No.444847 【勝手に】真・恋姫†妄想 もしもあの三人が義姉妹だったら?【続き】#72012-07-03 00:18:07 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:6124 閲覧ユーザー数:4499 |
例えばの三姉妹。 #7
月たちが洛陽に入城してから、しばしの時が流れた。詠とねねは華琳や軍師ーずと、霞は雪蓮や星と、華雄はその扱いから亞莎と特に仲良くなっており、みな、真名も交換している。
「はい、恋ちゃん。あーん」
「あー…」
「まだありますよ、恋さん」
「おいし…月と桃香も、あー……」
「「あーん…んーっ、美味しーっ!」」
桃香と月は、恋に癒されている。
そして、俺はと言えば――――。
「遊びに来たのじゃ、兄上っ!」
「いらっしゃい。もうすぐ終わるから、待っててくれるか、空?」
「うむ!」
待つと返事をしたにも関わらず、彼女が座るのは俺の膝の上。
「ふむ。やはり兄上の膝は格別じゃ」
「そうかい。ありがとな」
「はふー」
何度か頭を撫で、俺は残りの仕事を終わらせにかかる。
え?華琳や稟に怒られないのかって?
大丈夫。少なくともこの大陸に、この少女に口答えを出来るような存在はいないから。
最後の竹簡に印を押し、さて、空と遊ぼうかと立ち上がろうとしたその時だ。
「はわわっ、ご主人様ぁ!」
「大変でしゅ!……って、陛下ぁ!?あわわわわわ」
慌ただしく扉を開けた朱里と雛里が、俺の膝に笑顔で陣取る空の姿を認め、さらに慌てる。
「どうしたのじゃ、朱里に雛里よ」
「はわわ、あの、その……ご主人様が陛下とお遊びになるのなら、また後で……」
「よいよい。火急の事態なのじゃろう?それと、そなた達にも朕の真名を呼ぶように言ったはずじゃが?」
「あわっ!?……ごめんなさい、空ちゃん」
「うむ」
以前に十常侍から太子姉妹を救った事件があったのだが、それ以来空は陛下らしからぬ、それでいて年相応の少女らしく振る舞っている。一番齢の近い朱里と雛里が、一番仲がいい。
「は、はい……その、こんな檄文が各地に飛ばされているとの情報が……」
「やっぱりかぁ……」
「何か言ったか、兄上?」
「いや、なんでもないよ」
朱里から報告書を受け取り、目を通す。相変わらず、変わり映えのしない文章だ。これでも名家なのかと呆れてしまう。それはいいとして。
「朱里、雛里」
「はいっ」
「は、ひゃい!?」
「緊急会議だ。皆を集めてくれ」
「――――皆に集まってもらったのは、他でもない、この檄文が袁紹から各地に飛ばされている件だ」
「あぁ、あの駄名家の。いったいどんなくだらない檄なのかしら?」
こっちの華琳は麗羽と繋がりもないくせに、やけに嫌ってるな。遺伝子レベルで反りが合わないのだろうか。
「あぁ。くだらな過ぎて面白味も何もないけど聞いてくれ。要約すると、『帝を傀儡とし、洛陽で悪政をはたらく北郷と、それに加担する董卓を討て』ってさ」
「へぅ……私もですか?」
名指しで挙げられた月は、両頬に手をあてて眉尻を下げる。
ごめんよー。
「董卓軍が洛陽に来てる事は周りにも知られてますしー」
「えぇ。巻き込んだ形になってしまったのは申し訳ないですが、はっきりと名前が出ている以上、貴女方にも協力を願います」
稟は冷静だな。というか俺の考えを読んでるんじゃないのか?
「その眼はなんですか、一刀様?……はっ!まさか、ついに私を手籠めにする決心を!?……い、いけません。私は家臣で貴方様は――――」
「妄想に耽る稟は放っておいて、対策を練ろうと思うんだが」
「おやおや。稟ちゃんの
にゅふにゅふと笑う風の向こうでは、稟が血溜りに倒れている。
「要するに、私たちに嫉妬している訳ね、袁紹は。風が予想した通りね」
「そですよ、雪蓮さん。風は何かと一流ですのでー」
「ふむ。風の見立てではおよそ20万は集まるとの事だったが……なかなかの数になるな」
「ちなみに、こちらには今どのくらいの兵力があるの?」
おっ、詠が初めて喋った。
「北郷軍が4万5千。董卓軍が4万。禁軍が、亞莎のおかげで再編成する必要もなくなったから3万5千。合わせて12万だな」
「はぅ…」
「はわわ……この兵力差なら籠城も出来ましゅ」
「うん、向こうも3倍にはならないね」
朱里たちも頷く。
「ふん!恋殿とねねがいれば、敵がいくらいようとも負ける事などありませんぞ!」
「あら。じゃぁ、ねねと恋が先鋒でいいわね」
「華琳殿はよくわかっているのです」
「凄いわね、ねね。いくら私でも、その戦力差だと無理だわ」
「雪蓮殿がいくら強くとも、恋殿には敵いませぬぞ」
「ほぅ。2人対20万か。武人としては胸が躍るが、流石に某も遠慮させて頂きたいな」
「星は意気地がないのです!たかだか10万倍の敵など……え?」
両腕をまっすぐ上げて粋がっていたねねが固まる。恋はよく分からないと首を傾げていた。
「決まりだな。連合はおそらく汜水関・虎牢関の最短経路で来るだろう。ねねの希望通り、汜水関には恋とねね。俺達は此処で勝利の報告を待つとしよう」
「ちょ――――」
ねねたん頑張れ。
あとがき
という訳で、#7。
出会い→太守就任→黄巾党編→……えっ?→ねねたん頑張れ(今ココ)
絶対に長引かせない。絶対にだ!
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という訳で、#7。
反北郷連合その2。
どぞ。