『改訂版』 第一部 其の十四
涼州
【紫一刀turn】
五胡を追撃し続け、ついに雍州から涼州へと進軍を果たした曹魏軍と劉備軍別働隊。
涼州での最初の街、楡中の街中で俺は・・・。
「死ねぃ!北郷一刀っ!!」
春蘭に追い掛けられ、必死こいて逃げていた。
まあ、追い掛けられるのはいつもの事だが、今は事情が違う。
春蘭以外にも霞、季衣、凪、沙和、桂花、稟、翠が同じように追って来ているのだ。
何故こんな事に成っているのかだって?
それは・・・・・・。
【楡中入城時】
「また街に人がいないぞ・・・」
今回は洛陽の時みたいな殺気が感じられない。
「どういう事かしら・・・」
俺が鈍いのかとも思ったが華琳にも殺気は感じられないみたいだ。
「住民が皆逃げ出している・・・・・だけでは無さそうですね。」
秋蘭の言いたい事は俺にも解る。
街がまるで無傷なのだ。
襲撃を受ける前に逃げ出していれば血の跡や死体が無いのは解る。
しかし、略奪や家捜しなんかがあれば建物が壊されていたり焼かれていたりするものだ。
ここに来るまでに見てきた五胡に襲われた街はみんなそうだった。
その光景を見るたびにみんなが怒りを新たにしていた・・・。
しかし今目の前に有るのは人間だけがいない綺麗な街並み。
桂花を筆頭にした魏軍の軍師三人と詠にねねまで首を捻っている。
「一刀!華琳様!今すぐこの街から離れてっ!!」
この状況を看破したのは意外な人物、ちぃだった。
天和と人和も一緒にいたが、三人とも珍しく慌てていた。
「一刀さん!さっきこの街の妖気が急に・・・」
「妖気?」
「・・・モウ遅イ・・・貴様等ハ既ニ我ガ術ノ中ダ・・・」
不気味な声に振り返ると、いつの間に現れたのか道の真ん中に人影が在った。
そいつの姿は虎と熊と狼の頭を繋ぎ合わせた覆面を被り、体をその三種類の毛皮を縫い合わせた外套で隠していた。
そしてその手に持った大きな水晶玉が明滅を繰り返している。
「五胡の・・・・・妖術使い・・・」
前は事ある毎にその言葉を耳にしていたのに。
張三姉妹という妖術使いが身近にいたというのに。
俺はその存在を本気にせず忘れていた。
そして更に左慈と于吉の存在を思い起こさせる。
まさか・・・・・貂蝉と卑弥呼は奴らがこの外史に来ていないと言ってたじゃないか・・・。
「・・・北郷一刀・・・天ノ遣イト呼バレル貴様ラ三人ガ居ナクナレバ・・・漢族ノ勢力ハ分裂スル・・・・・死ネ・・・北郷一刀!!」
くそっ!しっかりこっちの状況を把握してやがる!
蛮族だなんて油断してたって事か!!
「この化け物めっ!!魏武の大剣、夏候元譲が成敗してくれるっ!!」
「春蘭っ!待てっ!!」
俺の言葉が届く前に五胡の妖術使いが持つ水晶玉が激しく光を放った。
光が収まり目を開くと、春蘭は七星餓狼を持ったまま妖術使いの前に立ち尽くしていた。
そしてゆっくりと振り向くと俺を睨む。
「北郷一刀・・・・・・殺すっ!!」
春蘭が操られた!?
「春蘭っ!止まりなさいっ!!」
華琳が叫ぶが春蘭は止まらない。
「姉者!しっかりしろっ!!」
秋蘭が俺の前に出て餓狼爪で七星餓狼を受け止めた。
弓で剣を受け止めるって、無茶しすぎだ秋蘭!
「北郷・・・殺す・・・北郷・・・殺す・・・」
春蘭はそれだけを繰り返し秋蘭との押し合いを続ける。
「なぁ隊長・・・春蘭様、あんまいつもと変わらんような気ィせえへん?」
「・・・・・・うん、実は俺も思った。」
真桜のツッコミに素直に答えてしまう。
確かにこの時までは、まだなんとかなるかもと思い余裕もあった。
「取り押さえるんは少々骨かも知れへんけど、みんなで掛かれば大丈夫やろ。なぁ、凪、沙和。」
「「・・・・・北郷一刀・・・殺す・・・」」
「でえええええええええぇぇ!!??二人ともマジかいなっ!?」
凪は拳に気を溜め、沙和は双剣を抜き放った。
「姐さん!二人止めるん手伝うてっ!!」
「・・・北郷一刀・・・殺す・・・」
「姐さんまでかいなっ!!」
霞が飛龍偃月刀をゆっくりと持ち上げた。
「季衣!しっかりしてっ!!」
流琉の声に振り向けば季衣が岩打武反魔を振り回している。
「・・・北郷一刀・・・殺す・・・」
これはヤバイ!
あの鉄球や凪の気弾は周りを巻き込むぞ!
「ご主人さま逃げてっ!翠姉さまそっちに行ったっ!!」
たんぽぽの声に振り返ると翠が走って来ていた。
「北郷一刀・・・殺す!」
翠!お前もか!?
俺が走り出す前に翠が銀閃を振りかぶった。
ガキイィン!
間一髪銀閃を受け止めたのは・・・・・恋っ!!
「・・・ご主人さま・・・どこか広い場所に逃げて・・・恋がなんとかする。」
「わかった!頼む恋!」
「うん♪」
なんとか走り出した俺の前に今度は桂花と稟が立ちはだかった。
「「・・・北郷一刀・・・殺す・・・」」
稟にも言われるとグサリとくるが、桂花に言われてもいつものセリフと変わらんから何ともないな。
それにこの二人なら・・・。
俺は軽く稟を
「華琳!桂花を頼むっ!!」
そう言って桂花を軽く放り投げた。
「か、一刀っ!?」
咄嗟の事でも華琳は桂花を受け止めてくれた。
走って逃げる前にみんなの様子を確認すると・・・。
風はニコニコしながら手を振っていた。
月、詠、ねね、白蓮も大丈夫だ。
後は恋のアドバイスに従って広い場所を探さないとっ!
そんな訳で冒頭のシーンに戻るんだが・・・。
ここに来て一つ重大な事を思い出した。
緑と赤がもう間もなくこの楡中に到着するんだった。
愛紗や雪蓮が妖術の影響を受けなければいいが・・・・・楽観は出来ないな。
果たして凶と出るか吉と出るか・・・。
まさかこんな所で、普段から春蘭に追い掛けられてるのが役に立つとは思わなかったな。
とにかく逃げるだけならなんとかなった。
そうして広場を見つけて走り込んだが、その広場の中央に妙な物が置いてあった。
それは巨大な鏡。
「なんていかにも怪しげな・・・・・あれ?どっかで見たことあるような・・・」
記憶の片隅にある光景・・・・・俺は誰かと一緒に・・・。
「・・・死ニ場所ハ決マッタカ?・・・・・北郷一刀・・・」
またしても不気味な声と共に妖術使いが現れた。
「貴様らをそそのかしたのは左慈と于吉かっ!?」
「・・・ソソノカス?・・・・・我ラハ誰ニモソソノカサレテ等イナイ・・・漢族ヲ滅ボスノハ我ラノ悲願・・・誰ノ指図モ受ケヌ・・・・・」
「そうかい・・・そっちの事情は積年の恨みかも知れないが・・・・・俺は愛する女の子たちを守ると決めてるんでね。死ぬわけにはいかないのさ!」
俺は剣を抜いて蜻蛉の姿勢を取る。
「・・・無駄ダ・・・愛スル女タチニ切リ刻マレテ死ネ・・・」
「貴様に剣が届かなくても・・・・・この鏡ならっ!!」
ガキイイィィッィン!!
「痛ってえええええええええええぇぇぇっ!!」
なんだ一体?まるで金属の塊・・・・・あ。
「これ銅鏡だ・・・しかもなんだよこの厚さ!10センチ以上あるじゃないかっ!!」
「・・・ダカラ無駄ダト言ッタ・・・・・ウム、ヨウヤク三人揃ッタナ・・・ココヲ貴様タチノ墓場トシテヤル・・・」
「死亡フラグを言いやがったな・・・三人揃った?」
今度は自分がやってきた方を振り向くと緑と赤が走ってくる。
そしてその後ろには愛紗
「ご主人様!あなたを殺して私も死にますっ!!」
・・・・・と思春
「北郷ぉっ!!よくも蓮華様を泣かせたなっ!!しかも私にまであんな事を・・・・・死ねえぇいっ!!」
・・・・・更に春蘭が
「理由は忘れたが!とにかく死ねいっ!北郷っ!!」
・・・・・・・・まあ、春蘭は放っておくとして。
「緑、赤、お前ら何やったんだ!?」
俺の所にたどり着いた二人にジト目で訊いてやる。
「幻覚だ!幻覚!!」
「妖術で幻覚を見せられてるんだっ!!」
こいつの妖術はそんなに強力なのか!?
そんなことを言ってる間に愛紗達が近づいて来る。
しかしその後ろから猛スピードで走ってくる恋も見えた。
恋は三人を追い越し、俺たちとの間で振り返って方天画戟を構える。
「恋!あの三人相手で大丈夫か!?」
「・・・問題無い・・・・・みんな本気の半分くらいしか力出てないから・・・でもあんまり数が増えると困る・・・手加減が出来無くなる・・・」
勢い余ってバッサリ・・・・・それはやばい!
「早くなんとかしなくちゃいけないのに・・・・・どうしたらいいか・・・」
「貂蝉と卑弥呼が対策を考えてくれてる。時間を稼いで欲しいそうだ。」
緑の言葉に光を見出した・・・けど。
「・・・・・あの二人なら拳で解決出来そうな気がするが・・・・・でも相手は妖術だ、専門家に任せよう。」
「一刀!無事なのね!」
華琳が馬で駆けつけてくれた・・・・・後ろに縛った桂花を括りつけて・・・。
「ああ、何とか・・・・・しかしまた見事な亀甲縛りだな。」
「北郷!この変態欲情男!今すぐ首を刎ねてやるんだからっ!!」
そんな憎まれ口を叩きながらも、華琳に責められ興奮してるように見える。
「いや桂花・・・どう見ても今のお前の方が変態だから・・・」
「それよりもあの妖術使いを見なかった?あの後突然姿が消えたのよ!」
え?そいつなら・・・って居ない!?
「さっきまでそこに居たのに・・・・・」
「また消えたのね!厄介だわ・・・他の子達もこっちに集まりつつあるのに・・・」
「やっぱり抑えきれなかったか・・・緑、赤、そっちは誰が操られてる!?」
「蜀は愛紗以外は鈴々と雛里が・・・」
「呉は思春と明命がやられた・・・この二人が本気で来られたら俺たち瞬殺だぞ・・・」
マンハント能力が高いだけに下手に隠れたらあっさり殺されるって事か・・・。
「隊長!お命頂戴します!・・・・・信じていたのに・・・私のことは遊びだったんですね・・・」
「え?凪??」
凪の言葉に気を取られ、放たれた気弾への対応が遅れた。
「破っ!!」
この声は華佗か!!
華佗が気弾を霧散させてくれたらしい。
「気の扱いなら任せてくれ!だが出来れば早く対処した方がいい、操られてるせいで楽進が気弾を制限なく使えば命に関わるぞっ!!」
またハードルが上がったよっ!!
「・・・一刀・・・」
「華琳・・・」
「今凪が言った事は幻覚なのよね?」
「当たり前だっ!!」
ちょっと華琳、その半信半疑な目は何?
「一刀おぉぉ!往生せぇい!!ウチと愛紗を
「ご主人様・・・やっと話ができるようになったと思って喜んでたのに・・・・・あたしのことからかってたんだな・・・」
霞に翠!
「一刀、ホ・ン・ト・ウ・に、幻覚なのよね!」
「「「幻覚ですっ!!」」」
「その割には妙に話が継ってない?」
華琳の目が疑いの方に傾いてる!?
「北郷殿!華琳様に
稟・・・お前のは幻覚か?妄想か?
「・・・・・確かに幻覚のようね・・・」
華琳の疑いは晴れたみたいだ。
「隊長!!みんなに
「沙和!!お前欲望がダダ漏れになってるだけじゃないかっ!!」
「「紫・・・お前・・・」」
「だから幻覚だろっ!!」
くそぅ!今度は俺がジト目で見られた・・・。
「お兄ちゃん!鈴々の肉まん盗るなんて許せないのだっ!!」
「兄ちゃん!ボクのラーメン返せっ!!」
あ~・・・うん、君らはそんなもんだと思ったよ・・・。
「・・・・・・・・・盗ったの?」
「「「盗ってません!!」」」
恋、こんな時でも食べ物には反応するのね。
「一刀様!お猫様にあんなことやこんなことをして・・・あまつさえ孕ませるだなんて・・・」
「「「無理ありすぎんだろうがっ!!」」」
ヤバイ・・・先に精神的、社会的に殺されそうだ・・・。
「恋っ!加勢するわっ!!思春!明命!目を覚ましなさいっ!!」
「妖術なんぞに掛かりおって!未熟者共がっ!!」
明命を追ってきた雪蓮と祭さんが加わりようやく五分に。
結局操られている女の子が全員集まり、それを追って正気なみんなも集まってきた。
鈴々と季衣の相手は流琉と蒲公英、桔梗がしてくれている。
稟は真桜が押さえてくれていた。
そして・・・。
「雛里ちゃん!しっかりして!!」
「離して朱里ちゃん!ご主人さまはやっぱり巨乳の方がいいって!」
「え・・・」
「朱里!!幻覚!幻覚だから!衝撃受けない!」
「あ・・・そ、そうですよね・・・」
「それにぺたんこなのに男の娘じゃないからダメだって・・・」
全員の動きが止まった・・・・・正気な人も、操られてる人も・・・。
雛里も妄想と幻覚が入り混じって変な事になってるみたいだな・・・うん。
「・・・聞キシニ勝ル変態ダナ・・・・・北郷一刀・・・」
「現れやがったな!」
銅鏡の前に再び現れた妖術使い。
その声には呆れの色を感じないでもないが・・・今度こそやつを倒さないと!
「そいつが妖術使いなのねっ!思春と明命を元に戻しなさいよっ!!」
雪蓮が怒りもあらわに叫ぶが、恋に加勢していて奴の所に行けそうもない。
「・・・北郷一刀ヲ殺セバ正気ニ戻ルゾ・・・」
「そんなことさせられる訳ないでしょ!!正気に戻って一番苦しむのはその子じゃないっ!!」
「・・・ソウナルヨウ仕組ンダノダカラ当然ダ・・・」
「そこまでだっ!五胡の妖術使いっ!!」
突然聞こえたその声は、高らかな蹄の音と共にやってきた。
「貴様の陰謀!この仮面白馬が打ち砕いてやるっ!!」
「「「仮面・・・白馬ぁ・・・?」」」
俺たちの頭の中では『迫る~五胡~、地獄の軍だ~ん』というフレーズが流れていた。
「ねえ一刀・・・・・白蓮は何を言ってるのかしら・・・」
華琳は本気で白蓮を心配していた・・・・・精神的な意味で・・・。
「ええと・・・・・とりあえず好きにさせてあげて・・・」
「やっと・・・やっとこの時が・・・・・私の出番がやってきたんだぁぁ・・・」
そんな・・・登場しただけで感動しないで・・・見てて悲しくなるから。
「喰らえ!白馬キーック!!」
いきなり大技!?・・・・・だからなんでキックって言葉知ってるの!?
案の定白馬キックは躱され、仮面白馬は地面に落っこちた。
「・・・ナニガシタイノダ・・・貴様ハ・・・」
仮面白馬は妖術使いに踏みつけられ起き上がる事が出来ない。
ガンバレ仮面白馬!・・・・・なんか絵面がエロいな。
「チクショウ!どけっ!離せっ!!うわあっ!胸踏むなバカっ!!」
「「「この野郎!白蓮に何しやがるっ!!」」」
「私は仮面白馬!決して白蓮という者ではっうひゃあそんなとこ踏むなぁあ!!」
仮面白馬・・・見上げた根性だが、これ以上は我慢できない!
「「「今助けに」」」
「待てっ!天の御遣い殿!!」
その声は上から聞こえてきた。
見上げた先から白い影が飛んできて、見事に妖術使いを蹴り飛ばした。
大きく飛ばされ地面を転がる妖術使い。
対して白い影は蹴りの反動を利用し銅鏡の上に飛び移った。
「仮面白馬とやら!前座ご苦労っ!」
「前座じゃなあぁい!!」
仮面・・・・・なんで直ぐに思い出さなかったんだ・・・。
「正義の華を咲かせるために
愛しき大地を守護するために
美々しき蝶が悪を討つ!」
陽光を受けて輝くその姿は・・・。
「我、混沌の街に美と愛をもたらす
正義の使者!
華蝶仮面っ!!見参っっ!!」
「な、なんて美しい
感嘆の声を上げる華佗。
やはり仮面を付けると凰羅や気配が変わるのが正体を判らなくする仕組みなんだろうな。
「あ~あ、やっぱりこんな展開になったか・・・」
「「緑!?華蝶仮面は以前から現れてたのか?」」
「あぁ、丁度徐州に引っ越した時に蔵の掃除してたら見つけたみたいでさ。しかも今は・・・」
「華蝶仮面二号改め!
「同じく巫女華蝶!!見参っ!!ふんぬううぅぅう!!」
「こんな感じだ・・・後二人いるけど。」
貂華蝶の仮面は二号の時と同じ赤、巫女華蝶はピンクだった。
「俺はアレのために時間を稼いでたのか・・・」
「緑一刀!あの三人までこの非常時に何遊んでるのよ!?」
華琳には遊んでいるように見えるんだな・・・・・まあそうとしか見えないか。
「まあまあ、ここは華蝶仮面に任せてみてよ。」
緑のやつ余裕が出てきたなぁ。
「関雲長!普段大きな事を言っておきながら情けない。修行が足りんのではないか?」
「・・・また新しい女が三人も・・・ご主人様・・・最早一刻の猶予もございません・・・私と一緒に死んでください・・・」
三人?まさか今の愛紗には貂蝉と卑弥呼が女性に見えているのか・・・?
「ふ、聞こえておらぬか・・・・・貂華蝶!巫女華蝶!妖術使いの押え、頼んだぞ!!」
「承知!」
「任された!」
「「「とーーーーーーーーーう!!」」」
見事なユニゾンでジャンプする三人。
貂華蝶と巫女華蝶は妖術使いを挟んで着地。
星華蝶は恋と雪蓮、祭さんの下に舞い降りる。
「普段の力が出せぬお前たちなど、今の私には敵わんぞ!!」
そう言って愛紗、思春、春蘭、霞、翠、沙和の六人の間を駆け抜けると、六人がその場に崩れ落ちた。
「安心しろ、峰打ちだ。」
「・・・・・ちょっと星、何?その動き・・・」
「私は趙子龍という美少女槍使いではない!華蝶仮面の頭首!星華蝶!!」
いろいろツッコミ所満載な返しに雪蓮は疲れた顔で
「はあ・・・」
とだけ答えた。
「(恋、今の内に準備してこい・・・)」
「・・・・・うん、わかった。」
恋がトコトコと俺たちの方に近づいて来る。
「・・・・・・ご主人さま、手伝って。」
残りの二人の内、一人は恋だったか。
「え~と・・・みんなから見えないように隠せばいいんだな。」
「うん♪」
俺たち三人で恋を取り囲み、その中心で恋は取り出した仮面を装着する。
「・・・・・・でゅわ・・・」
「残りの操られている者も今は寝ていてもらおうか!奥義!華蝶の舞!!」
その技の名の通り、優美な舞の如き攻撃に凪、季衣、明命、稟が気を失った。
稟だけ倒れるとき鼻血を大量に噴いていたが、星華蝶が何やら耳元で囁いた直後の出来事だったので、見ていたみんなは何が有ったのかは察していた。
「さて、残るは龐統。そなただけだ・・・・・今度は楽しい夢を見るとよい。」
星華蝶は右手の人差し指で雛里のおでこに軽く触れると、雛里はゆっくりと目を閉じて静かな寝息をたてて朱里にその体を預けた。
おお!初めてそれらしい技を見たぞっ!!
「(朱里、おぬしも準備を・・・)」
「(はわわ・・・やっぱりやらないとダメなんですね・・・)」
「(早くしないと敵がまた隠れる。急げよ・・・)」
朱里は大きく一つため息を吐いた後、キョロキョロと辺りを見回し、結局恋と同じように俺たちの所へやって来た。
「・・・あのぉ・・・ご主人さまぁ・・・」
最後の一人は朱里か・・・・・なんか巻き込まれたっぽいなぁ・・・。
「分かった・・・・・頑張れよ・・・」
あまり慰めになってないかも知れないが一言励ましてあげる。
「・・・でゅわっ・・・」
それデフォルトなんだ・・・。
「貂華蝶!巫女華蝶!待たせたな!!」
「「おう!」」
妖術使いを牽制していた二人がジャンプして戻ると、五人の華蝶仮面は一列に整列した。
「行くぞ!みんな!!」
「「「おう!!」」」
「・・・・・おー。」
全員が一歩踏み出し構えを取る。
「天知る!」
「神知る!」
「我知る!」
「子知る!」
「悪の蓮花の咲くところ!」
「正義の華蝶の姿あり!」
「煌めく知謀!朱華蝶!」
「・・・・・・・おなかすいた・・・」
「こ、恋華蝶!」
「艶めく踊り子ぉ!貂華蝶!」
「恋の預言者!巫女華蝶!」
「
「か弱き華を守るため!」
「華蝶の連者!」
「五人揃って!」
「・・・・・・・・ただいま・・・」
「「「「参上っ!!」」」」
「・・・・・・さんじょう・・・」
ドドオオォォン!!
華蝶連者の背後が派手に爆発し、五色の煙が舞い上がった。
「えらく凝ってるな・・・・ってあれ真桜の煙玉じゃないのかっ!?」
「え?そうなのか?どこから入手してるのかと思ったら・・・」
「・・・一刀、後で真桜を連れて来なさい・・・」
うぅ、華琳の頬がピクピクいってる・・・。
「・・・コレガ伝説ノ華蝶仮面・・・・・我ラノ悲願達成ノ為、ココデ葬ッテクレル!」
ええ?華蝶仮面にそんな歴史があったの!?
ん?音楽が聞こえてきたけど・・・。
『星華蝶さまーっ!ちぃ達からの応援だよーっ!!』
更にマイクを通したちぃの声が。
(*注:ここでキャラソン「夢うつつ」とサウンドトラック天下三琴の「華蝶見参!」を聞くと盛り上がります)
「かたじけない!可憐な少女よっ!!」
「・・・・・おーい、ちぃ。」
『何?一刀?』
「事務所の取り分は四な。」
『えーっ!?二、いえ、せめて三にしなさいよっ!!』
「やっぱりギャラ取ってたのかっ!」
『あ・・・謀ったわね、一刀!』
「俺に黙って仕事受けるなって言ってるだろ!」
『卑怯!横暴!減った分は私達とでーとして補えっ!!』
またマイクを通してそんなコトを・・・街の外に待機させてる兵達にも聞こえてるんだろうなぁ・・・・・。
「仮面白馬とやら、もしよかったら我らと共に悪を討とうではないか!」
星華蝶が手を差し伸べている。
「・・・・・あぁ!共に戦おう!星華蝶っ!!」
「なんならこのまま華蝶連者に加わってもいいのだぞ。」
「私も華蝶連者に!?・・・・・ちょっと待てよ、その場合名前はどうなるんだ?」
「やはり白馬華蝶だろうな。」
「・・・・・・・・」
「(ぷぷっ・・・・・白馬鹿長・・・)」
今の声はたんぽぽか?
「・・・仮面白馬のままでいいです・・・」
星華蝶と仮面白馬がそんな会話をしている間も戦いは続いていた。
「「
貂華蝶と巫女華蝶の放った気が妖術使いを挟み込む様に攻撃する。
「グオオォォオオ!我ガ障壁ガ破ラレルダト!!」
パリイイィィイイイン!
ガラスを割るような音が響き妖術使いを守っていた何かが砕け散った。
「さあ朱華蝶!あなたの出番よぉん!」
「頼んだぞ!策士孔・・・もとい朱華蝶!!」
言われて前に出る朱華蝶。
「五胡の妖術使い!あなたの術は見破りましたっ!!」
手に持った羽毛扇で妖術使いを指す。
「ナンダト・・・」
「手に持つ水晶玉、巨大な銅鏡、更にもう一つ!この街の建物の配置がひとつの妖術陣を形成していたんです!つまり!」
ドコオオオォォンン!!
大音響と共に楡中の中心に在った城が吹っ飛んだ・・・・・おい、やりすぎじゃないのか?
「こうなるともう幻術は使えません!次はこちらの番ですよ!!」
朱華蝶は羽毛扇を振ってクルクルと回りだし・・・え?ちょっと?なんかキラキラしたエフェクトがっ!?
「華蝶奥義!
えぇえええぇぇ!?違う!俺の知ってる奇門遁甲と全然違ううぅぅう!!
朱華蝶の羽毛扇から放たれたキラキラが妖術使いを包んだ!
「ナ、ナンダ!ココハドコダ!?」
どうやら奴は幻を見ているようだ。
「今です!みなさんっ!!」
「「とーーーーーーうっ!!」」
「・・・・・・とーーーー。」
ジャンプした三人の華蝶仮面。
貂華蝶と巫女華蝶は銅鏡の所に着地し、二人で銅鏡を台座ごと持ち上げた。
「ふんぬうううぅぅぅううっ!!」
「どっせえええぇぇぇぇぇええいっ!!」
持ち上げた銅鏡を放り投げ・・・・・銅鏡は星になった・・・・・最初からこうすれば良かったんじゃないのか?・・・いや、もしかしたら素人には解らない理由で出来なかったのか?
恋華蝶は妖術使いの所に着地し
「・・・・・えい。」
方天画戟で水晶玉を両断した。
「よくやったみんなっ!!ではトドメだっ!!」
星華蝶の号令の下、全員が一箇所に集まりポーズを極める!
「「「「必殺!華蝶旋風ぅうっ!!」」」」
「・・・・・せんぷう。」
朱華蝶を残し四人が消えた・・・いや動きが早くて俺の目じゃ追いつけないんだ!
その証拠に妖術使いは明らかにダメージを負っている。
こりゃあ流石に朱華蝶には無理か。
そして再び四人の姿が見えた時、五人は見事な五角形の頂点に立っていた。
「成敗っ!!」
「グアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
チュドオオオオオオオオオン!!
ば、爆発したっ!?
火薬独特の匂いがしないから爆薬を使った訳じゃないみたいだ!
妖術使いって生身の人間だよね!?どうなってんの?
「「「「正義は勝つっ!!」」」」
「・・・・・正義はかつ!」
「星華蝶様!カッコイイーーー!!」
「恋華蝶さまーーーー!!」
たんぽぽとねねが喝采を送っているが・・・・他のみんなは呆気に取られているか頭を抱えているか、苦笑しているかの何れかだった。
ここにきて気が付いたけど、妖術にかからなかったみんなは華蝶仮面や仮面白馬の正体を最初に見た時から分かっているんじゃないのか?
「天の御遣い殿、困ったことがあればまたいつでも頼ってくだされ。ではさらばっ!」
「はぁい、仮面白馬ちゃんも一緒にいくわよぉ。」
「え?ちょ・・・」
「「「とうっ!!」」」
「・・・とう。」
華蝶連者はジャンプすると建物の向こうに消えて行った。
ちなみに朱華蝶は恋華蝶に背負われ、仮面白馬は貂華蝶に抱えられて。
『こうして正義は守られた!ありがとう華蝶連者!ありがとう華蝶仮面!ありがとう星華蝶さま~ん!』
「・・・・・ラストのナレーションまで契約に入ってたんだ。」
「・・・・・うぅ・・・ここは・・・」
「お、愛紗が目を覚ましたぞっ!!」
俺たち三人と華琳、雪蓮、冥琳、詠が見守る中、愛紗は寝台の上でゆっくりと目を開けた。
「気分はどう?愛紗。」
「華琳殿・・・・・それにご主人様・・・お三方とも・・・・・」
「気分が優れないなら無理に起き上がらなくてもいいのよ、愛紗。」
「雪蓮殿・・・かたじけない。気分は・・・悪く無いのですが・・・」
「悪夢を見たのだろう?うなされていたからな・・・」
「冥琳殿も・・・・・はい・・・とても恐ろしい夢で・・・」
「どんな夢かは言わなくていいわよ。はい、お水。飲むと落ち着くわよ。」
「詠・・・すまない・・・ここは・・・?」
「楡中の街にある屋敷だ。無人だったからとりあえず使わせてもらってる。」
俺たちは愛紗が落ち着くのを待ってから話し始めた。
「愛紗は眠る前の事をどこまで覚えてる?」
「はい・・・・・楡中の街に入り、直ぐに何やら強い光が・・・・・その後は・・・」
「うん、直前までの記憶ははっきりしてるな。あの光、五胡の妖術だったんだ。」
「そうなのですか!?」
「えぇ、あなた以外にも多勢やられたわ。」
「それでその妖術使いは!!」
「華蝶仮面達が倒してくれたよ。」
「あやつらが!?・・・・・く・・・借りを作ってしまったか・・・」
愛紗はとても悔しそうに呟いた。
「ねえ愛紗。あなた華蝶仮面の正体に心当たりは無いの?」
「・・・はい。皆目見当も着きません。何時か捕えてあのふざけた仮面を取ってやろうと思っていましたのに・・・」
「(な、言った通りだろ?)」
「(本当ね・・・驚いたわ・・・)」
「(妖術と仮面・・・どういう因果関係が有るのだろうな?)」
「(こりゃ思春と明命も華蝶仮面の正体を見破れないってことなのね・・・妙な騒動の種になりそうだわ)」
「(いや、もう既になってるから・・・)」
これで仮面の力も納得してもらえたみたいだな。
妖術にかからなかったみんなに、仮面の戦士達の正体に気付いているかこっそりと確認したところ、やはり全員が気付いていた。
蜀の子達と俺たちが、愛紗を始め妖術にかかったみんなが華蝶仮面の正体に気付けないと説明しても華琳なんかは納得できなかったのでこうして確かめた訳だ。
「首脳陣がこんなところにお揃いとは・・・おぉ、愛紗も気がついたか。」
「星・・・お前は無事だったのか?」
「ふふ、おぬしとは精神の鍛え方が違う・・・と言いたいところだが、妖術使いには手も足も出ず華蝶仮面にいいところは持っていかれた。」
「そうか・・・・・修行をし直さねばな・・・・・」
落ち込む愛紗だが、今の会話を見ていた華琳達は実に微妙な顔をしていた。
「主、皆も目を覚まし始めております。今華佗が元気になる鍼を施しておりますよ。」
そういえばさっきから
「げ・ん・き・に・なあぁれえぇぇええっ!!」
この熱い声が聞こえてきてたな。
「お兄ちゃん!愛紗は!?・・・あ、よかったぁ。愛紗も目を覚ましているのだ♪」
「り、鈴々ちゃん・・・だから・・・大丈夫って・・・言ったじゃないですかぁ・・・」
部屋に飛び込んできたのは鈴々と朱里。
朱里は鈴々を追っかけて来たみたいだけど、ちょっと走っただけで息が切れるとは、結構疲れてるみたいだな。
「お兄ちゃん!華蝶仮面が出たって本当!?」
「あぁ、しかも今回は朱華蝶も活躍したんだぞ!」
緑が朱里をちらりと見ながら笑って言った。
「そうなの!?朱華蝶もやるときはやるのだなぁ・・・」
「えへへ、それほどでも・・・ひゃうっ!」
朱里を突っついて注意してやる・・・正体隠してるんだろう。
「ほう、あのちっこいのは名乗りだけかと思っていたが、妖術担当だったのか。」
愛紗は気がつかなかったみたいだな。
「・・・華琳さま・・・兄ちゃん・・・」
「ん?」
「あら、季衣。もう大丈夫なの?」
部屋の出入口の影から季衣がこっそり覗いていた。
「は、はい・・・ごめんなさい。大事な時に寝ちゃってて・・・ボク・・・」
「気にしないでいいのよ季衣。予め対策をしてなかった私に責任があるのだから・・・ごめんなさいね、無事でよかったわ。」
「そ、そんな華琳さまっ・・・・・ん?なんでちびっこがここに居るんだよっ!」
「ここは愛紗の部屋だからなのだ!このぺたんこ春巻き!!」
「こらこら、愛紗はまだ本調子ではないのだぞ。喧嘩なら表でしろ。」
うわ!星がまともな事言ってる!!
グウウウゥゥゥゥ・・・・
盛大なお腹の音が鈴々と季衣から聞こえてきた。
「にゃはは・・・安心したらお腹が空いたのだ。」
「えへへ・・・ボクも・・・」
「流琉が恋のために食事を作っているから、一緒に食べてきなさい。」
華琳が優しい笑顔で言った・・・・・なんか華琳が変わってきてる気がするな。
「・・・鈴々もいいの?」
「あら?食べ物の遠慮なんて鈴々らしくないわよ♪」
「ありがとうなのだ!華琳お姉ちゃん!鈴々無性に肉まんが食べたいのだ!!」
「あ!まてぇ!!ボクはラーメン!絶対ラーメンっ!!」
二人の食いしん坊が慌ただしく部屋を後にした。
「元気だな・・・あの二人は・・・」
「愛紗も華佗に鍼を打ってもらえば直ぐに回復するって。」
「順番に回ってるみたいだからもう少し待っててくれよ、愛紗。」
「は、はい・・・紫と赤のご主人様も心配して下さって・・・ありがとうございます。」
しばらく離れてたから弱々しい愛紗ってのも新鮮に感じるな。
「それじゃあ私は他の子の様子を見に行くから失礼するわ。また後でね。」
そう言って華琳も部屋を後にした。
そういや桂花は縛られたまま部屋に運ばれてたけど・・・・・深く考えないようにしよう。
「私も思春と明命の様子を見に行って来るわ。祭に任せっきりじゃ後で文句言われちゃうしね♪じゃあね愛紗♪」
雪蓮は出て行ったが冥琳は俺たちと残っていた。
「さてと愛紗。すまんが北郷を三人とも連れて行くぞ。少々今後の事を話し合わねばならんのでな。」
「い、いや・・・役に立てなくてスマン・・・」
「気にするな。詠、朱里、星、愛紗の事を頼んだぞ。」
「えぇ、任せておいて。」
「は、はい!」
「うむ、任された!」
という訳で、俺たち三人は冥琳に連れられ部屋を後にした。
城を爆破してしまったから、街にある大きな屋敷を本陣と救護所として使わせてもらったけど、結構でかい屋敷だな、ここ。
愛紗の部屋を充分離れてから冥琳が話し始めた。
「妖術使いとは、厄介なのが出てきたが・・・対処法が見つかるまでは華蝶仮面と仮面白馬に頼るしかあるまいな。」
「でもあの鏡が無くなったから、今日みたいな大掛かりな術はもう使えないって貂蝉と卑弥呼が言ってたぞ。」
「小規模でも暗殺などでこられる可能性もある。」
冥琳が爪を噛んでる。
そういえば赤がこの癖が出るときは相当悩んでるって言ってたな。
「う~ん・・・張三姉妹に相談してみようか?妖術使いに最初に気付いたのもあの三人だし。」
「そうなのか?・・・ふむ、護符などを作れるようなら助かるな。」
「それでも妖術使いが出てくれば、やっぱり星達に頼らないと駄目だろうな・・・」
「事は急を要する。出来ることを直ぐに始めるぞ!」
俺たちは冥琳に連れられ張三姉妹の下に向かった。
第二、第三の妖術使いが来た時は頼むぞ華蝶仮面、そして仮面白馬!
まさか仮面の戦士達をここまで頼る日がこようとは・・・。
それに仮面白馬。
このままじゃ当馬仮面とか呼ばれちゃうぞ・・・・・頑張れ!
あとがき
ついに登場した仮面の戦士
仮面白馬はかなり可哀想な役回りになってしまいましたが
今回のメインは華蝶連者なので
いつか機会があればその時に頑張って貰いましょう。
朱華蝶の活躍
一人だけ魔法少女テイストですw
いつかきっと一刀が専用コスチュームを作ってくれるでしょうw
妖術にかかった人達
今回の設定で華蝶仮面の正体を見破れない人達ということにしましたが
原作で見破れないのは翠、愛紗、鈴々、雛里、思春。
今回この場に居なかった桃香、焔耶、璃々、小蓮もそうですね。
春蘭、霞、季衣、凪、沙和、桂花、明命は
見破れなさそう、もしくは見破れない方が面白そうという理由で選抜しました。
蓮華も見破れない気がしませんか?
見せられた幻覚
一刀に殺意を抱く夢を見せる術・・・のはずなのですが
何人か欲望や妄想の方が勝っている子がいますw
五胡の妖術使いは個人がどんな悪夢を見たかまでは把握していません。
ちなみに伏字の部分は文字数を気にせずお好きな単語や文を入れてお楽しみくださいw
次回か次次回で五胡編に決着を着けたいとおもいます。
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大幅加筆+修正となっております。
お待たせしました!華蝶仮面の登場です。
今回サブタイトルを付けると「華蝶仮面 楡中の大決戦」ですw
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