No.446395 魔法少女リリカルなのはStrikerS ~赤き狂戦士~ゼロ・スパークさん 2012-07-05 13:19:48 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1023 閲覧ユーザー数:996 |
第二章 始まり
第十三話「新デバイス」
Sideヴァン
俺様が機動六課に来てから二週間。
今俺様は新人共の訓練を見る為にハーナと一緒に訓練場へと向かっている。
なぜ俺達が一緒にいるかていうと・・・
「久々にカリスの面を見たがァ、相変わらず食えない野郎だったなァ」
「・・・二度とあの顔は見たくないものです」
俺達はさっきまで古巣である、インフェルノの部隊長のカリスと連絡を取り合っていたァ。
二週間事に定期的に活動報告をするよう言われているからだァ。
今回はそれの初回日で、朝っぱらからあのメガネを見たくなかったンで、
ハーナだけにやらせて俺様は部屋で居留守を使う気だったが、ハーナの奴はリインからマスターキーを借りて俺様の部屋に入り、強制的に連行されたワケだァ。
「とりあえず訓練場にでも行って、新人共の訓練を見て気分転換と行こうぜェ?
奴の面を拝んだ後に初々しい連中の姿を見たら、少しは野郎の顔を忘れられるかもだぜェ?」
「・・・気分転換で行く以前に、私達は彼女達の訓練を見て、指導する事が仕事です。貴男に言われなくても行きますよ」
「仕事熱心だなァ」
とか言ってるといつのまにか訓練場に着いていたァ。
今俺様がいる場所から4人の動きがよく見える。
「あン?シュートイノベーションかァ?アクセルの数はァ・・・13ってトコかァ」
「徐々に数をなのはは増やしていますね」
「だなァ・・・ン?」
俺様の目にあるものが映る。
スバルのローラーから一瞬煙が上がったのが見えたンだァ。
「ティアナのアンカーガン・・・もう限界のようですね」
《大分使い込んでいるようですからね・・・そろそろ潮時でしょうね》
ルーチェの言うとおり、ありゃもう逝っちまってるなァ。
特にスバルの奴のローラーはあと数分もすりゃあ煙出してオーバーヒートするはずだァ。
《タイプが違うとはいえ、私と同じデバイス・・・少々悲しく思えてきます・・・
あ、終わったようです》
ルーチェの言うとおり、訓練が終わったようで、全員の動きが止まる。
どうやら決め手はエリオの奴のようだァ。
「キャロの補助を受け、スピードアップ・・・少々使いこなせていないようでしたが、それでもあの歳であのスピードで動けるエリオはやはり才能があるようですね」
「キャロの奴もだァ。チームの連中をよくサポートできてやがる・・・あの二人、あの歳でBランクを取っただけはあるなァ」
この分なら実戦に出ても大丈夫だろうなァ・・・まァ、まだ問題はあるがァ。
《マスターにしては随分、高評価ですね。もっと酷い事を言われると思ってましたが》
「お前は自分のマスターをなンだと思ってやがる・・・」
「私もルーチェと同意見です」
「ちぃ・・・手厳しい事でェ」
などと話しながら、俺達はなのは達の下に移動する。
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「よォ、派手に頑張ってンじゃねェーかァテメエらァ」
「・・・お疲れ様です」
俺達はそれぞれ声をかける。
それとハーナ。
いつも言ってるがァその顔でその言葉言うンならもう少し、表情変えろォ・・・
事情しらない奴が見たら、ビビっちまうぜェ。
「「「「お疲れ様です!!」」」」
「ヴァン君にハーナちゃん!お疲れ様。インフェルノに定時連絡は終わったの?」
「まァーなァ・・・嫌な仕事だったぜェ・・・」
「にゃはは・・・」
なのはの奴は俺様がカリスの事を面倒くさがってる事を知ってるから、
同情したように俺達に笑いかける。
「それよりテメエらァ!!動きは大分良くなってるようだがァ、まだまだ甘ェ!!
特にスバルとティアナァ!!」
「「は、はいっ」」
突然、名前を呼ばれ、ビクッと肩を震わすスバルとティアナァ。
「さっきのあれはなンだァ?敵にケツ向けたら最後って俺様は言ったはずだァ。
動き以前にテメエら二人はまず自己管理すらできちゃいねェ」
「自己・・・管理、ですか?」
俺の言葉にティアナが質問を返してくる。
「ふン」
首だけをスバルの方へ振るい、足元を見るよう促す。
「えっ?私ですかってえぇぇぇぇ!?」
自分の足元を見て間抜けすぎる声を上げるスバル。
うるせェ奴だァ。
「キュク~・・・」
「スバルさんのローラーから煙が出てます!」
スバルのローラーを見たキャロは驚いた様子の声で話す。
「あちゃー・・・無理させちゃった~・・・」
涙目になりながら煙を出した、自分の愛機であるデバイスを触るスバル。
俺様はスバルに近づく。
「ほらァ、視せろよォ」
「は、はい!」
やっぱ予想通りだなァ。
駆動回路どころかコアまで逝っちまってやがる。
パーツを交換しても長くは持たねェーなァ。
コレでよく動けたもンだなァ。
「コイツはもうご臨終だァ。別れの挨拶でもするこったなァ」
「そんなァ~」
泣き出すスバル。
泣くぐらいならもう少しちゃんと手入れぐらいしやがれェ。
「ティアナ。テメエのも見せろォ」
「えっ!?」
返事が帰ってくる前に、ティアナの手からアンカーガンを奪い取る。
そして見てみればやはり・・・
「コイツもあと少しでご臨終だなァ。中身を見なくてもわかる。多分魔力伝導回路が寿命なンだろう。だからさっきのスバルの援護の為に放とうとした弾が不発で終わったンだァ。
自分でもそれくらいはわかってンなァ?」
「はい・・・騙し騙しやってました」
うつむくティアナ。
反省はしてるようだがァ、それで黙る俺じゃねェ。
「自分のオモチャの管理が出来ない奴は必ず、ソレが裏目に出て、自分を危機に落とす・・・
今回は訓練だったがァ、実戦ではあれは致命的だァ・・・肝に命じておけェ」
軽く、俺はスバルとティアナを睨む。同時にはっきりとわかる落ち込んだ返事が返ってきたァ。
「エリオ!、キャロ!」
「「は、はい!!」」
さっきのスバル達と同じように肩を震わすちびっこ二人。・・・少しやりすぎたかァ?
「お前達はまだ自分の能力の使い道をまだ正しく理解出来てないようだがァ、ガキでそこまで
出来る奴は稀だァ。
これからもその調子でやっていけェ。
伸ばすトコろは俺様がきっちりと伸ばしてやる」
「「あ、ありがとうございます!!」」
褒められると思ってなかったのか、意外そうな顔をしていたが、我に返り、
ガキらしい顔で笑いかける。
ちぃ・・・痒くなってくるぜェ。
「相変わらずヴァン君は厳しいね」
「オマエに言われたくねェーよォ。ソレにどうでもいい連中に俺様は一々何かを
言ったりしねェーよォ」
「ん~、まぁそうなんだけどね・・・ヴァン君がそれ言うとなんか違和感があるんだよね~」
「《ですね》」
なのはの言葉にハーナとルーチェが同意したようで、頷いている。・・・オマエ達の俺様の評価・・・
しかと受け止めたぜェ・・・
「そンな事よりなのは。例の件、今やってしまった方がいいンじゃねェーかァ?」
「うーん・・・そうだね。確かに今がその時だよね」
「「「「?????」」」」
俺達の話しが理解出来ないようで、頭に????を浮かべているフォワード共ォ。
「おい、なのはァ!言ってやれェ」
「一応私、ヴァン君の上官なんだけどね・・・まぁいいかな」
軽くため息を吐き、フォワード達を見て本題を話す。
「実は皆のデバイスを、新デバイスを用意してあるんだよ」
「新・・・」
「デバイス・・・ですか?」
「そうだァ。もういい頃だし、何よりテメエら二人のデバイスはもうお釈迦だしなァ」
「「うっ・・・」」
「もうっヴァン君!あまり二人を虐めたらダメだよ?」
「っるせェ。それなら午前の訓練はさっさと切り上げて、テメエらの新デバを取りにいくかァ。
いいよなァ、なのはァ?」
「そうだね。じゃあ、シャワー浴びたら着替えてデバイスルームに集合ね」
「「「「はいっ!!」」」」
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ハーナと俺はシュミレーターの後片付けの為に、連中と一緒に隊舍に戻らず、
シュミレーター制御コンパの前にいる。
「にしても、なんだかンだ言っちゃいるがァ、連中をしごくのは結構面白いもンだなァ」
「・・・・・・」
後ろにいるハーナに話し掛けるが返事が返ってこない。
あン?また機嫌が悪くなったのかァ?
作業中ではあったが、不信に思い後ろを振り替える。
「・・・・・・」
そこには直立状態で立っているハーナがいた。
その瞳には光がない。
「ちぃ・・・ユグドラシルからの強制リンクを受けてやがンなァ?オイ、ルーチェ!!」
すかさず自分のデバイスへ指示をする。
「クロノスを遠隔操作して、ユグドラシルに介入しろォ。強制的にリンクを切れェ」
《いいのですか?強制的にリンクを切ればしばらくの間ハーナさんは目覚めなくなりますがァ・・・》
「封印強度が落ちるよりはましだァ。「鍵」のコイツがリンクしちまえばァ、
あれの封印は確実に弱まる」
《・・・了解しました》
俺の指示を聞き、すぐにルーチェは俺の指示通りにクロノスを介してユグドラシルに介入をし、
ハーナとのリンクを断ち切ったァ。
「おおっとォ・・・」
リンクの切断と共に倒れるハーナを抱き留める。
女性らしい柔らかい感触を俺の腕にあたり感じるが
そんな事を起きているハーナに言ったら
間違いなく襲い掛かってくるだろうなァ。
「仕事が増えたなァ・・・とりあえず、コイツを医務室運ぶぞォ」
《シャマル先生には何とおしゃっるおつもりで?》
「貧血で倒れたとでも言っておくさァ。女は貧血になりやすい時期があるンだろォ?」
《・・・その発言は女性の前では以後、おっしゃらないでください。セクハラ発言ですよ?》
セクハラなんだな今俺様が行った事ってェ?
「考えとくぜェ」
そう言ってから、ハーナを左腕に抱えたまま、残りの作業を済ませる。
「シャマルに連絡しとけェ」
《了解です》
そのまま俺様は、ハーナを抱え隊舍へと向かう。
「本当に運命って言うのは面倒だなァ・・・生きてるって錯覚すらできやしねェーよォ」
だがそれでも俺は、俺達は進まなければいけねェ・・・
ボクとハーナは運命にあらがい続けなくてはいけないのだからァ・・・
例えそれが未来永劫続くとしても・・・わかっていてもねェ・・・
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時空管理局特務殲滅部隊---通称「インフェルノ」。そこには管理局員、次元犯罪者の両方が「赤き狂戦士」と恐れる青年が所属していた。そんなある日彼は、インフェルノの部隊長の命を受け新しく設立された部隊「機動六課」に異動する事になり、狂喜的な笑みを浮かべ素直に異動を受諾する・・・彼の笑みは何を意味するのか?