったかは言うまでもない。
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時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?